著者
相田 哲夫 山本 宏貴 後藤 守史
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
石炭科学会議発表論文集 第46回石炭科学会議 (ISSN:24238295)
巻号頁・発行日
pp.16-17, 2009-11-26 (Released:2017-03-22)

It has been developed a reliable methodology to be able to elucidate such thermal behaviors as a plasticity, and carbonization of coal based on the electric property. In particular, the temperature dependency of electric conductivity observed in the heating range from 400℃ to 700℃ was satisfactory demonstrated a leaner relationship on the Arrhenius's equation suggesting that it could provide the kinetic parameters such as activation energy which are able to elucidate the mechanism of the electric conductivity induced in the macromolecular network structure of coal during a pyrolysis.
著者
髙良 沙哉 Takara Sachika 沖縄大学人文学部福祉文化学科
出版者
沖縄大学地域研究所
雑誌
地域研究 (ISSN:18812082)
巻号頁・発行日
no.12, pp.45-56, 2013-09

第二次安倍晋三内閣が発足して以降、権力側からの改憲論議が活発化している。2012年に出された政権与党自民党「改正」草案は、憲法改正の限界を超えると考えられる条項が多い。本稿では、憲法とは何か、憲法改正とは何かという基本的な認識を踏まえた上で、自民党の「改正」草案を批判的に検討する。
著者
山下 功
出版者
新潟国際情報大学経営情報学部
雑誌
新潟国際情報大学経営情報学部紀要 = Journal of Niigata University of International and Information Studies Faculty of Business and Informatics (ISSN:24342939)
巻号頁・発行日
no.2, pp.161-172, 2019-04-01

本稿では、世界で初めてLRTを導入した公共交通先進地であるカナダ国アルバータ州エドモントン市の公共交通システムにおける運賃制度に焦点を当てて調査し分析することにより、問題点の考察を行った。その結果、この運賃制度は簡素であることが最たる利点である一方で、運賃収受においていくつかの問題点があることが明らかになった。また、多様な旅客の属性に応じた様々な割引運賃制度を設けることにより、市民の社会福祉に役立っていることが分かった。今後の課題として、他都市の公共交通事業者との比較、2020 年に導入が予定されているエドモントンのICカード乗車券についての調査、原価および費用についての調査および分析、利益管理の検討が挙げられる。
著者
仲 周平
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.367-372, 2015-06-25 (Released:2016-10-31)
参考文献数
23

近年,アルコール非摂取者において生じる過剰栄養摂取に起因する肝障害が注目を集めている。これらは非アルコール性脂肪肝と総称され,肝臓の炎症性変化や線維化の進行した病態は非アルコール性脂肪肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis ; NASH)と称されている。実際にNASH 患者から採取した唾液を分析すると,主要な歯周病原性細菌のうちPorphyromonas gingivalis が高頻度で検出されることが明らかになった。そこで,高脂肪食を摂取させるNASH モデルマウスを用いて,P. gingivalis のうち歯周病原性の強いOMZ314株を頸静脈より投与した。すると,通常48 週間程度経過して認められる脂肪肝炎の症状が,8 週程度の短期間で生じることが示された。さらに,齲蝕の主要な病原性細菌であるStreptococcus mutans のうち血液分離されたTW871 株を頸静脈に投与したところ,8 週後にはNASH 特有の所見を呈した。その後の様々な解析から,TW871 株を投与することで,酸化ストレスに関連するサイトカインであるメタロチオネインの過剰産生を引き起こすことが分かった。また,炎症性サイトカインであるインターフェロン・ガンマや各種ケモカインの発現上昇を引き起こすことも確認され,口腔細菌によるNASH 悪化メカニズムの一端が明らかになった。
著者
石井 康夫 油井 毅 竹安 数博 イシイ ヤスオ アブライ ツヨシ タケヤス カズヒロ Yasuo Ishii Tsuyoshi Aburai Kazuhiro Takeyasu
雑誌
国際研究論叢 : 大阪国際大学紀要 = OIU journal of international studies
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.1-21, 2013-01-31

Social Networking Services (SNS) have become widely used in Japan in recent years with FaceBook, mixi and Twitter being the most popular. These are used in various fields of life together with convenient devices such as smart-phones. A questionnaire investigation was used to clarify the current usage situation, issues, desired functions etc. Information for marketing purposes was then extracted. Fundamental statistical analysis, Multi Corresponding Analysis, Quantitative Analysis, and Key Graph Analysis were then performed. Reviewing past research, there are some related papers, but they do not include new tools which are evolving rapidly. Moreover there has been little research conducted on this precise topic. Some interesting results were obtained.
著者
吉村 三枝
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.826-828, 2003-11-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
5
被引用文献数
1

干渉発色繊維“モルフォテックス”は,精密成形コンジュゲート技術・ポリマー技術を駆使して,モルフォ蝶のナノメートルオーダー羽根構造を1本の繊維断面内に再現した“究極のバイオミメチック=生体模倣繊維”である。透明感のある鮮明色とカットファイバー技術により,衣料素材および塗料・印刷・化粧品素材に展開中で,無染色・有機系塗料剤などの環境負荷軽減素材としても注目が大きい。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.827, pp.187-191, 2002-07-29

春——ピンク色のトンネルが,鎌倉市大船の街中に突如出現する。そこかしこで桜のつぼみが,一斉にほころびる。大船の街が,1年で最も華やかになる時だ。構内に桜並木を有する三菱電機の研究所は,満開の時期に合わせて,地域の住民に構内を開放し,「さくらまつり」を催す。「山岸さん,早く豚汁回してくださいよ」「まぁ待て,まぁ待て。慌てるな,慌てるな」 1997年。
著者
大谷 幸利
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.35, no.9, pp.510-515, 2014-09-10 (Released:2014-09-27)
参考文献数
15

Polarization tool as ellipsometry is a classic but still new technology. It is used in various fields : from materials science, such as the newest nanotechnology and optical function material, to biotechnology in recent years. It has been developing into the new areas, called polarization science and polarization technology. This paper reviews a measurement method for spectroscopic Mueller matrix such as a dual rotating retarder type polarimeter, a liquid crystal phase modulation type polarimeter, and a channeled spectrum polarimeter. In addition, the important analysis is introduced for equipment calibration and a decomposition method from obtained Mueller matrix.
著者
長山 恵一
出版者
法政大学現代福祉学部現代福祉研究編集委員会
雑誌
現代福祉研究 (ISSN:13463349)
巻号頁・発行日
no.16, pp.1-67, 2016-03

ヴェーバーの支配の正当性と正当化についての諸家の議論を取り上げ、筆者のヴェーバーの社会科学的認識論や社会学的方法論に関する考察を踏まえて支配の二相性の問題を論じた。これまでヴェーバー支配論の議論が混乱していたのは、第一に支配論の鍵である「正当化」と「正当性」を明確に区別した議論がなされてこなかったこと、第二に秩序一般・規範一般の「正当性」や「正当化」に関する『Legitimitätの原初的形態』『Legitimationの原初的形態』と、法や支配に直結した『支配のLegitimität』『支配のLegitimation』の関係をどう捉えるか充分に詰めた議論がなされてこなかったこと、が原因している。その結果、水林彪と佐野誠の議論のすれ違いに見られるように①人間の内側(内面)から支えられている(義務付けられている)のはLegitimität なのか、それともLegitimieren・Legitimationの方か、②支配に関連して「正しさ」は関係するのかしないのか、といった問題を整合的に理解できなくなってしまった。ヴェーバー自身は「正当性」と「正当化」を異質なものと区別し、それらが異なる経験相に基づくことを明確に理解していた。しかし、彼の社会科学的認識論はあくまで伝統的な近代主義的「分析論理」に立脚したものであるために、ヴェーバーはせっかく〔現実理解/説明的理解〕という理解の二相性を提示しながら、前者の経験相は直感的で未分節・全体的な経験相であるために社会科学的な「妥当性(客観性)」を持ち得ないとして、それを括弧に括った形で認識論的な議論が展開されてしまった。社会科学的認識論におけるこうした問題はヴェーバーの社会学的方法論(行為論的社会学)にもそのまま引き継がれ、彼の社会学は未分節な洞察的経験や直感的経験にかかわる「変革」「創造」の問題を理論的にうまく位置づけられないまま奇妙な形で原理的な二面性を抱え込むこととなった。ジレンマに満ちたこうした二面性がそのまま支配の原理的説明に持ち込まれたのが「支配の正当性」と「支配の正当化」の問題である。本来、支配という現象は質的に異なる二相―「正当性」の表象にかかわる未分節で直感的な経験相(1種類 = カリスマ体験)と「正当化」にかかわる分節化された経験相(3種類=支配の三類型)の合計4つ―から構成されているが、ヴェーバーはそれを整合的に理論化することができなかった。このことはヴェーバー支配論に独特な二面性や理論的な揺れを引き起こす結果となった。それが①ヴェーバー晩年の講演に登場する「第四の正当性観念」や「反権主義的に解釈がえされたカリスマ(「支配の諸類型」に登場)」との関係にも表れているし、②『経済と社会』新稿の方法論的著作『社会学の基礎概念』では「秩序の正当性」が四つに類型化されて論じられているのに対して、支配論『支配の諸類型』の方は旧稿と同様に支配は3類型で論じられるという齟齬を生み出している。従来より『経済と社会』旧稿と新稿は質的方法論的に異なることが指摘されてきた。新稿は読者の分かりやすさを優先したために議論が平板になっているというのがこれまでの一般的な理解の仕方であった。しかし、これは完全に間違いである。『経済と社会』旧稿と新稿の違いはそうした便宜上の問題に由来するのではなく、支配の本質的な二相性をヴェーバーが統一的に理論化できなかったために、旧稿では支配を「正当化」の切り口から論じ、一方、新稿では支配を「正当性」の切り口から論じようとしたために起きた原理論的なズレが関係している。『経済と社会』旧稿に属するヴェーバー最晩年の『政治ゲマインシャフト』論が『支配社会学』とは相当に異質な内容になっていることも上記のような事情から整合的に説明できることを松井の論考を援用しつつ論じた。