著者
高田 崚介 山田 渉 真鍋 宏幸 志築 文太郎
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2018-HCI-176, no.9, pp.1-6, 2018-01-15

ヘルメットを介してユーザの頭部に装着したドローンによる,ウェアラブルな歩行牽引デバイスを構築した.これまでの視覚や触覚等による歩行誘導と異なり,本デバイスはユーザを直接牽引できる.具体的には,ユーザに対する牽引力および牽引方向をドローンの推進力および推進方向によって制御することができ,方向については前後方向と左右方向の提示が行える.本デバイスでは人間の移動時における主体性が人ではなくドローン側にあり,かつ牽引力を生じているのもドローンである点から,歩行における自動運転デバイスになり得る.また,他の歩行における自動運転を行う手法に比べて,本デバイスは頭部装着型であることを特徴とする.
著者
吉河 功
出版者
日本庭園学会
雑誌
日本庭園学会誌 (ISSN:09194592)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.4, pp.14-21, 1996-03-31 (Released:2011-05-20)
参考文献数
8

水戸徳川家江戸上屋敷庭園であった後楽園 (東京都文京区) は、江戸の庭園文化を代表する大名庭園でありその文献史料も他庭と比較してかなり豊富である。しかしながら、各史料を検討しても、なお様々な未解決の問題が残されていることは否定出来ない。古庭園で、作庭当初のままの景が今日まで保存されているものは極く少ないということは常識であって、大部分が多かれ少なかれ何等かの改修を受けている。その庭園が各時代をどのように変遷してきたかという問題は、古庭園研究上の重要な課題である。ここでは後楽園の多くの疑問点の内、園内西部の重要な景観である「小盧山」の景中にある、「大堰川」の流れを中心とした部分の「渡月橋」と「西湖堤」について考察し、その変遷を文献と実地の上から明らかにしていきたいと思う。
著者
秋田 弘幸 古市 昭也 越地 弘子 堀越 弘毅 大石 武
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.1342-1348, 1984-04-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
12
被引用文献数
6 8

The synthesis of optically active α-hydroxy β-methyl esters V by means of microbiological reduction of the corresponding α-keto β-methyl esters IV was carried out. Methyl 3-phenyl-2-oxobutyrate 3 was found to be reduced by a variety of yeasts to the α-hydroxy β-methyl esters (7b and 8a) with (2R, 3S)-and (2R, 3R)-configurations, respectively, and by carrying out screening experiments, yeasts which give products with high optical purity were actually found.
著者
秋田 弘幸 古市 昭也 越地 弘子 堀越 弘毅 大石 武
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.1333-1341, 1984-04-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
13
被引用文献数
14 17

Microbiological asymmetric reduction of methyl 3-(2-furyl)-2-methyl-3-oxopropionate (5) by various yeasts was carried out. Four kinds of methyl 3-(2-furyl)-3-hydroxy-2-methyl propionates (6a-6d) could be obtained separately from the prochiral β-keto ester 5 by reduction with properly selected microorganisms. In particular, the desired syn-isomer 6a was obtained with high optical purity (>99% e.e.). Both the chemical yield and the optical purity of the reduction products (6a-6d) were significantly improved when fermentation was carried out on a large scale using a 30 1 jar fermentor or a 200 1 tank.
著者
秋田 弘幸 古市 昭也 越地 弘子 堀越 弘毅 大石 武
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.31, no.12, pp.4384-4390, 1983-12-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
13
被引用文献数
10 13

In order to synthesize four optically active methyl 2-methylmalates (10-13), microbiological asymmetric reduction of the corresponding dimethyl 2-methyl-3-oxosuccinate (9) was carried out. The β-keto diester 9 was found to be reduced by fermenting baker's yeast (Saccharomyces cerevisiae) and Candida albicans to afford a mixture of the (2R, 3R)-isomer 10 and the (2S, 3R)-isomer 11. Although the optical purity of 10 produced by Candida albicans was reasonably high (95% e.e.), optical yields of other products were unexpectedly low. However, identification of the four possible isomers 14-17 was found to be easily carried out by means of nuclear magnetic resonance spectroscopy.
著者
秋田 弘幸 古市 昭也 越地 弘子 堀越 弘毅 大石 武
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.31, no.12, pp.4376-4383, 1983-12-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
19
被引用文献数
18 30

The synthesis of optically active α-methyl β-hydroxy esters I by means of microbiological reduction of the corresponding β-keto esters II was carried out. Benzyl 2-methyl-3-oxobutyrate 1 was found to be reduced by a variety of yeasts to the α-methyl β-hydroxy esters with (2R, 3S)- and (2S, 3S)-configurations (2 and 3, respectively), and by carrying out screening experiments, yeasts which give each product with high optical purity were isolated. Moreover, the absolute configuration and the optical purity of the reduction products were found to be determinable from the 400 MHz nuclear magnetic resonance spectra of the (+)-α-methyoxy-α-trifluoromethylphenylacetyl esters of the alcohols produced.

1 0 0 0 OA 西河合集

著者
清毛奇齡撰
巻号頁・発行日
vol.第14册, 1796
著者
鈴木祥平 森本祥一
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.733-734, 2012-03-06

ブロードバンドの普及に伴う通信速度の高速化により,インターネットを経由したテレビ放送サービスが可能となった.しかしながら,広告収入等のビジネスモデル上の問題や,放送コンテンツの知的財産権を巡る問題,ソフト・ハード双方の技術面の標準化の問題,既存メディアとの競合の問題などが指摘されている.その一方で,近年の若者のテレビ離れや,レコーダーの高機能化による視聴率低下などを打開する手段として期待されている.よって本論文では,日本におけるインターネットテレビの現状を調査し,上記の問題の解決に向けて課題を整理する.更に,今後のインターネットテレビのあるべき姿について考察する.
著者
山上 実紀
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.414-434, 2013

近代医療を担う医師たちの苦悩は、医学に内在する不確実性の問題や医療の安全と責任、患者の自己決定権や家族関係をめぐる倫理的な葛藤、公衆衛生対策や医療経済政策の影響、そして医師と患者の権力関係、という様々な要因が絡まりあった中で起きる社会的な経験であるといえる。医療化論において、医師による患者の統制や管理、それによる患者の無力化が批判の対象とされてきた。しかし、そのような医師の行為が形成される背景には、医師の文化や価値体系に裏打ちされた役割意識がある。ところが、そのような現場の医師たちの様々な感情や苦悩といった主観的な経験はほとんど顧みられてこなかった。本稿の目的は、特殊な役割意識を持つ医師たちが、実際の臨床現場で何に苦悩しているのか、それは医師にとってどのような意味があり、どのような対処プロセスがとられてきたのかを明らかにすることである。分析に際しては、実際に現場で働く医師たちのインタビューデータを用いた。インタビュー対象者は日本で働いている総合診療医17名である。医師たちの感情に注目し、彼らの苦悩を概観する中で、新人医師と中堅医師、ベテラン医師の語りを比較し、苦悩の経年変化や対処の方法の違いを確認した。その後、3名の新人医師の詳細な語りの分析を通じて、彼らが経験した患者の苦悩や死、失敗経験が、医師たちにどのような否定的な感情をもたらすものであったのかを分析した。結論として、医師たちは役割意識を持つことによって、患者の苦悩や死に直面することに耐えられるという側面がありつつも、その役割意識によって新たな苦悩が創出されているということが明らかになった。医師の役割意識は、患者や社会からの期待によっても影響を受けており、医師の苦悩も時代とともに変容するものでると考えられる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.17, no.7, pp.173-177, 2008-08

社員間のビジョン共有や連帯感創出を目指す企業で、「ポジティブEアプローチ」というファシリテーション手法が導入され始めている。組織の課題を抽出して解決を図る問題解決型アプローチとは対照的に、従業員の個々が前向きになれる「ありたい姿」を話し合って共有し、それを実現するステップを全員で考える。
著者
高柳 繁
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.372-379, 1991-12-26
被引用文献数
2

本研究の最終目標は、雑草と作物の光競争過程を数学的にモデル化し、シミュレーション操作を通して雑草害の早期診断法を開発することにある。本報では、その第一段階としてメヒシバとダイズを対象とし、それぞれの種の単植群落の成長・発育モデルをシステムダイナミックスの手法で策定した。モデル策定のための情報は、主として圃場試験および文献から収集した。モデルの妥当性の検証に用いた実測データは、モデル作成の際に情報を収集した試験成績以外の結果を用いた。実測値とシミュレーション値とは両種とも概ね良好に一致し、改良すべき点についても明らかにされた。
著者
田中かの子
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.103-123, 2011

健康被害をきたしやすい自然環境のもとで生きるインドの人々は古来、死すべき生命の定めに順応しながらも、今生においていかに生きるかの実践哲学を種々に考案してきた。現代インドにおけるその実態を観察するうえで、筆者がボランティア活動をしていた病院での生活は、きわめて示唆に富むものであった。入院患者どうしの相互扶助の精神、多人種、多言語、多宗教の日常における他者理解の柔軟性、病室でも充実しうる祈りの時間、素直に本音をぶつけあえる人間関係、延命治療よりも帰郷して余命を生きる幸せを求める態度など、日本の社会では得難い学びの機会を集約した世界である。以上の観察記録を、アメリカ社会で全人的な統合医療を展開した先駆者たちの活動と比較しながら総覧すると、インド社会におけるコミュニティ意識の強さが際立ち、死を生から切り離して身構える欧米人の死生観との相違が明らかになるが、生きようとする意志の崇高さは、普遍的である。