著者
上田 隆雄 河野 惇平 飯干 富広 江里口 玲
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.321-327, 2017-03-31 (Released:2017-03-31)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

アミノ酸の一種であるアルギニンを混入したコンクリートは、海洋環境においてコンクリート表面への藻類の付着が促進され、魚類等の生物生息環境が改善できることや、高い塩基性によりコンクリート中の鉄筋腐食環境を改善することが報告されている。本研究ではフライアッシュコンクリートや高炉セメントを用いたコンクリートにアルギニンを添加した場合の自己治癒性能について実験的に検討を実施した。この結果、特にフライアッシュコンクリートでは、圧縮載荷によって発生した損傷の自己治癒性能が、アルギニンを添加することによって向上する傾向を示した。
著者
安藤 浩志
出版者
千葉大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2015-04-24

(1) Eberhard Kirchberg氏との共同研究で、以下を示した: Aが可分単純非I型C*-環ならば、Kirchbergの中心列環F(A)で、sub-quotientがIII型因子環となるものが連続個存在する。特に自由群の被約群C*環の中心列環が非可換であるかを問うKirchbergの問を解決した(現在論文投稿中)(2) 松澤泰道氏との共同研究で、以下を示した: Hを可分無限次元Hilbert空間とするとき、H上の自己共役作用素全体の空間SA(H)は強resolvent収束に関してPolish空間(可分・完備距離付可能)となる。SA(H)上に様々な同値関係を与えることができるが、私は特にWeyl-von Neumannの同値関係(自己共役作用素A, Bはあるコンパクト作用素Kとユニタリ作用素uに対して、uAu*+K=Bを満たすとき、Weyl-von Neumann同値であると呼ぶ)について2014年にその同値関係としての複雑さの研究を開始した。今年度は次の事を証明した: 実数列全体の空間X上の上に「数列a,bはある置換πによってa_{π(n)}-b_nがc_0となるとき同値」として同値関係Eを定めると、EはWeyl-von Neumann同値関係の可換版に相当するものと解釈できる。このEがBorelである事をBecker-Kechrisの定理を用いて証明した。また自己共役作用素のSchatten属作用素による摂動して得られる同値関係はessentiallly K_σである事を証明した。これらは論文を準備中である。
著者
森田美比著
出版者
森田美比
巻号頁・発行日
1989
著者
川村 正英 井上 一 花川 志郎 横山 良樹 長島 弘明
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1001-1003, 1990-08-25

抄録:全人工股関節置換術(THR)後抜去のやむなきに至り,Girdlestone関節形成術と同じ状態になった症例について,歩行機能を中心に評価した.1975年以来私たちが扱った.THR抜去症例,8例9関節を対象として,直接検診を行った.原疾患は慢性関節リウマチ(RA)4例5関節,変形性股関節症(OA)2例2関節,大腿骨頭壊死(AN)1例1関節,大腿骨頸部骨折1例1関節である.抜去原因は感染が7例8関節,著明なゆるみと骨折が1例あった.RA以外の4例は杖と補高装具を使用して少なくとも自宅周辺は歩行可能であり,うち3例は就労もしていた.しかしRAの4例は,調査時には全例車椅子生活か寝たきりであった.THR抜去を行った場合,杖が使える上肢機能があって他の関節障害が重篤でない症例では,術後の筋力増強訓練や補助具の使用により実用的な歩行が十分期待できる.
著者
山下 久美 首藤 敏元
出版者
埼玉大学教育学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教育学部 = Journal of Saitama University. Faculty of Education (ISSN:18815146)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.105-121, 2008

虫の飼育は、幼児に「命への理解や思い」「思いやり」を育む効果を持っていることが前研究(山下・首藤,2005)で示された。社会性の発達援助は幼稚園・保育園において今日的重要課題であるため、本研究は、虫の飼育が社会性の発達を促す効果について再度検討を行った。その結果、子どもと虫の関わりについて明確なねらいを持って保育している53人の保育者たちの観察事例によっても、それらを獲得していく過程が確認された。さらに「仲間関係を育てる」「子どもの表情が活き活きしてくる」「責任感がつく」「自尊感情が高まる」についても、飼育経験効果が示唆される結果であった。特に「仲間関係を育てる」については顕著であり、幼児期の社会性の発達を促す効果は大きいと思われる。A previous study (Yamashita and Shuto, 2005) demonstrated that insect breeding in kindergartens Was effective in fostering children's "thoughtfulness for others" and "consciousness of importance of life". Because social development support is a contemporary problem in Japanese kindergartens, the effect of such development of the sociality was examined again. As a result, the observational examples by 53 teachers with precise objectives were able to corroborate the process of acquiring these effects. Furthermore, such comments as "fostering of friendly relationships", "the children's facial expressions became more lively", "they became more responsible", "their pride were elevated", are suggestive of the results of insect breeding experience. The comment that "friendly relationships are fostered" is especially outstanding and it is believed that the effect of promoting sociality in young children is marvelous.
著者
丸山 利弥 今川 民雄 Fujiyama Toshiya Imagawa Tamio マルヤマ トシヤ イマガワ タミオ
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室
雑誌
対人社会心理学研究 (ISSN:13462857)
巻号頁・発行日
no.2, pp.83-91, 2002

本研究は、ストレス対処方略としての自己開示が、自己開示以外のストレス対処方略とどのような効果の違いがあるのかを、ストレッサー間の比較と合わせて、調査、検討するものである。このために、2つの要因を取り上げる。第1 の要因は4つに分類したストレスイベントのタイプである。第2に、ストレス対処方略の選択に影響する要因として「自力解決可能性」、「自己責任性」、「(ストレスの)深刻さ」の3つを検討に加えた。結果から、1) ストレスイベントに関わらず、自己開示は他のストレス対処方略よりもストレスを低減させること、2) ストレス対処方略の選択に関わる3要因の効果はストレスイベントによって異なることが確かめられた。
著者
小松 謙
出版者
中國文學會
雑誌
中国文学報 (ISSN:05780934)
巻号頁・発行日
no.40, pp.p76-125, 1989-10
著者
AIKEN LH
雑誌
JAMA
巻号頁・発行日
vol.288, no.16, pp.1987-1993, 2002
被引用文献数
7 3307
著者
徳山大学
出版者
徳山大学
巻号頁・発行日
1971
著者
寺沢 なお子 木下 恭宏 Terasawa Naoko Kinoshita Yasuhiro
出版者
金沢大学人間社会研究域人間科学系
雑誌
金沢大学人間科学系研究紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Sciences Kanazawa University (ISSN:18835368)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.25-44, 2018-03-31

女子大学生25名(20.7土1.3歳)を体格別に3群(標準身長 一 標準骨格筋率群 :S-S群,標準身長 一高骨格筋率群: S-H群,高身長 一 高骨格筋率群 :H-H群)に分けた。S-S群は他の2群に比べて有意に全身骨格筋率が低かったが, Body Mass Indexには有意差は認められなかった。3群の食後血糖値変動を調べたところ,米飯摂取30分後の血糖値はS-S群が他の2群より有意に高値を示した。米飯摂取30分前に野菜ジュ ー スを摂取した場合,血糖値上昇は 3 群とも有意に抑制されたが,米飯のみ摂取の場合に食後血糖値が高かった群ほど抑制率が高く . 群間の有意差は消失した。また被験者の全身骨格筋率に影響を及ぼす生活習慣を調べたところ,いずれも有意差は認められなかったもののS-S群は身体活動レベルが低く,朝食を抜くこと・食事をとる時刻が変動すること・満腹になるまで食べることが多い傾向にあった。さらに,朝食の摂取頻度と全身骨格筋率との間に有意な相関が認められた。