著者
秦 保雄 西村 寿彦 大鐘 武雄 小川 恭孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.559, pp.89-94, 2006-01-19

送受信アンテナが複数存在するMIMOチャネル通信において, E-SDM方式によって生成される固有チャネルの品質に応じて伝送速度を変える適応変調を検討する.その際, パケット毎にスループットが最大となるためには, 固有ビームに対応するサブストリームの変調方式・電力配分(送信リソース)を適切に制御する必要がある.本研究では, 特に装置化を考慮して, この送信リソース制御の簡略化手法を提案する.提案手法は, 既に提案した2×2MIMOシステムでの簡略化手法を発展・一般化し, 任意のアンテナ素子数に対応可能とした.従来, 可能な変調方式の組み合わせ全てについてスループットを算出しなければならなかったが, 提案手法ではチャネル情報から得られた固有値と受信機の雑音電力の単純な計算によって, 最適な送信リソース制御が可能となった.さらに, 計算機シミュレーションによって特性評価を行い, 提案手法がSNRの高い領域での近似であるにもかかわらず, SNRの低い領域でも従来手法に比べてほとんど劣化がみられないことを確認した.
著者
片岡 洋右 山田 祐理
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第38回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.26-27, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
8

固体の融解で得られる液体における分子運動を見やすくするために、面心立方格子の単位胞の融解を分子動力学法で調べた。その結果,基本セルに4個の系でも864分子系の融解同様に振動的運動に加えて拡散運動が存在するという分子運動の特徴が見えることが分かった。
著者
古田 敬幸 西村 寿彦 大鐘 武雄 小川 恭孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.683, pp.49-54, 2004-02-25
被引用文献数
2

周波数選択性フェージングをうけるMIMOチャネル環境において,遅延波を取り込み結合推定,系列推定を行う手法は,最適な復号方法であるが遅延波数や送信ストリーム数増加に伴う計算量の増加が問題となる.そこで,誤り訂正符号を用いた周波数選択性フェージング環境下MIMOシステムにおいて,Sphere DecodingやM-Algorithimを適用しメトリック計算量削減を図る.本稿では,周波数選択性フェージングのSDMとE-SDMおいて,各種計算量削減アルゴリズムを適用し,メトリック計算量の削減効果と特性劣化の関係について検討した.
著者
古田 敬幸 西村 寿彦 大鐘 武雄 小川 恭孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.253, pp.7-12, 2003-08-14
被引用文献数
5

周波数選択性フェージングをうけるMIMOチャネル環境において,遅延波を取り込み結合推定,系列推定を行う手法は,最適な復号方法であるが遅延波や送信ストリーム数増加に伴う計算量の増加が問題となる.そこで,Sphere Decoding (SD)を適用する.SDは受信ポイントの周りに範囲を設けその範囲に含まれる情報ポイントのみ判定するものである.本稿では,周波数選択性フェージングがSDに与える影響を調べ, SDMとE-SDMにSDを適用しメトリック計算量の削減効果と特性劣化の関係について検討した.
著者
和泉 博
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第38回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.22-23, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
12

有機分子の立体構造を表示する多くのソフトウェアではクリック操作で光学活性分子のキラリティーを簡単に表示することが可能である。一方で、ゴーシュプラス、トランスなどの有機分子のコンフォメーションを簡便に表示するソフトウェアは存在していない。クリック操作であらゆる有機分子の立体配座をコード化できるプログラム(CCOM)を作成し、その最適化分子構造ファイルの自動抽出機能によるプラバスタチンナトリウムの赤外円二色性(VCD)立体配座解析を行った。CCOMによる各コンフォマーの出力は、立体配座コードとギブズ自由エネルギー値の情報を含むsdfファイル形式として整理した。さらに、2次元の化学構造式の部分構造検索が可能なSMARTS記法と立体配座コードを結び付けることにより、メバスタチンX線結晶構造データのような異なる分子でも 3Dフラグメント構造検索が出来た。
著者
清野 淳司 大越 昌樹 中井 浩巳
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第38回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.24-25, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
5

完全基底関数極限における高精度な電子相関を含んだ電子相関エネルギーを高効率に算出することは化学的精度(1 kcal/mol以内)での量子化学計算を実現するために重要である。これまで種々の電子相関エネルギーの完全基底関数極限への外挿手法や、幾つかの計算レベル・基底関数でのエネルギーを組み合わせた複合法が提案されてきた。本研究では情報学手法を用いてより効率的に、完全基底関数極限におけるCCSD(T)レベルの電子相関エネルギーを算出する手法を提案する。
著者
阿部 邦昭 田邉 造 松江 英明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.518, pp.293-298, 2008-02-27

MIMO-OFDM固有モード伝送方式では,受信側で得られたチャネル情報(CSI)を送信側ヘフィードバックすることで最適な電力配分をおこない最大の伝送容量を得ることが出来る.ところが,周波数領域においてCSIをフィードバックする場合,各サブキャリアごとにフィードバックする必要があることから,かえって通信容量を圧迫する課題があった.そこで,本稿ではCSIフィードバック量を削減するためのアリゴリズムを提案する.その結果,2×2MIMOにおいてCSIフィードバック量を12%削減しても伝送容量は約1割程度の減少で済むことを示した.さらに,そのCSI削減量に対して,スペースダイバーシチを組み合わせることで,全てのCSIをフィードバックした2×2MIMOを基準に,伝送容量は約1.1倍〜約1.2倍改善されることを示した.
著者
柿島 佑一 金 ミンジ ティン シーホー 小野 文枝 阪口 啓 荒木 純道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.188, pp.43-49, 2006-07-20

筆者らはMIMOシステムの研究開発を目的とした5GHz帯MIMOソフトウェア無線機を開発した.本無線機はFPGA, DSPといったプログラマブルロジックやCPUを搭載しており,内部プログラムの書き換えにより任意のMIMOシステムの構築が可能である.本稿では,このハードウェアを用いてIEEE802.11nとIEEE802.16eダウンリンク(DL)PUSC(Partial Usage of subchannels)にそれぞれ準拠したMIMO-OFDM固有モード伝送システムのデモンストレータを構築したので報告する.受信機では受信ビームフォーミングの後にZF, MMSE干渉キャンセラを導入することにより,フィードバック遅延に対する伝送特性の改善を実現した.
著者
石神 裕丈 下津 真由美 岩波 保則 岡本 英二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.119, pp.137-142, 2006-06-15
被引用文献数
2

本稿では,高速・大容量通信を行うためにMIMO-OFDM固有モード伝送を用いた場合について,ハイブリッドARQ方式のスループット特性の向上を目的とし,ビットLLRパケット合成に基づく適応変調方式につき検討した.64QAM,16QAM,QPSKを変調方式として用いた2種類の適応変調方式を提案し,各固有チャネルにおけるPER特性に基づく適応変調変調方式をType-A,スループット特性に基づく適応変調方式をType-Bとした.またLDPC符号化ハイブリッドARQ方式として,それぞれ符号化率約0.8及び0.5のLDPC符号を用いたType-I及びType-IIハイブリッドARQ方式についても検討した.
著者
萩原 崇史 府川 和彦 鈴木 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.356, pp.49-54, 2005-10-13
被引用文献数
1

受信機において最尤検出を前提とし, そのビット誤り率を最小とするMIMO-OFDMプリコーディング方式を提案する.従来のプリコーディングでは線形受信を前提とし, 受信側で各送信信号を特性劣化無しで分離検出するように, 固有モード伝送等により送信信号を直交化していた.したがって, 平均2乗誤差を規範とする線形受信では, 近似的に最小ビット誤り率を実現できる.しかしながら, 受信レプリカ信号間のユークリッド距離を広げるわけではないので, 最尤検出を用いた場合に最適なプリコーダとならない.本研究では, このユークリッド距離を最大限広げるため, ペアーワイズ誤りに基づくビット誤り率の上限を最小化するように, 送信信号の線形処理を制御するMIMO-OFDMプリコーディングを提案する.計算機シミュレーションにより, 従来方式のMMSEプリコーダに比べ最尤検出のビット誤り率特性を大幅に改善できることを明らかにする.
著者
下津 真由美 岩波 保則 岡本 英二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.121, pp.59-64, 2005-06-10
被引用文献数
2

本稿では、MIMO固有モード伝送におけるLDPC符号化適応変調Hybrid ARQ方式を提案し、計算機シミュレーションによりそのスループット特性を評価した。提案方式では、適応変調として16QAM変調とQPSK変調を用いて、各固有モード通信路を通し独立伝送又は並列伝送するなど8段階の変調方式を設定し、受信SNRの閾値に基づいてこれら変調方式を切り換える。またLDPC符号化Hybrid ARQ方式として符号化率約1/2のLDPC符号を用いてType-II Hybrid ARQ方式を検討した。なお、以上の各方式において、伝送容量が最大となるように各固有モード通信路に注水定理に基づいて送信電力配分を行っている。
著者
工藤 理一 西森 健太郎 鷹取 泰司 常川 光一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.682, pp.105-110, 2005-02-24

近年、周波数帯域を広げずに高速伝送を実現するMIMO(Multiple Input Multiple Output)-OFDM伝送が注目を集めており各機関で様々な検討が行われており、中でも固有ベクトルを用いた送信指向性制御を用いたEigenmode SDM(E-SDM)が、受信局での演算負荷を減らし、理論的に最大の伝送容量を実現する技術として知られている。しかし、ハードウエアを用いて実環境において、誤り訂正を含め広帯域で行った伝送実験の報告はされていない。そこで我々は最大100MHzという広帯域で動作可能な4×4MIMO-OFDM伝送特性評価装置を試作し、実環境においてE-SDMによる通信を行った。本報告では、屋内無線LANを想定し、802.11aをもとに作成したフレームフォーマットを用いて、E-SDMによる伝送品質改善効果をBERにより明らかにする。
著者
西森 健太郎 工藤 理一 鷹取 泰司 常川 光一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.682, pp.99-104, 2005-02-24

近年, 周波数帯域を広げずに高速伝送を実現するMIMO(Multiple Input Multiple Output)-OFDM伝送が注目を集めており各機関で様々な検討が行われているが, ハードウエアを用いた実環境における検討を行った例はあまり見られない.そこで我々は100MHzという広帯域で4×4MIMO-OFDMの伝送特性評価が可能な装置を試作した.本報告では, 本装置の概要と屋内実環境における測定結果を示す.また屋内無線LANを想定した環境において誤り率特性を評価することで, 本装置を用いた場合に達成可能な周波数利用効率を明らかにする.
著者
阪口 啓 ティン シーホー 荒木 純道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.87, no.9, pp.1454-1466, 2004-09-01
被引用文献数
15 5

MIMO固有モード通信システムは,MIMO通信システムの中で最大の通信容量を実現できることが理論的に知られているが,実環境での動作報告はまだ行われていない.本論文では,測定器ベースのMIMO固有モード通信システムを構築し,屋内環境において測定実験を行った.その結果,MIMO固有モード伝送が実現可能であることを実験的に証明することができた.次に,スループット最大規範に基づく固有モードごとの適応変調・適応電力制御を行った.その結果,ビット分配特性・電力分配特性は理論計算値とよく一致したものの,高いスループット特性は得られなかった.本論文では,この問題の原因が特にチャネルの時間変動特性・RF系の不完全性(I/Qのアンバランス)にあることを明らかにし,実用化への課題を示す.
著者
Do Kyung Kim Ji Hye Hwang Won Hah Park
出版者
理学療法科学学会
雑誌
Journal of Physical Therapy Science (ISSN:09155287)
巻号頁・発行日
vol.27, no.9, pp.2693-2696, 2015 (Released:2015-09-30)
参考文献数
18
被引用文献数
3 38

[Purpose] After an anterior cruciate ligament injury and subsequent reconstruction, quadriceps muscle weakness and disruption of proprioceptive function are common. The purpose of this study was to examine the effects of a 4 weeks preoperative exercise intervention on knee strength power and function post-surgery. [Subjects and Methods] Eighty male patients (27.8±5.7 age), scheduled for reconstruction surgery, were randomly assigned to two groups, the preoperative exercise group (n=40) and a no preoperative exercise group (n=40). The preoperative exercise group participated in a 4-week preoperative and 12-week post-operative programs, while the no preoperative exercise group participated only in the 12-week postoperative exercise program. Isokinetic measured of quadriceps strength were obtained at 4 weeks before and 3 months after surgery. [Results] The knee extensor strength deficits measured at 60°/s and 180°/s was significantly lower in the preoperative exercise group compared with the no preoperative exercise group. At 3 months after surgery, the extensor strength deficit was 28.5±9.0% at 60°/sec and 23.3±9.0% at 180°/sec in the preoperative exercise group, whereas the no preoperative exercise group showed extensor strength deficits of 36.5±10.7% and 27.9±12.6% at 60°/sec and 180°/sec, respectively. The preoperative exercise group demonstrated significant improvement the single-leg hop distance. [Conclusion] Four week preoperative exercise may produce many positive effects post reconstruction surgery, including faster recovery of knee extensor strength and function, as measured by single-leg hop ability.