著者
遠藤 美紀子 村上 和代 楢本 和美 古賀 江利加 恒川 浩二郎 小澤 幸泰 加藤 秀樹 湯浅 典博
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.70-77, 2018-01-25 (Released:2018-01-27)
参考文献数
18

血液製剤の廃棄量を減少させることはその有効利用のために重要である。1998年から2015年までの当院における血液製剤廃棄量を減少させるための取り組みと,廃棄率,廃棄要因を検討し,最近の廃棄要因の特徴を明らかにした。廃棄率は18年間で0.24%から0.04%に減少した。職種別では,医師と検査技師が要因による廃棄量が減少していた。手順別では,近年,運搬と取扱い要因の廃棄量が増加していた。血液製剤廃棄量を減少させるために,輸血療法に関する正しい知識を輸血療法に携わる医療スタッフ全体で共有することが重要である。
著者
可児 洋介 Yosuke Kani
出版者
学習院大学大学院人文科学研究科
雑誌
学習院大学人文科学論集 = Gakushuin University studies in humanities (ISSN:09190791)
巻号頁・発行日
no.19, pp.275-302, 2010-10

This essay not only disregards privileged signifiant which is called newtype in Mobile Suit Gundam as a tear of text, but also captures it as a field in which some different discourse were intermingling, and argues its various aspects. Concretely, this essay not only reduces that concept to the intention of the Tomino Yoshiyuki’s author-subject, but also connects it to wide-ranging contemporary situation, furthermore, discloses the generation-strife of its consumers which had a estrangement between the literary-cultural generation and the visual-cultural generation. Moreover, it confirms the birth of the imagined communities which consist of peculiar to “accepter-creater” of a limited animation, and states that such events symbolized a shift between meaning and sense or between stories and databases, and suggests that they(newtypes)born then have supported supply and demand of real-robot-anime which is like Super Dimension Fortress Macross and Neon Genesis Evangelion.
著者
有恒社 編
出版者
有恒社
巻号頁・発行日
vol.犯罪篇 上卷, 1934

6 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1932年10月28日, 1932-10-28
著者
植田 康孝
雑誌
江戸川大学紀要 = Bulletin of Edogawa University
巻号頁・発行日
vol.28, 2018-03-31

日本のメディアは権力に隷属し批評する力を失ったと言われて久しいが,エロスはその自由さと不穏さを増して,一段と注目を集めるようになっている。特に日本では,2011年の東日本大震災以降,「絆」という言葉で同調圧力が膨張し,東京五輪に向けて「倫理」が権力に都合良く利用される状況下,エロスは政治や社会に隷属しないことを敢えて表明しているかのように映る。エロスは権力が絶対的な存在として位置付けようとする東京五輪を相対化することに成功する。東京五輪を前に,「五輪至上主義」とも言えるナショナリズムが急速に高まっており,その礎に再び学校教育とマスメディアが位置する。日本選手を「皆で応援しよう」として「絆」や「一丸」を求める政治や教育スタンスは,リテラシーが弱い有権者や学生・生徒には正当性を持って受け入れられ易く,ナショナリズムの拡大を図りたい権力側に好都合な土壌を供与する。プロスポーツは国や民族の壁を越えて競争するところに良さがあるが,五輪ではその競い合いが国や民族間の違いを際立たせてしまう。極端な愛国主義や他者への偏見,差別を生み易い土壌を醸成し強化している。このような同調圧力の高まりは現代の日本社会にも暗い影を落としている。在日韓国・朝鮮人へのヘイトスピーチ(憎悪表現),生活保護受給者へのバッシング,小中学校での様々な形でのいじめ,福島県の被害者が避難先でいじめや差別を受ける事件,有名大学学生による女性集団暴行事件,モンゴル人飲み会における貴ノ岩に対する暴力事件など,集団による同調意識とそれに伴う異質な人や弱い立場の人に対する不寛容な空気が現代の日本社会に広まっている。同調的で排他的な社会において,人々は幸せになれない。「右へ倣え」の風潮は「合成の誤謬」を生じさせる。 学校教育で行う他律的なエンタテインメントを「子供向けエンタテインメント」とするならば,「ナイト・エンタテインメント」は自律的に楽しむ「大人向けエンタテインメント」と捉えられる。「子供向けエンタテインメント」が「倫理的」「隷属的」「抑制的」「権力迎合」「受容」「集団規律的」「保守的」であるのに対し,「ナイト・エンタテインメント」は「快楽的」「開放的」「反権力」「自己表現」「反集団的」「革新的」という特徴の違いがある。いつの時代も,「愛」「恋」「性愛」を意味するギリシャ語「エロス」を表現する芸術家たちは,権力と戦うことを自分の矜持と考えて来た。エロスは,大衆文化を規制する政治の圧力から逃れる「個人の自由」を意味した。エロスには,音楽や映画など他のエンタテインメント,新聞やラジオ,テレビなどマスメディアと異なり,前衛的表現として芸術を牽引して社会に影響を及ぼして来た過去の歴史を有する。プロパガンダ(政治宣伝)など権力に都合良く利用される危険性が極めて低いことが,他のエンタテインメントやマスメディアにない特徴を有する。しかも,時に「アート・パワー」として政治や社会に働き掛け,緩やかに変容させる作用も兼有する。分かり易く即物的な価値観が重視される現代においては,エロスは社会に対して閉ざされた場所で提供されるエンタテインメントであるからこそ,反権力的,反集団的な要素が蓄積され,新しい発想に繋げることが出来る。
著者
橋本 行洋
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.33-48, 2007-10-01 (Released:2017-07-28)

<夕食>を意味する「よるごはん」は、現在若年層を中心に使用される新語と見なされているが、その成立は少なくとも第二次大戦前後にまで遡ると見られる。当初は児童が用いる稚拙な印象の語であったため、文字資料に残されることが少なかったが、近年では夕食時間帯の遅延や朝食の欠食という食環境の変化に伴い、これが妥当な表現という意識が生じて使用が拡大し、新聞記事や国会発言および小学校教材等でも使用されるという、《気づかない新語》としての性格をも有するに至っている。「よるごはん」の成立要因としては、<夕食>時間帯表現における「よる」の使用があげられるが、さらにその遠因に、二食時代の「あさ」-「ゆう」の対応に「ひる」が加わった結果、「ひる」-「よる」という対応意識の生じたことが存すると考えられる。「よるごはん」の出現は、食事時間帯語彙に「よる」が加わった点で新しいものであるが、旧くは存在しなかった「よる」を前項要素とする複合語という点においても特筆すべき存在で、語彙史・語構成史の両面から注目すべき語と言える。
著者
佐藤 俊平 森田 健太郎
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.209-217, 2019 (Released:2019-12-24)
参考文献数
33
被引用文献数
2

サケの野生魚と放流魚で遺伝的特徴に違いがあるのかを調べるため、北海道内の放流河川および非放流河川に生息するサケ13水系16河川25集団についてSNP43遺伝子座の分析を行った。遺伝標本は、遡上したサケ親魚またはサケ稚魚の体組織から採集した。また、耳石も採集し、耳石温度標識が確認されたふ化場由来の放流魚は分析から除外した。放流魚の比較対象として既報の北海道サケ放流魚26集団を加え、集団遺伝学的解析を行った。遺伝的多様性を野生魚と放流魚で比較したところ、放流魚で低くなる傾向を示した。一方、野生魚についても河川間では遺伝的多様性にばらつきが見られ、自然産卵が可能な非捕獲河川の方が遺伝的多様性は高い傾向にあった。野生魚の遺伝的集団構造は、既知の北海道放流魚の5地域集団に区分されたが、野生魚はその5地域間よりも地域内の集団間の方で高い遺伝的分化を示した。石狩川水系に属するサケ調査河川集団間でその遺伝的特徴を調べたところ、3つのグループに分かれ、同一水系内でも弱い遺伝構造が存在することが分かった。特に、野生魚で構成されている千歳川後期群のサケ集団は他のグループとは遺伝的に異なっていた。以上の結果から、北海道に生息するサケ野生魚は放流魚とは異なる遺伝的特徴を持つことが示唆された。
著者
井上 貴翔
雑誌
北海道医療大学看護福祉学部紀要 = JOURNAL OF NURSING AND SOCIAL SERVICES (ISSN:13404709)
巻号頁・発行日
no.27, pp.1-10, 2020-12-20

本論では、日本における〈指紋小説〉の展開を追い、それと指紋に関する実務書や解説書などの言説との対応関係を探る。それを通じて、指紋認知がある種の虚構性を含みつつも、それを隠蔽するような形で進んでいったことを考察した。
著者
杉山 文野
出版者
講談社
雑誌
(ISSN:03850366)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.59-61, 2006-02
著者
望月 廣 山之内 博 東儀 英夫 朝長 正徳
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.382-387, 1980-12-25 (Released:2009-09-03)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

1017剖検例を用いて脳底部動脈のvariationを検討し, 下記の結果を得た.1) 前大脳動脈に左右差を示すvariationは57例 (5.6%), 左優位型38例 (3.7%), 右優位型19例 (1.9%) であった.1側の中大脳動脈から前交通動脈までが痕跡で血流に関与していないものは57例 (5.6%), 左12例 (1.2%), 右45例 (4.5%), と高頻度にみられた.2) 前交通動脈のvariationは従来の本邦での報告に比して少なく, 欧米の報告に近似していた.3) 後大脳動脈のvariationは胎児型307側 (15.1%), 移行型214側 (10.5%) であった.両側胎児型を77例 (7.6%) と高頻度に認めた.4) 椎骨動脈に左右差をみるvariationは282例 (27.7%) で, 左優位型 (187例, 18.4%) が右優位型 (64例, 6.3%) に比し有意に多かった.椎骨動脈の低形成7例 (0.7%, 左3例, 右4例) と, 椎骨動脈が後下小脳動脈を分枝した後に痕跡となり脳底動脈の血流に関与しないnonunion14例 (1.4%, 左6例, 右18例) の頻度をあきらかにした.