著者
山本 恭子
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第52回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.50, 2018 (Released:2018-05-22)

イザイホーは沖縄県久高島において12年に一度、行われてきた女性が神女に就任するための儀式である。そして神女は年間20以上行われる神行事を支える重要な役割を担ってきた。しかし、イザイホーを受けるものがいなくなり、1978年を最後に行われてない。現在イザイホーを受けた神女は最も若くても70才を越える。本研究ではイザイホーを受けた女性の生涯を振り返っての語りから、イザイホーが神女に与えたものについて考えた。
著者
ガザン
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第52回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.171, 2018 (Released:2018-05-22)

本発表では、東北チベット・アムド地域及び青海チベット村落社会における死の儀礼に関する幾つかの事例を取り上げながら、先ず、死の儀礼に対する準備作業、葬儀のプロセス、死に対する宗教者が果たす役割と世俗的社会集団による経済的支援などについて述べる。そうした上で、儀礼に見られるあの世へと導く主導者・聖人と葬儀に対する精神的や経済的に支援する俗人は一体どのような関係でつながっているか、そのつながりによって行う死の儀礼がつなぐ共同性について考察する。
著者
福浦 一男
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第52回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.19, 2018 (Released:2018-05-22)

上座部仏教・精霊信仰・霊媒術が混淆する伝統的な宗教性を保持する古都チェンマイでは近年、元来互いに異なる筈の母系祖霊崇拝と霊媒術が協同してひとつの儀礼を実践する事例が増加し、他方精霊信仰の歴史的な重要性を認めて霊媒との協同作業を実践する複数の上座部仏教僧が存在する。これらの事実は、社会変動が続く現代タイ社会において現地の伝統的な宗教性を再構成し、宗教職能者を相互に連関させる実践宗教の力を示している。
著者
渡井 葉子
出版者
一般社団法人 日本オリエント学会
雑誌
オリエント (ISSN:00305219)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.1-16, 2013-03-31 (Released:2016-04-26)

The Egibi family is the most eminent “private entrepreneur” of the Neo-Babylonian period. Despite the fact that many studies have been published on this family, nobody has ever studied their urban real-estate properties systematically. In this paper I study a deed (Dar. 379) which divides the properties among the members of the Egibi family and then locate and determine the use of each property that appears in the document as much as possible, by examining the pertinent contracts of land sale involving Egibi family members.The Egibi family owned many houses in Babylon and in other nearby cities. These houses in each city adjoined one another. It is likely that heads of the family acquired neighboring plots and added them to their own property. Their houses functioned as residences of family members, business offices, workshops, loan collateral, etc. However, they do not seem to have made profit by selling these houses.According to one document, the “main house (bītu rabû) of the Egibi was situated in TE.EKI area in the city of Babylon, at least in nabû-aḫḫē-iddin times. In another document, we find that the residence or office of the crown prince (bīt-mār-šarri) was located in the neighborhood of the Egibi’s main house. It is therefore probable that the bīt-mār-šarri was located in the TE.EKI area. In fact, heads of the Egibi family appear in some documents as agents of the crown princes Neriglissar, Belshazzar and Cambyses. The location of the Egibi’s houses close to the bīt-mdr-Eam' was undoubtedly convenient for their partnership relation.Through this study there emerges an interesting picture of the process by which a newcomer to the urban elite through acquiring pieces of urban property was able to develop large residences in the neighborhoods of the administrative centers of big cities during the “long sixth century” of prosperity in Babylonia.
著者
嶋崎 孝嗣 吉田 義一 平野 実
出版者
日本喉頭科学会
雑誌
喉頭 (ISSN:09156127)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.96-103, 1997-12-01 (Released:2012-09-24)
参考文献数
38
被引用文献数
1

Laryngeal myoclonus is a rare involuntary movement characterized by persistent, repetitive and rhythmic contraction of laryngeal muscles. It is not in itself a disease entity but is a symptom found in various diseases. Two cases of pharyngo-laryngeal myoclonus that we observed were introduced and palato-pharyngo-laryngeal myoclonus literature was reviewed. So far there have been 304 case reports from 18 months to 91 years old (avg 44.5) having a male preponderance of 59% : 41% in America and Europe, and 65 case reports (2 to 76 years old, avg 30) had a sex distribution of male 62% : female 38% in Japan. Presenting complaints were earclick, involuntary movements and abnormal sounds in the cervix and et al, and some patients had no self-evident symptom. Almost all cases of myoclonus were observed in the soft palate. One of the characteristics of myoclonus was its resistance to many influences such as medication, sleep, and even coma, while it was influenced under some conditions. MRI was useful to detect the lesions. Many pathoanatomical findings demonstrated lesions of the dantato-olivary pathway and the pseudohypertropy of the inferior olivary nucleus. The pathophysiological mechanisms are still unclear and more physiological studies are needed in order to establish treatments.
著者
濱田 浩美 小林 静江 真砂 佳菜子
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.335-344, 2004-02-28

日光白根山五色沼は,栃木県日光市と群馬県片品村の県境付近の日光国立公園内に位置している。日光白根山の火成作用によって形成された日光火山群唯一の火口湖で,湖水面標高は2,170mである。冬季は完全結氷し,2001年11月下旬の調査において氷の厚さは13cm,2002年11月末では18cm,2003年4月初旬では100cmであった。五色沼は閉塞湖であり,水位を安定に保とうとする自己調節機能をもっているが,水温・水質の季節変化と同様に明らかにされていない。そこで本研究では,日光白根山五色沼において,水位変動および水温変化を観測し,湖水の主要イオン濃度の分析を行うとともに,光波測量を行い,正確な湖盆図を作成した。これらの観測結果から,五色沼における水温・水質の季節変化および水収支を明らかにした。
著者
濱田 浩美 真砂 佳菜子 小林 静江
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.000017, 2003 (Released:2003-04-29)

1.調査地域の概要 日光国立公園内にある日光白根山五色沼は、北緯36度48分5秒、東経139度23分5秒に位置する湖沼である。栃木県日光市と群馬県片品村の県境付近にあり、日光火山群の最高峰といわれる日光白根山の東北東1kmに位置し、白根山の火成作用によって形成された日光火山群唯一の火口湖で、湖水面標高は2170mである。五色沼は西南西に位置する白根山の火成作用によって形成された日光火山群唯一の火口湖である。冬季は完全結氷し、2001年11月下旬の調査において氷の厚さは13cm、2002年11月末では18cmであった。2.研究目的 同湖沼に関する調査は、日光地域の一湖沼として観測された研究が数編報告されている。宮地・星野(1935)は氷殻下における水温・pH・溶存酸素量・溶存酸素飽和度を測定し、1979年7月に小林純ら(1985)が、湖心部における水温・電気伝導度・pHの測定および19項目の水質分析を行った。水質は無機化学成分の濃度が非常に希薄で、清澄な水であったと報告している。しかし、今までに日光白根山五色沼に関する継続的な調査は行われておらず、水温・水質の鉛直分布の測定、湖盆図さえ報告されていない。 五色沼は閉塞湖であり、水位を安定に保とうとする自己調節機能をもっているが、水温・水質の季節変化と同様に明らかにされていない。そこで本研究では、日光白根山五色沼において、水位変動および水温変化を連続観測し、湖水の主要イオン濃度の分析を行うとともに、光波測量を行い、正確な湖盆図を作成した。これらの観測結果から、閉塞湖における水温・水質の季節変化および水収支を明らかにした。3.研究方法a.現地調査 現地調査は2001年11月21日,2002年5月19日,6月8日,8月28日,10月5日,11月27日の計6回行った。観測は全て湖心部において行い、採水は1mまたは0.5mおきに行った。水温および水位の連続観測は、2002年5月19日よりデータロガーを設置し、記録を開始した。湖の北側湖岸の1地点に(株)コーナーシステム製の水圧式自記水位計(KADEC-MIZU)を設置した。b.室内分析 採水して持ち帰った湖水は、後日実験室にて、主要イオン(Na+,K+,Mg2+,Ca2+,Cl-,NO3-,SO42-)濃度の分析とpH4.8アルカリ度の測定を行った。4.結果および考察a.水温・水質の季節変化 五色沼が水深5m弱と浅く、光が湖底に達している。夏季の成層は極めて小さいことがわかったが、透明度は最大水深より大きく、水体および湖底全体が受熱していると考えられる。冬季は逆列成層が形成されていた。b.主要イオン濃度分析 年間を通して、湖水の主要イオン濃度は極めて希薄であり、雨水に近い値を示した。白根山は休火山であるにもかかわらず、硫酸イオンや塩化物イオンは低濃度を示しており、火山性の影響が認められなかった。c.日平均気温と水温変化 水温変化は、日平均気温の低下が続くと、少し遅れて低下傾向を示すことから、気温が影響しているといえる。常に水温が日平均気温よりも高いのは、日光白根山五色沼は透明度が高く、日射により水体および湖底の全体が受熱しているために、高い水温を示すと考えられる。d.水収支 日光白根山五色沼は閉塞湖である。調査期間における13ヶ月の降水量は約1560mmであり、流入河川および流出河川を持たないために、相当量の漏水がなければ水位は維持されない。漏水深は、水位が上昇するにしたがって、大きくなる傾向が認められた。7月10日に131mmの日降水量があり、水位は4日間で約50cm上昇するが、漏水深も大きくなるために、無降水時および2~3mm/day程度の降雨時には水位降下の傾向がみられた。

1 0 0 0 月刊ぶーけ

著者
集英社
出版者
集英社
巻号頁・発行日
vol.4, no.8, 1981-08
著者
貝戸 清之 小林 潔司 青木 一也 松岡 弘大
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.255-271, 2012 (Released:2012-10-19)
参考文献数
36
被引用文献数
12

社会基盤施設の劣化過程においては,施設の構造特性や使用・環境条件の違いにより劣化速度に多大な異質性が存在する.個々の施設に特有な異質性がもたらす劣化速度の過分散の問題を克服するために,施設グループ間の劣化速度の異質性を明示的に考慮した混合マルコフ劣化ハザードモデルが提案されている.本研究では,劣化速度の過分散が,施設グループ間における劣化速度の異質性と,グループを構成する個々の施設間における異質性というレベルの異なるつの異質性が複合された結果により発生すると考える.その上で,階層的異質性を導入した混合マルコフ劣化ハザードモデルを定式化し,その階層ベイズ推計法を提案する.最後に,橋梁床版に対する目視点検データを用いた実証分析を通して,本研究で提案する手法の妥当性を検討する.

1 0 0 0 OA 古文書倶楽部

著者
秋田県公文書館古文書班
出版者
秋田県
巻号頁・発行日
no.(9), 2006-08
著者
武藤 晃
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.461, 2001 (Released:2001-10-01)
参考文献数
11

企業は効率優先型の経営によって一時的に回復をみせたが,将来への展望は依然として開けない時代において,IT化の進展に伴い,社会は急速に知識集約型へ移行しつつある。企業は,知識の創造と活用が不可欠であるとの認識から,知的資産への関心がいやおうなしに高まってきた。知的所有権(Intellectual Property=IP)は知的資産の中核を形成するものであり,この知的所有権の価値がプロパテント政策によって一層高まろうとしている。「ポートフォリオ」の語は2つの意味を持っている。古典的な「プロダクト・ポートフォリオ・マネージメント」(PPM)で代表される分析手法と,資産がどの程度の価値があるかを示す指標,あるいは,単に資産群という意味合いである。知的所有権の価値を表す指標または知的資産の評価という観点におけるIPポートフォリオの研究は,日本ではまだ始まったばかりである。しかし,「プロパテント政策」は,企業の知的資産への急速な関心と合致し,IPポートフォリオは企業経営戦略の重要な柱になってきた。IPポートフォリオの周辺の状況と,IPポートフォリオ・マネージメントの基礎的な活動をみる。

1 0 0 0 OA 市中取締類集

出版者
巻号頁・発行日
vol.[190] 河岸地調之部,
著者
葛谷 雅文
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.1-6, 2016 (Released:2016-04-05)
参考文献数
20

サルコペニアには本来,加齢に伴う四肢骨格筋量の減少が存在し,筋力・身体機能の低下が惹起されている状態をさす(原発性).しかし,骨格筋減少を伴う病態は広範に存在し,いずれも対象者の身体機能低下に直結しており,サルコペニアは原発性以外に二次性サルコペニアとして多くの臨床領域で使用されるタームとなった.それに伴い,サルコペニアの臨床的重要度はさらに高まり,サルコペニアの研究に参入する研究者も増加しており,大変な盛り上がりをみせている.しかし,なおそのメカニズムは十分解明されたとは言えず,早急なその解明ならびに,介入方法の確立が期待されるところである.本総説は,そのメカニズム,介入法の一つとして,栄養を取り上げた.本総説が少しでもサルコペニアの臨床,研究の一助になれば幸いである.
出版者
北國新聞社
巻号頁・発行日
1995
出版者
北国新聞社
巻号頁・発行日
1983
出版者
北國新聞社
巻号頁・発行日
1999