著者
山本 淳
出版者
山形県立米沢女子短期大学附属生活文化研究所
雑誌
山形県立米沢女子短期大学附属生活文化研究所報告 (ISSN:0386636X)
巻号頁・発行日
no.39, pp.1-14, 2012-03

山形大学附属博物館後藤文庫が持つ、近世村山地方の郷土本『老の寐言』を国語学的に検討した。文章語体を旨として書かれながらも、聞き手を意識した箇所での断定辞ジャの使用、あるいは助辞ニの脱落や助辞イの使用が観察され、音韻面でも促音や撥音の使用といった口頭語性が諸処に発現している。さらに連接母音こと ai・oi におけるイからエヘの交替、チからツへの交替、カタ行有声化などの方言的事象も色濃く観察され、さらに同系統の江口本では、音韻現象において後藤本とは異なる現れ方をしていることが判った。 キーワード:近世村山地方郷土本, 口頭語性, 音韻表記, 村山方言資料
著者
須永 徳武 スナガ ノリタケ Noritake Sunaga
雑誌
立教經濟學研究
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.111-147, 2006-03-10

1 0 0 0 OA 天保撰要類集

出版者
巻号頁・発行日
vol.[224] 第八十 二 屋鋪之部 四,
著者
中西 晃 東 若菜 田中 美澄枝 宮崎 祐子 乾 陽子
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.125-139, 2018 (Released:2018-08-02)
参考文献数
133

林冠生物学は、生物多様性や生態系機能が局在する森林の林冠において、多様な生物の生態や相互作用、生態学的な機能やプロセスの理解を目指す学問である。林冠は高所に存在し複雑な構造を有するため、林冠生物学研究の飛躍的な進展は1980年代以降の林冠アクセス手段の発達に拠るところが大きい。様々な林冠アクセス手段の中でも、ロープテクニックを駆使して樹上にアクセスするツリークライミングは道具を手軽に持ち運べることから移動性に優れ、対象木に反復してアクセスすることが可能である。また、林冠クレーンや林冠ウォークウェイなどの大型アクセス設備に比べて経済的であるという利点が活かされ、林冠生物学研究に幅広く適用されてきた。近年では、ツリークライミングの技術や道具の発展によって安全性や作業効率の向上が図られており、今後ますます活用されることが期待されている。本稿では、ツリークライミングを用いた林冠生物学の研究例を紹介しつつ、樹上調査における林冠アクセス手段としてのツリークライミングの有用性を示す。さらに、ツリークライミングを用いた林冠生物学研究の今後の展望および課題について議論する。移動性、経済性、撹乱性に優れたツリークライミングは、場所の制限を受けないため、あらゆる森林での林冠生物学研究において今後も重要な役割を担うと考えられる。また、他の林冠アクセス手段や測定機器と併用することでさらなる進展が期待される。一方、安全かつ有効なツリークライミングが普及するためには、研究調査以外の領域も含めたツリークライミング・ネットワークの形成と情報共有のためのプラットフォームづくりが急務である。
著者
新阜 義弘 森 一成
出版者
日本ロービジョン学会
雑誌
日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
巻号頁・発行日
vol.6, pp.40, 2005

未曾有の被害をもたらした阪神・淡路大震災から10年を目前に控えた平成16年12月4日、震災メモリアルイベント『視覚障害被災者の10年』が神戸で開催されました。当日は大変寒い中にも関わらず中央区の中華会館東亜ホールには、当時被災された視覚障害者をはじめ、救援活動に従事されたボランティアや関係団体の方々が会場一杯に詰めかけていただきました。この集いでは、被災された視覚障害者の方々のほんとうに生々しい体験を聞くことができました。また、大混乱の中で視覚障害被災者支援対策本部(ハビー)を立ち上げ、厳寒の中で視覚障害者の救援活動に従事された川越氏の基調講演、「視覚障害被災者1000人アンケート」に取り組まれた神戸視力障害センターの久保氏による基調報告、そして、「語り継ごう、震災体験」をテーマに熱く語られたパネルディスカッション。改めて、地震の恐ろしさと肉親を失った悲しみ、困難を極めた救援活動の様子が語られるとともに、貴重な教訓や数々の提言が明らかにされました。これからも起こるであろう地震をはじめとする自然災害に対して、視覚障害者のセルフディフェンスや救援活動、復興支援のあり方に一石を投じたものとして、多くの視覚障害者の皆さんや関連団体、ボランティアの皆さん、また行政関係各位に考えていただけますことを心より念願いたします。
著者
久原 恵子 波多野 誼余夫
出版者
The Japanese Association of Educational Psychology
雑誌
教育心理学研究
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.65-71,121, 1968

1次元上の値により定義される概念の学習過程において, 子どもの知的発達の程度により, 不適切次元の数, 適切次元の直観性がどのような影響をもつかを調べるために2実験を行なった。<BR>主な結果は次のとおりである。<BR>1) 不適切次元数の効果不適切次元数が増えると課題は困難になる, という結果が得られた。この抑制的効果は, この実験で扱った被験者の範囲では, 知的発達の程度 (MA) と関係なく認められた。すなわち, Oslerらの仮説は否定された。<BR>この効果が小さいのは, 適切次元の直観性が高く, かつ学習者が直観的印象の集積にもとついて適切手がかりを発見する場合であろうという予想も支持されていない。しかし, この点については, あらかじめ全変化次元を教えない事態であらためて検討する必要があろう。<BR>2) 適切次元の直観性の効果適切次元を直観的にとらえられやすいものにした場合には課題は容易になる。この効果は, 学習前に変化次元のすべてに気づかせる手続きをとった場合にも生ずる。この効果が小さいのは, 体系的に仮説を吟味していく学習者 (形式的操作期の子どもであればこの条件を十分充たすであろう) すなわち, 知的発達の程度 (MA) が相対的に高い場合であると思われる。これは実験I, II で, ともに支持された。<BR>Brunerほか (1956) のいうような方略は, すべて仮説が等価なものであるときにのみ適用可能であることを考えれば, この結果のもつインプリケーションはあきらかであろう。形式的操作期の子どもにとっては, 刺激のそれぞれの手がかりは, 一種の命題的性格を与えられる結果, 等価とみてなされており一おとなの実験者にとっもそうなのであるが一, したがっていったん適切でないとわかった手がかりに固執することはない。しかし, 知的発達の低い段階においては, 仮説の選択を順次行なっていく能力が欠けているばかりでなく, 各次元が等価でないため, 検証一棄却の論理的手続きも不能となるのである6<BR>3) 不適切次元数と適切次元の直観性の交互作用<BR>不適切次元数がふえるほど, 適切次元の直観性の寄与が大となる, という予想は, 今回の実験からは, 実験II の小4を除いて統計的には確かめられなかった。<BR>なおさらに, これと, 知能との交互作用すなわち, 適切次元の直観性が高いときには, 不適切次元数の増加がもつ抑制的効果は知能の高いものにおいて大きいが, 直観性が低いときには知能の低いものにおいて大きい, という傾向が実験IIにおいてみられたことは注目してよかろう。
著者
三好 稔
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.13-32, 1937

Recently J. L. King finds the negative correlation between complex-width (Komplexbreite) and perseveration, and interprets his result by Lindworsky's resonance theory. The same problem is taken up in this paper in somewhat different ways; complex-width in memory is tested by nonesense words presented not only to sight (as in King's case) but to ear also. Further tests of cancellation and association are applied to 13 subjects of a normal school students in order to see complex relations among complex-width, perseveration and association by the factor-analysis technique. The main results obtained here are as follows:<BR>1) As far as the present study concerns I comfirmm that there are individual differences in complex-width in auditory as well as visual field, and the correlation between learning ability of nonesense words and complex-width is negative (-.26) when the stimulus visual, and positive (+. 72) when it is auditory. This difference seemingly depends on the difference of experimental conditions and that of the attitudes of persons tested.<BR>2) By both the motor perseveration-test and cancellation-test the individual differences of the intensity of perseveration are determined, although the experimental conditions in this case are neither perfect, nor the results of tests are always regular.<BR>3) According to the results of the factor-analysis, perseveration and complexwidth stand on the opposite directions with various factor-loadings. Thus Lindworsky's resonance theory seems to be justified to explain some psychophysical phenomena by assuming some different properties of the psychophysical medium. But there remains yet the question about the charactor of the proper vibration of the vibrators.<BR>4) The number of the response words in a definite time depends both on the perseveration as inertia of mental activity and on the intensity of association. But these two factors seem to be independent and rather on the opposite directions.<BR>5) The factor of complex-width is in negative relation with perseveration and at the same time is independent of the intensity of association. Thus complexwidth, perseveration and association seem to be independent factors of each other.
著者
山下 利之 長縄 久生
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.827-835, 2012
被引用文献数
1 1

&ldquo;彼は硬いから,アドバイスを聞いてくれないだろうな&rdquo;,&ldquo;発想の転換ができないのは,頭が硬いからだ&rdquo;,&ldquo;彼は頭が硬いから,説得するのが難しいよ&rdquo;,・・・といったように,&ldquo;硬い&rdquo;という表現は日常よく使われる.心理学における心の&ldquo;硬さ(rigidity)&rdquo;とは,このような,融通がきかない,柔軟性がない,一つの考えや行動パターンに凝り固まっているような心の状態を意味する.硬さはパーソナリティ特性を基本としながらも経験により形成されると考えられている.&ldquo;心の硬さ&rdquo;は,自分の中で固定されたイメージに固執して,就職の選択を自ら狭めたり,柔軟に自分の可能性を吟味できないなど,些細な問題が就職活動の妨げになっていることがある.そこで,就職活動の心理的支援として&ldquo;心の硬さ&rdquo;を測定し,その&ldquo;硬さ&rdquo;の特性に応じてアドバイスをフィードバックする支援ツールを作成した.

1 0 0 0 OA 熱原法難史

著者
堀慈琳 著
出版者
雪山書房
巻号頁・発行日
1923
著者
帆足 喜与子
出版者
日本教育心理学協会
雑誌
教育心理学研究
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.65-74,126, 1961

要求水準とパーソナリティとの間に関係ありと認められた事柄は次のとおりである。<BR>(1) 安定感のあるものは, 成功すれば水準を上げ, 失敗すれば下げるというふうに適応的反応をする。<BR>(2) 失敗をまともにうけ入れるものも適応的反応をする。<BR>(3) 自分の地位に満足するものも適応的反応をする。<BR>(4) 妥協的, 協調的のものは場面によって設定態度を変化させる。<BR>(5) 競争心の強いものは目標を固執する傾向にある。<BR>(6) 本実験においては, 常にパーソナリティ評点のよいものの方がGDSが大きかった。<BR>個人について設定態度が比較的固定しているところから見ても, また特定のパーソナリティと特定の設定態度との関連性の存在から見ても, 要求水準には個性が相当にあらわれるといいうる。
著者
西山元 著
出版者
巻号頁・発行日
vol.[15],
著者
持木 幸一 小林 久夫
出版者
日本アイソトープ協会
雑誌
Radioisotopes (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.153-165, 2008-02-15
参考文献数
35
被引用文献数
2