著者
野上 雄太 坂井 公俊 室野 剛隆 盛川 仁
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.191-202, 2012 (Released:2012-04-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1 5

本研究は,広範囲の被害の概略をマクロに予測して危険箇所を抽出する1次スクリーニングを目的として,想定される工学的基盤の地震動に対して表層地盤の絶対加速度増幅率および絶対速度増幅率を推定する式を提案したものである.この推定式は,(1)表層地盤の固有周期だけでなく,入力地震動の卓越周期も考慮できること,(2)幅広い地震動レベルに対して適用可能であることが特徴である.増幅率の推定に必要な情報は,入力地震動に関しては,工学的基盤における地震動の最大加速度PBAと最大速度PBVの2つのみ,表層地盤に関しては,固有周期Tgのみである.また,提案した推定式の妥当性を地表と地中の両者で得られた実地震記録を用いて検証した.
著者
髙山 みさき 大西 英雄 城本 修 村中 博幸
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.143-151, 2017 (Released:2017-05-31)
参考文献数
17
被引用文献数
1

平仮名と片仮名の文字刺激処理における脳活動に差があるか,fMRI(functional magnetic resonance imaging)を用いて検討した.健常成人17名(平均年齢21.4±0.5歳)を対象に,平仮名または片仮名で表記した高親密度単語および低親密度単語の音読を行い,課題遂行時の脳賦活部位と脳賦活量を評価した.両課題に共通して,両側上前頭回,両側内側前頭回,両側中側頭回,左紡錘状回,左角回,左帯状回の賦活を認め,平仮名課題では,両側下側頭回,両側楔前部,左後方帯状回に,片仮名課題では,両側下前頭回,左下側頭回,右中心後回,左前方帯状回に賦活が観察された.脳賦活量は平仮名が片仮名を上回り,高親密度課題で13.1倍,低親密度課題で2.7倍を示した.平仮名および片仮名の音読時における脳活動は共通する点が多く,二重神経回路仮説における背側経路を介して処理されるが,文字刺激処理における処理負荷は平仮名のほうが強いと示唆された.
著者
冲永 壯治 古川 勝敏 石木 愛子 冨田 尚希 荒井 啓行
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.136-142, 2017
被引用文献数
1

<p>東日本大震災のような超大型災害では被害の規模が大きく,復興に時間がかかる.しかし5年や10年といったスパンは高齢者にとって未来に希望を持ちにくい長さである.従ってその復興の過程において高齢者の生活の質を保つ努力が必要になる.はたして東日本大震災後はどうであったか,今後どうなるのか,そして新たな大規模災害に対して高齢者を守る手立ては講じられているのか.その問に対して東日本大震災の経過を4期に分け,それぞれの時期に特有な高齢者の健康問題を提示して解決策を模索したい.</p>
著者
林 文俊
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-9, 1982
被引用文献数
4

本研究は, 人が他者のパーソナリティを認知する際の対人認知構造における個人差を, 認知者の自己概念および欲求と関連づけて分析したものである。<BR>被験者は大学生男女299名。対人認知構造の個人差を測定するために, 各被験者は8名の役割人物を20組の性格特性尺度上で評定することを求められた。また, 自己概念については長島ら (1966) のSelf-Differential Scaleが, 各人がもつ欲求体系についてはKG-SIV (Gordon・菊池, 1975) と土井・辻岡 (1979) に準じた検査が, それぞれ実施された。<BR>主な結果は, 次の2点である。<BR>1) INDSCALモデル (Carrll & Chang, 1970) による分析を通して得られた対人認知構造の個人差測度は, 7週間を隔てた再検査結果の分析でも, かなり高い安定性を示した。<BR>2) 他者認知に際して人がある次元を重視する程度は, その個人の自己概念や欲求体系とある程度の関連性をもつことが明らかになった。また, このような関連性のパターンには, 顕著な性差が認められた。
著者
佐藤 淳一
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
pp.27.2.1, (Released:2018-06-01)
参考文献数
6

The relationship between the feeling function of Jung's psychological types and acceptance of responses regarding empathic images was investigated. Empathic images were assessed by imagining that a child was showing three feeling expressions of expectation, anger, and sorrow to the mother, and consequently imagining how the mother accepted those feelings. Graduate students (N=116) completed the Empathic Image Task, and the Jung Psychological Types Scale (JPTS). The results showed that the feeling function of women and the intuition function of men were positively correlated with the acceptance of responses regarding empathic images about a child's expression of expectation. However, neither general attitudes nor psychological functions correlated with a child's anger or sorrow. These results suggest that the way feeling function shows acceptance of responses regarding empathic images differs according to gender of the participants and the quality of feeling contents.
著者
富島 大樹 末永 清 菅沼 憲治 山口 豊一 藤生 英行
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
pp.27.2.3, (Released:2018-06-01)
参考文献数
24

心配傾向の高い者は,同時に複数の心配ごとを抱えているという。ただ,心配関連の複数の情報に対する処理過程に注目した研究は見られない。31名の健常な大学生と大学院生(男性:9名,女性:22名,平均年齢:23.71歳)が2種類の刺激(心配語と中性語)を用いた修正視覚探索課題を実施した。分析の結果,反応時間では,心配傾向の高い者は,妨害刺激が中性語の際に,中性語に比べ心配語の標的の検出がより早く,心配語への注意の促進のバイアスがあり,心配が意識に侵入することに関連しているものと考えられた。また心配傾向が高い者は,心配に関連する情報が多く提示された際に,標的の検出が遅くなっていた。心配傾向の高い者は,心配語に対する注意の解放困難のバイアスがあると考えられた。心配語の処理における要因について,不安障害に関連した臨床的適用と今後の研究の方向性について議論した。

1 0 0 0 月刊ぶーけ

著者
集英社
出版者
集英社
巻号頁・発行日
vol.5, no.6, 1982-06
著者
三田村 圭祐 奥平 敬元 三田村 宗樹
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.122, no.2, pp.61-74, 2016-02-15 (Released:2016-06-17)
参考文献数
64
被引用文献数
1

生駒断層帯において,白亜紀花崗岩類中に発達する露頭規模の断層群に対する構造地質学的解析を行った.断層群のスリップデータに基づく多重逆解法により求められた古応力場は,南北引張の正断層型であった.また,断層コアのガウジから分離したイライトのK-Ar年代は,45.2±1.0Ma(粒径0.2-0.4µm)および46.0±1.1Ma(粒径0.4-1.0µm)となった.各粒径区画におけるK-Ar年代値や低温イライトの含有率に有意な差が認められなかったため,母岩の黒雲母K-Ar年代を用いて砕屑性高温イライトの影響を考慮した結果,断層コア形成およびその後の熱水変質による年代として~45-30Maを得た.これらの結果は,生駒断層帯における白亜紀花崗岩類中に発達する露頭規模の断層群の形成が始新世後期〜漸新世前期の伸長テクトニクスに関連したものであることを示唆する.

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1929年06月10日, 1929-06-10

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1928年07月25日, 1928-07-25

1 0 0 0 新宗教事典

著者
井上順孝 [ほか] 編
出版者
弘文堂
巻号頁・発行日
1990

1 0 0 0 OA 古今武者揃

著者
夷福山人 作
出版者
佐野喜

文学史で言う「赤本」ではなく、後人によりまとめられた江戸後期小本「赤本/昔ばなし」8冊の内の1冊(1~9丁)。(ただし「源平盛衰記」(寄別3-6-1-1)巻末に画作者の歌「赤本のほんにめでたし/\と又板行もあら玉の春」があるので、当時この種の作品も「赤本」と称したことが判る。)表紙は素朴ながら木版多色摺で、薪を背負って立つ山姥の前で鉞を持って熊に足を掛け殴りかかる金時を描き、題名「古今武者揃(ここんむしやぞろひ)」と版元名「佐野屋板」を表示。見返には題名、版元名のほか「夷福山人作」とあり、やや後ろから見た兜に梅枝を添え、一ノ谷の戦で箙に梅枝を差して戦った梶原源太を象徴する略画。序文六行の末には「孟春 夷福亭主人」とある。「孟春」の上の空白は成立年を示す干支を削除か。「夷福山人」「夷福亭主人」は式亭三馬の門人で江戸末期の戯作者楽亭西馬の別号。画は9丁裏に「広重」とある。柱題「古今」。
著者
渡邊 正元
出版者
The Society of Polymer Science, Japan
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.6, no.56, pp.241-243, 1949

スベリン酸は從來コルク, ひまし油或はその他各種の油脂類を硝酸酸化して造つたが, 同時に生成する二監基酸との分離が困難であつた。ところがReppe により究究された方法によるとアセチレンから好收率でスベリン酸が出來るから, このものはポリアミドの原料として工業的に使用し得る可能性がある。そこで著者はアヂピン酸より次の方法でスベリン酸とオクタメチレンヂアミンを合成して, その重合物を造り紡糸したところ6.6ナイロンに劣らぬ強度をもち, 熱的にはより安定性の高い優れた繊維となることを見出した。<BR>次に以上の順に實驗の大要を述べる。
著者
高橋 酉蔵 堀 幹夫 浜島 好男
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.6-10, 1958-01-25 (Released:2010-02-19)
参考文献数
18

For the purpose of elucidating the relationship between effective partial structure of morphine skeleton and analgesic action, several compounds possessing the A-C rings in the morphine skeleton as the basic structure were synthesized. The compounds prepared were 1-dimethylaminoalkyl-1-phenylcyclohexanes (XIII, XVIII, XXV, and XXXII) and 2-dimethylaminoalkyl-2-phenylcyclohexanols (XIV, XXI, XXIX, and XXXV).
著者
松田槌太郎 編
出版者
松田槌太郎
巻号頁・発行日
1894
著者
Min-hyeok Choi Jin-Hwa Jung Jong-Hoon Moon Jin-won Yoo Suk-Chan Hahm Hwi-young Cho
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
Journal of Physical Therapy Science (ISSN:09155287)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.840-842, 2018 (Released:2018-06-12)
参考文献数
8
被引用文献数
4

[Purpose] The aim of this study was to examine the changes in sternocleidomastoid muscle (SCM) activity when using a cervical support pillow (CSP) and to determine the pillow’s effect on satisfaction in asymptomatic participants. [Subjects and Methods] This study followed a cross-over design and the order of the measurements was counterbalanced. Twenty asymptomatic participants were positioned supine for 5 minutes by using either a CSP or a general pillow (GP) while the activity of the SCM was measured using surface electromyography. [Results] The CSP significantly decreased the activity of the SCM compared with the GP, and satisfaction after use of the CSP was significantly greater than that after use of the GP. [Conclusion] This study suggests that the CSP may be effective in preventing unnecessary neck muscle activation during sleep in asymptomatic people.