著者
中口 譲 池田 善紀 濱屋 心 朝倉 知也
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.227-241, 2016-09-25 (Released:2016-09-25)
参考文献数
23

High pH values of 9.65 and 10.1 were observed in the Amano River, Osaka Prefecture in 2013 and 2015. On the other hand, the high pH values were not recorded in 2014. This basification was observed under conditions of high water temperature and high dissolved oxygen concentration. From the results of pH, dissolved oxygen, nitrate+nitrite, phosphate and total alkalinity, we confirmed that this basification might be due to decrease of carbon dioxide by photosynthesis in the Amano River. The changes of pH value in the river water might be affect the speciation of trace metals. Concentrations of dissolved species of aluminum, chromium and copper were increased with increase of pH value, while those of dissolved species of nickel and zinc were decreased with increase of pH value. From the positive correlation between the relative fluorescent intensity of dissolved organic matter and the concentrations of nickel and zinc we confirmed that these elements might be dissolved as metal-fulvic acid complex within the observed pH range.

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著者
東京国立博物館 編
出版者
東京国立博物館
巻号頁・発行日
no.367, 1981-10
著者
栗原 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.AGI-022, pp.19, 2022-11-15 (Released:2022-11-15)

大規模言語モデルの登場は画像生成AIの高性能化を実現し,世間を多いに驚かせているものの,これによりAI研究が完結するわけではなく,System1側の能力を向上させたに過ぎず,完成したAIとしての汎用AI実現にはSystem2の実現と統合が必要であり,System2の実現においても大規模言語モデルの登場は極めて重要である.ただし,人を超える汎用AIの実現には大規模言語モデルでも不十分であり,この部分について議論したい.
著者
藤嶋 誠 樫原 圭蔵 河本 道生
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2006年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.541-542, 2006 (Released:2007-03-04)

高速高精度な工作機械のなかで回転軸をもつ横形マシニングセンタや複合加工機においては、高速高精度な回転駆動機構を設ける必要がありダイレクトドライブモータを用いられる例が増えてきている。本論文ではこのような機械に用いられるダイレクトドライブモータの開発について研究し、開発したダイレクトドライブモータを搭載しその効果を検証する。
著者
三浦 美奈子 井上 智子
出版者
一般社団法人 日本がん看護学会
雑誌
日本がん看護学会誌 (ISSN:09146423)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.14-22, 2007 (Released:2017-02-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1

要 旨本研究の目的は,食道がんに罹患し3領域リンパ節郭清を伴う食道切除再建術を受けた患者が,手術後の経口摂取開始時から退院後早期までの時期に直面する食の再獲得の困難を明らかにし,その過程を支えるために必要な看護支援について検討することである.胸部食道がんにより右開胸開腹胸部食道切除胸壁前胃管再建術を受け,経口摂取が開始された患者9名を対象とした.面接と参加観察によりデータを収集し,得られたデータを質的帰納的に分析した.分析の結果,食道がん術後患者の食の再獲得の困難を表すカテゴリーとして,【食べるまでに非常な労力を要する】【嚥下・消化・吸収のすべてに苦労する】【不快な症状の予測・対策・対応ができない】【不快な症状により生活に影響が生じる】【食べたいのに食べられない】など,9つが導き出された.そして,食の再獲得の困難の構造は,〔食の構え〕〔不快な症状の出現と予測の困難さ〕〔食がもたらす生活基盤の混乱〕〔食の喜びの喪失〕の4つの部分から構成された.これらのことから,食の再獲得を促すための看護支援として,症状アセスメントに基づいた看護ケア,自分らしい食の構築,新たな楽しみの獲得と人生の創造に向けたかかわりが重要であることが示唆された.
著者
臼井 哲也
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.4-17, 2020-06-20 (Released:2020-08-20)
参考文献数
37
被引用文献数
1

本稿は,日本に研究拠点を置く我々が,日本企業の研究を通じて世界の学界へいかに貢献できるのか,あるいは貢献すべきなのか,その戦略的方向性を明示する試みである.かつて日本企業研究が世界へ残した貢献を振り返るとともに,日本企業への関心が減退した2000年以降から現在まで,日本企業を対象としたトップジャーナル論文をレビューする.これらを踏まえ,世界の学界への貢献に資する日本企業研究の3つの戦略的方向性を提示する.
著者
水路部 編
出版者
水路部
巻号頁・発行日
vol.第2巻, 1928
著者
荒木茂著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1922
著者
野口 岩男 森 有永 清水 弘一 松永 昂
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.25, no.8, pp.326-330, 1965-11-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
9

1.膜電位を細胞内電極を用いて測つた正常Krebs液での平均値は-55mVで-65~-45mVの拡りを示した.2.KCI濃度の変化に伴い高濃度域ではNernstの理論式にしたがいKCI濃度の対数と膜電位との間には直接関係が成立し直線部分では濃度が10倍となると膜電位は32mVだけ低下した.3.Krebs液中のNaClを等張sucrose, cholineなどで置換すると膜電位は前者ではあまり変化せず, 後者では過分極が起こつた.4.NaClをsucrose置換したKrebs液内でCaC12増加は多少の過分極がみられた.5.CaCl2減少では膜電位は1/7倍ではあまり変化がなかつたがCaCl2を全く除くと多少過分極を示した.この場合1/7倍CaCl2環境では40mVの自発性の活動電位を発生し, 無CaCl2環境では10mVの自発性の活動電位を発生した.6.Achによつて著しい脱分極をみた.稿を終るに臨み, 御懇篤なる御指導を賜つた井上清恒教授に深く感謝の意を表します.
著者
水本 一生
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.75, no.11, pp.3088-3093, 2014 (Released:2015-05-29)
参考文献数
28

症例は83歳,男性.便秘・腹痛・嘔吐を主訴に来院し,宿便による腸閉塞の診断で入院となった.翌日,腹痛と腹部膨満感が増悪し,Dynamic CTで結腸の拡張と腹水を認め,急性大腸偽性閉塞の診断で緊急手術を施行し,上行結腸から下行結腸にかけて腸管虚血・壊死を認めたため広範囲の結腸を切除し,回腸・S状結腸吻合術を施行した.術中所見および病理組織学的所見より非閉塞性腸管虚血症(non-occlusive mesenteric ischemia; NOMI)と診断した.術後はsecond look operationは施行しなかったが経過良好で,第28病日に退院となった.NOMIには特異的な身体所見や症状がなく,進行も緩徐で,そのためにしばしば重篤な印象を与えないことがあるが,実は致死的な病態である.急性腹症の診療ではNOMIを念頭に置くことが重要である.