著者
遠藤 浩士 朝倉 敬道 長瀬 エリカ 浦川 宰 佐々木 良江 藤縄 理 竹中 良孝 名塚 健史 水田 宗達 根岸 朋也
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.C3P1422, 2009

<BR>【目的】平成20年度全国高等学校総合体育大会ボート競技大会において、埼玉県理学療法士会スポーツリハビリテーション推進委員会の中でコンディショニングサポート活動(以下、サポート活動)を行った.本大会でのPTによるサポート活動は全国でも初めての試みであり、競技・障害特性、活動成果について若干の知見を得たので報告する.<BR><BR>【対象・方法】試合出場選手695名、他関係者に対し、競技前・競技後のサポート活動を行った.公式練習を含む計7日間において、PT24名(1日平均6~7名)体制で、活動内容や利用者アンケートの集計結果を基に、競技の障害特性、介入の有効性について検討を行った.介入効果判定として、症状変化(ペインリリース法)、満足度調査(10段階法)、PTの主観的効果を指標とした.評価用紙及びアンケートの使用については、利用者から承諾を得た.<BR><BR>【結果】総利用者件数は311件で、1日平均44件、再利用率としては33%であった.男女率は、男性62%、女性38%、種目別ではシングル15%、ダブル37%、クフォド48%であり、特にクフォドのポジション別では、2番26%、3番30%の利用率が多かった.主訴は、疼痛37%、疲労感27%、張り感19%、だるさ11%であった.障害発生部位としては、男女共に腰部35%と多く、大腿部20%、下腿部14%、肩11%、膝8%であった.男女比による障害発生部位では、肩に関しては、男性よりも女性に高い傾向があった.発症期間は、大会期間中31%、7日以内5.3%、1ヶ月以内6.7%、1ヶ月以上前31%、未回答23%であった.発症機転としては、練習中29%、練習後27%、練習以外5%、不明8%、未回答31%であった.実施した具体的な内容としては、マッサージ30%、ストレッチ29%、リハ指導16%、促通8.7%であった.介入効果として、症状変化は、4以下が全体の57%、満足度調査結果は8点以上10点までが全体の86%、PTの主観的効果は、有効が61%であった.<BR><BR>【考察】障害の特徴としては、男女共に腰部・下肢への障害が多く、競技特性としてローイング運動そのもののパワーが要求される2番・3番のポジションにおける利用者が多かった.長時間における姿勢や不安定状況下での体幹の固定性が影響しているかと考えられる.特に肩の障害発生率では、女性の方が男性よりも高い傾向にあり、女性は男性に比べ、上肢への運動負荷・負担が強いられることや関節の弛緩性の問題なども影響している可能性がある.1ヶ月以上前のものや発症期間が不明確な事例など、慢性的症状を抱えている利用者が多かった.また、大会期間中における発症が予想以上に多く、大会直前の練習の追い込みや日頃抱えている慢性的症状が悪化したと推測できる.今回の利用者の症状変化・満足度調査結果やPTの主観的効果が高かったことから、PTが日常的に選手のコンディショニングに関わる事の重要性が示唆された.
著者
伊澤 紘生 堀 喜久子
出版者
医学書院
雑誌
看護教育 (ISSN:00471895)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.126-131, 2005-02-01

競争の弊害をなくすには「競争の裏側」の論理をもってきて対処すればいい。 伊澤 私たちの文化や文明がまさに同じでしょう。これだけ競争に明け暮れして,さまざまな素晴らしいものを生み出してきた。しかし,同時に,戦争とか,虐待とかいじめとか,あらゆるえげつなさも生んできた。私たちは,競争の論理のもっているいい面と悪い面をいかに認識するか。それには,競争の裏側の論理がちゃんとわかっていなかったらどうしようもないということです。そういうことを徹底的に教えてくれたのがサルなのです。 たとえば,面白い例だけど,10年ほど前,いじめや虐待,不登校,校内暴力など,小学校で激化しつつあるさまざまな問題への対処として,当時の文部省は「競争をあおるようなカリキュラムをなくすように」と通達を出したのです。
著者
細田 哲
出版者
城西大学
雑誌
城西経済学会誌 (ISSN:02872072)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.1-23, 1981-03-20
著者
望月 正光
出版者
関東学院大学経済研究所
雑誌
経済系 : 関東学院大学経済学会研究論集 (ISSN:02870924)
巻号頁・発行日
vol.254,

本稿の目的は,グローバル社会における付加価値税の新しい潮流として,課税の効率性と公正性を備えたニューVATに焦点を当てることである。これまで付加価値税の標準モデルとしてEUモデルが考えられてきた。しかし,1993年のEU成立と同時に,EU域内取引が自由化されたことによって,加盟国の付加価値税制度の相違点(例えば,複数税率や非課税制度等)による問題がより顕在化するようになってきた。このため,EUモデルは, オールドVATとして制度改革が不可避となっている。これに対して,グローバル社会における付加価値税の新しい潮流として,効率性と公正性を備えたニューVATが注目されており,その代表が,ニュージランドモデルである。その基本的な考え方は,複数税率や非課税制度を廃止し,「単一の標準税率構造と広い課税ベース」とするシンプルなものである。このような考え方に基づくニューVATが,オールドVATの直面している問題の多くを改善することを明らかにする。
著者
孫 媛
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.109-119, 2010-03-30 (Released:2012-03-27)
参考文献数
71
被引用文献数
2 2
著者
加藤 のぞみ 小沼 純一 生島 美紀子 沖 あかね 高木 雅也 奥平 一 林 淑姫 Nozomi Kato Jun'ichi Konuma Mikiko Ikushima Akane Oki Masaya Takagi Hajime Okudaira Shu ji Lin
出版者
東京音楽大学付属図書館
雑誌
ライブラリーレポート (ISSN:21884706)
巻号頁・発行日
no.2, pp.3-17, 2014

シンポジウム主催:東京音楽大学付属図書館、オーケストラ・ニッポニカ開催日時:2013年12月7日 (東京音楽大学付属図書館5階)総合司会:林淑姫内容:経過報告「オーケストラ・ニッポニカ十年の活動の中で考えたこと、感じたこと」 / 加藤のぞみ発表日本人作品演奏と演奏譜――「オーケストラ・ニッポニカ・アーカイヴ」の意義 / 小沼純一神戸女学院大学「大澤壽人プロジェクト」について / 生島美紀子日本人作品上演と楽譜の所在――オーケストラ・ライブラリアン会議での討議から / 沖あかね全音レンタル楽譜事業と課題 / 高木雅也オーケストラ・ニッポニカの経験から / 奥平一

1 0 0 0 OA 唯識心理学

著者
黒田亮 著
出版者
小山書店
巻号頁・発行日
1944
著者
藤田 和生
出版者
京都大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本課題の目的は、こころの中に過去や未来を描く働きが、進化史の中でいつどのように発生したのかを、多様な動物種の行動の分析により明らかにすることである。29年度の主要な成果を述べる。「過去を想うこころ」に関する成果:1)これまでにイヌ、ネコで行われた偶発的記憶に関する研究を、手続きを試行錯誤しながらデグーとシリアンハムスターで実施した。その結果、デグーにおいて、傾向はやや弱いものの、これまでのイヌ・ネコ・ウマでみられた結果と同様、前回の訪問で妨害物によって食べることができなかった場所を再訪する個体が多くみられた。国際誌投稿に向け準備中である。「未来を想うこころ」に関する成果:1)フサオマキザルを対象に、2種の遅延時間が明示される遅延見本合わせ課題を行い、遅延時間の初期にヒント希求フェーズを設け、サルがヒント希求をした場合にのみ遅延時間終了直後に見本刺激を再度提示した。2個体中1個体のサルは、遅延時間が長い条件でより頻繁にヒント希求を行った。この結果は、サルが遅延時間の長さに応じて、自身の記憶痕跡が弱まることを予測して、準備行動として情報を希求することを示唆している。この結果は国内学会にて発表された。2)ハトを対象とした研究では、長期記憶課題遂行時に、これから行う課題の知識度に応じて適切なヒント希求を行うかどうかを検討した。結果、難易度の高い課題が到来するときの方が、難易度の低い課題が到来するときよりも、頻繁にヒント希求を行うことがわかった。鳥類であるハトが「近い未来」の自身の知識度を予測し、行動を調節する可能性を示している。この結果はIwasaki, et al. (2018)にて公表された。
著者
木村 大治 藪田 慎司
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

本年度は以下のように,5回の研究会をおこなった。■通算第7回目:2017年5月29日・藤田翔 産業社会における人と動物(豚)との関係 ・花村俊吉 合宿のまとめと報告:「規則性=ありえなさ」のアブダクションとしての挨拶から制度化されたヒトの挨拶まで ・藪田慎司 「挨拶」研究は何を目指すか:何に答えたいか ・参加者全員によるブレインストーミング 合宿(2017年3月19-20日)の議論の整理と展開 ■通算第8回目:2017年7月31日 ・坂井田瑠衣 相互行為基盤としての身体 ・幸田瑞希 共在状態における相互行為のダイナミズム ・居關友里子 別れの場面における言語的な挨拶 ■通算第9回目:2017年11月26日 ・参加者全員によるブレインストーミング KJ法を用いて成果本の構想を練る ■通算第10回目(第2回出会い×宇宙人類合同研究会):2018年2月15日 ・岩谷洋史 「見えないもの」をなんとかして見えるようにするための工夫:日本酒の製造現場における事例から■通算第11回目:2018年2月22日 ・木村大治 ヒト・動物・地球外生命体の出会いと挨拶:成果本に向けて ・花村俊吉 KJ法のまとめと報告:二つの時間軸からみた出会いと挨拶の初発と反復 ・参加者全員によるブレインストーミング 成果本の構想を詰めるこれらの研究会で,出会いと挨拶に関する具体的な事例をもとに,それをどのように分析,解釈するかについての討論をおこない,成果本のまとめに向けて構想を練った。