8 0 0 0 OA 民族心理講話

著者
米田庄太郎 著
出版者
弘道館
巻号頁・発行日
1917

8 0 0 0 OA 万買物調方記

出版者
巻号頁・発行日
1692

別書名『買物調方三合集覧』(巻末)。京、大坂、江戸の商売、職人の住所、氏名、諸国名産等を内容とする。調方記(重宝記、調宝記とも書かれる)は、日常生活に必要な知識をいろいろと取り集めた、庶民のための簡易百科事典のようなものである。当時は、好色本とならび本屋のドル箱であり、元禄年間に20種余りも刊行されている。懐中するのに便利な横長の小本で、当館本には元禄5年の刊記が補記されている。
著者
青木 秀男
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.89-104, 2015 (Released:2016-06-30)
参考文献数
49

本稿は, 1945年8月6日に広島で炸裂した原爆について, 市内の被差別部落A町を事例に, 被害の他町との差異を分析し, その意味を, 災害社会学の概念 (社会的脆弱性, 復元=回復力) により解釈する. そして1つ, 原爆被害の実相を見るには, 地域の被害の<構造的差異>を見る必要がある, 2つ, 地域には被害を差異化する力と平準化する力が作用し, それらの力の拮抗と相殺を通して被害の実態が現れる, という2点を指摘し, 災害社会学を補強する. A町民の原爆死亡率は, 爆心地から同距離の他町とほぼ同じであったが, 建物の全壊・全焼率および町民の負傷率が高かった. そこには, ①A町には木造家屋が密集していた, ②建物疎開がなかった, ③原爆炸裂時に多くの人が町にいた (仕事場が自宅であった) 等の事情があった. また同じ事情で, A町民は多くの残留放射能を浴び, 戦後原爆症に苦しむことになった. そこには, A町の, 被爆前の社会的孤立と貧困の <履歴効果> と, 被爆による生活崩壊・貧困・健康障害の <累積効果> があった. 他方でA町民は, 被爆直後より被害からの復元=回復に向けた地域共同の努力を開始した. 地域共同は, A町の人々の必須の生存戦略であった. A町には, 地域改善運動や部落解放運動の基盤があった. しかしそれでもA町は, 戦後も孤立した町にとどまった. 地域の景観は大きく変った. しかし被害の構造的差異は, 不可視化しながら持続した.
著者
松野 あきら
出版者
日本比較生理生化学会
雑誌
比較生理生化学 (ISSN:09163786)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.54-61, 2010 (Released:2011-04-27)
参考文献数
39

ある種の平滑筋は1度収縮すると,その後ほとんどエネルギー消費をしないで収縮したままの状態を保つことができる特殊な筋収縮をする。このような収縮はキャッチ収縮と呼ばれ,キャッチ収縮を引き起こす機構をキャッチ機構と呼ぶ。キャッチ機構の研究には色々なアプローチが試みられており,現在では,生化学的および分子生物学的手法でキャッチ状態を解除する機構までもが明らかにされている。少し過去にさかのぼると,キャッチ筋の太いフィラメントに含まれるパラミオシンとキャッチ機構との関係が注目されたが,細胞内での構造的な証拠が得られなかった。しかしながら,多種多様の閉殻筋平滑筋のキャッチ筋には,直径が50-60nm以上の太いフィラメントが含まれているのが観察される。これらのフィラメントが直接キャッチ機構に関与していることはなさそうだが,今後の生化学や分子生物学の研究で,このフィラメントの重要性が再確認される日が来るだろうと思われる。
著者
守口 善也
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.34-42, 2011 (Released:2017-04-12)

アレキシサイミア(失感情症)とは、自己の感情の同定や表象の困難という情動処理の不全に関する性格傾向で、心身症などの疾患で重要とされる。その脳機能の研究は重要であるが、体型的なまとめはなかった。ここでは、従来のアレキシサイミアに関わる脳機能画像研究をレビューした。その結果、1)外的な情動(視覚)刺激、及び想像性に対する辺縁系・傍辺縁系(扁桃体、島皮質、前帯状回、後帯状回)の反応性は低下しており、2)内的な体性感覚・運動などの「身体」にまつわる刺激に対しては、島皮質や感覚運動領域をはじめとして、むしろ亢進している。3)社会性の課題に対しては、内側前頭前野・島皮質等において活動が低下していた。アレキシサイミアがもつ「外的な情動刺激への鈍麻」と、一方で「より内的でダイレクトな「身体」感覚への過敏」という脳機能の特性は、アレキシサイミアの人の一部が身体症状に依存することにつながっていると思われる。
著者
林 倫子 藤原 剛 出村 嘉史 川崎 雅史 樋口 忠彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D (ISSN:18806058)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.187-197, 2009 (Released:2009-06-19)
参考文献数
49
被引用文献数
1 1

現在の京都御苑周辺に歴史上設けられた数多くの園池へは,禁裏御用水が供給されていた.本研究では,広域的な導配水システムとしての禁裏御用水に着目し,その流路構造や付帯施設を歴史的資料を用いて明らかにした.その結果,禁裏御用水の4つの施設面の特徴とマネジメントルールを抽出し,禁裏御用水が水の安定供給に加えて上流の田畑と下流の園池での水の共用にも配慮していたことを示した.更に,各園池への導水経路を検証し,水の引き込み方の特徴として,相国寺開山塔庭園の特殊性と御溝水の自由度の高さを指摘した.
著者
岡 久仁洋
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.758-761, 2016-10-18 (Released:2016-11-17)
参考文献数
6
被引用文献数
1

肘関節には腕尺関節,腕橈関節,近位橈尺関節の3つの関節があり,屈伸運動と前腕回旋運動を行うことができる.安定した関節運動を行うための機構として内側側副靱帯,外側側副靱帯複合体があり,靱帯機能が破たんすることにより,肘関節拘縮,不安定性の原因となる.屈伸運動の回転軸の通過する位置は,上腕骨滑車中心の内側側副靱帯前斜走線維の付着部に一致するが,外側は屈曲肢位により外側側副靱帯付着部面に分布し,回転軸の軌跡は円錐状となる.前腕回旋軸は尺骨小窩と橈骨頭中心を通過し,前腕は,ほぼ一軸性の回旋運動を行う.これらの肘関節における解剖学的特徴と3次元的動態解析に基づいた運動機能について述べる.
著者
三井 一希 佐藤 和紀 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S46056, (Released:2022-09-02)
参考文献数
7

児童のICT 操作スキルに関して,教師が行った支援方法とその期間を,認知的徒弟制モデルのうち,熟達化を促すための方法に着目して調査し,実態を把握することを目的とした.小学校教師12名の回答を分析した結果,Web サイトの作成スキルのように,教師の手本を観察させて学ばせる期間が長くなるものがある一方で,地図アプリの操作スキルのように,支援を少なくしてすぐに自立の段階に移行できるものがあること等が示された.また,認知的徒弟制モデルに沿った順番どおりの支援が最適とは限らない可能性が示唆された.
著者
佐藤 隆一郎
出版者
日本脂質栄養学会
雑誌
脂質栄養学 (ISSN:13434594)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.35-42, 2016-03-31 (Released:2016-05-10)
参考文献数
9

Bile acids exert anti-obesity and anti-hyperglycemic effects through a G protein-coupled receptor TGR5. In L cells located in the lower small intestine TGR5 activation stimulates secretion of a peptide hormone GLP-1 that enhances insulin sensitivity. In brown adipose tissues and skeletal muscles its activation results in an increase in energy expenditure, leading to anti-obesity effects. Based on these findings, we searched for food factors that mimic bile acid functions, and identified a citrus limonoid nomilin as a powerful agonist for TGR5. Simulation analyses for TGR5-nomilin association and mutation analyses of human TGR5 revealed that TGR5 is capable of biding nomilin through three amino acid residues located in a transmembrane and extracellular domain. Further analyses using transgenic mice overexpressing human TGR5 in skeletal muscles showed that TGR5 activation results in an increase in muscle mass. Taken together, we believe that TGR5 is one of ideal targets for functional food factors to extend healthy life expectancy.
著者
西川 孝治郎
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.155-167, 1964-06

8 0 0 0 OA 魚の性

著者
高橋 裕哉
巻号頁・発行日
1995

性 sex が科学の分野で取り上げられたのは20世紀に入ってからで、形態学的な研究に始まった。性という用語は学問上は "雌雄性sexuality" という意味で用いられる。性の科学が具現化されたのは主に遺伝学によってであるが、後に実験形態学、生理学、生化学がこれに加わって総合科学としての "性の生物学 biology of sex" を成立させ、一般に性とよばれるものが如何なるものか、という問題を追求し続けて今日に至っている。性には雄と雌の二種類があり、それぞれ♂と♀に記号化される。この両者は峻別され得るものだろうか? 1929年、この分野の先駆者の Max Hartmann は "性の相対性 relative sexuality" の理論を提唱した(Hartmann, 1956, 参照)。これは Ectocarpus siliculosus という藻類での研究に基づいたもので、この藻の遊走子では雄と雌が大体定まっているが、雄とみられる遊走子間、または雌とみられる遊走子間で受精が行われる、すなわち或る雄が雌的に、または或る雌が雄的に働く場合がある。生殖細胞にはこのような "両性的 bisexual" な性質があり、仮にその雌的な性質をF、雄的な性質をMで表すとすれば、FとMの大きさの差が外的な性質として現れてくることがあるのである。 この考え方によれば、全ての動物の雄、雌というのは厳然と区別されるべきものではなく、個体は本質的に両性的であり、また雌雄のいずれにもなり得る両能性 bipotentiality を具有している。すなわち、雌雄というのはあくまでも現象的なもので、FとMの拮抗作用の表れにすぎない。通常は遺伝的な性組成を基盤としてFとMの差が大きく保たれ、特にいわゆる高等動物では、それらの現象的な雌雄が明瞭に分離されている。しかし性決定遺伝子やその修飾に関連する遺伝子(F-遺伝子とM-遺伝子)の作用が明確な脊椎動物においてすら、生殖細胞の両性的かつ両能的な性質は保守されており、それに基づいた様々な雌雄性の表れ、たとえば雌雄同体現象や性転換現象が認められるのであり、それらが硬骨魚類では最も顕著に表現されているのである。 生殖細胞の性的両能性は、それが個体発生の、または生殖腺の形態形成のどの時点まで保持されているか、すなわち生殖細胞の精子形成と卵形成への方向付けがどの段階で確定されるかという問題と、そのような性的両能性の不可逆的な喪失を導く因子は何かという問題を生ずる(Reinboth, 1982)。特に後者の問題は性の生物学における究極の問題といえよう。性の表現様式が脊椎動物では他に類をみないほど多様であり、性的に不安定な状態にあるとされる硬骨魚類は、これらの問題の追究にとってまたとない好対象なのである。

8 0 0 0 刀剣史料

著者
南人社
出版者
南人社
巻号頁・発行日
no.34, 1961-10