著者
田井 政行 関屋 英彦 岡谷 貴之 中村 聖三 清水 隆史
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.378-385, 2021

<p>耐候性鋼橋梁の点検・診断は,防食機能の劣化状態の判定に基づき行われており,その判定には外観評点法が用いられる.しかしながら,外観評点法により的確な評価を行うためには,相応の経験を要するが,昨今の人材不足や点検費用の確保などの課題があり,簡易かつ精度が高い評価手法の確立が求められている.本研究では,耐候性鋼橋梁のさび近接画像と既存の CNNモデルを活用し,外観評点の識別精度について検討を行った.また,識別精度に及ぼす学習・検証用近接画像の画像サイズの影響についても検討を行った.その結果,VGG19及び SEnetの CNNモデルが高い識別精度を示した.また,入力画像サイズが大きいほど識別精度が向上することを明らかにした.さらに,学習と検証に用いた画像の解像度が異なる場合,識別精度が低下する傾向があることを示した. </p>
著者
陳 碧霞 草島 勇斗
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.132, 2021

<p>フクギを主な樹種とする屋敷林は沖縄の独特な集落景観を形成し、約300年前の琉球王府時代に成立したと考えられているが、現在では減少の一途をたどっている。本報告は、フクギ屋敷林の老木に蓄積されている二酸化炭素の量を試算した。本研究の目的は、炭素貯蔵量から、フクギ屋敷林の生態学的機能とそれらの経済的価値を明らかにし、これからの有効的保全策を提案したい。</p><p>2009年から2018年まで、研究チームは沖縄県内の10個の集落における23,518本のフクギの胸高直径(DBH)と樹高を測定した。10個の集落でのフクギ屋敷林に貯蔵された炭素の総量は6089t-CO2であった。 この量は、日本の40年生のスギ(Cryptomeria japonica)人工林の森林の炭素固定昨日に換算すると、約20.9ヘクタールのスギ林の炭素蓄積量に相当する。 さらに、40年生のスギ林の植栽と管理のコストの観点から、フクギ屋敷林の推定経済価値は2497万円に相当する。 この研究により、整然としたフクギ並木は密度が高いため、それらの炭素の蓄積、および気候変動の緩和へ貢献の可能性が高い。</p>
著者
石田 真結子 岩川 奈生 足助 聡一郎 黒田 慶子 梶村 恒 升屋 勇人 亀山 統一
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.132, 2021

<p>近年、養菌性キクイムシ(Ambrosia beetle)とその共生菌あるいは随伴菌による樹木病害が世界各国で問題になっている。沖縄県では、デイゴの衰退枯死木から<i>Fusarium solani</i>種複合体に属する病原菌とともに、ナンヨウキクイムシ(<i>Euwallacea fornicatus</i>)を含む3種を検出したが(Takashina et al. 2020)、同県では<i>E. fornicatus</i>によるマンゴーへの加害が2000年以降に報告されている。2019年に石垣島のマンゴー圃場の枯れ枝で<i>Euwallacea</i>属のキクイムシ類と<i>Fusarium</i>属菌を検出したことから、本研究では、検出菌の分子系統解析および孔道付近の組織の解剖観察を通して、樹木とキクイムシ類および菌類との関係について検討を行った。孔道を含む木部組織および孔道内の<i>Euwallacea</i>属数種から菌分離を行い、それらのITSおよびEF-1α領域の塩基配列の解析から、デイゴの病原菌と近縁の菌類を確認した。さらにRPB1、RPB2領域の解析も加えて分類学的検討を進めている。</p>
著者
亀山 統一
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.132, 2021

<p>ホルトノキ萎黄病の病原<i>Candidatus</i> Phytoplasma Malaysianum は、九州・四国の全域でホルトノキ<i>Elaeocarpus zollingeri</i> var. <i>zollingeri</i> 植栽木・自生木のいずれにも高率で感染している。一方、沖縄島では、感染率が本土よりもかなり低い傾向にあり、島北部では感染木は見つからず、島中南部にも感染木が全くない植栽地や林分がある。沖縄島中南部には、本土の感染木同様に、その個体のいずれの葉からもファイトプラズマが容易に検出できる感染木がある一方、個体内の病原密度が明らかに低い感染木が相当数あることが明らかにされた。また、感染木周辺の非感染木について3-5年後に再検査すると、新たにファイトプラズマが検出された個体はわずかであった。一方、石垣島では感染木の分布や個体の感染密度について、沖縄島中南部と同様の傾向が見出されたが、一方で、沖縄島北部と同様に自然度が高い森林がある地域においても、感染木が見出されなかった調査地はなかった。以上の知見をふまえて、沖縄島、石垣島などの琉球諸島と本土における本病病原のファイトプラズマ感染について、地域や個体による相違、また宿主範囲などに着目して比較検討した。</p>
著者
松本 一穂 高野 涼 伊藤 幸男 山本 信次 原科 幸爾
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.132, 2021

<p>熊本県阿蘇地域の山地部は主に草原や人工林として利用されているが、景観や防災、水源かん養等の面からみた最適な土地利用のあり方について模索する動きが地域社会で進められている。草原は放牧・野焼きの有無や優占種の違い(ススキ,ネザサ)によって違いが見られ、人工林も管理(間伐)の程度や樹種(スギ,ヒノキ)によって林相に大きな違いが見られる。しかし、これらの植生の諸特性がその土地の多面的機能をどのように特徴づけているのかについては定量的な知見が限られている。そこで、本研究では熊本県阿蘇市・南阿蘇村内の複数の草原と人工林において土壌の透水性および保水性を調査し、植生の違いが阿蘇地域における山地斜面の水源かん養機能や防災機能に及ぼす影響について検討した。</p>
著者
深山 貴文 ⾼梨 聡 北村 兼三 松本 ⼀穂 Yamanoi Katsumi 溝⼝ 康⼦ 安田 幸⽣ 森下 智陽 Noguchi Hironori 岡野 通明 ⼩南 裕志 吉藤 奈津⼦
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.132, 2021

<p>森林の地球温暖化防止機能には炭素固定機能の他、森林が放出する揮発性有機化合物がエアロゾルを生成し地球を冷却する機能がある。森林起源の揮発性有機化合物の主要成分は、イソプレン(C5H8)とモノテルペン(C10H16)であり、主にイソプレンは広葉樹林、モノテルペンは針葉樹林から気温の上昇に伴って揮発性が高まる夏に集中的に放出されることが知られている。一方、世界各地の様々な植生の森林において夏に限らず低温の時期に、これらの濃度上昇が観測された事例が報告されている。本研究では日本国内の6か所の森林において概ね月1回の頻度で3年間にわたって観測されたデータを用いて、国内においても低温期に同様の濃度上昇現象が発生しているのかを確認すると共に、この現象が発生した際の気象要因についての検討を行った。その結果、20℃未満の低温期に20回の高濃度現象が発生していたことが確認された。また、その多くがイソプレンは春、モノテルペンは秋の降雨後に発生していたことから、この現象の発生に降雨が影響している可能性が示唆された。</p>
著者
Tadashi Ookami Kazuho Matsumoto Shingo Taniguchi Atsushi Takashima
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.132, 2021

<p>現在、温室効果ガスである二酸化炭素(CO<sub>2</sub>)の吸収源として森林の役割が期待されており、森林によるCO<sub>2</sub>吸収量の定量的評価が求められている。生態系が吸収した正味のCO<sub>2</sub>量である純生態系生産量(NEP)は、生態系が吸収したCO<sub>2</sub>の総量である総一次生産量(GPP)と生態系が排出したCO<sub>2</sub>の総量である生態系呼吸量(<i>R</i><sub>E</sub>)の収支として求められる。世界各地で森林生態系のNEP、GPP、<i>R</i><sub>E</sub>が調べられ、時空間的変動やその制御要因について解明されつつあるが、亜熱帯林における知見は未だ限られている。そのため、本研究では沖縄の亜熱帯常緑広葉樹林におけるNEP、GPP、<i>R</i><sub>E</sub>を求め、これらの年々変動や季節変動、環境応答について解明する。調査方法は2013~2020年に沖縄島北部の亜熱帯常緑広葉樹林(琉球大学与那フィールド)において、渦相関法を用いて森林―大気間のCO<sub>2</sub>フラックスを観測し、これに貯留CO<sub>2</sub>フラックスを加味することで純生態系交換量(NEE)を求め、NEE = ―NEPとしてNEPを求めた。また、<i>R</i><sub>E</sub>はGPP = 0となる夜間において気温と<i>R</i><sub>E</sub>( = ―NEP)との関係を調べ、日中の<i>R</i><sub>E</sub>はその関係に基づいて気温から推定した。そして、GPPはNEPから<i>R</i><sub>E</sub>を差し引くことで求めた。</p>
著者
深谷 肇一 楠本 聞太郎 塩野 貴之 藤沼 潤一 久保田 康裕
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.132, 2021

<p>種の個体数量は重要な生態学的変数である。しかし、大きな空間スケールにおいては、種の個体数量のパターンについて未だ十分な理解が得られていない。本講演では、種類の異なる生態調査データを統合する階層モデルを用いて、木本植物の種個体数量を広域かつ分類群網羅的に推定した研究を紹介する。まず、多数の生物種の地理分布と、局所的な調査における群集レベルでの種検出の過程を説明する階層モデルを構築することで、個々の種の広域での個体数量の分布を統計的に推測することを可能とした。構築したモデルを日本国内の多数の植生調査データと植物の地理分布データに当てはめることで、1200種以上の木本種のそれぞれについて、自然林における個体数量を10km平方の解像度で推定した。推定された広域の種個体数量分布を用いて行われた、地域生物多様性のマクロ進化過程の検証と、国内レッドリストの定量的検証の例を紹介する。</p>
著者
塚本 洋太郎 田中 豊秀
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.147-154, 1964

1. 前報にひき続き電照下のキクに対し, NAAとジベレリンその他の植物調節物質の単独または混合散布を行ない, キクの発蕾に対する抑制効果を調べた。抑制栽培用の品種, ディセンバー•キングを使用した。NAAと混用した植物調節物質はジベレリンのほかにアスコルビン酸, チアミン, トリプトファンであつた。栄養素である尿素も使用した。別に10月咲の品種, 新東亜を用いてNAA, ジベレリン, アスコルビン酸, トリプトファンを短日処理開始後に散布し, 開花に対する抑制効果を調べた。<br>2. 無散布では発蕾抑制のあらわれる最低照度は8~12luxであつた。NAA 50ppmを散布すれば約2luxの電照下でも抑制できた。<br>3. NAA 100ppm散布により40luxの電照と同程度に発蕾を抑制することができたが, 生長抑制が著しかつた。NAA 50ppm散布は生長に対する抑制作用が小さく, 2~3luxの電照との組合せにより40luxと同程度の抑制が認められた。<br>4. アスコルビン酸は発蕾に対して抑制的であつた。NAA 25ppmとアスコルビン酸50ppmの混合液散布は低照度においてNAA 50ppmと同程度発蕾を抑制した。チアミンにもその傾向が認められたがアスコルビン酸ほど明らかでなかつた。<br>5. 新東亜を使用した実験でトリプトファン100ppmおよび200ppm散布は開花を抑制した。しかしアスコルビン酸との混合液散布は新東亜の開花に対しても, ディセンバー•キングの発蕾に対しても抑制の作用が認められなかつた。<br>6. ジベレリン50ppm散布は発蕾に対し抑制的であつた。NAAとジベレリンの50ppm混合液散布はNAA50ppm散布に比べ著しく発蕾を抑制した。NAAとジベレリンとの間に相助作用のあることを示している。花の品質には影響なかつた。<br>7. NAA 25ppmと尿素1%の混合液散布はNAA 50ppm散布と同程度発蕾を抑制する傾向がみとめられた。<br>8. この実験からキクの電照抑制栽培において, 設備不じゆうぶんによる照度の不足はNAAとジベレリンとの50ppm混合液散布により, 12luxの低照度でも発蕾を抑えることが可能であるといえる。
著者
山﨑 晃司 小坂井 千夏 釣賀 一二三 中川 恒祐 近藤 麻実
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.321-326, 2020 (Released:2020-08-04)
参考文献数
22
被引用文献数
3

近年,ニホンジカ(Cervus nippon,以下,シカ)やイノシシ(Sus scrofa)を対象としたわなにクマ類,ニホンカモシカ(Capricornis crispus),中型哺乳類等の動物が錯誤捕獲される事例が増加していることが想像される.国によるシカやイノシシの捕獲事業の推進,豚熱対策としてのイノシシの捕獲強化,知識や技術が不十分なわな捕獲従事者の増加,シカやイノシシの分布域の本州北部への拡大などにより錯誤捕獲が今後さらに増えることも懸念される.錯誤捕獲には,1)生態系(対象動物以外の種)へのインパクト,2)対象動物(シカ・イノシシ)の捕獲効率の低下,3)捕獲従事者や通行人等の安全上のリスク,4)行政コストの増加,5)捕獲従事者の捕獲意欲の低下,6)アニマルウェルフェア上の問題,といった6つの課題が挙げられる.シカ,イノシシの個体数抑制と,錯誤捕獲の低減の両立が喫緊の課題である.ボトムアップの対応として錯誤捕獲発生機序の解明と錯誤捕獲を減らすための取り組みが,またトップダウンの対応として速やかな実態把握のための統合的な情報収集システム構築と,そのための法的な整備が求められる.
著者
大場 孝裕
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.335-340, 2020 (Released:2020-08-04)
参考文献数
8
被引用文献数
3

ニホンジカ捕獲強化の政策に伴い,わなによる捕獲数が増え,捕獲に占める割合も大きくなっている.わなの種類ごとの捕獲数はほとんど集計されていないが,箱わなや囲いわなに比べて安価で,1人で設置できる足くくりわなの使用が多いと推測される.捕獲具ごとの捕獲数の集計は,今後の課題である.足くくりわなによる捕獲は,ワイヤーロープで足を締め付ける.動物がわなに掛かってから,殺処分や放獣するまでの経過時間が長いことも多く,個体の損傷,ストレスが多い,アニマルウェルフェア上問題のある捕獲方法である.また,足くくりわなは,獣道に隠して設置し,荷重により作動するため,ニホンジカ以外の動物,特に大型哺乳類のクマ類,ニホンカモシカ,イノシシの意図しない錯誤捕獲を避けられない.実態把握のため,錯誤捕獲の報告を求めても,少なくとも処罰の対象となる条件が明確化されないと,正確な報告は期待できない.足くくりわな捕獲に伴う損傷とストレスの軽減,錯誤捕獲回避のための技術的改良に加え,足くくりわなに依存しないニホンジカ個体数管理技術の開発が必要である.
著者
黒田 長久
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5-6, pp.551-568_1, 1972-12-30 (Released:2008-11-10)

Winter (Kuroda 1969) and autumn (1970) bird censuses of the Ryu Kyu Is. have already been reported. The present paper is the result of the survey planned by the Ornithological Society of Japan, principally for analysis of the status of Sapheopipo noguchii of Okinawa I. This will be reported elsewhere.The bird census was made on Okinawa I. 24-28 May in the northern mountain zone, on Ishigaki I. 31 May and 5 June and on Iriomote I. 1-4 June. The weather was fine except on 5 June.In total, 51 species, 30 land, 16 water or waterside, and 5 sea birds, were recorded. The land bird species were 24 on Okinawa, 15 on each of Ishigaki and Iriomote. These land birds are residents and show the reduced number of breeding species in these subtropical islands where palearctic species (such as thrushes, flycatchers, warblers and tits, etc.) decrease or disappear and tropical elements are represented only by few species. The number of individuals is also generally low, especially in the montane zone in spite of the excellent and extensive forests. This may be due to the distributional periphery for both palearctic and tropical species.The most generally abundant species was Hypsipetes amaurotis with the dominance of 21% in totalized avifauna, followed by Streptopelia orientalis of 18% of dominance. This species was particularly abundant on Iriomote where it gathered on a few small coastal islets (Hatopanare, Usagi (newly named islet), etc.) for breeding (and roosting). They nested on the ground under dense grass and all had laid two eggs, with the density of a true colony, and flew out to perch on rocks or dead shrubs by small flocks. The environmental safety and potential habit of oversea dispersion of the pigeons and doves may, among others, be attributed to this peculiar island concentration. Three birds were seen flying low over the sea surface from the main island to the offshore island of Hatomajima, km apart.The next was Zosterops palpebrosa of the general dominance of 8%, but more may have been missed in the census. Cettia diphone was even more abundant with the dominance of 22% than Hypsipetes on Okinawa, but was not recorded on the other two islands. Next were dominant Passer montanus (common on Ishigaki but absent from Iriomote), Corvus macrorhynchos and Parus major and the subtropical nature of the avifauna of Ryu Kyu Is. was well characterized by such species with medium dominance, as Terpsiphone atrocaudata, Pericrocotus roseus, Parus varius (not encountered on Ishigaki and Iriomote this time), Cisticola juncidis, Halcyon coromanda, Otus scops, Sphenurus sieboldii and Turnix suscitator, etc.Coastal and marsh birds were not plentiful, egrets and waders having already passed north, and only a few remained. On extensive saltflats small flocks of Tringa brevipes, Tringa nebularia and one Tringa totanus were recorded. An Ardea purpurea and Sterna hybrida were found on Iriomote at the same places where they were seen in 1970. Ixobrychus cinnamoneus was common on rice fields with Gallinula chloropus. Alcedo atthis is said to have decreased due to the recent use of insecticides, and only one was seen in a mangrobe of Iriomote.Sea birds recorded were five species, Sterna sumatrana was arriving north to Okinawa and was seen in pairs. Its breeding places on small coastal rocky islets, Hatopanare off the north coast and other two islets off the western coast of Iriomote were first confirmed, but they were not laying eggs yet. Some flocks of Sterna fuscata were seen north of Iriomote, probably with the seasonal migration of the bonito to this sea area where schools of small fish were seen chased to the surface and a flying fish was observed.

1 0 0 0 西洋編

著者
前田正明著
出版者
TOTO出版
巻号頁・発行日
1992
著者
牧山 正男 伊東 太一
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.73, no.9, pp.793-796,a1, 2005

水田や水路を主な生息場所とする外来種, スクミリンゴガイは, 関東以北ではなじみが薄いものの, 九州・四国地方を中心にそのイネに対する食害, 特に直播イネへの初期生育期における食害が今日では深刻な問題となっている。こうした食害の抑制には浅水管理が有効とされているが, それに対する水田管理の観点からの検討は行われていない。本報ではこのスクミリンゴガイのわが国における移入の経緯や生態について紹介し, 分布や被害の実態などについて独自のアンケートによって把握した上で, 水田浅水管理によるスクミリンゴガイ食害の抑制について, 田面均平精度と湛水深管理に着眼してモデル的に検討し, その有効性と限界について言及した。
著者
国本 桂範 西川 学
出版者
日本農作業学会
雑誌
農作業研究 (ISSN:03891763)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.75-82, 2008-06-25
参考文献数
11

スクミリンゴガイの水田に入っての拾い取りによる捕獲と,水田内に設置した野菜トラップによる捕獲および水田周囲に設置した野菜トラップによる捕獲について,作業時間,捕獲効率を比較した.貝が少なかった水田を除き,拾い取りによる捕獲の作業時間は,10a当たり2時間以上を要し,最も捕獲量の多かった水田では約536分を要した.しかし,1回の拾い取りでの捕獲効率は全捕獲の68.3%に止まり,稚苗移植水稲での要防除水準まで貝密度を減少させるには複数回の拾い取りが必要であった.これに対し,水田内に設置した野菜トラップでは4回のトラップでの捕獲を行うことで要防除水準以下の密度まで貝を減少させることができ,10a当たりの作業時間は約418分だった.水田周囲に設置した野菜トラップでは小規模な水田では13回のトラップによる捕獲で,要防除水準以下の密度にまで貝を減少させることができた.10a当たりに換算した作業時間は約116分で,この方法により短時間で簡単に貝を捕獲できることが示唆された.