著者
上武 英朗 柳本 豪一 吉岡 理文 大松 繁
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会 研究発表講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.10, pp.119, 2010

現在,ソーシャルブックマークサービスが普及している.ソーシャルブックマークとは,ネット上で公開・共有されるWebページのブックマークであり,ユーザが有益な情報が得られる情報源として期待されている.本研究では,ソーシャルブックマークデータ(Webページ,ユーザ,タグ)をテンソルとして表現し,このテンソルを分解することでクラスタリングを行う.分解手法としてCP分解,Tucker分解を用いる.またクラスタリング結果から他手法との分類精度の比較を行う.
著者
菅家 雄太郎 黒須 正幸 渡邊 長 齋藤 剛
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会誌 (ISSN:18822770)
巻号頁・発行日
vol.76, no.10, pp.926-927,a3, 2008

中山間地域総合農地防災事業井野目堰地区は福島盆地の北西部に位置しており, 約150haの水田に灌漑用水を供給している用水路である。しかしながら, 老朽化が著しく, 大雨により水路の脆弱化が進み, 水路決壊, 法面崩壊等による災害発生の危険性があることから, 平成14年度より水路改修工事を実施している。本報では改修を実施した区間の中で, 本用水路の最上流部に位置し, 亀裂性岩盤部に施工した水路トンネルの事例を紹介する。
著者
前田 紀夫 磯部 由香 平島 円 吉本 敏子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.56, 2011

<B>目的:</B>現在実践されている中学校の調理実習では、習得すべき技能・技術が明確に位置づけられておらず、献立構成や指導方法において個々の生徒の技能・技術の習得という視点が欠けている(河村、埼玉大学紀要、2009)。本研究では調理実習を通して身につけるべき力を「1人で調理できる技能・技術」であると定義し、生徒の個々の技能・技術の定着に主眼を置いた授業展開を提案することを目的とした。これまでに調理に必要な技能・技術を盛り込んだ献立3種(A:鰯のかば焼き・青菜のお浸し、B:ホワイトシチュー・ブラマンジェ、C:スパゲッティミートソース・トマトサラダ)と、新しい調理実習の指導方法として、「1限2品3まわり調理法」(3人1組になり、1限で2品の料理を2人が1品ずつ調理し、1人が観察者となって2人をサポートする方法)を報告した。本報では前回の報告で提案した献立と指導方法を用い、授業を実践することにより調理技能・技術習得に対する1人で調理することの効果について検討した。<BR><B>方法:</B>三重県内のA中学校の1年生(全3クラス)を対象に、2010年の4月~10月にかけて3つの献立を用いて調理実習を行った。1人で調理することの効果を比較するため、「1限2品3まわり調理法」だけでなく「1限1品調理法」(班で役割を分担して1限で1品を作るという方法)と「2限2品調理法」(班で役割を分担して2限で2品を作るという方法)を加え、各クラス異なる指導方法で調理実習を行った。各クラスの人数は24~25名であった。効果を検討するため、小学校での調理操作の経験等を問う事前アンケートを最初の授業に行った。また調理実習実施の前後には、リンゴの皮むきを実技テストとして行い廃棄率を計算した。さらに学期末には、筆記テストや事後アンケートを行った。有意差検定にはt検定やχ&sup2;検定を用いた。<BR><B>結果:</B>本報では2010年の1学期に行った献立Aおよび献立Bの調理実習実施前後での指導方法による調理技能・技術習得の差について検討した。事前アンケートにより生徒の調理技能・技術について調べたところ、22%の生徒が小学校で「調理実習において習得すべき技能・技術」の経験がないとわかった。調理実習前の調理経験にはいずれのクラスにおいても差がなかった。実技テストでは廃棄率の変化により検討したが、「1限2品3まわり調理法」を行ったクラスにおいて調理実習前後で廃棄率が下がっており、包丁の技能・技術の向上がわずかに見られた(<I>p</I> < 0.1)。事後アンケートにおいて「1限2品3まわり調理法」を用いたクラスは「1限1品調理法」や「2限2品調理法」を用いたクラスよりも調理操作の自信度の高いことがわかった(<I>p</I> < 0.05)。また、調理実習でとりあげた献立を家で作ってみたいと答えた生徒の割合は「1限2品3まわり調理法」が最も多かった。筆記テストでは、「ホワイトシチューの材料の切り方で正しい組み合わせを選びなさい」という設問に対して「1限2品3まわり調理法」の生徒は「1限1品調理法」や「2限2品調理法」より正解率が高かった(<I>p</I> < 0.05)。献立においては煮込み料理である「ホワイトシチュー」は時間がかかるため、1限の調理実習には適しておらず、2限の調理実習に相応しいことがわかった。また、「1限2品3まわり調理法」は「2限2品調理法」や「1限1品調理法」よりも多くの授業時数を要した。今後は、献立ごとに「2限2品調理法」や「1限1品調理法」を取り入れつつも、1人で調理する場面をできる限り増やす工夫が必要である。また、各献立においても1人で調理させることで習得させたい技能・技術に焦点を当て、実技テスト等も行うことで、個々の調理技能・技術習得や向上につなげていくことが課題である。
著者
水野 五郎 ミズノ ゴロウ Goro Mizuno
雑誌
経済と経営
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.861-892, 1991-03-30
著者
熊谷 忠和 クレミンソン ティム
出版者
川崎医療福祉学会
雑誌
川崎医療福祉学会誌 = Kawasaki medical welfare journal (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.55-64, 2018

本研究の目的は,これまでの筆者の研究である社会構築主義的思考に基づくソーシャルワークの理論・方法の枠組み構築を目指した「生きていることの有意味感を見据えたソーシャルワーク援助枠組みについての研究」を踏まえ,さらに当事者のライフ・ストーリー分析を多文化視点も加え,すでに筆者が提示している「生きていることの有意味感を見据えたソーシャルワーク援助枠組み」の妥当性を検証することである.そのための研究方法として,マレーシアのハンセン病当事者(中華系マレー人)への聞き取り調査を行った.分析の結果,スティグマをきせられた当事者が,自身のさまざまな対処を通して,人生においてポジティブな見解を築き上げる過程が明らかとなった.そして,エピファニー(語源はキリスト教における「顕現」を示すが,ここでは当事者が人生の見方を変えるような宗教的な体験も含む日常的な生活や出来事の体験とする)の体験を経て,当事者自身が人生の見方を変え,スティグマを乗り超えていく過程が明らかとなった.さらにライフ・ストーリーのダイナミクス,すなわち「マスター・ナラティブ」「モデル・ストーリー」「ニュー・ストーリー」の展開過程が認められ,その要因として「ストレングス」「利用者文化」「公からの他者承認」「実体ある復権」が明らかとなった.従って,研究の目的とした前段研究の妥当性は検証された.しかしながら,今回の事例的検証から本「援助枠組み」援用について,当事者との安定した信頼関係形成などに関しての限界性が認められた.
著者
土井 千鶴子 土田 正子 倉橋 久子
出版者
一般社団法人 日本繊維機械学会
雑誌
繊維機械学会誌 (ISSN:03710580)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.T240-T245, 1991
被引用文献数
1

目的 服装から想定される性格を明らかにするため, 刺激としての服装をスライド写真によって調査対象者に提示し, 推測される性格が服装言語による提示の場合と, どのように異なるかを検討した.成果 対をなす11の服装の11性格尺度上での評定平均値の差は, 服装と性格の組み合わせ121セルのうち, 88%に有意差が認められた.性格が想定されやすかった服装は, シンプル/装飾的, ブランド志向の強い/ブランドにこだわらない, 明るい色/暗い色大胆/平凡地味/派手であった.服装を言語によって提示した場合と比較すると, 大柄/小柄な模様原色/中間色の服装を除く9対の服装については類似した結果が得られた.
著者
芦川 敏洋
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.1-45, 2020-09-30 (Released:2020-12-10)
参考文献数
23

日本経済の潜在成長力や成長可能性に関する先行研究は数多く取り組まれているが,県レベルでの(セミ)マクロ経済分析になると,データ上の制約もあって限定的となる.そこで,本稿では,資本ストックデータを独自に試算し,47都道府県それぞれの潜在GDPとGDPギャップの推計を試みる.さらに,その推計値を活用する形で,近年の市場経済における長期停滞の要因を解く「長期停滞論」の視点から仮説を設定し,地域経済圏域を分析対象にして検証を試みる.国内の多くの県において「需要不足による長期停滞」なのか,特に東京都を中心とした東京大都市圏はその傾向が顕著なのか,それとも,それ以外の地方圏では「供給不足による長期停滞」であるのかを,潜在成長率やGDPギャップの動きなどに関する実証分析を通じて明らかにする.
著者
黒石 哲生
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.944-951, 2003-08-01
被引用文献数
1

わが国の婦人料系がんの予防対策のための基礎資料を得る目的で,厚生労働省の人口動態統計と国勢調査人口に基づいて,乳がん,子宮がん,卵巣がんの1950年以降の死亡数・率の動向を調べた.また,今後現在のような死亡動向かいましばらく続くとして,これらのがん死亡数・率の将来予測を行った(2000年〜2020年).2000年におけるわが国の全がん死亡数は,女で116,344人であり,そのうち乳がん,子宮がん,卵巣がんはそれぞれ9,171人,5,216人,3,993人で全部位のうち7.9%,4.5%,3.4%を占め,部位別では第5位,8位,11位にあった.またそれぞれ年齢調整死亡率は人口10万人当たり10.6,5.3,4.3であった.1950年以降,乳がん,卵巣がん死亡数(年齢調整死亡率)は増加(上昇)し,子宮がん死亡数は減少(低下)してきた.この傾向が続くとして2020年の死亡数を予測すると,それぞれ13,700人(2020年/1999年の比は1.54),7,600入(1.87),3,500人(0.68)ほどと推計された.ただし,子宮がんでは最近下げ止まりの傾向がみられ,上記の推計は過小評価の可能性があると思われる.卵巣がんにも最近低下の兆しがみられるが,真かどうか数年見守る必要がある.年齢階級別に乳がん死亡数の将来予測をみると40歳以上のどの年齢層でも増加することがみられた.年齢階級別に卵巣がん死亡数の予測を行うと増加の激しいのは80歳以上および70〜79歳の年齢層であった.年齢階級別に子宮がん死亡数の予測では80歳以上の高齢者では増加がみられたが,80歳以下の各年齢階級では減少がみられた.
著者
佐川 哲也 国土 将平 笠井 直美 大澤 清二
出版者
金沢大学教育学部
雑誌
金沢大学教育学部紀要 人文科学・社会科学編 (ISSN:02882531)
巻号頁・発行日
no.46, pp.147-164, 1997-02
被引用文献数
1

金沢大学鳥取大学教育学部・助教授大妻女子大学人間生活科学研究所・助手大妻女子大学人間生活科学研究所・教授
著者
後藤,恵之輔
出版者
土質工学会
雑誌
土と基礎
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, 1996-01-01
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.870, pp.24-28, 1996-12-16

激しい競争に勝った欧米流通企業が,練り上げた商法を日本で試す。商品開発,仕入れ,価格政策。どれにも一日の長がある。その破壊力は日本の流通機構だけでなく,メーカーにも及ぶだろう。文具流通を脅かす大型安売り店オフィス・デポオフィス用品・文具(米国)文具業界のガリバー,コクヨの黒田章裕社長は最近,販売店向けの季刊誌にこんな文章を載せた。
著者
前田 雄司 小松 和人 岩佐 陽一 金谷 二郎 高 栄哲 並木 幹夫 三輪 聰太郎 布施 春樹 平野 章治 近藤 宣幸 古賀 実 竹山 政美 松宮 清美
出版者
日本泌尿器科学会 = Japanese Urological Association
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 = Japanese Journal of Urology (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.91, no.10-11, pp.673-678, 2000-01-01

(目的) 精巣微小石灰化 (testicular microlithiasis; TM) は, 精細管内に特徴的な石灰化を認める比較的稀な病態である. 日本人におけるTMの出現頻度や, その臨床的重要性についての報告はほとんどない. 今回, 精巣生検組織および精巣摘出標本をTMについて再評価し, 精巣病理組織標本が得られた集団中での出現頻度について検討した. (対象と方法) 1988年1月から2000年5月までに得られた200症例の精巣病理組織標本 (精巣摘出標本56例, 精巣生検144例) を検討した. (結果) 200例の病理組織中, 7例 (3F5%) にTMを認めた. TMの7例中, 4例は胚細胞腫瘍の症例で, 残りの3例は男性不妊症精査の症例であった. 胚細胞腫瘍41例中, TMは4例 (9.8%) であった. 不妊症精査の122例中3例 (25%) にTMを認めた. 胚細胞腫瘍症例の組織標本には, 胚細胞腫瘍以外の症例の組織標本よりも有意にTMが多かった (p<0.05). (結論) TMは比較的稀な病態であるが, 精巣腫瘍により高率に認められる. TMと精巣腫瘍との関連をさらに検討するためには, 偶発的に発見されたTMに対する経過観察を行い, 症例を蓄積していくことが必要と考えられた. (purpose) Testicular microlithiasis (TM) is a relatively rare condition characterized by calcific concretion within the seminiferous tubules. Little has been reported on the incidence or the clinical implication of TM among Japanese. To address the problem, we evaluated pathologic specimens from biopsies and orchiectomies, of testes with various conditions. (Materials and Methods) Pathologic specimens of the testes of 200 cases, 56 from orchiectomy and 144 from testicular biopsy, were investigated. (Results) The pathological diagnosis of TM was confirmed in seven (3.5%) cases, four of which were associated with germ cell tumors and the other three were obtained from testicular biopsies performed for examination of infertile men. Of the 41 patients with germ cell tumors, four (9.8%) were found to have TM, and another three (2.5%) were identified among 122 patients with infertility. The prevalence of TM is significantly higher in specimen with germ cell tumors than those without germ cell tumors (p<0.05). (Conclusions) Although TM is rarely encountered, this condition is relatively often accompanied by testicular malignancy. Further investigation would be fundamental to ascertain the relationship between TM and testicular malignancy.