8 0 0 0 OA 平家物語図会

著者
高井蘭山 著
出版者
駸々堂
巻号頁・発行日
1886
著者
河野 朗典
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.116, no.4, pp.108-142, 2008

平坦な時空における場の量子論を曲がった時空へ一般化する定式化を以下の順序でレビューする。時間に依存した時空では、十分過去と未来とで対応する真空状態が異なることを見る。それを、膨張する宇宙や、星の崩壊によりブラックホールを形成する時空に適用することによって、宇宙での粒子生成や、Hawking輻射が起こることを見る。また、Hawking輻射におけるエネルギーの流れを求め、最終的にブラックホールの蒸発が予測されることを見ていく。
著者
飯島 茂子
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.121, no.9, pp.1847-1854, 2011-08-20 (Released:2014-11-13)

尋常性痤瘡には遺伝素因,皮脂分泌の亢進,男性ホルモンなどの内分泌的因子,毛漏斗部の角化異常,Propionibacterium ancesなどによる細菌学的素因,炎症反応などが関連して発症する.その結果,毛包内に角質・皮脂が充満した面皰が形成され,細菌性リパーゼ・菌体外酵素・活性酸素などによる炎症性の紅色丘疹,膿疱が出現する.治療にはこれらの病態生理を理解した上での戦略が必要である.その他の痤瘡性疾患や鑑別すべき疾患についても言及した.
著者
宮澤 菜那
出版者
富山大学比較文学会
雑誌
富大比較文学
巻号頁・発行日
vol.9, pp.172-199, 2017-03-10

森見登美彦の『夜は短し歩けよ乙女』は、『小説 野生時代』(角川書店)に、「夜は短し歩けよ乙女」(二〇〇五年九月)、「深海魚たち」(二〇〇六年三月)、「御都合主義者かく語りき」(二〇〇六年十月)、「魔風邪恋風邪」(二〇〇六年十一月)の全四回の連載を経て、二〇〇六年十一月に刊行された長編小説である。この作品は、二〇〇七年四月に本屋大賞第二位に選ばれ、同年五月に第二十回山本周五郎賞を受賞、そして七月に第一三七回直木賞候補作に選ばれるなど、世間から注目を集めた、森見登美彦の出世作と言っていい作品でもある。『夜は短し歩けよ乙女』は現代風の大学生の恋愛模様を軸に展開され、破天荒な人物たちが数多く登場し、奇怪な出来事が次々と起こる、一見すると荒唐無稽な物語である。しかしながら、森見登美彦独特の文体によって綴られる物語は破綻することなく、一定の調和を保ちながら成立している。読み手をその世界に引きずり込んでいくような不思議な力があり、そこが魅力の作品である。この作品には、第二章「深海魚たち」において重要なアイテムとして登場する『ラ・タ・タ・タム――ちいさな機関車のふしぎな物語』をはじめとして、合わせて三十以上もの文学作品が固有名詞として用いられている。また、固有名詞として登場しているだけでなく、他作品の台詞の引用なども多く見られる。本稿では、こうしたプレテクストに着目し、森見登美彦の『夜は短し歩けよ乙女』について考察していく。
著者
古田 吉史 田中 貴絵 甲斐 達男
出版者
西南女学院大学
雑誌
西南女学院大学紀要 = Bulletin of Seinan Jo Gakuin University (ISSN:13426354)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.145-151, 2017-03-01

米糠を自然発酵させて調製する糠床に、種々の野菜を漬け込んで造る糠漬けは日本の伝統的発酵食品の一つである。糠床の微生物叢に関する研究は多いものの、糠漬け野菜の微生物叢とその変化についてはほとんど報告されていない。本研究では、85 年以上経過した熟成糠床3種と新たに調製した糠床1種にナスとキュウリを漬け込み、それら野菜に付着する微生物叢の変化を調べた。まず糠床中の微生物叢を調べたところ、今回使用した4種の糠床間で乳酸菌数と酵母数、その割合に大きな違いが見られた。浸漬野菜(糠床に18 時間浸漬後、水洗いした野菜)に関しては、コントロール(水洗いした野菜)と比べて、何れの糠床に浸漬した場合でも、一般細菌数は著しく減少し、乳酸菌・酵母数は増大した。付着した乳酸菌・酵母数は全体的にキュウリと比べてナスの方が多く、また糠床自体の乳酸菌・酵母数が多いほど付着菌数も多いと思われた。糠床中の乳酸菌数を高く維持すること等により、糠漬け野菜のプロバイオティクスとしての利用が今後期待される。
著者
中野 洋一
出版者
九州国際大学
雑誌
社会文化研究所紀要 (ISSN:02876639)
巻号頁・発行日
no.70, pp.1-48, 2012-08
著者
井上 雅彦 中谷 啓太 東野 正幸
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.78-86, 2019-08-31 (Released:2020-08-31)
参考文献数
11

自閉症や知的障害のある人々の問題行動に関する機能分析的アプローチは多くの研究でそのエビデンスが示されている。近年これらの治療研究は、家庭、学校、施設などコミュニティで実施されるものが増加しており、非専門家による行動記録の収集と評価が課題となっている。本研究の目的は、日常場面において非専門家が行う行動記録を援助するアプリケーションを開発することであった。本アプリケーションは、Android(アンドロイド機器用)とiOS(iPhone, iPad用)の2つのOS版を各OSの配布サイトからダウンロードし、スマートフォンやタブレットなどのデバイスで利用可能である。記録者は観察時間や標的行動などを設定し、行動の出現に合わせてカテゴリーをタップすることで記録される。入力された行動観察データは即時にグラフ化して表示させることが可能である。データは各デバイス内に格納蓄積され、必要に応じてcsv形式でメール送信可能なため、パソコンなどでのデータの編集加工が可能となっている。家庭と事業所での試用から、本アプリケーションの有効性と課題について考察した。
著者
矢野 真沙代 橋本 英樹
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.811-818, 2020-11-15 (Released:2020-12-23)
参考文献数
29

目的 高齢運転者による交通事故を防止するべく,免許の“自主”返納をめぐる議論が進んでいる。しかし,“自主”返納の意思決定プロセスやだれがそれに関わっているのかについて現状では情報が乏しい。本研究では,高齢による運転免許の“自主”返納を経験した高齢者を中心に,それを取り巻く人々や環境との間の関係,高齢者の身体認識の変化に注目しつつ,意思決定のプロセスと“自主”の意味を明らかにすることを目的とした。方法 探索的目的を鑑み質的研究法を選択した。日常生活で自動車運転の頻度が高く,自主返納率が全国に比し低い茨城県に着目した。同県A市の一般医療機関を受診中の高齢者のうち,配偶者と暮らしており,運転免許を返納ないし返納を検討中の男性8人を対象に半構造化面接を行った。個別インタビューにて免許取得・返納時期,生活内での運転の意義,免許返納に至る過程と相談者の有無,免許返納後の生活等を尋ねた。インタビュー結果を録音し逐語録に起こしたのち,グラウンデッド・セオリー・アプローチに基づき分析した。結果 当事者は,運転中や日常生活において自分の意思に身体が伴わない《身体の乖離》を経験することで,これまで《身体》は《自分》に内在化され意識していなかった状態から,《身体》を操作する《自分》を日常的に意識しなくてはならないことに戸惑っていた。家族や周囲からの運転技能に対する疑念,運転事故のリスクをめぐるやり取りは,意識化された《自分》にどう対峙するかによって,異なる形で《自主》返納のプロセスにつながっていた。《自分》が事故リスクを抱えた《身体》として内在化された場合,《自分》は喪失され《自主》返納は周囲の意見に折れる形で決定されていた。一方《自分》を過去の人生経験に照らして《再評価》した場合,《自分》を社会のなかで実現する手段として《自主》返納は選択・実行に移されていた。いずれも返納後に生じる《不便》は生じていたが,《自分》の《再評価》がなされたケースでは,返納の判断を積極的に意味づけることができていた。結論 高齢による運転免許返納の意思決定過程は障害の受容過程と近似しており,《自主》返納は,加齢をきっかけとした,《自分》と《身体》,そして社会との関係性の断絶事象であると考えられた。以上から,自分・身体・社会の関係性の再構築を促すことが“自主”返納による心理的影響を緩和するうえで必要であることが示唆された。
著者
日野 資成
出版者
日本語学会
雑誌
國語學 (ISSN:04913337)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.92-93, 2001-09-29

上代の接頭語「い」「か」「さ」「た」「ま」などについては,従来「語調を整える」語として,リズムや音という観点から論じられてきた。本発表では,接頭語を用言に付く「い」と「さ」だけに絞り,その違いについて文法的な観点から以下のような仮説を提示した。「い」:動詞の意志性を示す機能「さ」:動詞(形容詞)の無意志性を示す機能この仮説は,上代歌謡にある「い渡る」の主語が意志性を持つ人が主語となるのに対し,「さ渡る」の主語が意志性を持たない動物(たにぐく,ほととぎす,たかべ)や自然物(月)が主語となることから導き出した。さらに,この機能を裏付ける例として,上代歌謡より接頭語「い」「さ」の付く動詞,形容詞を挙げて論じた。まず,接頭語「い」の付く動詞については,人を主語として取る動詞と人以外を主語ふことして取る動詞に分類し,人を主語として取る動詞「い触(ふ)る」「い辿る」「い取る」「い掘(こ)づ」などは意志性を持つ動詞であり,「い」によってその意志性が示されていることを説明した。一方,人以外のものを主語として取る動詞「(つむじが)い巻き渡る」「(三輪山が)い隠る」などでも「い」によって動詞の意志性が示されることを,主語「つむじ」や「三輪山」が擬人化されていることによって説明した。次に,接頭語「さ」の付く動詞,形容詞については,状態を表す語と動作を表す語とに分け,「さ寝(ぬ)」「さ曇る」「さ遠し」「さまねし」など,意志性を持たない状態性の語では,その無意志性を「さ」が示すことを説明した。一方,「(年魚子(あゆこ)が)さ走る」「(きぎしが)さ踊る」などの,動作を表す動詞「走る」「踊る」についても,その無意志性を「さ」が示すことを,人以外の無意志の動物(年魚子,きぎし)が主語であることによって示した。
著者
河野 俊彦
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学大学院紀要. 社会学研究科篇 (ISSN:18834000)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.53-70, 2012-03-01

わが国の離婚率は,戦後一貫して上昇している。とくに1990年バブル景気の崩壊後から強い増加の傾向にある。普通離婚率でみると,1988年のバブル絶頂期に1.26であったものが2002年には2.30となる。その数は,わずか15年たらずで1.8倍にも増加した。そこで,離婚率の年次変化と経済変化を照らし合わせてみると,日本の経済成長率と離婚率の変化には密接な関係のあることがみえてくる。近年の急激な景気変動と社会環境の変化は,家計経済に大きな影響を及ぼしている。昨日までは当たり前と思っていた結婚生活の水準(人並みの生活)は,いつまでも容易に維持できるとは限らない。期待と実生活とのあいだに生じたギャップは,やがて夫婦間に言い知れぬ不満を蓄積させることになり,夫婦関係の安定性において潜在的に大きな影響を与えることになるのである。
著者
兼平 孝
巻号頁・発行日
2014-10-19

食事はどうして楽しいの?(Why is having meal so joyful? ). 北海道大学歯学部講堂. 2014年10月19日(日) 9:30-12:30.
著者
山崎 嵩拓 宋 俊煥 泉山 塁威 横張 真
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.136-143, 2019-10-25 (Released:2019-10-28)
参考文献数
20
被引用文献数
3 2

2017年の都市公園法改正により、民間活力の導入を目的に公募設置管理制度(Park-PFI)が施行された。そのため今後は、全国各地で自治体主催の公募を通じ、飲食店等の収益施設を、都市公園内に設置・管理する事業者の選定が展開される見込みを持つ。ここで事業者は、自ら施設を整備し、公園使用料を支払うことで収益事業の実施が認められる。つまり、一般の商業施設と同様に立地条件の影響を受ける事が推察される。そこで本研究は、都市公園における公募を通じ設置された収益施設の実態が、立地条件から受ける影響を明らかにすることで、Park-PFIの普及時における留意点を考察する事を目的とした。研究対象は19都市公園に設置された25の収益施設である。研究の結果、固定資産税路線価や駅からの距離等を立地条件の指標とした場合に、立地条件の良し悪しに応じて、収益施設の業種や施設計画、事業者の応募数の傾向が変化することが明らかになった。