著者
曽我 祐典
出版者
日本フランス語学会
雑誌
フランス語学研究 (ISSN:02868601)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.1-11, 1995-06-01 (Released:2017-09-12)

Cet article tâche d'éclaircir le mécanisme régisseur du choix que fait le locuteur entre les constructions penser INF et penser que IND lorsque celui qui pense, c'est-à-dire le siège de l'événement jugement P et celui qui assume le procès de l'événement objet du jugement Q sont identiques. Au niveau du discours, le locuteur semble exprimer Q : a) par l'infinitive s'il s'agit de la conviction intime (Je pense avoir réussi) ; et b) par la subordonnée en que s'il veut présenter Q comme faisant partie du monde objectif (Rassurez-vous. Je pense que j'en suis capable). Pour ce qui est du passage du niveau conceptuel au niveau linguistique, notre analyse du comportement des Français dans l'expression de propos complexes nous incite à formuler l'hypothèse suivante : a) le locuteur opte pour l'infinitive si dans l'image mentale de ce qu'il se propose de communiquer, Q est conçu comme solidairement uni à P ; et b) pour la subordonnée en que si dans l'image en question, Q est conçu comme plus ou moins distinct de P. Notre hypothèse semble rendre compte de manière satisfaisante des différents emplois des constructions qui nous intéressent.
著者
広瀬 裕子
出版者
専修大学社会科学研究所
雑誌
社会科学年報 = The Annual bulletin of social science (ISSN:03899519)
巻号頁・発行日
no.48, pp.193-211, 2014

本稿は、2000 年代に日本で繰り広げられた学校の性教育に対する批判キャンペーンに対する政府対応の経緯を考察し、文部科学省の官僚的なルーティーンに徹した対応が、高揚していた性教育批判の言説を限定化する緩衝剤として機能した様子を浮き彫りにする。2002 年の国会審議から始まった学校の性教育に対する組織的な批判は、中央および地方レベルの動きが呼応する大掛かりなものであった。東京都では性教育実践に関わって行われた教員処分が訴訟にまで発展するというケースも発生した。こうした性教育に対する組織的批判は、性教育の授業実践に萎縮ムードを生んだ一方で、学校の性教育に関する初めての全国調査の企画を具体化させ、それまで明らかにされていなかった性教育実践の実態が明らかにされることにもなった。得られたデータが示すのは、学校の性教育に対する批判は必ずしも社会に広い支持を得ていたわけではないということであった。性教育の処遇の再検討を始めた文部科学省は、性教育批判を精力的に進めていた自民党を与党の動きと呼応しながらも、中教審に検討をゆだねるなど通常のルーティンに則った対応に徹し、結果的に批判を沈静化させる緩衝材として機能した。

1 0 0 0 OA 東京市史稿

著者
東京市 編
出版者
東京市
巻号頁・発行日
vol.產業篇 第一, 1935
著者
小川 高 新家 俊樹 三島 浩享
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.469-472, 2009-06-20 (Released:2016-09-03)
参考文献数
10
被引用文献数
1

17歳4カ月齢の猫の扁平上皮癌が疑われた口腔内および下顎骨の腫瘤に対して,活性炭吸着カルボプラチンを局所注射する治療を行った. 治療後,口腔内腫瘤は縮小し,下顎骨の腫瘤の増大傾向もみられていない. 標的化学療法の選択肢の一つとして本治療法の有用性が示唆された.
著者
岩見 真吾 キム カンスウ
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.1119_3, 2020 (Released:2020-12-01)

数理モデルでは,個体の初期状態ならびに様々な個体変数の影響(パラメータ)を考慮して,個体集団の変化を表せる.数理モデルのシミュレーションでは,これら変数が時間経過に伴って変化する様を可視化できる.なお,変数の変化が直前の状態によって完全に決定されるような場合を「決定論的シミュレーション」と呼び,確率的に決定される場合を「確率論的シミュレーション」と呼ぶ.決定論的シミュレーションでは,初期値とパラメータが決まれば,変数の変化は常に同じとなる.

1 0 0 0 OA 東京市史稿

著者
東京市 編
出版者
東京市
巻号頁・発行日
vol.市街篇第壹, 1914
著者
成田 善弘
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.788-789, 1992-09-15

・心気的な患者は心身の些細な不調に著しくとらわれ,これに必要以上にこだわり,重大な疾患の徴候ではないかと恐れ,しかもその心配を他者へ執拗に訴える. ・こういう特徴を示し他に基礎疾患がない場合に,神経症の一型として心気症と診断する. ・心気的訴えの背後には身体疾患が存在することもある.またうつ病,分裂病などの症状としてみられる場合もある. ・心気症患者に対しては,患者の訴えをすぐさま精神的問題に結びつけて「心因性」と決めつけたり,まして詐病扱いすることなく,患者と医師が共有しうる妥協的診断名(たとえば自律神経失調症,脳動脈硬化症など)を用いて医師・患者関係の維持に努め,患者の訴えを十分聞き,苦痛,不安,心細さを受けとめるよう努める.
著者
東 恒人 島田 恭宏 島田 英之 佐々木 武
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.45-54, 2008
参考文献数
10

本論文では,デザイン分野での研究を志す初心者を対象とし,断面線と側面線を用いて,三次元メッシュを生成する方法を提案している.この方法の特徴は,次の通りである.(1)ウォルシュ変換とフーリエ変換を利用することにより,メッシュの形状的な特徴をスペクトルの観点から定量的に分析することが可能である.(2)ウォルシュ変換を用いて得られる構成要素から,高交番数成分を削除した後,残った成分に対してウォルシュ逆変換を適用することにより,滑らかな形状のメッシュを角張った形状のメッシュに変形することが可能である.(3)断面線と側面線に対して,互いに異なる変換手法を適用することにより,滑らかな形状を角張った形状に変形させるとともに,角張った形状を滑らかな形状に変形させることが可能である.
著者
小田 博志
出版者
日本平和学会
雑誌
平和研究 (ISSN:24361054)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.1-26, 2021-08-26 (Released:2021-08-26)
参考文献数
37

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは人類に何を問いかけているのだろうか?ワクチン接種に収斂しつつあるCOVID-19対策において、生体の自然治癒力および森林破壊、グローバル気候変動など生態学的な背景が等閑視されている。この行動のパターンは、自然から人間を切り離して、主体としての人間が客体としての自然を支配するという近代文明の前提に由来する。ここで自然と人間をいかにつなぎ直すのかという根本的な問題が浮上する。生きているということの本質規定は自発性であり、この生命の根拠は客観化も所有も支配も不可能である。この生きているということにおいて自然と人間とはつながっている。近代において植民地化されてきた先住民族の視点に立つと、個々の生きものだけではなく、世界が生きているということが見えてくる。この生きている世界では、動植物ばかりか、山や川や大地も生きており、互いにケアし合っている。このつながりの中で個々の生きものは生きている(内在性)。またつながりのケアは世代間で継承される(世代間平和)。深い脱植民地化が向かう先はこの生きている世界である。多様な存在者がつながり合って生きている様を、人間を含むいのちの網の目のイメージで捉えることができる。これは先住民族/近代人の別なく存在論的に基層の次元にあたる。いのちの網の目の存在論に基づくと、研究、言葉、技術、経済、そしてパンデミックとの関わりも自ずと変わらざるを得ない。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.613, pp.74-76, 2005-10

和歌山アイコムは,無線機メーカーであるアイコムの生産子会社にして唯一の生産拠点。日本市場向けも海外市場向けも,米国陸軍向けもアマチュア無線愛好家向けも,アイコムの製品はすべて和歌山アイコムで造る。 その和歌山アイコムの組立・検査工程はすべてコンベヤラインだ(図1)。セル生産がこれだけ普及したにも関わらず,敢えてコンベヤを使い続けるのには相応の理由がある。
著者
湯淺 墾道
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-55, no.9, pp.1, 2021-08-30

フェイクニュースの意図的な発信・伝播や,それを利用した世論誘導・選挙介入が世界的に問題になっている.また政治的意図にとどまらず,さまざまな意図により真正でないデータを発信・伝播する行為が問題化しており,「フェイク」対策は情報セキュリティ・サイバーセキュリティの大きな課題になりつつある.これに対する各国のアプローチはさまざまであり,フェイク生成・伝播に利用される AI をどのように規制するかも含めて,法規制の動向について紹介する.