著者
髙田 真弥
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.62, no.11, pp.610-613, 2021-10-15

愛知県高等学校情報教育研究会では,令和7年度より実施される大学入試共通テスト「情報」に向けてサンプル問題を題材として研究協議を行った.参加者は事前にサンプル問題を解き,アンケートに解答,当日はZoomを用いて講演,研究協議を行った.大学入試共通テスト「情報」では,情報デザインや画像処理,プログラミング,データの活用や統計処理等幅広い分野からの出題が想定される.令和4年度より実施される「情報I」では,授業時間の配分や授業の構成,他教科との連携による読解力や計算力などの向上が課題となる.需要の高まる情報教育の発展のため,教員の情報交換や資質向上の場として本研究会が活発に運営されていくことが期待される.
著者
つくばね書房
出版者
つくばね書房
巻号頁・発行日
1900
著者
杉山 雄大 今井 健二郎 東 尚弘 冨尾 淳 田宮 菜奈子
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.67, no.9, pp.567-572, 2020-09-15 (Released:2020-10-10)
参考文献数
20
被引用文献数
1

目的 米国CDCについて概説し,今般のCOVID-19拡大とその対応を受けて今後日本版CDCを構想する際に検討するべき論点について提案する。方法 筆者らがCDCを訪問した際のインタビュー,ウェブサイト等からの情報をもとに,CDCについて概説した。その上で,日本版CDCに関する既存の見解や本邦の現状,COVID-19対応の教訓を踏まえて日本版CDCを構想する上で検討するべき論点を整理した。結果・結論 CDCは「健康,安全,セキュリティの脅威から米国を守る」ことをミッションとする,公衆衛生の主導的立場にある米国連邦政府機関である。実地疫学,緊急準備と対応,サーベイランス・統計調査,検査方法・調査方法の開発,情報発信,人材育成,検疫,予算配分などを行っており,COVID-19にも様々な対応をしている。日本版CDCを構想する際には,対象とする疾患や課題のスコープ,組織体制,ミッション,科学的中立性の担保,人材育成のあり方などについて議論する必要がある。
著者
中原 未智 日髙 未希恵 酒井 一夫
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.211-219, 2021 (Released:2021-09-23)
参考文献数
15

目的:看護師の診療看護師(以下,NP)への認知度と期待,NPを志望する看護師の潜在状況を明らかにすることとする.方法:東京都目黒区内の病院,診療所,介護施設,訪問看護ステーションに勤務する看護師を対象に,NPの認知度,期待,関心に関する横断的調査をWebアンケートにて実施した.結果:110施設へ計818部の研究資料を配布し72件の回答を得た.多重ロジスティック回帰分析では,所属施設にNPが在籍する看護師は,在籍しない看護師よりNPの認知度(オッズ比61.62,p < 0.01)及び期待(オッズ比9.219,p < 0.05)が高かった.一方で,NPを志望する看護師は13.9%に留まった.結論:より多くの施設にNPを在籍させることは,NPの認知度と期待を高める.
著者
松野 良寅
出版者
日本英学史学会
雑誌
英学史研究 (ISSN:03869490)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.23, pp.99-113, 1990 (Released:2009-09-16)
参考文献数
27

The calamity of the siege war of Wakamatsu Castle was beyond description. A group of daring women (joshigun) fought with halberds (naginata), while some mothers, thinking they would rather kill themselves than be encumbrances to the besieged or than fall into the enemy only to be outraged by them, stabbed their children and then fell on their swords.Sutematsu, a sister of a retainer, entered the castle with her mother and sisters and survived the war. She was lucky to be chosen one of the girl students sent to America and, leading a happy life at a Puritan home, graduated from Vassar College with unprecedented honors. Soon after she came back to Japan she wrote a letter to an American friend of hers, saying : though they often say of dying for the honor of their country, I beieve it is much more difficult to live than to die for the country and what Japan needs most is a long sustained effort that can be made only by those who are anxious to serve this country.We may say that Western learning in Aizu started early in the Meiji era when Yamakawa Kenjiro and her sister Sutematsu were sent to America for learning English studies by Kaitakushi (a government agency for the development of Hokkaido).This paper concerns how English studies influenced upon Oyama Sutematsu who was typical of those women that, after living through the calamity of the siege war, led trag ical lives at their early age and eventually found a new way of living by the chance to learn and appreciate Cristianity and its culture.
著者
竹林 正樹 甲斐 裕子 江口 泰正 西村 司 山口 大輔 福田 洋
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.73-78, 2022-02-28 (Released:2022-04-16)
参考文献数
22

目的:第29回日本健康教育学会学術大会シンポジウム「わかっていてもなかなか実践しない相手をどう動かす? —身体活動促進へのナッジ—」における発表と討議の内容をまとめることで,今後の身体活動・運動促進支援に資することを目的とする.現状と課題:心理・社会的特性に沿った行動促進手法の1つに「ナッジ」がある.ナッジでの身体活動・運動促進に関する先行研究では,「プロンプティング(例:階段をピアノの鍵盤模様にし,利用時に音が鳴る)」に一定の効果がある可能性が示唆されている.しかし,日本では,ナッジによる身体活動・運動促進に関する先行研究が少なく,特に行動継続に関する見解が十分とは言えない状況にある.知見と実践事例:身体活動・運動促進には,ナッジの枠組みである「FEAST(Fun: 楽しく,Easy: 簡単に,Attractive: 印象的に,Social: 社会的に,Timely: タイムリーに)」とヘルスリテラシー向上を組み合わせた介入が効果的と考えられる.この実践例に,青森県立中央病院が実施する「メディコ・トリム」事業がある.この事業では「笑い」を取り入れた健康教室を行った後,参加者が生活習慣改善を継続した可能性が示唆された.さらなる研究・実践を蓄積していくことにより,継続性のある身体活動・運動促進に関する方略の確立が求められる.
著者
竹内 啓一 野澤 秀樹
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
Geographical review of Japan, Series B (ISSN:02896001)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.59-73, 1988-05-31 (Released:2008-12-25)
参考文献数
105
被引用文献数
3 5

近年日本において「地理思想」あるいは「地理思想史」の研究が隆盛をみている。ここでいう「地理思想(史)」とはアカデミズムの世界における地理学に限らず,原始・未開社会における地理的知識やコスモロジー,さらに空間認知の発達やテリトリー意識の形成についても含まれる。すなわち「地理思想」とはアカデミズムのジャーゴンによってしか表現されえない地理学の思想(学説,方法など)に限られるものではなく,さまざまな社会集団がそれぞれの場所において,言語に限らないあらゆる種類の表現手段-絵画的なもの,地図的なもの,記号的なもの,景観に表現された空間計画など-によって表現された地理的知の認識にかかわるものである。 日本においてこのような「地理思想(史)」研究が盛んになってきたのは1970年代末から80年代に入ってからで,理論・計量地理学革命が与えた地理学方法論・認識論への反省によって,「行動主義」,「現象学」,「ラディカル」,あるいは「構造主義」などさまざまな立場の地理学が主張されて来た時期に対応している。つまり理論・計量地理学が拠って立った実証主義の認識論に対する反省から,上述のような「地理思想」を探ることによって,近代地理学の認識方法に対する反省の糸口を見出そうとするものである。そのような反省は,近代的な科学としての地理学成立以前の地理的知の認識だけでなく,アカデミズム成立後における在野の地理学,あるいはアカデミズム内におけるアウトサイダーの地理学にも目を向けさせることにもなる。 本稿では日本の地理学史研究において正統的な位置をしめ,かつ研究業績も多い欧米の地理学,地理学者についての学説史的研究については触れない。従って,本稿では日本の地理思想,あるいは地理学思想を対象とした近年の日本における研究成果について,次の四つの研究テーマに分けて,研究動向を展望するものである。 近代以前の伝統的,あるいは土着(インド,中国を含む)の地理思想, 2) アカデミズム成立以前の,いわゆる明治期の啓蒙思想家の地理思想, 3) アカデミズム地理学の成立に関わった地理学者,およびアカデミズム成立後の,いわゆる在野の地理学者の地理思想, 4) 日本の近代地理学の発達と社会的,イデオロギー的状況についての諸研究である。なお,伝統的地理思想の研究に大きな刺激を与えている絵地図史の研究,並びに民俗学的研究については隣接諸科学と重なり研究成果が膨大になるため,ほとんどふれることができなかった。
著者
機関車工学会 編
出版者
交友社
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1940
著者
古村 健太郎
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.195-206, 2017 (Released:2017-04-27)
参考文献数
33
被引用文献数
3 2

本研究では,恋愛関係への接近・回避コミットメントが恋愛関係における感情経験に与える影響を検討した。異性愛カップル91組を対象とした質問紙調査によって得られたペアデータを用い,個人内過程,個人間過程,パートナー調整効果を検討するため,行為者-パートナー相互依存性調整モデル(actor-partner interdependence moderation model: APIMoM)による分析を行った。その結果,個人内過程において,男女ともに,個人の接近コミットメントが感情バランスをポジティブにした。また,接近コミットメントが弱い場合に,回避コミットメントが感情経験をネガティブにした。個人間過程では,男性の接近コミットメントが女性の感情経験をポジティブにした。さらに,パートナー調整効果については,男性の接近コミットメント×女性の回避コミットメントが男性の感情経験と関連し,女性の接近コミットメント×男性の回避コミットメントが女性の感情経験と関連した。これらの結果について,接近・回避コミットメントが促進しうる行動や相互作用の観点から考察を行った。
著者
藤森 大輔 本村 友一 山本 晃之 原 義明 西本 哲也 高橋 希 柄澤 智史 高橋 功
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
pp.36.3_06, (Released:2022-03-30)
参考文献数
8

74歳男性. シートベルトを着用し軽乗用車運転中に意識を失い前方の車両に追突し, フロントエアバッグが作動した. ドクターヘリで当院へ搬送され, CT検査で胸骨骨折・内胸動脈損傷・多発腰椎圧迫骨折の診断となり, 経カテーテル的内胸動脈塞栓術を施行した. 入院後より経時的に血中CPK値が上昇し, 代謝性アシドーシスと高乳酸血症も進行した後, 心停止・自己心拍再開を経て腸管虚血に至り, 第4病日に死亡した. 経過中のCT検査より胸部大動脈原性の両下肢の筋梗塞を含む多発塞栓症が疑われた. 安全装置であるエアバッグとシートベルトによる鈍的胸部外傷に起因した二次的な大動脈原性塞栓症で広範な筋梗塞を認めた例は稀有であり報告する.