著者
大上望 蔡東生
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.13, pp.73-77, 2005-02-07

近年、コンピューターの発展が目覚しく、それに伴ったコンピューター・グラフィックスの進歩も目覚しい。その一例がバーチャル水族館である。しかし、いくら映像表現が美しいといっても、その動きを作り出すのは、人がその経路の設定をしてやり、その中での振る舞いをいちいち指定しなければならない等、人の手に頼らなくてはならない部分も多いのが現実である。一般的に生体の群れの動きをシミュレーションするアルゴリズムに(そのような水族館を実現するアプローチには)レイノルズにより提案されたBOIDがある。本研究では群れの中のそれぞれの魚に対しての加速、減速、方向転換の動きに注目する。本研究での手法としては以下のとおりである。1、泳動数を用い、魚の遊泳能力に見合った個々の魚の体の動きの振動周波数を得る。2、逆運動学を魚に適応させる。In recent years, the advancements in computer and computational techniques have made significant improvement in computer graphics. One of their applications is the virtual aquarium. Although an image expression is beautiful there are many works which must be dare by creators' hand. Creator have to set up the courses and making the motions. The general approach for making CG of achooling fish is Boid (Bird-oid) algorithm proposed by Reynolds. This research focus on the generation of swimming motion such as acceleration, deceleration, turns of each fish in their school. The method proposed in this work is outlined as follows:1.We obtain the migration value that indicates the swimming ability of a fish based on a simple swimming theory. 2.Inverse kinematics is applied to the fish motion.
著者
松浦 健一郎 村井 均 末広 謙二 妹尾 義樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.1420-1429, 2000-05-15
被引用文献数
3

データ分割は分散メモリ型並列計算機向けにプログラムを並列化する際の重要課題である.本稿では,Fortranプログラムにおいて自動的にデータ分割を行う手法を提案する.本手法の利用によりユーザは容易にFortranプログラムを並列化できる.本手法の特徴は,配列アクセス情報を基にループを効率的に並列化するデータ分割の候補を作成し,コントロールフローグラフを基に通信オーバヘッドを抑制するデータ分割を選択することによって,プログラム全体として良好な並列実行性能を達成するためのデータ分割を高速に決定することである.本手法は短時間で複数手続き間にわたるデータ分割を行えるので,高速性を活かした対話的なチューニング作業が可能である.今回本手法を実装し,Fortranプログラムを並列化して,実行時間を計測した.その結果,自動データ分割に要する時間が短いにもかかわらず,同等のMPIプログラムに近い実行速度と台数効果が得られた.Determining optimal data layout is very important for parallelizing programs on distributed-memory parallel computers.This paper describes a new algorithm of automatic data layout of Fortran programs.The algorithm enables users to parallelize Fortran programs without difficulty.It generates candidates of data layout for efficient parallelization of loops from access patterns, selects data layout to reduce communication overheads, and determines data layout all over the program to achieve good parallel execution performance.It can quickly determine data layout over multiple subroutines, thus it enables interactive tuning cooperating with users.It has been implemented, and evaluated by parallelizing several Fortran benchmark programs.Execution time and scalability of the benchmarks has been close to those of MPI alternatives.
著者
春山 敬宏 水野 伸太郎 山田 孝二 水野 修
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.116, pp.1-6, 2006-11-09

本論文では,家庭内LANでのみ行われていたUPnPやDLNAによるプラグアンドプレイを遠隔の家電やサーバとも行えるようにする,情報家電遠隔連携サービスを提案する.同様のサービスを実現するための関連研究として,VPNトンネリング方式やUPnPプロキシ方式が提案されているが,それらはVPNやプロキシ接続前の認証をPC上でのユーザ情報登録などで行っており,実際に接続する家電端末上での認証方式を検討していなかった.そこで,我々は家電のDLNAクライアントソフトウェアのユーザインタフェースで簡単に行え,かつ外出先のLANから自宅のLANに接続する場合でも携帯電話を使って安全に行える認証方式を明らかにし,それを実装したシステム上で方式の確認を行った.We propose an authentication method that can be used through a content viewing interface such as the DLNA client on home appliances. Services that connect digital home appliances to another home LANs or to the servers over the Internet using VPN or UPnP proxies has recently been proposed, but an user authentication for these services still require users to operate computers to send their identities. Our method does not require users to input any information on the appliances and thus can be easily used over the DLNA client and provides consistent interface for home appliance users. Moreover, since we use a mobile phone to authenticate users, it is safe to be used even in the remote location. We show operations of the method using a simple prototype system.
著者
松尾 勝郎
出版者
成城大学
雑誌
紀要 (ISSN:02857782)
巻号頁・発行日
no.18, pp.1-25, 1987-03
著者
田端 利宏
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.464-468, 2006-10-01
被引用文献数
12

電子メールの普及に伴って,SPAMメールと呼ばれる受信者の意図を無視して大量に送りつけられる電子メールが増加し,問題になっている。そこで,SPAMメールをうまく排除できる電子メールのフィルタリング技術が注目されている。特に,電子メールのフィルタリング技術の中でも,ベイジアンフィルタは,判定精度が良く,注目されている。ベイジアンフィルタは,ベイズ理論を応用したもので,受信者が過去に受信した電子メールの特徴を学習し,学習したデータに基づいて,新たに受信したメールがSPAMメールかどうかを判定する。本稿では,ベイジアンフィルタについて,学習と判定の仕組みを中心に解説する。
著者
矢吹 聡一 水谷 文雄 平田 芳樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.127, pp.7-10, 2002-06-13

フェロセン修飾ポリアリルアミンを次のように作製した;ポリアリルアミン溶液中にフェロセンカルボアルデヒドを加え,反応させた.未反応のフェロセンを除去するため,濾過,透析を行い,水素化ホウ素ナトリウムでシッフ塩基を還元した.このフェロセン修飾ポリアリルアミンと,ポリスチレンスルホン酸(あるいはDNA)とアルコールオキシダーゼをグラッシーカーボン電極上に滴下し,乾燥させて,酵素固定化電極を得た.この電極に+0.6V vs. Ag/AgClの電位を印加して,メタノールに対する電流応答を測定した.ポリアニオンとしてDNAを用いると,メタノール添加時に酸化電流増大が観察され,膜中で酵素,メディエーターが機能していることが明らかになった.
著者
小川 博司
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.17-30, 1980-12-31
被引用文献数
1

匿名性は、社会と個人の問題を、根源的に提示する概念である。何故ならば、社会とは、固有名をもった個人が、匿名的な存在となるところに存立すると考えられるからである。A・シュッツの匿名性の概念は、この問題を考える際に、示唆に富んでいる。<BR>シュッツは匿名性の様々な程度を照射する虚の光源としてわれわれ関係を想定する。われわれ関係は、相互的な汝志向を基盤とし、そこでは他者は、時間・空間の直接性のうちに経験される。シュッツによれば、他者を間接的に経験すればするほど、他者の匿名性の程度はより高くなるとされる。尚、時間・空間の直接性は、われわれ関係の成立のための必要条件ではあるが、十分条件ではない。シュッツの匿名性の概念は、次の諸相に分節化される- (1) 機能的類型として匿名性、 (2) 「知られていない」という意味の匿名性、 (3) 社会的世界の構成原理としての匿名性、 (4) 所与の社会構造のもつ匿名性。<BR>(1) (2) は、個人としての他者の経験に関連する。 (3) (4) は、社会制度、言語、道具など、匿名性の高い領域に関連する。それらは、一方では匿名化による構成物であり、他方ではわれわれ関係の舞台に配置されている諸要素でもある。シュッツの理論では、 (3) と (4) は、匿名性とわれわれ関係という二つの鍵概念により結合されている。<BR>以上の匿名性の分節化は、社会の存立の考察、また現代社会の諸問題の考察に有用であろう。<BR>匿名性 (anonymity) という概念は、社会学においては、従来、主に大衆社会論的文脈の中で、都市社会やマス・コミュニケーションにおける人間関係の特徴を表わすものとして用いられてきた (1) 。しかし、匿名性は、社会と個人、もしくは類と個の問題を、より根源的に提示する概念であるように思われる。何故ならば、社会とは、固有名をもった人間個体が匿名的な存在となるところに存立すると考えられるからである。本論文は、主にA・シュッツの匿名性の概念の検討を通して、現代社会において、個人と社会とが絡み合う諸相を解き明かすための視角を提出しようとする試みである (2) 。<BR>以下、具体的には、シュッツが匿名性の程度を示すためにあげた例示の検討を通して、順次、匿名性の諸相を抽出し、検討していくことにする。
著者
岡野 一郎
出版者
東京農工大学
雑誌
東京農工大学人間と社会 (ISSN:13410946)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.25-39, 2003-08-29

Anonymity, once a notable feature of cyberspace, is now threatened by technology and politics of surveillance. We are now entering the post-anonymity era of cyberspace, where our personal information can be easily exploited by other people or institutions. We always think of interactivity of the Internet as beneficial to us. We must be aware, however, that electronic interactive communication can be sometimes very dangerous because governmental agencies or businesses can easily collect our personal information through such interactivity. Most of our personal information is in a sense not personal. It is shared and supported by friends, families and many other communities around us. We need an equivalent of such layered network in the cyberspace to protect our personal information in the era of post-anonymity.
著者
横尾 真 ビンセントコニッツァー トゥオマスサンドホルム 大田 直樹 岩崎 敦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.1451-1462, 2006-05-15

提携を結ぶということは,自動化された利己的な主体(エージェント)の持つ重要な性質である.エージェント間の提携が成立した場合,我々は提携を結んだエージェントの集合が得た利得をどのように分配するかを考える必要がある.協力ゲーム理論はこの利得の分配法について研究してきており,(シャープレイ値やコア,最小コアや仁といった)様々な解概念が提案されてきた.本論文ではこれら既存の解概念が,インターネットのような匿名の開環境の下でエージェントが行える操作に対し,脆弱であることを示す.匿名の開環境ではエージェントは架空名義の利用,共謀,能力の隠蔽といった操作が可能となる.我々はこれらの操作に頑健な新しい解概念である匿名操作不可能コアを提案し,この解概念を特徴づけるいくつかの公理的な条件を示す.また匿名操作不可能コアの条件を緩和した解概念として匿名操作最小コアを提案し,この解概念がつねに非空であることを示す.Coalition formation is a key aspect of automated negotiation among self-interested agents. In order for coalition to be stable, a key question that must be answered is how the gains from cooperation are to be distributed. Various solution concepts (such as the Shapley value, core, least core, and nucleolus) have been proposed. In this paper, we demonstrate how these concepts are vulnerable to various kinds of manipulations in open anonymous environments such as the Internet. These manipulations include submitting false names (one acting as many), collusion (many acting as one), and the hiding of skills. To address these threats, we introduce a new solution concept called the anonymity-proof core, which is robust to these manipulations. We show that the anonymity-proof core is characterized by certain simple axiomatic conditions. Furthermore, we show that by relaxing these conditions, we obtain a concept called the least anonymity-proof core, which is guaranteed to be non-empty.
著者
佐藤充 森 辰則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.124, pp.113-120, 2006-11-23

質問応答の回答としても字による解だけでなく画像や地図も表示できるシステムを提案する.既存の質問応答システムと画像検索,ジオコーディング,地図APIを組合せ、物に関する質問に対しては画像を,場所を問う質問に対しては地図を表示する.質問応答の解に対応する画像などに曖昧性があっても,質問文に含まれる情報を用いて適切なものを絞り込める.評価実験によれば,質問応答の解が正しかったときに,画像は0.70,地図は0.85の精度で適切なものを表示できることが分かった.また,正解が複数存在するリスト型の質問においては,ユーザは並べられた画像を見ることでそれぞれの解を比較できたり,ひとつの地図上でそれぞれの解の位置関係を把握できるというように,質問応答システムにおける新しい回答の提示方法を示した.We propose a system that can display not only the answer string of a given question but also images or maps related to ths answer. The system consists of an existing Q/A system, an image search engine, a geocoding engine and a map API. Images are displayed when the question is about things like an animal, a plant or a person. Maps are displayed when the question is about place. Appropriate images or maps are selected by using the information in the question sentence even if the answer string is related to several different types of images or location. The experimental results show that the accuracy of fisplaying images is 70 percent, and that of displaying maps 85 percent under the condition that answer strings are collect. Moreover, we show a new method that presents a result of the list-type question-answering on a display simulataneously. A list-type question may have two or more correct answers. Using the method, a user can compare the answers by seeing listed images, or a user can tell the positional relation among the answers by seeing a map in which all answers are marked.
著者
元村 直靖 石橋 正浩 瀧野 揚三 岩切 昌宏 下村 陽一
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. IV, 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.151-165, 2005-02-21

オーストラリアにおける学校危機への対応について調査を行った。その結果,アメリカのシステムと比較するとオーストラリアのシステムは中央集権的であり,学校に基盤を置いた危機チームの制度はあるものの,資源や訓練は限られたものになっている。日本においても,早急に,実状にあった学校危機管理システムの構築が必要であると考えられる。
著者
渡辺 潔
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.97-101, 2003-03-11

複数の関連性の無いプロジェクトをPMとして同時に管理する場合, 全てのプロジェクトに対してその進捗状況, リスク等にきめ細かく目を配る事は難しい。まして, 10件を超えるプロジェクトを同時に管理する事は現実的に大変困難である。このような複数のプロジェクトを効率的に管理し, 進捗状況・リスクを的確に把握し, 適切なプロジェクトマネジメントを行うために, 現在実践しているプロジェクトマネジメント手法並びにその考慮点を示す。
著者
本庄 勝 森川 大補 小塚 宣秀 山口 明 大橋 正良
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.444, pp.55-60, 2004-11-12

ユビキタス社会の一つのシナリオとして,ユーザは実世界環境から個人に関わる情報を生活の中で収集することが可能になり,携帯端末はひとつのゲートウェイになって稼動するものと考えられている.これまでに我々は,そうした個人や周りの環境の情報に関する情報を個人環境プロファイルと定義し,統合的に収集管理活用するための個人環境プロファイル活用ブラットフォームを構築してきた.個人環境プロファイル情報はユーザの備忘録としてみることができ,近年注目されているweblogユーザの生活のログを残す性質とも似ている.そこで本論文では, weblogをベースとした可視化ツール(Profile Blog)の実装について検討報告を行う.