著者
柴田 龍希 SHIBATA Ryuki
出版者
名古屋大学大学院人文学研究科図書・論集委員会
雑誌
名古屋大学人文学フォーラム (ISSN:24332321)
巻号頁・発行日
no.3, pp.483-498, 2020-03-31

In this paper, we analyze the phenomenon of Japanese nouns changing their meaning and becoming prefixes, focusing on the word "KUSO" and its synonyms. Prior to the analysis, we surveyed previous studies on Japanese prefixes and defined two original terms, "functional prefix" and "lexical prefix" to clearly explain Japanese prefixes. We analyzed the usage of the word "KUSO" using the two terms defined above. The results indicated that the word "KUSO" can be used as a noun and prefix, which is clarified through expansion by rhetoric. Additionally, we clarified the usage of the word "BAKA", "GOMI" and "KASU" which are the synonyms of "KUSO" indicated same expansion as "KUSO." Furthermore, we demonstrate that Japanese nouns, lexical prefixes, and functional prefixes are in a continuous relationship.
著者
安藤 雄一 池田 奈由 西 信雄 田野 ルミ 岩崎 正則 三浦 宏子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.20-085, (Released:2020-12-19)
参考文献数
18

目的 歯科疾患実態調査(以下,歯調)では,協力者数の減少傾向が懸念されている。2016(平成28)年調査では従来の口腔診査に質問紙調査が加わり,口腔診査への協力の有無を問わず質問紙調査に回答すれば協力者とみなされることになった。本研究は,平成28年歯調の協力状況を把握し,歯調への協力に関連する生活習慣要因を明らかにすることを目的とした。方法 平成28年歯調と親標本である平成28年国民健康・栄養調査(以下,栄調)のレコードリンケージを行い,分析に用いた。分析対象は,歯調対象地区における20歳以上の栄調協力者7,997人とした。歯調の質問紙調査および口腔診査ならびに栄調の身体状況調査(うち血圧測定および血液検査),栄養摂取状況調査(うち歩数測定)および生活習慣調査の協力者割合を,性・年齢階級(20~59歳,60歳以上)別に算出した。協力者割合は,栄養摂取状況調査,身体状況調査および生活習慣調査のいずれかに協力した人数を分母とし,各調査および調査項目に協力した人数を分子とした。歯調への協力と生活習慣要因(喫煙習慣の有無[基準値:あり],歯の本数[28歯以上],歯科検診受診の有無[なし],睡眠による休養[とれていない])との関連について,性・年齢階級別に多重ロジスティック回帰分析を行い,オッズ比を求めた。結果 歯調対象地区における栄調協力者7,997人の協力者割合は,身体状況調査89%(血圧測定44%,血液検査41%),栄養摂取状況調査83%(歩数測定78%),生活習慣調査98%,歯調質問紙調査65%,口腔診査41%であった。血圧測定と血液検査の協力者の95%以上が,歯調の質問紙調査および口腔診査に協力した。歯調への協力と有意な正の相関が見られた生活習慣要因は,喫煙習慣なし(20~59歳男性の口腔診査,20~59歳女性の質問紙調査と口腔診査),歯科検診受診あり(60歳以上女性の質問紙調査),睡眠による休養がとれている(20~59歳男性の口腔診査)であった。20~59歳男性を除き,歯数20未満と口腔診査への協力との間に有意な負の相関が見られた。結論 栄調協力者の約3分の2が歯調の質問紙調査に協力し,口腔診査の協力者割合は血圧測定および血液検査の協力者割合とほぼ一致した。女性を中心に,歯の本数,喫煙,歯科検診受診といった口腔に関する生活習慣要因と歯調への協力との間に相関がみられた。

1 0 0 0 IR 立山に積る雪

著者
島田 亙
出版者
富山市科学博物館
雑誌
とやまと自然
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.1-8, 2018-01-05
著者
林 佐和子
出版者
金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習
雑誌
論文集:金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習 (ISSN:21886350)
巻号頁・発行日
no.12, pp.1-31, 2017-03-22

近年のグロ ーバル化の進行は著しく、 私たちの日常には異文化が溢れている。 言語文化・文字文化においても顕著であり、 この影響を受けて様々な伝統的文 化は変化している。 その例として、 文字文化の影響による「自然な目の動き」が存在し、 それは日本語話者と英語話者とで異なるという(熊倉, 1990)。 この目の動きの文化、 視覚文化も文明開化により統一性が失われてきていると熊倉は論じている。 本研究では、 この視覚文化に着目し、 グロ ーバル化以前と現代とでは日本語話者の視覚文化と英語話者の視覚文化には実際に変化が起きているのかをデータを用いて考察し、 どのように変化したか、 それを形作った言語 文化にはどのような変化が起きているかを明らかにする。 また、 日英のデータの比較により変化の原因は何であるかを考察した。 調査の対象として、 言語圏によって変更されることが多く各言語話者の好みを反映している視覚表現である「映画ポスター」を用いた。
著者
金丸 竣樹 横田 悠右 成瀬 康 矢入 郁子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.1D4J101, 2019

<p>近年,脳科学の分野では、fMRI計測によって恐怖の交感神経活動に関する脳内ネットワークが明らかとなったと報告されている.しかし,日常的な状況下でのfMRI計測は困難である.日常的な状況下で脳波計を用いて簡易的かつリアルタイム性高く人の恐怖を検出できれば,客観的な恐怖の指標を用いてエンターテイメント分野での恐怖の制御,医療サービスなどでの恐怖の低減といった実応用が可能となる. 本稿では乾式の脳波計を用いて,VRホラーゲームを用いた実験とホラー映像を用いた実験の二つから,周波数解析を用いて恐怖時と非恐怖時の脳波データの特徴を周波数帯域毎に分析した.その結果,アルファ波の恐怖時と非恐怖時のパワースペクトル密度に有意な差が見られました.</p>
著者
岩野 孝之
出版者
国立研究開発法人産業技術総合研究所
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

脳機能計測技術fNIRSが抱える、皮膚血流の変動などによるアーチファクトの混入という大きな問題を解決するため、皮膚血流の影響を受けないfMRIとの同時計測実験を行い、fNIRSデータからの脳賦活データの抽出手法の開発とその実証的検証を行う。従来の皮膚血流除去手法の性能を同時計測MRIデータとの比較により検証すると共に、MRIによる頭部の動きの計測、頭部の各層の形状の計測、心拍計・呼吸計の併用、皮膚血流変化を能動的に引き起こすタスクの実行、Deep Learningを用いた深層学習、などによりfNIRSデータから脳賦活データを正確に抽出する手法の確立を目指した研究を行う。
著者
Shiba Kumar RAI 久保 隆 中西 守 住 勝実 柴田 宏 松岡 瑛 Hari Govinda SHRESTHA
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.625-630, 1994-05-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
18
被引用文献数
4 5

ネパールにおいて土壌媒介性蠕虫の感染状況を8年間 (1985~1992) にわたり経年的に調査した. 調査はネパールトリブウァン教育病院の病理学教室寄生虫検査室により行われ, 毎年平均6,573件の糞便検体からの種々の腸内寄生虫を検出した. その結果, 土壌媒介性蠕虫全体の検出率は一様でなく, 18.0~36.6%の範囲で経年的に減少した. この傾向は性別に関係なく, 成人・小児両方に見られた. 検出された蠕虫の中では回虫 (roundworm) の検出率が最も高く, 続いて鉤虫, その他の順であった. 本調査期間を通じて回虫の検出率が一定であったのに対し, 他の寄生虫では検出率が低下するという注目すべき事実が認められた.
著者
髙橋 つかさ 葛西 敦子 田中 完
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.115, no.1, pp.105-112, 2017-11-06

視力低下とう歯は,子どもの健康問題であり,学校においては保健指導等の予防対策を行うことが求められている。そこで,本研究では,大学生が過去に受けてきた視力に関する保健指導とう歯に関する保健指導について比較し,検討することを目的として質問紙調査を行った。 その結果,学校において視力に関する保健指導が「あった」と回答した者は303名中52名(17.2%)で,う歯に関する保健指導が「あった」と回答した者の148名(48.8%)と比べて有意に少なかった。さらに,学校での保健指導について「あったかどうか覚えていない」,「なかった」と回答した者が,視力については251名(82.8%)もおり,8割を超えていた。 本研究より,学校での視力に関する保健指導が十分に行われていないことが明らかとなった。学校現場には,視力低下予防のために視力に関する保健指導を継続して取り組むことが求められる。
著者
三戸 誠 浜口 和也 藤本 久慶 菱山 玲子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.3E11, 2011

<p>本研究では,異なる環境下にある複数の人が分担協力して食材を収集し,料理イベントを行うシナリオを想定し,実空間で実験を行った.ユーザの状況を過去の行動履歴とGPSデータから推論し,ユーザ支援のための行動プランを動的に生成・実行するプランニングエージェントを適用し,これを対話的に精錬することで人間中心のプラン獲得を可能とした.システム全体の評価はモジュール単位の機能の組合せや順序性を考慮して行った.</p>
著者
川﨑 弘作 中山 貴司 松浦 拓也
出版者
日本理科教育学会
雑誌
日本理科教育学会理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.241-249, 2012-11

本研究では,振り子に関する子どもの認識を基盤とし,振り子の概念を獲得させるための学習指導法を考案することを目的とした。認識調査に基づき考案した学習指導法は,次の(1)〜(3)の3点に集約できる。(1)振り子の周期と「おもりの重さ」「振れ幅」「糸の長さ」の3条件との関係を,「速さ」と「移動距離」という視点から考えさせる,(2)振り子の始点と終点は同じ高さになることを提示する,(3)「おもりの重さ」によって「速さ」が変わらないことを提示する。そして,小学校第5学年の児童69名(実験群35名,統制群34名)を対象に,実験群には考案した学習指導法を,統制群には通常の学習指導を行った。振り子に関する概念調査を行った結果をもとに共分散分析を行ったところ,学習から2ヶ月後の概念調査時において実験群の方が統制群よりも得点が有意に上昇しているという結果を得た。以上のことから,本研究で考案した学習指導法は,獲得した概念の定着に有効であることが明らかになった。