著者
酒井 シヅ
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂醫事雑誌 (ISSN:21879737)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.112-119, 2013

順天堂三代目堂主・佐藤進は明治時代, 日本でもっとも有名な医師であった. 進は明治2年 (1869), パスポート第1号をもって明治7年 (1874) までドイツに留学, アジア人として最初にベルリン大学医学部卒業生となり, 医学博士号を取得して帰国. この間, 家族との往復書簡が残る. それと進の自伝をもとに, 進の留学生活を述べた.
著者
佐藤 伸子 石濱 直樹 川崎 朋実 片平 真史
雑誌
組込みシステムシンポジウム2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.25-1-25-7, 2011-10-12

ロケットや人工衛星などの宇宙機に搭載するリアルタイム OS(RTOS) を高信頼化するためには,その RTOS をどのように検証しているかを明らかにする必要がある.このため,民間航空機や原子力など信頼性が重視される分野で適用されている技術標準や,過去に宇宙機の搭載計算機で発生した不具合事例を参考に,RTOS に特化した検証要求を整備した.この検証要求を,TOPPERS/HRP カーネルの検証作業で繰り返し適用し,必要な解説を追加するなどの改良を重ね,「リアルタイム OS 高信頼化ハンドブック」 として編集したので紹介する.これは,宇宙機だけでなく,信頼性が重視されるシステムの RTOS に広く適用できるものである.
著者
村井 章介
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.127, no.2, pp.1-41, 2018

室町幕府の首長が明皇帝によって日本国王に封じられるという、日中関係史における画期について、1402(建文4)年でなく1404(永楽2)年が正しいとする学説が有力になっている。しかしそれらは厳密な史料の読みに裏づけられた学説とはいいがたい。<br>根拠とする史料が原態からどれくらい隔たっているかを正確に測定しながら、一歩一歩史実を確定していくという、古文書学的な手法を用いて検証してみると、1404年説を採った場合に受封者と認定しうるのは、足利義満・豊臣秀吉の二人しか残らない。室町幕府の首長が東アジアの国際社会で日本国王として承認されるという、「封」の実質を重視する観点からは、1402年のほうがはるかに重要な画期である。皇帝が「封」の実質を実現するために発給する文書には、誥命・詔書・勅諭など、対象者のランクに応じて多様な様式が使い分けられていた。<br>琉球の中山・山南・山北の三王に目を転じると、三山相互、あるいは明との関係の推移にともなって、皇帝が王を「封」ずる文書のほか、暦・印・冠服などがさまざまなタイミングと順番と目的に従って与えられていく状況が観察できる。「封」をめぐる多様な皇帝文書の使い分けは琉球の場合にも認められ、しかも比較的短い間に移り変わっていた。<br>さらに対象を「東南夷」(東アジア~インド沿海部の諸国)に拡げて見ていくと、洪武・建文年間には「封」が最高ランクの文書「誥命」でおこなわれたのは高麗・朝鮮のみだったが、永楽年間には一変して、印とのセットで遠距離の諸国に気前よく与えられるようになる。その背景には、鄭和の大遠征に象徴されるような、天下に威と徳を及ぼそうとする永楽帝の対外姿勢があった。<br>最後に、琉球をふくむ日本列島地域に伝えられた史料、すなわち何通かの外交文書の原本や『歴代宝案』『善隣国宝記』という外交文書集には、明代の国際秩序の解明にとって他に換えがたい価値があることを指摘した。
著者
川上 光雄
出版者
日本民族衛生学会
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.48-49, 1948-03-30 (Released:2010-11-19)
著者
関嶋 政和
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.900-907, 2016-03-01 (Released:2016-03-01)
参考文献数
13

1つの薬を上市するまでに12年から14年の期間とおおよそ26億ドルの資金が必要とされており,近年,これらの期間と費用を削減するために創薬分野においてIT技術を駆使したアプローチ(IT創薬)に大きな注目が集まっている。創薬では天文学的な数の薬候補化合物の中から,薬効があり副作用の少ない化合物の探索が日夜行われており,IT創薬を活用することで機械学習の手法で薬効がある化合物を予測したり,創薬の標的タンパク質の立体構造情報を用いたバーチャルスクリーニングを実施したりすることで創薬のプロセスを効率化することが期待されている。IT創薬技術の啓蒙(けいもう)と人材育成に資することを目的として,誰でも無料で参加できるIT創薬のオープン創薬コンテストを並列生物情報処理イニシアティブの主催で開催した。参加者は自らの手法で著者らが指定する220万化合物から標的タンパク質の機能を阻害する化合物の候補を選抜し,著者らはそれらを実際にバイオアッセイにより評価を行った。さらに,技術やノウハウの共有のために,参加者の利用した方法論と得られた化合物の成果情報の公開を行った。
著者
末永雅雄[著]
出版者
創元社
巻号頁・発行日
1944
著者
伊藤 隆 堀 賢 諫早 俊樹 堤 仁美 平須 賀信洋 竹内 瞳 岩瀬 基彦 篠田 文彦 森本 正一 田辺 新一
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.1255-1258, 2010

The objects of this study are to observe the detailed distribution of air velocity and CO_2 (carbon dioxide) concentration which is used as tracer gas of coughed air and to calculate advance conditions concerning droplet dispersion counting on relative humidity and pressure. The full scale chamber where the experiment was conducted was modeled and then the experimental conditions were input. The elaborative mock was achieved. The results of CFD illustrated the high CO_2 concentration area and many tiny droplets were observed near the medical doctor. Hence the infection risk was still high when the medical doctor moves.
著者
鈴木 克明
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.110-116, 2019-09-01 (Released:2019-09-01)
参考文献数
18

教育工学の中心概念で半世紀の研究成果を蓄積してきたインストラクショナルデザイン(ID)について解説する.ID は教育活動の効果・効率・魅力を高めるための理論・モデル・技法の集大成であり,応用可能分野は広範に及ぶ.人の学びのプロセスに従って対面授業をどう組み立てるかという小規模・短期間の設計から,人の成長を長期にわたって支援するための環境あるいは仕組みをどう用意するかという大規模・長期間の設計まで,多くの理論やモデルが提案されてきた.学習のゴールを整理し,何を身に付けて何ができるようになるための学びなのか(学習目標)を明らかにし,その到達をどう確認するか(評価技法),効率的に到達する手段は何か(教授方略),自分で学べる人に育てるための仕組みはどうあるべきか(学習スキルの育成)などを考えるために有用な枠組みを提供している.変化が激しく,常に学び直しが必要な社会において,成長し続けることができる人材の育成が課題となっている今,より多くの分野での活用が期待されている.
著者
土井 サチヨ 山名 信子 福井 弥生 高橋 純 畠山 絹江 西村 美智代
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.327-331, 1971-08-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
3

It is believed that it would be a helpful measure in determining the size of clothes and also an important factor in designing clothes to study the change in the human body proportion according to the physical growth of the body.In this report, a study is made on the body proportions of boys and girls ages from 7 to 15. The summary of the results is as follows : (1) The degree of the growth in the lengths varies with the part of the body. As for the three items of the head length (height, width, and length of a straight line drawn from the front to the back), the growth is very slow in all ages. By comparing the rate of increase in the crotch height with that in the sitting height, it is found that the former is greater than the latter for the boys who are from 7 to 13 years old, and for the girls from 7 to 11 years old.(2) The head-body index (ratio of the stature to the head height) becomes larger and larger as the age advances, and the indexes of girls show higher values than those of boys up to the age of 13.(3) The comparison of proportional lengths of some parts of the body made between boys and girls measured by assuming that their respective statures are 100, shows that girls over 13-14 have larger values of the total head height and sitting height and smaller value of crotch height than boys of the same ages.