著者
稲本 紀昭
出版者
京都女子大学・京都女子大学短期大学部
雑誌
史窓 (ISSN:03868931)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.61-101, 2002-02-10
著者
林 大樹
雑誌
人文
巻号頁・発行日
no.16, pp.342-311, 2018-03

本稿では、近世の朝廷で、天皇や上皇、女院に仕えた〈御児〉について扱う。〈御児〉についての研究は十分ではない。〈御児〉は元服前の幼い公家の子弟が御所の〈奥〉に出仕した。筆者はまず、一八世紀前半の有職故実書『光台一覧』の記述について検討した。近世初頭に、女中や院に養われていた元服前の公家の子弟は、幕府から役料を与えられ公認され、〈御児〉として把握されるようになった。次に筆者は、〈御児〉の一覧を作成した。〈御児〉は新家、外様小番に属する家から多く選ばれるようになり、出世コースからは外れていった。但し、〈御児〉は近習小番衆やその他の廷臣よりも、天皇にとって身近な存在だった。〈御児〉は天皇・関白・武家伝奏・議奏の合意(朝議)のうえで採用されたが、その人選は奥向のネットワークによっていた。This article examines "Ochigo", who served the emperors, retired emperors, and "Nyoin" in the Early Modern Imperial Court. There is insufficient research on "Ochigo", who were children of Kuge before adults goes to "Oku" of the Imperial place. The author first examined the description in Kodaiichiran which is a book of ancient practices in the first half of the 18th century. At the beginning of the early modern era, children of Kuge who were raised by maids and retired Emperors before adult were given allowance from the Tokugawa Shogunate and were officially recognized, becoming known as "Ochigo". Next, the author created a list of "Ochigo". "Ochigo" became more popular from the house belonging to shinke and tozama-koban, it went off the career course. However, "Ochigo" were more familiar to the Emperor than kinju-koban and other courtiers. "Ochigo" was adopted on "Chogi" meaning the agreement of the Emperor, Kanpaku, Buketenso and Giso, but that personnel selection was based on the network of "Oku".
著者
寺田 圭 寒川 彰久 堀内 篤 柴田 昌利
出版者
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター
雑誌
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター研究報告 (ISSN:18826415)
巻号頁・発行日
no.6, pp.1-6, 2013-01

デュロック種系統豚「フジロック」の近交係数の上昇により、近交退化が懸念されるため、新しいデュロック種の系統造成を開始した。デュロック種系統豚である「シモフリレッド」「アイリスナガラ」「ゼンノーD-01」を導入し、選抜された第一世代の能力はDG雄948g/日、雌925g/日、BF雄2.32cm、雌2.60cm、EM雄29.5cm2、雌31.0cm2となった。血統の交雑を優先したため標準化された総合育種価の選抜差は雄0.00、雌0.25で大きな改良量は得られなかった。系統豚を使用している農業者への聞き取りにより、肢蹄の強健性と消費者にPRできるおいしさへの改良が求められていることが分かった。そのため、強健性については肢蹄のスコアリング及びDNAマーカーの利用を検討している。おいしさについては選抜除外された全兄弟平均の筋肉内脂肪含量(IMF)が3%以下の個体の独立淘汰および、シェアバリュー、脂肪酸組成を改良目標に加えることを検討している。
著者
坂本 孝治郎
出版者
学習院大学
雑誌
学習院大学法学会雑誌 (ISSN:13417444)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.145-223, 2008-03
著者
高瀬 恵子 吉留 厚子
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.134-137, 2006-04

わが国では,看護学・助産学の成書および一般の育児書のなかで,哺乳瓶消毒に関して煮沸消毒,次亜塩素酸ソーダによる消毒が多く紹介されている。一方,アメリカでの哺乳瓶の取り扱いは,われわれの使用する食器と同様でよいとしている。今回,家庭における哺乳瓶消毒方法の実態を明らかにし,哺乳瓶消毒と児の消化管疾患との関連性を検討することを目的として調査を行った。対象者は産後1ヵ月健診を受けた母親72名で,調査項目は児の健康状態,栄養方法,哺乳瓶消毒方法など12項目であった。結果,栄養方法は72名中,母乳栄養22名(30.6%),混合栄養が48名(66.7%),人工栄養が2名(2.8%)で,消毒方法は複数回答で50名中,電子レンジは23名(46.9%),煮沸消毒は14名(28.6%),ミルトンが14名(28.6%)であった。湯を満たすは4名(8.2%),特に何もしないは1名(2%)であった。単独の方法は44名,併用は6名であった。以上より98%の母親が成書に記載され,病院で指導されている方法を遵守していることが明らかになった。消毒方法が原因と考えられる児の疾患は認められなかった。
著者
吉沢 淑
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.1266-1262, 1961

1) いろいろの蒸溜酒のフーゼル油中の高級アルコールの組成をガスクロマトグラフィーを用いて定量した。<BR>試料としてウイスキー, ブランデー, カルバドス, ラム, しようちゆう18点を用いた。<BR>2) 固定相としてジオクチルフタレート, グリゼロール, トリエタノールアミンの3種類を用いた。<BR>メタノール, エタノール, n-, イソプロパノール, n-, イソ, 2級, 3級ブタノール, n-, イソ, 活性アミルアルコール, ペンタノールー3, メチル-n-プロピルカルビノールが分離出来た。<BR>3) フーゼル油中にイソアミル, 活性アミルアルコール, ペンタノール-3, n-, イソ, 2級ブタノール, n-プロパノールを認めこれらの量の酒の種類による相違などについて検討した。
著者
松本 久美
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.133-147, 2008-06-30

本研究の目的は,住民発意により地区計画が策定された事例として神奈川県大和市千本桜地区を取り上げ,策定を可能にした地域の条件を考察するために,その策定過程を明らかにすることである.同地区の事例では,策定当時の自治会長がリーダーシップを発揮して,周到な準備と行政との密接な連携をはたした.さらに,住民の属性がある程度均質であったため,目標を共有することが比較的容易であった.また,ほぼ同時期に入居してきた住民が多いため,退職者が一時期に増え,身の回りの住環境に関心を寄せる余裕ができた彼らがそれぞれの経験を生かしたサポートを行った.加えて以前に地区計画の制限項目と似た要綱が身近にあったことで,住民は新たなルールに対しても大きな抵抗感を抱くことはなかった.同地区において地区計画の策定が実現した最大のポイントはリーダーの存在であり,人材の育成こそが最大の課題であるということを示唆している.
著者
加藤 穣
出版者
日本医学哲学・倫理学会
雑誌
医学哲学 医学倫理 (ISSN:02896427)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.41-51, 2015

The objective of this paper is to discuss the reasons that some individuals in the United States refuse to be vaccinated, focusing on those reasons usually described as "conscientious." This paper discusses current compulsory vaccination practices and the most common categories of reasons objectors in the United States give for refusing vaccinations (on medical, religious, or philosophical grounds, the latter two of which are often described as conscientious reasons). Possible ways to handle refusals are examined from the perspectives of the three categories of refusals mentioned above, the particularities of vaccination within biomedical ethics, and public health ethics discussions. Although refusals based on divergent perceptions of risk are commonly classified as refusals for philosophical (personal) reasons, objectors in this category are trying to present medical reasons, which do not convince experts. Even if experts try to persuade the public by presenting scientific evidence, there remain fundamental difficulties in convincing objectors. Refusals for religious reasons are to a certain extent established historically, but few major religious groups nowadays explicitly refuse vaccinations per se. Refusals in this category are not necessarily plainly "religious." Certain refusals on religious grounds, including those based on repugnance for the use of components derived from aborted fetuses, can be avoided by technological advances in the medical field. Refusals based on philosophical reasons should be handled in more sensitive, individualized ways than they are now. The inquiry ventured in this paper is important for Japanese society in that it deals with general questions surrounding the contradictions between the autonomy principle, which is paramount in biomedical ethics, and the compulsory schema of public health policy, and asks whether and how the different qualities or characters of decisions regarding health care and public health should be translated into practice.
著者
關野 康治
出版者
新島学園短期大学
雑誌
新島学園短期大学紀要 (ISSN:18802141)
巻号頁・発行日
no.28, pp.43-70, 2008

政府見解は、「武力の行使」につき世界でもっとも厳格な解釈をとる。憲法第9条の「戦力」不保持及び交戦権の否認、そして何よりも自衛権のあり方について、わが国独自のユニークな解釈が行われているからだ。もとより、わが国も主権国家として固有の自衛権を保持しているから、自衛権の行使として「戦力ならざる自衛力」を行使できる。しかし、それは「自衛戦争」ではない。私が「わが国独自のユニークな解釈」というのはそういう点をとらえてのことだ。そういうユニークな解釈の結果、過去においてPKOという国際警察活動にさえ自衛隊を出し渋り、危険地帯に民間人や「文民」警察官を派遣して犠牲にした。今は、「武力の行使」と「武器の使用」を区別するなど、政府見解の維持に固執するあまり、国際的な基準とかけ離れた議論の迷宮にはいりこんでいく。戦争放棄の「理想」が、「現実」の国際社会の一員としての負担と責任を放棄する方便となってはいないか、そういう疑問を国際社会から向けられていると認識するのであれば、「つぎはぎの政府見解」を見直すべき時期にきているといえる。
著者
佐久間 夕美子 友藤 裕美 宮内 清子 佐藤 千史
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.13-19, 2008-04-30

本研究の目的は,コンピュータ操作演習開始時のチョコレートの摂取による演習終了時の疲労の影響を明らかにすることである。調査は3時間のパソコンを用いた情報処理演習で実施した。対象者は看護学生45名とし,演習開始時,無作為にチョコレート群・黒砂糖菓子群・コントロール群に分けられた。全ての対象者は,演習開始時に現在の疲労の自覚症状を尋ねる調査用紙に回答した。その後,対象者はチョコレート,または黒砂糖菓子を摂取し,コントロール群は何も摂取せずに演習を開始した。演習終了時,全ての対象者が演習開始時と同じ内容の調査用紙に回答した。演習開始時の疲労感は,チョコレート群で有意に低かった(p<0.05)。コンピュータ演習開始時・終了時の疲労を比較した結果,チョコレート群は集中力が有意に維持されていた(p<0.05)。さらに,演習的8時間以内に甘いものを摂取しなかった者でも,チョコレート群ではイライラ,精神的な疲労が抑制されていた(p<0.05)。以上の結果から,作業前のチョコレート摂取は集中力の維持や精神を安定させる効果をもつ可能性が示唆された。
著者
谷口 靖弘
出版者
近畿大学
雑誌
商経学叢 (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.205-219, 2007-03-31

1997年3月,大阪市西区千代崎に完成した「大阪ドーム(現・京セラドーム大阪)」への来訪客を,「ドーム城下町」といえる大阪市西区九条商店街地域へ誘客することを目的にスタートしたのが,町おこしイベント「大阪・九条下町ツアー」であり,交通機関等を使用しない2時間余りの「ウォーキングツアー」である。当初から商店街等からは資金援助を受けずに,観光研究のフィールドワークとして主宰する筆者や地元有志が「町おこし市民運動」として立ち上げたものだ。97年4月,「九条下町ツアー」と銘打って参加者を一般募集したところ,大阪市内では珍しい町おこしツアーとして新聞・テレビ等マスコミで報道されたこともあり,30人の定員はすぐに満員となった。現在,ツアーは春と秋を中心に実施され,全国各地から修学旅行生も訪れるようになった。我々が実施している「大阪・九条下町ツアー」の対象地域である「九条地域商店街」は一般にいう「観光地」ではない。しかし,このような地域にも「観光地域活性化の5条件」が内在し,地域活性化を引き起こす潜在要素を見出すことが可能である。10年間余り催行されている「大阪・九条下町ツアー」の内容を述べる過程でこのことを実証する。併せて,ツアー参加者に対するアンケート調査の分析と旅行業法上の問題点などを考察した。