著者
丹波 護武 川田 重夫 丹生 慶四郎
出版者
社団法人 日本流体力学会
雑誌
ながれ (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.34-42, 1985

α粒子による燃料の自己加熱を考慮し, 核融合出力が最大となる標的パラメーターの最適値を, プロトン, リチウムの軽イオンビームそして鉛の重イオンビームの, 標的への入射に対し求めた.標的は, タンパー, プッシャー, DT燃料の3層よりなる冷凍中空球殻構造で3種類のタイプを選んだ.「タイプ1」標的は, タンパーに鉛, プッシャーにアルミニウムを用い, 「タイプ2」標的は, タンパーとプッシャーともにアルミニウム, 「タイプ3」標的には, タンパーにアルミニウム, プッシャーにリチウムを用いてある.入力エネルギーが一定の場合における標的構造パラメーター, 最適粒子エネルギー, 最大核融合出力等を求めた.粒子エネルギーが6MJのプロトン, リチウム, 鉛ビームの「タイプ1」標的への入射に対し核融合出力エネルギーを最大化するビーム粒子のエネルギーは, 各々3.5MeV, 30MeV, 2.75GeVであった.鉛ビームをエネルギードライバーとしたとき, 「タイプ3」標的からの出力エネルギーは, 「タイプ1」標的からの出力エネルギーに比べて少なかった.
著者
吉村 秀治
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.64-67, 2013-01-01

日本製紙グループは生産量の減少に伴い慢性的に余剰電力を抱えていたが,震災以後の電力不足を背景に電力会社へ余剰電力を供給・販売するようになった。そこで余剰電力の有効活用を目的に昨年12月「エネルギー事業推進室」を立ち上げ,あらゆる角度から電力販売の可能性を検討している。今年5月には日本製紙が特定規模電気事業者(PPS)に登録し,日本卸電力取引所(JEPX)にも加入してエネルギー事業に参入した。<BR>今夏の電力不足では自家発余剰電力の活用策として出された「みなし節電」スキームを全国で始めて採用した。電力会社・監督官庁へ実現性を相談したが,前例が無いため節電目標が公表されるまで具体的交渉ができなかった。公表後は短期間に「みなし節電達成の判断」や「送電不足時の対応」などを電力会社と協議し,日本製紙八代工場から関西および四国電力管内のグループ15事業所へ3,000kWを送電した。<BR>日本製紙グループは発電所の操業ノウハウやインフラの強みを活かし,余剰電力の配分検討,新規電源の開発・発掘,新規木質エネルギーの開発などの課題をクリアしてエネルギー事業を収益の柱に育てていく。

1 0 0 0 OA 市中取締類集

出版者
巻号頁・発行日
vol.[163] 地所取計之部,
著者
吉光 雅志 林 宣明 金子 佳史 土山 寿志
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.108, no.1, pp.74-79, 2011 (Released:2011-01-05)
参考文献数
20

症例は28歳,女性.腹痛,粘血便にて入院.O157感染による腸管出血性大腸炎に引き続き,血小板減少,腎不全を発症し,溶血性尿毒症症候群(HUS)と診断した.一時,血小板数の増加・尿量の回復を認めたが全身痙攣と一過性片麻痺にて脳症を発症した.ステロイドパルス療法や血漿交換などの治療により後遺症なく回復した.成人での脳症発症の報告は少なく,今後の治療法確立のため文献的考察を含めて報告する.
著者
晝河 政希
出版者
三重大学
巻号頁・発行日
2016-01-01

三重大学大学院 工学研究科 博士前期課程 分子素材工学専攻
著者
村上 一真
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 = Environmental science (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.401-412, 2013-09-30
参考文献数
16

社会からの影響および社会への影響を考慮した個人の節電意図・行動・効果プロセスを,市民アンケート結果を用いた共分散構造分析により明らかにするとともに,多母集団同時分析により地域(東京都,大阪府)と時期(2011 年夏季,2011 年冬季)別の状況の違いが,個人の節電意図・行動・効果プロセスに与える影響の差異を明らかにした。結果,節電目標の理解が節電意図や節電行動を喚起させ節電効果に寄与すること,停電への不安・恐怖が節電意図を高めること,節電目標の理解要因のほうが停電への不安・恐怖要因よりも節電意図を高めることを明らかにした。加えて,地域・時期別の違いとして,東京では節電意図に寄与する節電目標の理解要因と停電への不安・恐怖要因の大きさに有意な差はないこと,2011 年夏季の「節電意図→節電行動」は,東京が大阪よりも有意に大きく,2011 年冬季にはその有意差はなくなったこと,その東京の夏季の「節電意図→節電行動」と冬季のそれとは有意差があることを明らかにした。これらから,東日本大震災に起因する外部要因に影響を受ける節電意図・行動・効果プロセスの確立は確認されたが,時間経過により各要素の水準が低下することで節電効果が低下することを指摘し,中長期における節電意図・行動・効果プロセスの定着・持続の必要性を議論した。

1 0 0 0 OA 手限赦例書

巻号頁・発行日
vol.[8] 御赦例書 七 盗賊、不埒成世話致候者之類、質屋不埒並素人質取, 1000

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1946年09月27日, 1946-09-27

1 0 0 0 OA 肖像集 5

著者
〔栗原信充//画〕
出版者
巻号頁・発行日
vol.蒲生君平・狩谷棭斎,
著者
中村 秀
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.283-292, 2016-12-01 (Released:2017-01-25)
参考文献数
23

高齢者の中大脳動脈(middle cerebral artery: MCA) 領域脳梗塞では,脳萎縮の存在が生命・機能予後に影響すると報告されている.そこで,我々は計測するに簡便な二次元(梗塞面積)の評価方法を提唱すると同時に,病前の脳萎縮の程度を加味できる新評価法とすることで,それらが生命・機能予後の予見可能性を評価した.2009 年から2011 年までに当院に入院した60 歳以上のMCA 領域梗塞患者86 例を解析した.生命予後の点では脳萎縮を加味した測定法が有用であった.一方,機能転帰予測には脳萎縮を加味する利点はなかった.これは,脳萎縮が高度であれば急性期生命予後を改善する一方で,機能予後を悪化させる逆説的な結果となった.このことから,脳萎縮を同時に考慮し,評価に加えられるこの方法が,高齢者の広範囲MCA 梗塞に対する治療選択の一助になると考えられた.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.680, pp.40-45, 2018-01-22

東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場。当初の計画より1年2カ月遅れの2016年12月に着工し、これまでに「骨格」はほぼ完成した。躯体工事は今年3月までの予定で、林立するクレーンの姿は見納めとなりそうだ。
著者
和田 英穂
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅学園研究紀要編集委員会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:18816290)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.59-71, 2018-07-25

本論は中国における対日戦後処理中の台湾人処理方法と台湾における対日戦犯裁判および接収中に発生した台湾人による日本人殺人事件を事例とし,台湾における戦後処理の問題点を考察した。台湾における戦後処理は,対日戦後処理と並行して,対台湾人処理という困難な問題が存在していた。終戦直後から祖国中国に返還されるも「日本人」として戦争責任が負わされ,また一方では日本の不当な弾圧を受けていた台湾人民主派たちの祖国による日本に対する正当な処理への期待は失望へと変わってしまった。こうした「棄民」状況に陥っていた当時の台湾における戦後処理の状況はいまだ未解明の部分が少なくない。
著者
糟谷 紘一 堀岡 一彦
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.774-780, 1983

大強度イオンビームの出力は,すでに, MeV, MAの水準に達しており,イオンリングによる逆転磁場配位の形成や,トカマクなどの磁場閉じ込め核融合プラズマの追加熱,さらには材料照射などへの応用も考えられている.一方,この種のイオンビームは,慣性核融合のエネルギードライバーとしても有望である.いずれの場合にも,特定のイオン種を高純度,高輝度で,しかも高繰り返しで発生できるイオン源の開発と,ビームの輪送法の確立が現在の重要な研究テーマである.ここでは慣性核融合への応用を中心に,大強度パルスィオンビームの発生法と輸送法の現状と問題点を述べ,今後の課題にも言及する.