著者
ネフラミ エルフテリア 福田 真希
出版者
名古屋大学大学院法学研究科
雑誌
名古屋大学法政論集 (ISSN:04395905)
巻号頁・発行日
no.248, pp.314-300, 2013-03

日仏比較法シンポジウム「アジアとヨーロッパにおける人権 : 確立・制度・保護」(パリ, 2012年3月23日)福田真希(訳)、石井三記(監訳)
著者
山野井 慶徳 西原 寛
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.835-838, 2007-10-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
12
被引用文献数
4 6

生体は突然変異と自然淘汰の結果,人工では到達しがたい高機能システムを実現してきた。そこで生体の最小機能単位(生体コンポーネント)を機能保持した状態で加工することにより部品化できれば,従来の手法では達成しえない高機能システムが実現できるはずである。本稿では,その一例として微生物(藍藻類)の光合成システムを用いたバイオ太陽電池や光センサーについて紹介する。
著者
天野 俊康 今尾 哲也 竹前 克朗 水沢 弘哉 三浦 秀輔
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.313-316, 2008-04

19歳男性。患者は精巣の発育不良を主訴に著者らの施設にある小児外科を受診したところ, 性腺機能低下症を疑われ, 泌尿器科へ紹介となった。精査の結果, 視床下部性の特発性低ゴナドトロピン性性腺機能低下症と診断され, 20歳時よりLH-RH療法を開始したが, 1年後も男性機能面からは明らかな変化は認めなかった。そのため21歳時より週2回のHCG+HMG療法に切り替えたところ, 4ヵ月後には陰毛の増加, 精巣および陰茎の増大, にきび, 声が低くなる, 少量ながら射精可能となるなどの変化がみられた。内分泌学的にも総テストステロン値も正常化し, 1年4ヵ月後の精液検査では, 精液量0.5ml, 精子数0.7×10^6/ml, 運動率43%となった。以後, HCG+HMG療法を継続し, 26歳時に結婚, 28歳時にICSIにて挙児を得ることができた。A 19-year-old male, who had undergone bilateral orchiopexy at 5 years of age in the Department of Pediatric Surgery, was referred to our clinic presenting with bilateral small testes. Bilateral testis volume was 4 ml involving a small penis and scant pubic hair per Tanner Stage 2. Serum luteinizing hormone, follicle stimulating hormone and testosterone levels were low. Results of hormonal loading tests, including luteinizing hormone-releasing hormone (LH-RH) and human chorionic gonadotropin (HCG), were positive. Brain computed tomographic scan revealed no abnormal findings. The diagnosis of male hypogonadotropic hypogonadism was rendered based on these data. Administration of LH-RH for 1 year was ineffective. Subsequently, HCG and human menopausal gonadotropin (HMG) treatments were initiated. The symptoms of male insufficiency improved; moreover, sperm formation was apparent following HCG and HMG treatments. The patient has received HCG and HMG injections for eight years; furthermore, his wife delivered a boy consequent to the first intracytoplasmic sperm injection.
著者
遠藤 尚
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2018, 2018

1.はじめに<br> 1980年代以降,多様な分野において,発展途上諸国農村におけるグローバリゼーションや市場主義経済化による影響に関する研究が蓄積されてきた。しかし,発展の先発地域では,非農業部門における開発と経済成長が数10年間継続し,農業経営や自然資源の利用状況についても発展当初とは変化しているものと推察される。このような地域における農業と自然資源利用状況との関係を解明することは,今後の発展途上国における経済開発と環境保全との関係を検討するためにも不可欠である。インドネシア,ジャワ島では,近年都市部を中心に食の多様化が進み,生鮮野菜の需要も拡大している。ジャワ島西部の中南部に位置するプリアンガン高地は,ジャカルタやバンドゥンなどの大都市に近く,比較的冷涼な気候のため,大都市向けの生鮮野菜の生産地となっている。しかし,西ジャワ高地地域の野菜栽培については,藤本・三浦(1997)など経済成長前半の1990年代に行われた研究以降,実証的な研究がほとんど行われていない。そこで,本研究では,都市向け温帯野菜産地の一つであるレンバン郡の一農村を事例として,近年の西ジャワ高地地域における野菜生産の現状とそれによる自然資源への影響について明らかにすることを目的とした。<br><br>2.対象地域の概要と研究方法<br>本研究の調査対象地域は,西バンドゥン県レンバン郡スンテンジャヤ村である。当村は,州都バンドゥン市中心部の北約8kmに位置している。また,当村を含むレンバン郡は,標高1,000m以上の高地に位置し,都市向けの野菜生産や酪農が盛んな地域となっている。しかし,当村を含むチタルム川上流部では,1990年以降,畑地面積と年間土砂流出量の増大が指摘されている(Noda et al. 2014)。<br> スンテンジャヤ村においては,2013年9月に,120世帯を対象とした調査票を用いた聞き取り調査を実施した。調査項目は,世帯構成員の属性,就業状況,世帯の動産・不動産所有状況,農地経営状況等である。また,2017年9月に,60世帯の農家を対象とした農業経営状況および自然資源利用状況に関する調査票用いた聞き取り調査を行った。加えて,同時期に,農民グループ長に対する村周辺の土地利用に関する聞き取り調査を実施した。<br><br>3.スンテンジャヤ村における野菜生産と自然資源への影響<br> 2013年の調査において,スンテンジャヤ村では,2000年代以降,野菜作が拡大したことが明らかとなっている。また,西ジャワ州の水稲生産地域と比較して,比較的若い世代が農業に就業していた。2017年現在の主な作物はブロッコリー,キャベツ,トマトなどであり,これらの野菜が資本的にも労働的にもかなり集約的に生産されていた。これらの野菜作では,水源として主に湧水が利用されているが,一部の農家では湧水の減少による水不足がみられた。また,当村には,野菜生産に関する農業技術指導がほとんど実施されておらず,傾斜地における適切な野菜栽培が必ずしも行われていなかった。例えば,畑地の畝が,斜面の傾斜と平行に作られている場合も多く,多くの農地で土壌浸食が発生していた。このような状況は農家自身も認識しており,2009年には,一部の農家により水資源保護と収入確保の両立を目指したグループが結成され,2017年現在までこのグループによる活動は継続していた。<br><br><付記>本研究は,JSPS科研費(15K21207)による成果の一部である。<br>参考文献<br>藤本彰三・三浦理恵 1997.西部ジャワ高地におけるトゥンパンサリ野菜栽培の経営評価-チパナス地域における1年間の農家継続調査結果-.東京農業大学農学集報 41(4):211-228.<br>Noda, D., Shirakawa, H., Yoshida, K. and Oki, K. 2014. Evaluation of ecosystem services regarding soil conservation in Citarum River Basin. International Symposium on Agricultural Meteorology 2014, 18 March 2014, Hokkaido University, Sapporo, Japan.
著者
馬 穎瑞
出版者
北海道大学文学研究科
雑誌
研究論集 (ISSN:13470132)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.129-148, 2016-12-15

日常会話では,われわれは疑問文を用いて,聞き手に自分の知らない情報を求めたり,何らかの依頼を表したりしている。情報要求は疑問文発話によって生じる言語的要求で,依頼などによって生じる行動要求は非言語的要求である。そして,情報と依頼は,いずれも疑問文による発話の内容を指している。発話内容とは違うレベルから考えてみると,話し手が疑問文を用いて発話することは,一種の言語行動である。その言語行動自体によって生じる聞き手への言語的要求は,話者交替の要求である。話し手が疑問文を用いて聞き手に回答を求めるという言語行動は,従来の談話分析では発話権の委譲として捉えられ,聞き手が話し手から委譲される発話権を受けとることになる場合,話者交替が起こる。しかし,従来の先行研究では,発話文の形式を話者交替の形成に関連づけて詳細に論じるものがほとんど見当たらない。そこ で,本稿は,話者交替の形成に関わる理論知識と先行研究を踏まえながら,話者交替における聞き手の捉え方を提示する。そして,本稿の考察対象を限定し,話者交替の要求を有している疑問文発話の言語形式の分析を通じて,それらにおける話者交替の要求性の強弱を考察する。考察資料は,比較的に文脈がわかりやすく,かつ文末イントネーションの上昇・非上昇を聞き取れるテレビドラマのセリフを文字化して用いる。考察の結果,話者交替の要求の有無は聞き手の捉え方に関わるため,従来の先行研究と異なる本研究の聞き手の捉え方を規定する必要があることがわかった。そして,疑問文発話における話者交替の要求性の強弱は「疑問詞」「文末形式」「文末イントネーション」という疑問文の3つの言語形式要素によって決められることもわかった。
著者
増田 亜希子 伊東 孝通 和田 麻衣子 日高 らん 古江 増隆
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.353-355, 2016

<p>27 歳,女性。小児期よりアトピー性皮膚炎に罹患していた。初診の 6 年前より夫の精液付着部位に蕁麻疹と瘙痒を認めた。その後,避妊具なしで性交した際に全身に蕁麻疹を認め,呼吸困難も出現した。同様のエピソードが過去 2 回あった。避妊具を使用した性交渉では同様の症状を生じたことはなかった。近医を受診し,精漿アレルギーの疑いで当科を紹介され受診した。10 倍から1000 倍に希釈した夫の精漿を用いたプリックテストでは,検査した全ての濃度で紅斑と膨疹が出現した。本疾患は精漿中に存在する前立腺由来の糖蛋白に対するⅠ型アレルギー反応であると考えられている。精漿アレルギーの患者の半数以上にアトピー性皮膚炎の既往があると報告されており,皮膚バリア機能の障害による経皮感作が発症に重要な役割を担っていることが推察される。本疾患は皮膚科領域での報告は比較的稀であるが,アトピー性皮膚炎関連アレルギー疾患の一つとして位置づけることができると考え報告した。</p>
著者
池上 重弘
巻号頁・発行日
2014-07-26

国際理解セミナー開催日:2014年07月26日開催地:千葉中央ツインビル主催:千葉県・公益財団法人ちば国際コンベンションビューロー
著者
藤田 秀雄
出版者
立正大学
雑誌
立正大学文学部論叢 (ISSN:0485215X)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.49-75, 1986-09-20
著者
CHIGIRA,Masahiro
出版者
Japanese Group for the Study of Natural Disaster Science
雑誌
Natural disaster science
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, 1982

A peculiar "collapsing" landslide occurred at Nanamawari, Mitaka-iriya, on the Izu Peninsula during the 1978 Izu-Oshima-Kinkai earthquake. Field invstigations showed the causes and phenomena connected with this slide. The landslide began on a slope of 25゜with the sliding of scoria, soil and part of paleosol. The sliding surface was formed within the upper part of the paleosol, probably in a weathered ash bed, several meters below the original surface of the slope. During of transportation, the sliding materials disintergrated into dry debris and flowed onto the flat surface across the river, dashed against the opposite slope then rebounded and settled in a lobe-shaped deposit with lateral ridges and a distal mound. The landslide continued less than 30 seconds, but its maximum velocity was more than 11.7 m/s. The basic causes of the landslide were insufficient lateral support by strata on the lower and weak halloysite-rich paleosol in which the sliding surface formed. The landslide at Nanamawari is considered a special type of slide found in Japan.

1 0 0 0 OA 古今要覧稿

著者
屋代弘賢
出版者
巻号頁・発行日
vol.[100],
著者
内ノ倉 真吾 石崎 友規 齊藤 智樹 Rahma Suwarma Irma 今村 哲史 熊野 善介 長洲 南海男
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.87-92, 2018 (Released:2018-04-07)
参考文献数
23

現在アメリカでは、科学、技術、工学、数学(Science, Technology, Engineering, Mathematics;STEM)の教育が推進されている。アメリカでの訪問調査と関連文献と Web 公開資料の分析に基づいて、STEM 教育の推進に関わる主体の具体的な活動事例と相互の関係を把握した。そこでは、州政府、教師教育団体、大学、K-12 教育段階の諸学校が、連邦政府の財政的な支援を基盤として、相互に協力・連携して、子どもの STEM 系教科の学力および興味・関心の向上と教師の職能開発の促進を目指した STEM 教育の推進活動が行われていた。