著者
清水 邦彦
出版者
筑波大学倫理学原論研究会
雑誌
倫理学 (ISSN:02890666)
巻号頁・発行日
no.12, pp.29-40, 1995-12-20
著者
吉川 和男
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.137-142, 2010 (Released:2017-02-16)
参考文献数
15

今から 1 世紀前に規定されたわが国の刑法 39 条には,「心神喪失者の行為は罰しない,心神耗弱者の行為はその刑を減刑する」との規定があり,精神障害者による犯罪行為については,刑罰を負わせず,刑を免除して,医療につなげる人道的配慮がなされている。また,1931 年に,大審院で下された判決が,わが国の責任能力判定の根拠として今日でも用いられている。一方,最近の脳機能画像検査や神経心理学的検査の進歩により,人の前頭葉の機能に関して比較的容易に豊富な情報が得られるようになった。これらの検査手法は未だ発展途上にあるとは言え,責任能力判定に求められる,被疑者や被告人の精神状態,弁識能力,制御能力に関しても,無視することのできない有力な情報を提供してくれる。このような発展をみる現代の精神医学にあって,責任能力判定だけが旧態然としたやり方に留まっていなければならない理由はないと思われる。本稿では 2 つの事例を用いて考察する。
著者
久恒 辰博
出版者
東京大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

近年、記憶にかかわる海馬においては、どんなに年をとっても新しくニューロンが生み出されていることが発見され、この現象が大いに注目されている。ところがこの新生ニューロン数は加齢とともに激減することも知られており、新生ニューロンを増やす諸条件の検索が望まれていた。本研究ではマウス脳梗塞モデルを用いて、その脳保護作用が確認されていたフラボノイド(カテキン)を使用して、ニューロン新生に対する効果を検証した。核酸アナログであるBrdUを成体マウス(8週令以上)に投与し分裂中の神経幹細胞をラベルした。そして、この2週間後ならびに6週間後にマウスより脳を取り出し、新しく生み出されたニューロンの数をダブルブラインド条件下で共焦点顕微鏡解析することにより、計測した。有意差検定の結果、カテキンによって、わずかではあるが、統計的に有意に新生ニューロンの数が増加することがわかった。この効果の仕組みを探るために、カテキンが血管内皮細胞に作用していることを想定し、マウス血管内皮細胞由来培養細胞株であるbEnd3細胞を用いて、生化学的な解析を行った。この細胞が、神経栄養因子の産生を誘導するeNOS分子を発現していることをウェスタンブロッティング法で確認した。そこで、bEnd3細胞をカテキンで刺激することで、NO産生が起こるかどうかを調べた。数回の実験において、カテキン刺激によりNOの産生が高まる傾向が見られたが、その応答にはばらつきがあり、なかなか再現性のよい結果が得られなかった。仕組みの解明には、他の細胞ラインあるいはインビボの実験が必要であると思われた。本研究の結果から、詳細な応答機構は未解明ではあるが、フラボノイド類により、海馬ニューロン新生が高められ、海馬回路の機能が保持されていることが推測された。
著者
和田 春樹
出版者
岩波書店
雑誌
世界 (ISSN:05824532)
巻号頁・発行日
no.454, pp.p248-253, 1983-09
著者
今村 一真
出版者
産業学会
雑誌
産業学会研究年報 (ISSN:09187162)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.26, pp.139-153, 2011 (Released:2012-04-20)
参考文献数
46

The purpose of this study is to clarify through the example of SUBARU “LEGACY” that their products have their original strength after purchasing.Based on researches done mainly by case studies, it is showed that customers keep being interested in perception of the product not only before but even after purchasing, and demonstrates that efforts made by a manufacturer producing parts for racing cars. greatly contributed to improve the perceived value of the product.The author examines that these qualities are evidences of sustainable advantage and additionally, he points out that corporate activities made by other companies than the manufacturer itself has importance in co-create of value.
著者
塩崎 文雄
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.36, no.12, pp.22-32, 1987-12-10 (Released:2017-08-01)

谷崎潤一郎の『細雪』は「旧家の没落と戦争の始まり」といった<不可逆的な時間>が年ごとの花見に代表される歳事的なもの=<循環する時間>を制覇する物語として読まれてきた。だが、そうした近代的思惟の常識を顛倒する試みとして、『細雪』を捉え直すことができるので、その徴証として『細雪』における年代記的記述の稀釈化の問題はある。しかも、その問題は「時局」といった<天皇制>の一露頭とも厳しい緊張関係をもったのである。
著者
豊田 彩 古田 幸一
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 第30回九州理学療法士・作業療法士合同学会 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
pp.140, 2008 (Released:2008-12-01)

【はじめに】 歩行時の立脚中期(Mid Stance以下MSt)は支持側前足部への身体移動、脚と体幹の安定性を確保する相である。前相の荷重応答期(Loading Response以下LR)にて床反力が影響し始め、前方への動きが保持されMStへと伝達される。この際の股関節制御は体幹の安定性、床反力位置を決める重要な因子となる。今回、股関節疾患後のMSt獲得に着目し理学療法を展開した。【症例紹介】74歳女性 身長140cm体重38kg BMI20 H8.4左大腿骨頚部骨折後人工骨頭置換術施行 H19.12転倒し左大腿骨骨幹部骨折後ケーブル3本で締結固定【理学療法評価】ROM:股関節伸展10°MMT:腸腰筋2、縫工筋4、大殿筋3、中殿筋4 疼痛:MSt時右肩関節前面VAS5/10 静止立位:上部胸椎左回旋、左肩甲骨下方回旋、左下角が右に対し1横指下方。下部胸椎・腰椎右回旋、骨盤帯右回旋、右寛骨下制、左股関節外旋、重心右偏位。歩行:左MSt時股関節伸展が乏しく、左上部体幹が下方に引き下がる。【理学療法アプローチ】1.単関節筋トレーニング2.課題変化によるMSt訓練3.上部体幹機能改善訓練【経過と考察】 歩行周期中MStは重心の位置が最も高く前相のLRは最も低くなり、通常この移行期にロッカー機能と大殿筋の求心性収縮で体幹直立位を保っている。症例は、大殿筋の求心性収縮遅延が生じ、ロッカー機能を優位に働かせ、カウンターウエイトにて左単脚支持を担っていた。静止立位では慢性的に重心は右偏位し、左側股関節の固有感覚受容も低下した状態であった。これらの事からMSt時、上半身重心は右に残ったまま左外側の筋・筋膜での股関節制御を高め、床反力ベクトルは股関節後方から対側肩関節へと通過し、左股関節屈曲モーメントと右肩関節伸展モーメントは増加した状態であった。更に、股関節外側制御により体幹を斜走する筋膜であるSpiral lineを伝わり右肩関節への張力を発生させていた。MSt獲得不全が二次的に肩関節に疼痛を及ぼしていた。アプローチとして、大殿筋、腸腰筋の単関節筋トレーニングを非荷重下にて行い股関節単体での筋機能を向上させた。次に運動課題の変化によるMSt訓練として、擬似的にMSt初期を側臥位(左足底を壁面に接地し両下肢の同時収縮運動)にて行い、反力ベクトルを上方へと促し、運動課題が複雑な荷重下でのステップ訓練、歩行へと展開した。更に、左胸郭の動きを促し、上部体幹の動的な安定性獲得を図った。結果、MStでの股関節機能は改善、左上部体幹の動揺は減少し、右肩関節の疼痛は消失した。【まとめ】 歩行時のMSt獲得のためには股関節機能は重要であり、上部体幹や他の下肢関節への連鎖も考える必要がある。今後臨床にて他の歩行周期にも目を向け更なる検討を行なっていきたい。
著者
金 永鍵
出版者
三田史学会
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.77-109, 1939-09

緒論問題の所在本論の要旨舗客の設立されたる原因舗客の設立されたる年代諸意見の批判結論