著者
岩田 治郎
出版者
日本海洋学会
雑誌
沿岸海洋研究ノート (ISSN:09143882)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.47-55, 1981-08-18

近年,河口域や沿岸域で農薬によると思われる魚介類の斃死事故が多発し,現在最も多く使用されている有機リン系,カーバメート系農薬の水生生物に及ぼす影響が,従来の淡水魚だけでなく沿岸域に生息する海水生物との係りの中で改めて注目されるようになった.本論では,有機リン系,カーバメート系農薬の海水生物に対する毒性に関する種々の報告から,それら農薬の沿岸生態系への影響を推察してみる.
著者
中川 茂子
出版者
樹木医学会
雑誌
樹木医学研究 = Journal of tree health (ISSN:13440268)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.13-20, 2001-03-31
参考文献数
15
被引用文献数
1
著者
小倉 信夫
出版者
Japanese Nematological Society
雑誌
Japanese journal of nematology (ISSN:09196765)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.99-102, 2004-12

培養条件下でのマツノザイセンチュウ(センチュウと略す)の増殖に対する殺虫剤(アセフェート(オルトランR)、クロルピリホスメチル(レルダンR)、フェニトロチオン(スミチオンR)、マラチオン(マラソンR)、ピリミホスメチル(アクテリックR)、ピリダフェンチオン(オフナックR))、殺ダニ剤(デコフォル(ケルセンR))の抑制効果を調べた。クロルピリホスメチル、フェニトロチオン、ピリミホスメチル、ピリダフェンチオンは培養条件下でセンチュウの増殖を抑制した。これらの殺虫剤のセンチュウ増殖を抑制する濃度は、それぞれ0.09、0.45、0.62および<0.25ppm以上と推算された。マツ樹幹注入剤メスルフェンホス(ネマノーンR)と酒石酸モランテルナトリウム塩はそれぞれ1.28および3.58ppm以上の濃度で同様の効果を示すと推算された。クロルピリホスメチル、フェニトロチオンおよびピリダフェンチオンはマツノザイセンチュウの媒介昆虫であるマツノマダラカミキリに対する予防散布薬の成分でもある。このような一致は興味深い。
著者
松浦 邦昭 細野 隆次
出版者
The Japanese Nematological Society
雑誌
日本線虫研究会誌 (ISSN:03882357)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.17-22, 1987

1.<SUP>3</SUP>HラベルしたAChを用いる、JOHNSON & RUSSELLの方法はマツノザイセンチュウのAChE活性を高感度(測定可能な最低素酵素蛋白量で1.0μg)で測定できた。<BR>2.線虫体の磨砕物を素酵素液として、AChEの活性を検討したところ、至適pHは約7.0、至適温度は約35℃ であった。素酵素液を遠心分画した後に酵素活性を比較した結果、最大比活性は105,000×gで60分遠心後の沈澱部に認められた。25℃ における最大反応速度は8.7nmole・ACh/min/mg・蛋白、ミカエリス定数は6.25μMであった。<BR>3.AChEの素酵素液に対する各種薬剤の阻害作用を調べた。ダィスルフォトンを除く3種の有機りん剤の阻害活性はチオノ型よりオクソン型の方が100~300倍高かった。即ち、チオノ型のI<SUB>50</SUB>値は、フェンスルフォチオンで8.4×10<SUP>-5</SUP>M、チオナジンで3.4×10<SUP>-4</SUP>M、メスルフェンフォスで2.4×10<SUP>-4</SUP>M、ダイスルフォトンで2.8×10<SUP>-4</SUP>Mであったのに対して、オクソン型では、フェンスルフォチオンで4.8×10<SUP>-7</SUP>M、チオナジンで1.1×10<SUP>-6</SUP>M、メスルフェンフォスで2.0×10<SUP>-6</SUP>M、ダイスルフォトンで1.8×10<SUP>-4</SUP>Mであった。<BR>4.有機りん剤以外でもAChE阻害活性が認められ、I<SUB>50</SUB>はメソミルで6.0×10<SUP>-7</SUP>M、酒石酸モランテルで2.4×10<SUP>-6</SUP>M、塩酸レバミゾールで2.3×10<SUP>-5</SUP>Mであった。
著者
徳重 陽山 清原 友也
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林学会誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.193-195, 1969-07
被引用文献数
7
著者
松永 孝治 大平 峰子 倉本 哲嗣
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 = Journal of the Japanese Forest Society (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.91, no.5, pp.335-343, 2009-10-01
参考文献数
44
被引用文献数
1

効率的なクロマツさし木苗の生産方法を確立するため, 二つの実験を行った。まずさし木発根性に及ぼす穂のサイズの影響を調べるため, 5家系の5∼6年生クロマツ採穂台木各1個体から穂を採取してさし付けた。その結果, 穂が長いほど, また穂の直径が太いほど発根性が低下する傾向があった。次に, 採穂台木の剪定後に得られる萌芽枝数とそのサイズに影響する要因を明らかにするために, 5家系各3個体の4年生クロマツ採穂台木について, 剪定した枝とそこから発生した萌芽枝数とサイズの関係を調べた。その結果, 剪定枝あたりの萌芽枝数は剪定枝上で萌芽枝が発生している部位 (萌芽帯) の長さと剪定枝の直径, 萌芽枝のサイズは剪定枝の直径に強く影響された。また分散分析の結果, 萌芽枝数, 剪定枝の直径および萌芽帯の長さは家系間に有意差があった。これらの結果は家系の選抜により萌芽枝数の改良が可能であることを示唆した。
著者
右衛門佐 重雄
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.39, no.11, pp.809-817, 1984-11-05

筋収縮の分子機構を説明するため提案された α-へリックスにおけるダヴィドフ (Davydov) ソリトンについて, その内容と問題点を解説し, この理論の難点を救うものとして, α-ヘリックスの中に戸田格子ソリトンを導入し, 筋収縮の動的過程に合理的な推論を与え, 非線形波動方程式の初期値問題と関連して, 理論のパラメターを決定し, 分子に発生する張力や収縮率を表わすソリトンの振幅に数値的評価を与える. 一方, DNA の開いた構造に理論的説明を与えるため DNA 2重らせんの塩基がヘリックス軸に垂直な水平面内で回転するという単純化したモデル系について幾つかの興味あるサイン・ゴードン (Sine-Gordon) ソリトンのモードが見出されることを示し, DNA 中の平均のソリトン数密度を温度の関数として評価し, 実験結果との比較を行う.
著者
森 肇
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.105-106, 1978-02-05
著者
影井 昇
出版者
医歯薬出版
雑誌
医学のあゆみ (ISSN:00392359)
巻号頁・発行日
vol.174, no.11, pp.p852-853, 1995-09-09
被引用文献数
1
著者
瀬岡 学 坂東 貴裕 水門 満義 澤田 好史
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 = The aquiculture (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.143-144, 2010-03-20

魚類養殖、マグロ属、配合飼料、イカ類、タンパク、給餌。
著者
木村 一郎 一前 宣正 松中 昭一
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.54-59, 1971-10-20
被引用文献数
2

ベンチオカーブのヒル反応阻害力は,クロルIPCと同程度で弱く,who1e plantの光合成にもほとんど影響を示さなかった。また,切断根の呼吸にたいしても影響しなかった。 一方,胚芽除去種子におけるジベレリン誘起α-アミラーゼ生合成にたいして強力な阻害力を示すが,α-アミラーゼそのものの活性には無影響であった。また,ベンチオカーブ自身イネのラミナ・ジョイント伸長にたいしてある程度の阻害を示し,その阻害形式はIAAとの間で拮抗的であった。これらの結果から,ベンチオカーブは,タンパク質生合成過程でオーキシンと拮抗することによって阻害作用を示すことがその作用点のひとつと推定される。
著者
石川 莞爾 中村 安夫 仁木 良夫 鍬塚 昭三
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.17-25, 1977-02-20
被引用文献数
2

^<14>C-標識および非標識化合物を用いて, 紫外線および太陽光線下でのベンチオカーブの光分解を研究した.水溶液中でベンチオカーブは紫外線により速やかに分解し, 比較した他の7種類の農薬より速やかに分解した.ベンチオカーブの分解生成物として, ベンチオカーブスルホキシド, デスエチルベンチオカーブ, 4-クロルベンジルアルコール, 4-クロルベンツアルデヒド, 4-ヒドロキシベンツアルデヒド, 4-クロル安息香酸のほか, 同定された化合物8種類および未同定の化合物約20種類が検出された.これらのうち, 4-クロルベンジルアルコールおよび4-クロルベンツアルデヒドが多量に生成した.太陽光線下でも水溶液中でベンチオカーブは速やかに分解し, そのさい検出された分解物の大部分は紫外線照射で生成した分解物と同じものであった.ガラス板上の薄層へ紫外線を照射した場合も, 水溶液と同様の分解物が生成した.