1 0 0 0 史文選

著者
大野実之助 大矢根文次郎共編
出版者
前野書店
巻号頁・発行日
1941
著者
鈴木 康裕 清水 如代 岩渕 慎也 遠藤 悠介 田邉 裕基 加藤 秀典 羽田 康司
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【はじめに,目的】バランス能力の定義は,静的と動的に大別できるが,アスリートの競技パフォーマンスと関連するのは,動的バランスと考えられている。我々は,重心動揺計を用いた姿勢安定度評価指標(以下IPS),その修正版である修正IPS(以下MIPS),また片脚立ちを,動的バランスと定義しているが,MIPSの測定方法である閉眼および軟面上立位で行う2重課題に注目している。MIPSは視覚および感覚の負荷が同時にかかる難度の高いバランス検査であり,より高度なバランス能力を要求されるアスリートに適合する可能性がある。我々は,MIPSを含めた複数の動的バランス能力の評価指標を用いて,健常者を対照とし,様々な競技群との比較を行うことで,競技毎のバランス特性が明らかになるものと考えた。</p><p></p><p>【方法】動的バランス評価として,IPS,MIPSを測定し,また閉眼片脚立ち検査を行った。身体機能評価として,体性感覚は,振動覚,二点識別覚,足底触圧覚,下肢筋力は,膝伸展筋力,膝伸展筋持久力,足関節背屈筋力,足趾筋力を測定し,また体組成は,体脂肪量および除脂肪量を算出した。バランス特性を検討するため,IPS,MIPS,閉眼片脚立ちについて,10名以上の被検者が確保できた競技群と健常者による対照群との比較を,対応のないt検定を用いて行った。またMIPSとの関連要因を検討するため,欠損データのない対象競技者において,MIPSと各身体機能をPearsonの積率相関関係を用いて相関関係の検討を行った。使用統計ソフトはSPSS(ver21)を用い,全ての統計有意水準は5%未満とした。</p><p></p><p>【結果】対象は179名(男性119名,女性60名),平均年齢は20.7±2.2歳(19~29歳)であった。対象となった競技は,全11種目(154名)であったが,対照群(25名)と比較を行ったのは,5種目の競技群(水泳33名,野球27名,競艇26名,サッカー30名,体操15名)であった。対照群と各競技群の動的バランス評価を比較した結果,IPSは全ての競技群において有意に優れておらず,MIPSは競艇群(p<0.05)および体操群(p<0.01)が優れ,水泳群が劣っていた(p<0.01)。閉眼片脚立ちは,サッカー群および体操群が優れていた(p<0.05)。すなわちMIPSおよび閉眼片脚立ちの双方が優れていたのは体操群のみであった。全11種目の対象者に,MIPSとの関連要因の検討を行った結果,身長,体重,足底触圧覚,足関節背屈筋力に有意な関連性が認められた。</p><p></p><p>【結論】健常者を対照とし,各競技群との動的バランス評価の比較を行った結果,競艇・水泳・サッカー・体操・野球のバランス特性が明らかとなった。</p>

1 0 0 0 OA 日光山図巻

出版者
巻号頁・発行日
vol.[1],
著者
天野 晃滋 石木 寛人
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.401-407, 2017 (Released:2017-05-24)
参考文献数
35

がん悪液質は進行性の骨格筋の減少を特徴とする複合的な代謝障害で従来の栄養療法では改善が難しいとされている.その治療には栄養療法・運動療法・薬物療法の組み合わせが必要だとされ,栄養療法は症状緩和・栄養カウンセリングとともに栄養サポートの一環と考えられている.われわれの緩和ケア病棟での調査では,進行がん患者・遺族の栄養サポートのニーズはそれぞれ76・73%と高く,選別患者に対する栄養療法の効果を期待できることが示唆された.また,がん悪液質の本態は慢性炎症であることから血中C-reactive protein(CRP)値のがん悪液質のマーカーとしての意義を示した.まだ十分なエビデンスはないものの,がん悪液質の病態生理を考慮した栄養サポートはがん悪液質の治療戦略として重要だろう,そして血中CRP値はがん悪液質治療の効果判定に有用であろうと思われた.
著者
藤ノ木 政勝
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.470-470, 2017 (Released:2017-05-01)
参考文献数
5

約20年前にDevelopment誌に掲載されたViscontiらによる報告で,精子受精能獲得に伴って様々な精子タンパク質がチロシンリン酸化を受けること,そして受精能獲得とチロシンリン酸化は重炭酸イオン(ある種のアデニル酸シクラーゼを活性化してcAMPを産生させる)およびCa2+による調節を受けることが示された.この報告をきっかけに,チロシンリン酸化は受精能獲得の唯一の生化学マーカーとして広く利用され,受精能獲得の阻害や惹起・促進に応じてリン酸化レベルが変わることから精子受精能獲得のkey eventとされるようになった.受精能獲得(capacitation)とは,狭義にはほ乳類の精子のみに認められる現象で,精液中の精子は卵子とただ共培養しても受精できないが,交尾後に雌性生殖器内より採取した精子は受精可能であるという観察結果をもとに1950年代初頭に提唱された. 重炭酸イオン刺激等により,精子の受精能獲得がin vitroで誘導可能になって以来,その具体的な責任応答が探索され,①精子頭部で起こる先体反応,②尾部で起こる超活性化,③精子細胞膜からのコレステロールの流出と流動性の増加,④精子タンパク質のチロシンリン酸化などが発見されたが,単独因子で十分なのか,全てが必要であるかについては議論がある.チロシンリン酸化は受精能獲得のkey eventであるとされながらも,これを起こす責任酵素はこれまで分かっていなかった.最近,Viscontiのグループは,本現象の責任酵素がFERとよばれる非受容体型チロシンキナーゼの精巣特異的アイソフォーム,FERTであることを発見した.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Visconti P. E. et al., Development, 121, 1129–1137(1995).2) Visconti P. E. et al., Asian J Androl., 13, 395-405(2011).3) Alvau A. et al., Development, 143, 2325–2333(2016).4) Chung J. J. et al., Cell, 157, 808-822(2014).5) Tateno H. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 110, 18543-18548(2013).
著者
高村智訳編
出版者
思潮社
巻号頁・発行日
1968
著者
山田 深
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.676-680, 2016-09-18 (Released:2016-10-20)
参考文献数
3
被引用文献数
1

「ICF CORE SETS-Manual for Clinical Practice」の日本語版である「ICFコアセット 臨床実践のためのマニュアル」は,各ICFコアセットの日本語名称を公式なものとして示し,ICFコアセットの利用方法についての解説を日本語化したものである.個々の用語は原則として「ICF国際生活機能分類―国際障害分類改定版―」に準拠する形で訳出した.ICFコアセットの日本語化がなされたことで,わが国においても統一した基準の下で,医療,福祉の分野において幅広くICFが活用されていくことが期待される.

1 0 0 0 OA 祕傳花鏡6卷

著者
清陳〓子撰
巻号頁・発行日
vol.[2], 1688
著者
本多 展幸
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.904-906, 2017-09-15

近年,世界中でプログラミング教育が注目されているが,多くの取り組みは都市部を中心に行われており,地方都市に住む子供たちにプログラミング教育の機会が十分に提供されているとは言えない.NPO法人Rubyプログラミング少年団は,地方都市の地元の住民による継続的なプログラミング教育の実施を支援することを目的とした団体である.本稿では,当法人で実施している,初心者向けの家族参加型のワークショップと中級者以上向けの継続参加型のワークショップを紹介する.また,それらの紹介を通して,地方都市でプログラミング教育を実施する上での課題とその解決策,および,今後の展望について述べる.
著者
宇田川 誠 勝山 仁哉 西川 弘之 鬼沢 邦雄
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会論文集 (ISSN:02884771)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.261-271, 2010 (Released:2010-07-29)
参考文献数
19
被引用文献数
2

Austenitic stainless steel is welded as a cladding on the inner surface of a reactor pressure vessel (RPV) made of low alloy steel. In order to assess the structural integrity of the RPV precisely, the residual stress distribution caused by weld-overlay cladding and post-weld heat treatment (PWHT) is evaluated. Since the cladding layer is very thin compared to vessel wall, it is necessary to evaluate the residual stress distribution around the weld fusion line can be very steep. In this study, cladded specimens were fabricated using different welding methods. Residual stress measurements using both sectioning and deep hole drilling (DHD) methods were then performed to evaluate the residual stress distributions through the weld fusion line. Three-dimensional thermal-elastic-plastic-creep analyses based on finite element method were also conducted to evaluate the residual stress caused by weld-overlay cladding and PWHT. It was shown that analytical results provided reasonable agreements on weld residual stress with experimental results. It was also clarified that the main cause of residual stress due to welding and PWHT was the difference of thermal expansion between weld and base metals.
著者
関 利恵子 安城 泰雄
出版者
公益財団法人 メルコ学術振興財団
雑誌
メルコ管理会計研究 (ISSN:18827225)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.35-47, 2016 (Released:2016-12-08)
参考文献数
22

本稿では,株式会社駒ヶ根電化におけるMFCA 社内研修会でのヒアリング調査及びMFCA 成果発表会での報告をもとにMFCA の継続的導入の要因とMFCA をマネジメントツールとして展開する可能性について検討した。本稿の考察から,MFCA の継続的導入要因としては,MFCA の有用性をトップが認識していた点,従業員が一般的な活動としてMFCA を実施する素地ができていた点などが示された。また,MFCA の継続的な導入が,従業員の作業モチベーションを向上させたり,MFCAの一連の活動が組織の結束力を高めるといった効果があることも明らかになった。こうした効果にも着目し,本稿ではMFCA の新たな展開として,バランスト・スコアカードで記述した戦略マップとMFCA を関連づけて,マネジメントツールとしての可能性を検討した。
著者
藤田 慎一 中山 稔夫 矢田部 照夫 千秋 鋭夫
出版者
Japan Society for Atmospheric Environment
雑誌
大気汚染学会誌 (ISSN:03867064)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.183-193, 1984-06-20 (Released:2011-11-08)
参考文献数
20
被引用文献数
2

1982年8~9月, 伊豆諸島・首都圏および関東内陸においてオゾンの観測を実施し, 首都圏のオキシダント濃度に及ぼすパックグラウソドオゾンの影響について検討した。観測データは, 移動平均法を適用して周期と振幅とが異なる三つの成分に分離し, 各成分のモードと気象条件との関係を調べた。首都圏における夏期の高濃度オキシダントの発生パタンは,(1) 24時間周期の変動が卓越する場合と (2) 24時間周期の上に数日周期の変動が重畳する場合の二つに分類できる。(1) は光化学反応によるオキシダントの生成と消滅に, また (2) は成層圏に起源を持つノミックグラウンドオゾンの沈降に関係するものと考えられる。バックグラゥンドオゾンの寄与は低気圧性擾乱の後面で顕在化し, その影響は南北200km以上の広い水平スケールに及ぶことがある。