著者
松尾 雄司

本稿ではまず既存の試算例を参考としてエネルギー源別の発電コスト評価の問題を検討・整理した上で,それを用いて2030 年の日本のエネルギーミックスに焦点を当て,その経済影響について評価を行った。2030 年に原子力発電比率を0%,15%,20 ~ 25% とするシナリオについて評価した場合,0% シナリオでは実質電力価格が2010 年比で2.1 ~ 2.6 倍程度まで上昇し,それに伴いGDP が減少する。特に輸送機械を中心とした輸出産業での生産・雇用減少が著しい。但しこの電力価格上昇の要因のうち最も大きなものはCO.削減コストの上昇であり,従ってその影響は原子力のみでなく,気候変動問題への対処に係る政治的・経済的な状況に強く依存する。また脱原子力の経済影響は,原子力と並ぶ低炭素電源である再生可能エネルギー発電のコスト低減やその導入可能性,国内生産比率等にも依存する。このため我々は常に長期の将来を見据え,明確なプランのもとに将来のエネルギーミックスを考えるとともに,各種エネルギー源の動向を適切に把握し,先入観にとらわれることなく,常に誤りのない判断を下す努力が必要である。
著者
篠原 真毅
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 = The journal of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.92, no.8, pp.695-699, 2009-08-01
参考文献数
19
被引用文献数
3

私たちの周辺に微弱に分散して存在する様々なエネルギーをあたかも果実を収穫するがごとく利用しようというのがエネルギーハーベスティング(Energy Harvesting)もしくはEnergy Scavenging技術である.私たちの周辺には光・熱・振動・電磁波等,様々なエネルギーが存在する.21世紀に入り,ディジタルデバイスの急速な発展によりmW・μWでも利用できる社会となり,エネルギーハーベスティング技術が注目されるようになってきた.本稿ではマイクロ波を用いた無線電力伝送技術を中心にエネルギーハーベスティング技術の現状を報告する.

1 0 0 0 OA 国訳大蔵経

著者
国民文庫刊行会 編
出版者
国民文庫刊行会
巻号頁・発行日
vol.経部 第3巻, 1936

1 0 0 0 OA 国訳大蔵経

著者
国民文庫刊行会 編
出版者
国民文庫刊行会
巻号頁・発行日
vol.経部 第6巻, 1936
著者
大矢 吉之
出版者
関西憲法研究会
雑誌
憲法論叢 (ISSN:1343635X)
巻号頁・発行日
no.14, pp.21-51, 2007-12-26

Ichiro Ozawa, representative of Democratic Party which won the House of Councilors election objected to extension of Antiterrorism Law, and the law lapsed on November 1. As for the reasons of his opposition, he said that the refueling activity of the Marine Self-Defense Force in the Indian Ocean is a cooperation to the American war and the use of the right of collective self-defense is not recognized by the Japanese constitution. He published his essay in "Sekai" magazine and clarified the thought. This article examines these problems critically.
著者
佐藤 航
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集B編 (ISSN:18848346)
巻号頁・発行日
vol.79, no.801, pp.1027-1037, 2013 (Released:2013-05-25)
参考文献数
18

I describe our study on a cooling device that is based on the electrocaloric effect (ECE). The ECE causes increases and decreases in the temperature of a dielectric material by changing the electric field. I used a multi layer ceramic capacitor (MLC) to demonstrate the temperature change based on the ECE. The temperature change of commercial MLCs can be controlled by applying a voltage to them and the maximum change is 0.55 K when using 300 V. However, these changes occurred sequentially by applying and removing the voltage. Therefore, it was difficult to apply this phenomenon to a cooling device. I used a heat pipe that had an anisotropic heat conduction feature in this study to separate the heating and cooling. I developed a cooling device consisting of MLCs and a heat pipe containing acetone as the working fluid. The MLCs were set in the bottom of the heat pipe as the cold side and the other side of the heat pipe was attached to a heat sink as the hot side. Only the heat of the ECE in this device was transferred to the heat sink. The temperature of the cold side decreased by applying and removing the voltage periodically. This device demonstrated that the temperature of an MLC dropped 0.49 K when using 300 V at 0.10 Hz frequency.

1 0 0 0 OA 毎日記

出版者
巻号頁・発行日
vol.[488],
著者
有山 薫
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.109, no.6, pp.402-409, 2014-06

昨年の秋ごろレストランにおける食材の誤表示が発覚し,食品の原材料,産地の表示問題が改めて注目を集めた,酒類については地理的表示に関する表示基準により,本格焼酎の「壱岐」,「球磨」,「琉球」,「薩摩」,清酒の「白山」が保護されているところであるが,平成25年7月,ワインの「山梨」も新たに国税庁長官から指定されている。また,果実酒の平成24年度の課税移出数量は約35万KLとなっており,ワインがかなり普及してきている。しかしながら,本稿には日本産ブドウ原料との表示がある市販ワインの原料が外国産である可能性が示されている。ワイン製造に携る方々には本稿をよくお読みいただき,もう一度自社製品の表示について消費者の視点に立って見直して頂きたい。
著者
Midori NISHIMURA Nana SAMESHIMA Keiko JOSHITA Masatsune MURATA
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
Food Science and Technology Research (ISSN:13446606)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.413-417, 2012 (Released:2012-09-05)
参考文献数
20
被引用文献数
13

Mung bean sprouts turn brown during cold storage. Here we showed that heat-shock treatment inhibited this browning by repressing the induction of phenylalanine ammonia-lyase (PAL) activity and the biosynthesis of polyphenols during cold storage. Mung bean sprouts were soaked in warm water at 50°C for 60 s as heat-shock treatment and then stored at 8°C for 6 days. Heat-shocked mung bean sprout turned less brown than that of the control sprout. The PAL activity in the control significantly increased during cold storage, while that in heat-shocked mung bean sprouts did not. The polyphenol content in heat-shocked mung bean sprouts was lower than that in the control at 3 and 6 days. There was no significant difference in polyphenol oxidase activity between the control and heat-shocked mung bean sprouts during cold storage. These results show that mild heat treatment inhibited the enzymatic browning of mung bean sprouts by repressing the induction of PAL activity during cold storage and the accumulation of polyphenols.
著者
清河 幸子 手塚 聡
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

本研究では,酢,醤油,砂糖から構成される調味料を材料として,言語的符号化が味の記憶に及ぼす影響を検討した。具体的には,32名の大学生に対して,ターゲットとなる調味料の味を記憶するよう求めた後,一方の群では,その調味料の味について言語的に記述することを求めた。もう一方の群では,味とは無関係なクロスワードパズルを解くよう求めた。その後,強制2肢選択型の再認課題を実施し,判断に対する確信度を7段階で回答するよう求めた。なお,ターゲットとディストラクタの類似度の影響を検討するために,砂糖の量を操作し,両者の類似度が高い条件と低い条件の2条件を設定した。結果として,ターゲットとディストラクタの類似度にかかわらず,正しい判断を行った場合の確信度が言語的符号化を行った群で有意に低くなることが示された。この結果は,味を言語的に捉えることがその記憶を妨害することを示唆するものとして解釈された。
著者
宮城 淳
出版者
THE JAPAN ASSOCIATION FOR THE INTEGRATED STUDY OF DIETARY HABITS
雑誌
日本食生活学会誌 = Journal for the integrated study of dietary habits (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.320-324, 2012-03-30
参考文献数
22
被引用文献数
4

醤油造りは, 古来より一麹 (きく : 麹造り), 二櫂 (かい : 諸味のかく拌), 三火入れ (香りづけ, 色づけおよび殺菌) の三工程が重要であるといわれている。製品化においても醤油の色は, 品質上, もっとも大切な要素の一つである。今回, 千葉県の消費者176名を対象とした醤油の購入に関する意識と醤油の色の嗜好性について調査を行った。醤油購入の際の選択動機は, 「価格」と同様に, 「銘柄」や「品質」を重視する傾向があった。色の嗜好性は, 用途によって異なり, 「つけ醤油」や「麺つゆ (つけ汁) 」用は色の濃い方が, 「ポン酢醤油」や「煮物」用, 「麺つゆ (かけ汁) 」用は色の淡い方が好まれた。「ポン酢醤油」や「煮物」用については, 性別による色の嗜好性の差異も認められ, 女性の方が淡い色を好む傾向があった。年齢層別による色の嗜好性の差異は, 全体的には認められなかった。本調査結果は, 今後の消費者ニーズに応じた商品開発や販売戦略の基礎資料として期待される。

1 0 0 0 OA 台州叢書

著者
清宋世犖輯
出版者
宋氏刊
巻号頁・発行日
vol.甲集第8册, 1000

1 0 0 0 OA 念仏之縁起

出版者
太郎右衛門
巻号頁・発行日
1659
著者
松浦 宏之 吉田 幾久子
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
農産加工技術研究會誌 (ISSN:03695174)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.99-102, 1957

1. 常備食の保存性を検討するため,ねりみそ,食酢,醤油を利用し,ねりみそ類7種,調味酢液漬け2種,醤油漬け1種を試作し,牛乳瓶,蓋付かめに肉詰めし,牛乳瓶は沸騰水中,かめは蒸気中で20~30分間加熱殺菌した。<BR>2. 牛乳瓶詰め試料は17ケ月蓋付かめ詰め試料は7ケ月室温に貯蔵したが,各試料とも五感的に腐敗は認められなかつた。<BR>3. ねりみそ類の組成分析,調味液汁中の細菌測定の結果から,各試料ともかなり強力な保存力を有することが認められた。<BR>4. 以上の結果は,各試料に類する食品にライフアンの使用が可能なことを示しているものと考えられる。
著者
古川 壮一 平山 悟 森永 康
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.109, no.4, pp.228-238, 2014-04

日本の伝統的発酵食品に関与する微生物は,麹菌,乳酸菌,酵母,酢酸菌などであり,これらの微生物は古くから生育環境が類似しているため共に協力しながら,共存・共生する環境で利用されてきました。こうした微生物内の相互作用が,発酵プロセスの安定化に重要な役割を果たしてきたと思われます。ここでは伝統的発酵食品として,清酒・ワイン・ビール・蒸留酒・酢・醤油・味噌・乳製品などに関わる微生物の共存と共生の意義について解説して頂きました。
著者
馬場 美智 深蔵 紀子
出版者
大阪夕陽丘学園短期大学
雑誌
大阪女子学園短期大学紀要 (ISSN:02860570)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.14-21, 1962-07-01

リボタイドの呈味性について検討した。得られた結果は次の通りである。(1)リボタイドを0.01%蒸溜水溶液にした場合,パネルの52.1%が味を識別した。高温度では感覚鋭敏となるので90℃では70.8%が認知し得た。又その加うべき0.01%のリボタイド液の20%を0.1%MSG液で置き換える事により90.3%となった。(2)0.7%食塩水の場合は蒸溜水より,10%程上廻り平均61%がリボタイド添加を認知い得た。(3)3%食酢に添加した場合味の認知は顕著で,リボタイド単独添加では92.0%,MSGと併用した際は95.8%が味を認知した。(4)醤油の場合は更に高く,単独併用共に100%認知し得た。これは食酢,醤油中のグルタミン酸類との相乗作用によるもので両者共にMSG単独使用では,はるかに劣る結果が得られた。(5)一般調理に使用した結果,リボタイドとMSGの併用が有効であり,0.01%リボタイドと0.1%MSGを合せ添加した場合,その配合割合が20:80とか50:50とかのようにリボタイドの添加率の多いもの程美味であるという結果が出た。特に鶏がらスープ,のっぺい汁,ほうれん草胡麻和え,胡瓜三杯酢等が著名である。それに反して添加物以外の呈味性の強いもの,調味料濃度の高いもの,或いは根菜の煮付等とはさほど効果がみられなかった。今後の研究によって最も有効な使い方を工夫したい。