著者
川野 秀哉
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.338, pp.92-95, 2004-02

社長さん! 店長は単なる店の番人じゃアリマセン! あなたに代わって売り上げを作り、ちゃ〜んと利益も稼いでくれるよう、店長の経営力を磨かな店は伸びへんよ〜! 雨が降った時、あなたの店の店長は、次のどちらの反応をするでしょうか。「雨で人通りも少ないから、今日は売り上げ悪いやろなー。しゃーないなー」ですか。
著者
黒木 重雄 クロキ シゲオ Shigeo KUROKI
出版者
西南学院大学学術研究所
雑誌
人間科学論集 (ISSN:18803830)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.119-134, 2010-02

数年前から自分の政策を学生に公開している。ゼミの時間には、この一週間で上手くいったことや失敗したこと、ついでに次の作品の構想など、私の制作にまつわる諸々を話すように心掛けている。さて、今回、本稿では、2008年9月の個展に出品した作品7点を掲載した。いずれも構想から完成までを学生に公開してきた作品である。解説文で書いたようなことは、おおよそ学生に話したつもりだが、いまひとつ記憶が定かではない。ともあれ、作品の解説を文字で残すことは、自分自身の資料としても重要なので書き留めておくことにした。書き留めながら思ったことがある。私が学生だった頃、先生の言葉はキラキラしていた。講評会での山本文彦先生の「絵には品というものが要るんだよ」だとか、学食での雑談中に聞いた河口龍夫先生の「ナンセンスって重要なんじゃないかな」だとか、上手く文字には起こせないけれど、数多くの先生に数多くの言葉を貰った。いずれも、若い私にとっては、後の制作の指標となるような金言だった。それに比べ、私の言葉はどうだろう。ちょうど、あの頃の先生方の年齢に近づいているにも関わらず、迷いやブレだらけだ。これは、とりもなおさず、作品制作に対する迷いやブレだ。実は30年近く絵を描いていながら"何を描くか""どう描くか"のいずれにも明確な答えを持ち合わせていないのだ。つまりは、日々移ろうおぼろげな答えを頼りに指導(?)に当たっているわけだ。前稿では、あたかも自信たっぷりに指導しているかのように書いてしまったが、しどろもどろなのが正直なところだ。私としては誠実に絵と向き合っていつるもりなのだが、やっぱり、学生には頼りなく映ってしまっているのだろうか・・・。 そう!だからこそ、そんな理由もあって、自分の制作を学生に公開しようと考えたのだと思う。洗いざらいを曝け出して、中途半端に迷ったり、中途半端にブレたりしているんじゃなくて、まじめに迷って、まじめにブレているんだということを、伝えたいのだ。
著者
種田 行男 加納 政芳 山根 基 笠井 達也 鈴木 敏博 加賀 善子
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.184-193, 2009 (Released:2011-02-21)
参考文献数
20
被引用文献数
1

目的:中高年女性の運動実施意欲を高めて運動習慣の形成を支援するための家庭用体操ロボットを開発し,その実用性を検討した.方法:対象者は軽度の膝痛を有する中高年女性6名,年齢64(SD11)歳であった.この6名に膝痛軽減のための体操(膝関節の屈伸,大腿四頭筋の収縮,膝関節の屈曲と大腿四頭筋のストレッチ,膝関節まわりの筋収縮)を指導した.体操ロボットはHITEC Robotics製のROBONOVA―I(高さ310×幅180×奥行き90mm,重量1.3kg)を使用し,膝痛軽減体操を模擬するプログラムをロボットに搭載した.6人の対象者に体操ロボットを貸与し,20日間毎日自宅でロボットと一緒に体操を実施するように指示した.ロボットとの体操期間終了後にFocus Group Interview(FGI)を実施し,その内容を質的に分析した.結果:対象者の介入期間中のロボット利用率は,90.4(SD12.5)%であった.インタビュー内容の質的分析の結果,3つのカテゴリーおよび11のサブカテゴリーが抽出された.これらのカテゴリーの関連性を検討し構造モデルを作成した.その結果,体操習慣形成の構造は,「体操ロボットに対する好印象」に始まり,「動機づけ」,「ロボットへの愛着」,「仲間意識」を通じて「体操ロボットの積極的利用」に到達した.結論:対象者となった中高年女性は体操ロボットを積極的に受け入れていた.今回用いた体操ロボットは対象者の体操習慣の形成支援ツールとして活用できることが示唆された.
著者
関谷 有里子
出版者
サイコアナリティカル英文学会
雑誌
サイコアナリティカル英文学論叢 (ISSN:03866009)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.21, pp.44-57, 2000 (Released:2011-03-11)
参考文献数
14

Shakespeare's Sonnets has two parts; one is dedicated to the youth, and the other is to the lady who is known as a "dark lady". The latter part interests me, for there I can find the poet's swaying emotion. In that part, the poet expresses his love for the lady. It can be said that his love for her is one of things which his self consists of. At the same time, the poet's self has his love for the youth, as a factor which the poet's self consists of, for the poet writes love sonnets for the youth in the former part. Then, when the intimate relationship between the youth and the lady appears, the poet suffers a great deal. For the poet experiences two betrayals at one time; one is of the youth and the other is of the lady. The poet's love for the youth and the lady forms the poet's self mainly, so his self faces crisis because of the detection of the relationship between the youth and the lady. I see the divided self of the poet as a result of the great mental shock. The poet's self is divided into the body and the mind. Especially I recognize the division between the eyes and the mind. In this paper, I quote R. D. Laing, who uses his original words such as "embodied self' and "unembodied self" in The Divided Self, and I observe how the poet's self is divided in the latter part of Shakespeare's Sonnets.
著者
岩崎 宗治
出版者
河原学園 人間環境大学
雑誌
人間と環境 (ISSN:21858365)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.73-84, 2011-11-15 (Released:2018-04-23)

シェイクスピアの『ソネット集』(一六〇九)は、一五四篇のソネット連作と三二九行の物語詩「恋人の嘆き」を併せて一巻として出版された。これはサミュエル・ダニエルの『ディーリア』の構成に倣って書かれた作品であって、全巻を一つのまとまりとして読むと、この詩集は愛の動因をキューピッドに帰するペトラルカ恋愛詩の伝統を棄てて、現実の人間の性的欲望を愛の動因とする恋愛詩集であると読める。このように愛の核心を欲望と認知することは、近代個人主義の一面と見ることができる。
著者
和泉 司
出版者
慶應義塾大学日本語・日本文化教育センター
雑誌
日本語と日本語教育 (ISSN:02865742)
巻号頁・発行日
no.40, pp.121-135, 2012-03

論文1. はじめに2. 学校制度と徴兵制度3. 小学校教育と国語4. 軍隊における表現5. おわりに
著者
中川 佳弥子 塩見 昌裕 篠沢 一彦 松村 礼央 石黒 浩 萩田 紀博
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J95-A, no.1, pp.136-145, 2012-01-01

近年,教育や福祉の分野において,ロボットを利用した様々なサービスに関する研究開発が進んでいる.これらの分野において,ユーザとのインタラクションの中で,学校の宿題や,健康のための運動などといった,日々のタスクに対するモチベーションを向上させるようなロボットの働きかけが有用である.接触がロボットの印象にポジティブな効果があることは過去の研究において示されているが,ロボットの能動的接触が行動にどのように影響するかは明らかにされていない.ロボットの能動的接触の効果を調べるために,我々は,非接触/受動的接触/能動的接触の3条件で,ロボットが被験者に退屈なタスクを依頼する実験を行った.実験の結果,能動的接触による依頼を行った場合,他の条件に比べてタスクパフォーマンス(達成量及び継続時間)が有意に向上した.一方で,ロボットへの印象とタスクパフォーマンスに相関は見られなかった.これらの結果より,ロボットの能動的接触がユーザのモチベーションを向上させる可能性が示された.ロボットとの接触を伴うインタラクションが想定される様々なサービスにおいて,本知見はロボットの振舞いのデザインに役立つと我々は考える.
著者
高橋 康博
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.222-227, 2011-09-30 (Released:2015-12-16)
参考文献数
4

関節リウマチの治療は生物学的製剤の登場で,関節炎のコントロールが容易になった.運動療法も以前より積極的に筋力強化,可動域改善に取り組みやすくなった.基本的には,上肢は可動域拡大を下肢は筋力増強を目標に行う.運動負荷は,関節腫脹を目安にすることが臨床的であり,そのためにはセラピストは常に関節腫脹をみる姿勢が必要である.運動の実際では,可動域訓練は最終域でのセラピストが感じる感覚を大切に関節面を引き離し可動域の拡大をはかる.筋力増強では,痛みも含め今発揮できる筋力に対し最大の抵抗運動を行う.足趾運動は協力に矯正運動を行い,日常生活では長座位がとれることを目標に,起き上がりで必要な腹筋運動も頸椎に負担をかけないように行う.セラピストもコントロールしやすくなったRAに対し,積極的に関わりをもってもらいたい.
著者
ナスティオン 土屋 武志
出版者
愛知教育大学教育実践総合センター
雑誌
愛知教育大学教育実践総合センター紀要 (ISSN:13442597)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.101-110, 2003-03-29

本論文は,教科書を通して日本とインドネシアが,どのようなナショナリズムを育ててきたのか,また現在,育てようとしているのかを分析した。第二次世界大戦以前の日本のナショナリズムの大きな力は,国家神道と呼ばれる宗教的な精神によって支えられていた。その意識(国家-天皇-神)は戦前日本の教科書を通して育てられた。戦後は日本国憲法および教育基本法の理念に基づき,民主主義や平和を愛する意識を育てることを重視する経緯をたどってきた。しかし,現在は一部の日本人が戦前のナショナリズムの復活を期待する傾向がみられる。近代的な国民国家形成期に日本は天皇を統一のシンボルとしてきたが,インドネシアの場合はこのような存在がなかった。多民族,多文化,多言語,多宗教,多島などの国として成立した国家を守り育てていくためにパンチャシラ(五原理)いわゆる「寛容的なイデオロギー」(多様性の中で統一)を作った。これを教育で強調し,インドネシア国民の社会的,政治的,文化的な統一を企図してきた。しかし,インドネシアの各時期によって,政府の政策は異なった特徴を持っている。
著者
大下 正孝
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Supplement, pp.11, 2009 (Released:2012-08-28)
被引用文献数
1
著者
片岡 樹
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第43回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.45, 2009 (Released:2009-05-28)

本報告は、フィールドの人々を「合理的精神の持ち主」あるいは「したたかな抵抗者」と祭り上げることからこぼれてくるフィールドのリアリティーをいかにしてすくいあげるかについて、タイ山地民ラフの事例から考察する。そこでは、人間の弱さそのものをいかに主題化しうるかを考察の軸に据える。ここで考えたいのは、非英雄的といってよい人々の行動原則や、「未知なもの」可能性を留保しようとする人々の宗教的・呪術的観念である。
著者
鈴木 万里 Mari SUZUKI 東京工芸大学芸術学部基礎教育課程 Division of Liberal Arts and Science Faculty of Arts Tokyo Polytechnic University
出版者
東京工芸大学芸術学部
雑誌
芸術世界 (ISSN:13493450)
巻号頁・発行日
no.13, pp.87-96, 2007

The relationship of women and literature changed radically by the mid eighteenth century in England. Samuel Richardson's Pamela, which has been often called 'the first novel', focuses the inner experience of a woman. It gave such a great impact upon the society that it determined the heroine type of the following novels throughout the century ; young, beautiful, modest, and vulnerable. It also represented gender positions and politics ; man provided with wealth, being superior, and woman deprived and dependent, inferior. Women had been disadvantaged because of some changes in kinship structures, economic processes, and legal arrangements by the beginning of the century. They first encountered a serious problem of an alienated self. The situation often placed a woman as the main character of the novel. In spite of the realism tradition of the English novels, women writers sometimes adopt a "romance" structure, the traditional pattern from the classic period, in which a prince or a princess is abandoned, adopted and raised by a kind shepherd, eventually recovers his/her original status and wealth. Although this story appears to be a kind of anachronism in the modern bourgeois society, it flourishes in the best-seller novels by women at the end of 18th century. Four novels will be discussed in this article ; Evelina (1778) by Frances Burney, Emmeline (1788) by Charlotte Smith, A Simple Story (1791) by Elizabeth Inchbald and The Romance of the Forest by Ann Radcliffe (1791). These novels bear an implicit resentment of women deprived of the resources to support themselves, trying to convey a challenging message under the disguise of a conservative attitude to the maledominated society.