著者
渡邊 忠司
出版者
佛教大学
雑誌
鷹陵史学 (ISSN:0386331X)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.151-175, 2014-09-30
著者
西原 志保
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.11-23, 2008-12

女三宮は、研究史の中でその存在が六条院世界や物語のありようを変容させたものの、内面を語らないといわれる。しかし、女三宮の心内語や心情に添った描写、会話文など、女三宮のことばは少なくない。それゆえ、源氏や紫の上の述懐がどのような点で「内面」と見られ、女三宮のことばが見られなかったのかを、近代的な内面観や研究史との関わりから押さえた上で、女三宮のことばのありようについて論じる。特に女三宮のことばが短く断片的であること、時間感覚に着目する。
著者
筒井 大祐
出版者
佛教大学大学院
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.197-212, 2018-03-01

本稿は、重要文化財である石清水八幡宮古文書の内、『八幡宮寺巡拝記』(桐之部 桐十一 ― 22)の翻刻である。なお、紙幅の都合で翻刻を前・後として分載し、本誌には、1丁表から30丁表まで掲載する。次号に30丁裏から52丁裏を掲載予定である。石清水八幡宮古文書『八幡宮寺巡拝記』
著者
山根 承子 山本 哲也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.1D4OS22a3, 2018-07-30

<p>ビニール傘に仕掛けを施すことによって、盗難を防ぐことができるのかを実証した。施した仕掛けは、名前シールを貼る、アニメキャラのシールを貼るなどの簡便なものである。これらの傘を大学構内の傘立てに置き、約3ヶ月にわたって実験を行った。</p>
著者
川口 雅子
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要. アーカイブズ研究篇 (ISSN:18802249)
巻号頁・発行日
no.8, pp.83-104, 2012-03

近年、世界の主要美術館では来歴研究がさかんに推進されている。背景には、略奪美術品問題など社会からの要請があるが、そのような社会的使命を視野に入れつつ、今日の美術館アーカイブズはどのような記録の保存に取り組んでいるのか、カナダ国立美術館を事例として探るのが本稿の目的である。美術館において重要視されている記録は、作品に関する記録や展覧会に関する記録であるが、カナダ国立美術館では前者はコレクション・マネジメント室に、後者はアーカイブズ室において保管されているという具合に、必ずしも館内の全ての重要な記録がアーカイブズ室に引き渡されているわけではない。しかしアーキビストは館内における記録の作成部局や保管部局の把握に努め、全体を監視して、記録を守る役割を果たしていた。アーカイブズ室では展覧会記録のアクセシビリテイ向上に力点を置いているが、その特徴は検索手段として図書館目録を使っている点にある。それにより、組織の活動に関する重要な資料は、図書館所蔵かアーカイブズ所蔵かにかかわらず、共通のプラットフォームにおける総合的な検索が可能となっているのである。Over the last decade, several major art museums around the world have made substantial headway in conducting research on provenance, or the history of ownership of a work of art. Behind this phenomenon there is increasing public interest at the international level in looted and confiscated art from the World War II era. Taking this issue into account, this paper examines on the basis of the example of the National Gallery of Canada what types of records shall be kept in art museums. The author first provides an overview of records and archival materials that are maintained in the Gallery. Whereas the records relating to the Gallery exhibitions are maintained in the Library and Archives, there cords relevant to the artworks of the Gallery are housed in the Collections Management Department. The author gives attention to the fact that the archivist is fully aware of what records are kept in which department and plays an important role in preserving there cords under such circumstances. Finally, the author describes the project of the Archives of the Gallery to make the exhibition related records more accessible to the public.
著者
長井 歩 今井 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.1769-1777, 2002-06-15
参考文献数
18
被引用文献数
9

詰将棋を解くプログラムの研究はこの10年の間に大きく進歩した.その原動力となったのは,証明数や反証数という概念の導入である.詰将棋に適用すると,直感的にいうと,証明数は玉の逃げ方の総数を,反証数は攻め方の王手の総数を表す.前者は攻め方にとって,後者は玉方にとって非常に重要な値である.証明数・反証数を対等に扱った,最もナイーブなアルゴリズムは,Allisによるpn-searchという最良優先探索法である.我々は近年,df-pnアルゴリズムという,pn-searchと同等の振舞いをする深さ優先探索法を提案している.この論文では,df-pnアルゴリズムを用いて詰将棋を解く強力なプログラムを作成し,その過程で導入した様々な技法を提案する.これらの技法をdf-pnの上に実装することにより,我々のプログラムでは300手以上の詰将棋のすべてを解くことに初めて成功した.しかもそれは,シングルプロセッサのワークステーションで解くなど,解答能力と解答時間の両面で優れた結果を出すことができた.During this decade, a study of programs to solve Tsume-Shogi problemshas greatly advanced. This is due to the development ofthe concept of a proof number and a disproof number.Allis' pn-search is the most naive best-first algorithm that usesboth proof numbers and disproof numbers on equal terms.We already developed a df-pn algorithm which is a depth-firstalgorithm that behaves the same as pn-search.In this paper, we applied df-pn algorithm to a program solvingTsume-Shogi problems. Moreover, we propose some techniqueswhich we imported during implementing the program.As a result, by these techniques implemented on df-pn,our program solved all the Tsume-Shogi problems,for the first time, that require over 300 plies to reach to the checkmate.
著者
菱田 信彦
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.159-175, 2006-03-15

イギリス人の子ども観は,ピューリタン主義の影響を受け,子どもをなるべく大人の世界に触れさせないことをよしとするものだった。17世紀ごろまでには,子どもは社会規範を身につけるまでは世の中に出さず,家庭や学校で教育するのがよいとする考え方が一般的になり,その一方で,子どもの世界を実社会の規範や価値観に束縛されない「別世界」としてイメージ化する傾向が生じた。このような子ども観はイギリス児童文学の発展に大きく影響し,とくに19世紀後半から20世紀初頭にかけての児童文学作品においては,子どものイメージをどのように扱うかについて作者がさまざまに模索した様子が見てとれる。ある作品では子どもは社会秩序を混乱させかねない要素として危険視され,また他の作品では,子どもの世界が理想化され,日常を離れてその世界に遊ぶことへのあこがれが描かれた。イギリスにおいてこれほど豊かな児童文学の伝統が花開いたのは,イギリス社会におけるこの大人と子どもの間の独特の緊張関係によるところが大きいだろう。