著者
堀尾 茂子
出版者
県立広島大学
雑誌
県立広島女子大学生活科学部紀要 (ISSN:13467816)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.25-32, 2004-12-22

現在、高齢社会の中で、高齢者が自立しで快適な衣生活を送るためには、多くの問題を改善する必要がある。福祉用機器具やバリアフリー住宅などの研究開発はかなり進んでいるが、既製品の寝衣にはサイズが少なく、袖丈やズボン丈は長く、股上は短い、ポケットが付いていないなどの多くの苦情が寄せられている。そこで本研究では、寝衣についての市場調査や、アンケート調査を行い、高齢女性が望む3着のパジャマ製作を試みる。さらに、苦情の多い項目を配慮に入れた1着のパジャマを製作する。それらに、素材が異なり、留め具の違う既製のパジャマ2着を加え、計6着の視覚・着装評価を行った。その結果、次の事が明らかとなった。1.素材は綿で、色は淡く花柄が適する。2.上衣は、前明きのボタン付きで衿なし、身頃はゆったりで後丈を長くする。ラグランスリーブのゴム入りで袖丈は短めにする。ポケットは左右に付ける。3.下衣は、股下丈を短くし、裾口はゴム入りで、ポケット口などで前後の見分けが出来る工夫をすると良い。4.衿ぐりは、既製品は窮屈なため、くり落とす必要がある。以上のことから、僅かの長さや幅の違いが着心地を左右することが判明した。今後は、高齢者体型を特徴別に捉えたパターンをサイズ別に提供する必要があり、質の高い寝衣の開発が望まれる。本研究にご協力いただきました高齢者の皆様、ならびに吉田倫子さん、稲場亜希子さん、成光未知子さんに深謝申し上げます。
著者
久保田 将之 吉岡 さんご 新井 一司 松下 範久
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.127, 2016

キイチゴ属4種の分布拡大において、種子繁殖と栄養繁殖がどの程度寄与しているのかを推測するために、マイクロサテライト(SSR)マーカーを用いた多型解析により各種のクローン構造を調査した。東京都奥多摩町(以下奥多摩)と東京大学秩父演習林(以下秩父)のスギ幼齢林内に、それぞれ8 m×13 mと5 m×10 mの調査区を設定し、調査区内の全ラメットの遺伝子型を、4遺伝子座のSSRマーカーを用いて決定した。その結果、奥多摩の調査区ではモミジイチゴ94ラメットが4ジェネットに、ニガイチゴ100ラメットが7ジェネットに、クマイチゴ53ラメットが13ジェネットに区別された。秩父の調査区ではモミジイチゴ29ラメットが7ジェネットに、ミヤマニガイチゴ115ラメットが6ジェネットに、クマイチゴ116ラメットが42ジェネットに区別された。ラメット数に対するジェネット数の比は、どちらの調査地でもクマイチゴが最も高かった。これらの結果から、クマイチゴは、他種よりも分布拡大への種子繁殖の寄与が大きいと推測された。クマイチゴは他種より埋土種子が多いか、実生の生存率が高い可能性があると考えられる。
著者
李 善愛 Sun Ae II
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.17-31, 2005-03-22

韓国では海藻の利用は多いが、とくにワカメは日常の食料だけでなく、近代医学が発達した今日においても命の尊さを司るため行われる儀礼の供え物として用いられている。また、安価の養殖ワカメが大量生産されているにもかかわらず、天然であることで高級贈答品としての社会・文化的価値を生み、経済的価値の高い商品として用いられている。同時に韓国ではワカメが採取できる藻場(岩)は土地と同じく不動産としての価値が付けられている。そのため、ワカメ漁場の所有・利用形態は村ごとに異なり、複雑であるが、ワカメ漁場の所有形態はほとんど共有であり、その利用形態は村民か漁村契員がくじ引きをし、共同で生産・分配するか個人で生産・所有するものとして特徴づけることができる。これはワカメに対する社会・経済・文化的価値が、独特のワカメ漁場の所有・利用形態を作り出していると思われる。なお、漁場面積は減り、漁業者数は毎年減少しているにもかかわらず、ワカメ漁場利用が綿々と続いているのは、ワカメ漁を行う村の生業形態が専業ではなく半農半漁であることと、ほとんどが海女によってワカメ漁が行われていることを明らかにした。
著者
後藤 昌弘 岩田 惠美子 大久保 郁子 森 一幸 中尾 敬
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

<b>[目的]</b>ジャガイモは,栄養学的に優れた食品であり,様々な調理や加工に用いられている。本研究ではジャガイモの品種による調理方法と食味の構成要因を解析することから様々な調理法に適した品種を探求することを目的とし,西南暖地の主要産地である長崎県産の品種・系統について種々の物理化学的調査及び官能検査を実施した結果について報告する。 <br><b>[方法]</b> 平成25年度秋作のニシユタカ,デジマ,アイユタカ,さんじゅう丸,西海31号の育成品種,品種登録前の育成系統西海37号,西海40号の7品種系統をそれぞれ,蒸す,ゆで,レンジ,焼き,揚げ加熱で調理した。加熱試料について「ニシユタカ」を標準試料として色,香り,口当たり,甘み,苦み,おいしさ,総合評価の項目について官能検査(評点法)を行った。また,加熱前後の試料の遊離還元糖,アミノ酸,フェノール物質含量と加熱試料のテクスチャーの測定を行い,これらの関係を調べた。<br><b>[結果]</b> 「デジマ」は揚げ加熱で還元糖含量が多かった。「アイユタカ」(黄肉)は蒸し加熱で他の品種に比べ色の評価,総合評価が高かった。「さんじゅう丸」は加熱法による差はみられなかった。「西海31号」(赤肉)は全ての加熱法で色の評価が低かった。「西海37号」は揚げ加熱で還元糖含量が多く,レンジ加熱で色の評価が高かった。「西海40号」はレンジ加熱を除くと標準試料に比べ,口当たりの評価が高かった。
著者
松本侑子著
出版者
角川書店
巻号頁・発行日
1996
著者
池松 由香
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.262, pp.50-54, 2006-07

研修道場のPEC産業教育センター所長。トヨタ生産方式の創始者、大野耐一氏に師事、キヤノンやソニーをはじめ主に製造現場のカイゼンを手掛ける。PEC産業教育センターの連絡先は2058ー274ー3106。北海道・千歳空港の到着ロビーで、心配そうな表情でたたずむ一人の男がいた。時は、2006年5月某日午前11時。 男の名は佐藤壽ひさし、63歳。
著者
Shinada Mizuho Yamagishi Toshio
出版者
Elsevier
雑誌
Evolution and Human Behavior (ISSN:10905138)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.330-339, 2007-09
被引用文献数
59

Human cooperation in a large group of genetically unrelated people is an evolutionary puzzle. Despite its costly nature, cooperative behaviour is commonly found in all human societies, a fact that has interested researchers from a wide range of disciplines including biology, economics, and psychology to name a few. Many behavioural experiments have demonstrated that cooperation within a group can be sustained when free riders are punished. We argue that punishment has both a direct and an indirect effect in promoting cooperation. The direct effect of punishment alters the consequences of cooperation and defection in such a way as to make a rational person prefer cooperation. The indirect effect of punishment promotes cooperation among conditional cooperators by providing the condition necessary for their cooperation -- i.e., the expectation that other members will also cooperate. Here we present data from two one-shot, n-person Prisoner's Dilemma games, demonstrating that the indirect effect of punishment complements the direct effect to increase cooperation in the game. Further, we show that the direct and indirect effects are robust across two forms of punishment technology; either when the punishment is voluntarily provided by game players themselves or when it is exogenously provided by the experimenter.
著者
能岡 浄
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-6, 1975
被引用文献数
39

フィリッピン産の緑熟健全バナナ果実を6℃に貯蔵したもの,6℃に9日間置いた後20℃に昇温貯蔵したものおよび20℃に貯蔵した果実(対照区)についてデンプン,還元糖および非還元糖の変化と,見かけのG6Pase,PFKおよび見かけのF1, 6DPase活性の変化を調べて次の結果を得た。<BR>対照区において,4日目までは初めとほとんど変らないが,6日および8日目になるとデンプンが著しく減少し,それに見合うだけの糖の急増が認められ,同時にPFK活性も急増する。また8日目以後還元糖が急増し,見かけのG6Pase活性も8~10日目まで直線的に急増する。10日目以後デンプンはほとんど含まれなくなり,PFK活性は次第に減少するが,見かけのG6Pase活性は急増し,糖はさらに増加する。見かけのF1, 6DPase活性は貯蔵日数とともに少しずつ増加し,10日目には約3倍に急増するが,以後半減する。<BR>6℃に4日間貯蔵した果実は対照区と大差ないが,6日および9日間貯蔵した果実および6℃に9日間置いた後20℃に昇温すると1日および3日目では,デンプンの減少はほとんど認められないが,それ以上に糖,特に非還元糖が増加する。また見かけのG6PaseおよびPFK活性は対照区よりも低いが,見かけのF1, 6DPase活性は著しく高い。<BR>6℃に9日間置いた後20℃に昇温して5日および7日目の果実ではデンプンが急減し,それに見合うような糖の著しい増加が認められ,対照区の6日および8日目と同じような傾向を示す。しかし酵素レベルで対照区の8日目と比較すると,見かけのG6Pase活性は高いが,PFK活性はかなり低い。いっぽう見かけのF1, 6DPase活性は著しく高い。<BR>以上の結果に基づき,糖の代謝経路を考察した。
著者
池松 由香
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.264, pp.50-54, 2006-09

研修道場のPEC産業教育センター所長。トヨタ生産方式の創始者、大野耐一氏に師事、キヤノンやソニーをはじめ主に製造現場のカイゼンを手掛ける。PEC産業教育センターの連絡先は2058ー274ー3106。初回のカイゼン会を終えた日の深夜。石狩市にある佐藤水産サーモンファクトリーの事務所で、ジェネラルマネジャーの若林伸二(41歳)は一人の青年と向き合っていた。
著者
長内 厚
出版者
日本経営学会
雑誌
日本経営学会誌 (ISSN:18820271)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.76-88, 2007-04-30 (Released:2017-08-01)

Excellent technology will be the one of key issue for business success. The customers, however, cannot judge the excellence by the technology itself immediately. They just enjoy it as features of a product. Therefore, it's important for business result that technology development activity is integrated with business activity. Through an empirical study of Taiwanese semiconductor industry at the first stage, this paper shows that definite business plan of the upper R & D division facilitates integration between technology development and business activities. Industrial Technology Research Institute (ITRI) was established at Hsinchu area in 1973 by Taiwanese government. Through ITRI's activities to develop semiconductor technology, ITRI had not make only new technology, but they had held their own business plan. Their plan shown into the industry gathering in Hsinchu Science based Industrial Park (HSIP) integrated technology development and business activities. As the result. Taiwanese industry could get competitive advantage in the world market.

1 0 0 0 OA 月琴楽譜

著者
中井新六 編
出版者
群仙堂
巻号頁・発行日
vol.元, 1877
著者
伊達 学 長谷川 博
出版者
日経BP社
雑誌
日経ニューメディア (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1596, pp.11-12, 2018-02-12

サイバーエージェントの子会社でインターネットテレビショッピング会社の「買えるAbemaTV社」は、2018年2月1日にインターネットテレビ局「AbemaTV」を通じて番組の配信を開始した。同社はサイバーエージェントとテレビ朝日、ロッピングライフの3社が2017年12月1日に…
著者
Yumi Yamamoto Tetsuro Tago Jun Toyohara Yohei Saito Fumihiko Yamamoto
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.94-103, 2022-01-01 (Released:2022-01-01)
参考文献数
43
被引用文献数
4

Our previous studies identified that nimesulide analogs which bear a methoxy substituent at the para-position of the phenyl ring could be potential radiotracer candidates for detecting disorders related to cyclooxygenase-2 (COX-2) expression and activity in vivo using positron emission tomography (PET) in the brain. The present study was conducted to evaluate the in vivo characteristics of 11C-labeled para-methoxy nimesulide ([11C]1d) as a brain COX-2-targeted imaging agent compared to other isomeric methoxy analogs of nimesulide ([11C]1b and [11C]1c). [11C]1b–d were synthesized with reasonable yield and purity by the methylation of the O-desmethyl precursor with [11C]methyl triflate in the presence of NaOH at room temperature. We performed in vivo biodistribution analysis, brain PET imaging, ex vivo autoradiography, and metabolite analysis in mice. The uptake of [11C]1b–d was lower in the brain than in other tissues, including in the blood, and both [11C]1c and [11C]1d were rapidly metabolized. However, [11C]1d showed a small, but significant, specific signal and heterogeneous distribution in the brain. In vivo evaluation suggested that [11C]1d might correlate with COX-2 expression in the brain. Given its instability in vivo, [11C]1d seems unsuitable as a brain-COX-2 radioimaging agent. Further structural refinement of these radiotracers is necessary to enhance their uptake in the brain and to achieve sufficient metabolic stability.