著者
森 二三男
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3-4, pp.152-158,258, 1969-10-15 (Released:2013-02-19)
参考文献数
9
被引用文献数
1

この研究は, G. S. R.による情緒測定の応用的方法として, テレビドラマを心理的刺激条件としたとき, 被験者を集団的に測定して, その結果を考察したものであつて, G. S. R.のgroup measurementのひとつの試みとして妥当な資料がえられるかどうかを検討したのである。みいだされた結果を要約すると次のようになる。1テレビドラマ視聴時における個人被験者のG. S.R.を測定し, その記録を反応値によつて整理した結果, このドラマ内容の刺激因子に対応する反応として, 被験者の情緒表出をG. S. R.によつてとらえることができた。2個々の被験者の皮膚電気抵抗値を, 直流電気抵抗とみて, これを並列に接続した回路構成によつて, 合成抵抗値を1人の被験者のそれと等しくし, 集団的にG.S. R.を測定した場合, R値を指標として記録を分析するならば, 妥当な資料として集団測定の記録を分析することができた。3テレビドラマを刺激因子として, 上述の集団測定方式によつて集団G. S. R.を測定し, その記録をR値によつて集計整理した結果, 刺激因子に対応する被験グループの, 集団的情緒表出をとらえることができた。被験者個々の反応波自体のパターン, 発現時点, 反応時, 潜時等にはそれぞれ個人差があるが, R値による集計の結果, この指標が妥当かどうかを, 実験後に, 同時記録したテープを再生聴取させて再検討した結果, ドラマの刺激因子と集団G. S. R.値には対応があると判断された。4したがつて, テレビ, 映画等の視聴時における感動を集団的に分析したり, 宣伝, 広告等の効果を集団的に判定する場合, 集団G. S. R測定の記録をRによつて整理して, 心理的な刺激因子を明らかにしようとする試みは, 妥当な方法であると判断してよい。最後に, この実験研究に当たつて, 奥田教授, 狩野教官の御指導御助言に導かれたことを感謝していると同時に, 教室の諸学兄の御協力を謝したいと考えます。

1 0 0 0 OA 数学手引草

著者
横山敬英 編
出版者
横山敬英
巻号頁・発行日
1904
著者
木原 隆幸 小野 寛太 奥田 太一 原沢 あゆみ 尾嶋 正治 横尾 篤 木下 豊彦
出版者
公益社団法人 日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:02850192)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4_2, pp.1059-1062, 2001 (Released:2007-02-02)
参考文献数
11
被引用文献数
2 3

The magnetic properties of thin films with reduced lateral dimension are significantly different from those of materials in the bulk state, and have provided a wealth of scientific interest and potential technological applications. It is therefore very important to study magnetism in microstructures or small magnetic domains, and one of the most powerful tools for investigating such magnetism is the photoelectron emission microscope with synchrotron radiation as its light source (SR-PEEM).We report in this paper our set-up of a new SR-PEEM system, and present the preliminary results.

1 0 0 0 OA 光電子顕微鏡

著者
市ノ川 竹男
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.385-389, 1982-09-30 (Released:2010-09-30)
参考文献数
3
被引用文献数
2 4
著者
齋藤 亮子 沼澤 さとみ 二口 尚美 太田 優子 長岡 美紀子
出版者
山形県立保健医療大学
雑誌
山形保健医療研究 (ISSN:1343876X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.47-54, 2003-03-01

この研究の目的は、THA(人工股関節全置換術)の予定者が入院以前にクリニカル・パス(診療情報)を入手してから入院までにどのような過程を経て医療に自発的に参画するようになるのか、その過程とそのパターンの種類を明らかにして考察を加えることである。それは情報の提供の仕方と、その後の援助について検討する資料となると考える。対象は本研究に参加の承諾が得られた患者10名である。研究デザインは質的記述的方法を採用した。データ收集は半構成式質問を用いた面接を行い、許可を得て録音し、面接後文字再生してデータとした。分析は継続的比較検討法を用いた。その結果患者はパスを受け取ると1.パスを見る・読む、2.驚き戸惑う、3.情報の確認、4.医療者を信頼、5.自己像の再構築、6.意思固め、7.取組の表明の7ステップをへて自発的参画にいたっていたが、これらのステップの組み合わせのちがいによって、パターンが3つあった。1)自発性のパターン、2)乗り気パターン、3)気乗りしないパターンがあった。それぞれのパターンに応じた援助が必要であると考えられた。

1 0 0 0 OA 蛇ト鳥ノ爭

著者
鶉ノ家
出版者
日本鳥学会
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.31-32, 1916-12-31 (Released:2009-02-26)
著者
西村 崇宏 唐澤 洋之 瀬尾 明彦 土井 幸輝
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.475-481, 2012 (Released:2012-06-12)
参考文献数
22
被引用文献数
2

Recently, the number of studies concerning the development of an interface device using the tactile sense has increased. In this study, we focused on apparent movement occurring in response to temperature stimuli. Apparent movement has been widely studied; however, knowledge regarding apparent movement occurring in response to temperature stimuli is limited. Moreover, the relationship between the rate of occurrence of apparent movement and the factors associated with the occurrence of this movement remains incompletely understood. Therefore, we performed an experiment to evaluate the effect of 2 factors (stimulus duration and stimulus onset asynchrony) on the rate of occurrence of apparent movement. In this experiment, 10 healthy men were asked to place their hand on Peltier elements and answer whether apparent movement occurred. The results of our study show the presence of appropriate conditions for the 2 factors that increase the occurrence rate of apparent movement. Moreover, a strong correlation was found between the rate of occurrence of the apparent movement and clarity of the movement.
著者
許 蓉
出版者
崇城大学
雑誌
崇城大学紀要 (ISSN:21857903)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.121-127, 2012-03-01

日本の文化は「恥の文化」であろうか、「菊と刀」が定義した「恥の文化」とはどのような本質を持っているか、筆者は先行研究を踏まえ、日本・西洋以外の第三の外国人の視点から日本の文化を考えてみたい。「恥の文化」は日本独特な文化で、「集団性」と「儒教的精神性」の二つの側面を持った文化である。その文化は日本の自然条件や外来文化の影響によって形成されたもので、プラスとマイナスの両面を持っており、日本の学校と日本の社会に大きな影響を及ぼしている。昨今のグローバル化時代に求められている人材は「自主行動型」である。従って、恥の文化による協調性と集団性は素晴らしいものであるが、それだけでは今の時代に生き抜いていけない、個性と自主行動性も求められている。今後、恥の文化はどのように変遷し、日本を景気低迷の中から、そして地震、津波、原発の破壊から立ち直らせていくのか、今後の研究課題にしたい。
著者
亀井 雄一 岩垂 喜貴
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.11-17, 2012-02

睡眠は,子どもの行動・発達において非常に重要である.しかし,子どもの睡眠に関する重要性はさほど浸透していない.日本では生活の夜型化と睡眠時間の短縮化が著しく,子どもにおいても同様である.睡眠時間の短縮や生体リズムの変調は,脳や身体の発達に影響を与える.また,肥満のリスク因子であることが指摘されている.さらに,日中の眠気,集中力・記憶力の低下,抑うつやイライラといった精神症状,頭痛・肩こりなどの身体症状を引き起こす.子どもの健康な生活のためには,適切な睡眠時間の確保と規則正しい生活習慣が重要である.子どもにとって,よい睡眠習慣とともに睡眠障害も見逃せない問題であるが,その対応も不十分である.その理由として,年齢によって出現しやすい睡眠障害が異なること,子ども特有の症状を示すこと,などが考えられる.本稿では,子どもの睡眠習慣とその問題点,子どもによくみられる睡眠障害とその特徴,行動・発達障害にみられる睡眠の問題,について概説する.よい睡眠習慣と睡眠障害の適切な診断・治療が,子どもの発達と生活のために重要である.