著者
山本 聡美 山本 悠介 近藤 裕子 廣瀬 倫也 北島 治 鈴木 孝浩
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.311-314, 2015-05-15 (Released:2015-08-19)
参考文献数
5

全身麻酔下に帝王切開術が予定された脊髄性筋萎縮症患者において,ロクロニウム筋弛緩とスガマデクスによる拮抗効果を評価した.挿管量としてロクロニウム1mg/kg投与後89.5分でポストテタニックカウント(post-tetanic count:PTC)は2に達した.その時点でスガマデクス4mg/kgを投与したところ,75秒で四連反応比は対照値に回復した.本症例ではロクロニウムへの感受性は増大していたが,スガマデクスにより迅速に回復が得られた.
著者
中川 晋一 八尾 武憲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.633-640, 2009-07-15
参考文献数
7

私(中川)が2008年の10月13日に心筋梗塞を発症して4月で6カ月が経過した.幸運にも心臓カテーテルで処置のできる医療機関がいくつもある東京都の市部で,休日の午後8時前後という最も人的リソースのある時間帯で発症したため,難を逃れることができた.錆びついてはいるが10年ほど前まで,医師として救命救急の最前線での業務をこなしていたこともあり,知識のまったくない一般人ではなかったこともリテラシーとして役立った.しかし,意識下で情報通信の研究者として経験したことは,インターネットを用いた遠隔医療に関する技術開発1),2)を行ってきた者として,最近若干感じていたネットワーク技術や今回のライフログなどの関連技術が,いかに「研究者寄り」のものであり,急激に発症した一患者の生命を救うためには無力なものであるかを実感させた.今回のライフログ特集に寄せて,患者経験のある医師免許を持つ情報処理研究者として感じた経験を述べ,ライフログの実用化について検討したい.
著者
Yutaro NORIKAWA Kouji YASUDA Toshiyuki NOHIRA
出版者
The Electrochemical Society of Japan
雑誌
Electrochemistry (ISSN:13443542)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.99-103, 2018-04-05 (Released:2018-04-05)
参考文献数
31
被引用文献数
13

The electrochemical behavior of Ti(III) ions in a eutectic KF–KCl molten salt was investigated using cyclic voltammetry, square wave voltammetry, and chronoamperometry at 923 K. Ti(III) ions were produced by the addition of 0.50 mol% of K2TiF6 and 0.33 mol% of Ti sponge to the melt. The reduction of Ti(III) ions to metallic Ti was observed as a single 3-electron wave around 0.33 V vs. K+/K in the square-wave voltammogram. The electrodeposition was conducted at a Mo electrode by galvanostatic electrolysis at −50 mA cm−2 for 20 min. The deposits were confirmed to be compact and adherent Ti metal films by scanning electron microscopy, energy dispersive X-ray analysis and X-ray diffraction analysis. The oxidation of Ti(III) to Ti(IV) was observed at 1.82 V vs. K+/K as a reversible electrochemical process. The diffusion coefficient of Ti(III) ions was determined to be 3.9 × 10−5 cm2 s−1.
著者
篠崎 真 田島 洋 前田 秀一
出版者
一般社団法人 日本画像学会
雑誌
日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.217-228, 2000
被引用文献数
2

溶融型熱転写方式カラープリンターにて三種の用紙に同一条件で印刷しその画質を評価した.<br> 画像境界部の評価ではTEPおよびNEPを評価し,合成紙,多孔性塗膜塗工紙,上質紙の順に画質が優れているという結果が得られた.多孔性塗膜塗工紙はTEPでは合成紙に近い値を,NEPでは上質紙に近い値を示した.<br> 階調再現性においては,合成紙は階調再現性が忠実であり,上質紙はややアンダー気味,多孔性塗膜塗工紙はややオーバー気味,という傾向が見られた.多孔性塗膜塗工紙は30%程度以下の網点面積率においては合成紙とほぼ同等の性能を示し,また網点面積率の高い領域では本実験の印字モードでは過剰に転移するという結果が得られた.<br> モトル評価および粒状性評価では,上質紙に比べて合成紙と多孔性塗膜塗工紙は優れているという結果を得た.<br> 上述の印刷品位は表面粗さでほとんど説明できると思われるものの,なかで多孔性塗膜塗工紙は特異な傾向を示している.多孔性塗膜塗工紙は表面の多孔性塗膜によって吸液性,断熱性,クッション性が付与され,それらが上記の特徴を与えたものと考えられる.

1 0 0 0 OA 本草図譜

著者
岩崎常正
出版者
山城屋佐兵衛[ほか1名]
巻号頁・発行日
vol.[4], 1830
著者
細田 あや子
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.555-582, 2011-09-30 (Released:2017-07-14)

ヨーロッパ中世のキリスト教美術のなかから、マリア信仰や三位一体という教義が視覚化された彫像、マリアやアンナ信仰が反映された画像、ベネディクト派女子修道院で用いられた画像、ヨセフ崇拝に基づいたイエス降誕の図を取り上げ、このような造形物が信仰生活においてもたらす教育的機能・効果を考える。さまざまな画像から、正統な教義とはなっていなくとも、民衆の信仰や霊性に根ざした図像は、人びとに宗教の教えを理解させ信心を深めるために役立ったであろうことは推測される。とくに家族にかかわる画像などからは、家族のつながり、子どもの教育への配慮といった意味も読み取れる。宗教のなかの表象造形は、人びとの信仰心に基づいて生成、受容され、民衆の霊性を表現したものととらえることができるが、そこには信仰の教化、強化に役立つ機能も大きな意味を持っており、視覚イメージの効用の多様な可能性が指摘されうる。
著者
伊達 由実 吉田 康成
出版者
四天王寺大学
雑誌
四天王寺大学紀要 (ISSN:18833497)
巻号頁・発行日
no.65, pp.453-463, 2018-03-01

本稿では、大学学内トレーニングルームにおける学生トレーナーとしてのスチューデント・アシスタント(SA)制度を紹介し、学生トレーナー(SA)が利用者への指導・助言、トレーニングルームの企画・運営する活動事例を概観することでSA の課題および改善点について検討することを目的とする。2015 年9 月から導入されたSA 制度は、9 名のSA1 期生によってスタートした。SA1 期生における1 年間(2015 年9 月14 日から2016 年7 月25 日)の活動時間の平均は46.25 時間であった。2017 年9 月現在、31 名のSA がトレーニングルームの運営に従事している。制度が導入されて以降、SA が自主的に取り組んできた、様々な課題に対する改善点について報告した後、導入されたSA 制度が発展していくために必要な課題について検討する。
著者
姜 英徹
出版者
外国語教育メディア学会(LET)
雑誌
外国語教育メディア学会機関誌 (ISSN:21857792)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.73-94, 2008 (Released:2017-07-28)

Although it is said that acquiring 4,000-5,000 words are required before entering university, learning vocabulary through textbooks in daily classes is not enough. Most teachers agree that intentional learning of vocabulary is necessary for students. However, there seems to have been no concrete methods about it and it has been thought that vocabulary building depends on students' enthusiasm; so they leave it to their students. In part, it's due to the problem of forgetting. According to the previous researchers, without any revision, most of the words learned are lost from learners' memories. So learners should review new words soon after the initial exposure and then at gradually increasing intervals. It is called expanding rehearsal. Teachers cannot possibly control the intervals for each word, so CALL system is critical on this matter. I have developed an e-Leaming Vocabulary Building System and put it into practice since 2003. The points primarily concerned are that: first, the intake of lexical chunks is significant for functional language use; second, remembering their forms with phonetic aspects is indispensable. Watching my students learn through the system, it has come to light that the system has been working very effectively but some minor changes and a certain syllabus using it are required for its use. I hope this report gives teachers some suggestion towards building students' vocabulary.
著者
明梅膺祚撰
巻号頁・発行日
vol.[11], 1000

1 0 0 0 OA 神の憐と審判

著者
水島行楊 著
出版者
正教会事務所
巻号頁・発行日
1913

1 0 0 0 卓池雑考

著者
鈴木煙浪著
出版者
三河発行所
巻号頁・発行日
1976
著者
永岡 篤 森 大毅 有本 泰子
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.73, no.11, pp.682-693, 2017

<p>感情音声コーパスに付与されている感情ラベルには,次元で記述されたものとカテゴリで記述されたものがあり,これらには互換性がない。複数コーパスを統合し大規模なコーパスとして扱うためには感情ラベルの共通化が必要であるが,人手による感情ラベル付与はコストが高い。音声からの感情認識の技術を利用すれば異種感情ラベルの自動付与が可能だが,その推定精度は十分とは言えない。本論文では,音声から得られる特徴量に加え,それぞれの感情音声コーパスにもともと付与されている感情ラベルをも推定器への入力として利用した異種感情ラベル推定手法を提案する。まず,感情カテゴリラベルを持つコーパスOGVCに対する感情次元ラベルの推定実験を行った。モデル学習用のコーパスに付与されている感情ラベルとしては,次元とカテゴリの両方が利用できる場合,及び次元だけが利用できる場合についてそれぞれ検討した。次に,感情次元ラベルを持つコーパスUUDBに対する感情カテゴリラベルの推定実験を同様に実施した。実験の結果,対象コーパスにもともと付与されている感情ラベルの併用により,異種感情ラベルの推定精度を向上できることが示された。特に,UUDBに対する感情カテゴリラベルの推定においては,モデル学習用のコーパスが感情次元ラベルを持たず,推定された感情次元ラベルで代用した場合でも,推定精度を改善できることが分かった。</p>