著者
前田 義郎
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.369-380, 2001-12-01

西欧近代とはどのような時代だったか.この問題は近代科学の意味と本質的に関係している.近代科学の成立時には科学革命が起こったが, この革命においていかなる物の見方の変革が行われたのか.そしてこの問いに対する答えは同時に近代哲学の基本性格を決定するものでもあった.アリストテレスの天動説, 運動学を検討すると, 彼の自然学の欠点は, 目に見える感覚像をそのまま実在の反映であると速断したことであることが分かる.この点から, 「対応説」と呼ばれる伝統的な真理観は不十分なものであることを示す.そこで, 私は本稿で「現象の中で実在をどのように観るか」という方法論的, 哲学的問いが重要であることを示す.この問いはプラトンが取り組んだ問いであり, カントを導いた問いでもある.この問いは, 実在の理論としての新たな形而上学的基礎の模索であると言うことのできる.
出版者
浪華新聞社
巻号頁・発行日
vol.上, 1887
著者
森 信介 長尾 眞
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.2093-2100, 1998-07-15

自然言語処理において,辞書は単語の文法的機能や意味の情報源として必要不可欠であり,辞書に登録されていない単語を減少させるため,辞書の語彙を増強する努力がなされている.新語や専門用語は絶えず増え続けているため,辞書作成の作業は多大な労力を要するのみならず,各解析段階での未知語との遭遇は避けらず,大きな問題の1つとなっている.この問題を解決するため,本論文では,nグラム統計を用いて,コーパスからの単語の抽出とその単語が属する品詞の推定を同時に行う方法を提案する.この方法は,同一品詞に属する単語の前後に位置する文字列の分布は類似するという仮定に基づく.実験の結果,本手法が未知語の品詞推定や辞書構築に有効であることが確認された.
出版者
前田喜兵衛等
巻号頁・発行日
vol.〔13〕 釜淵双級巴釜煎段,鎌倉三代記三浦別段,紙屋治兵衛時雨炬, 1909
著者
桜井 政成
出版者
JAPAN NPO RESEARCH ASSOCIATION
雑誌
ノンプロフィット・レビュー (ISSN:13464116)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.103-113, 2005

ボランティアは地域生活者として,生活環境上の異なるバックグラウンドを持って,活動に参加している.このため,人々のライフサイクルによって,ボランティア活動の継続要因は異なっていると考えることができる.本研究ではボランティア活動の継続要因を明らかにする目的で,287人のボランティアを対象に調査を行った.サンプルを若年層(30歳未満),壮年層(30歳以上60歳未満),高齢層(60歳以上)の3つの年齢層別クラスタに区分した上で,個人的要因変数,参加動機要因変数,状況への態度要因変数の3種類の変数を用いて,重回帰分析を行った.その結果,年齢層毎に,活動継続要因は異なっていた.調査から明らかになった継続要因の差異について,ライフサイクル別に生じる地域生活上のニーズの観点から考察した.<br>
著者
北村 尚浩 松本 耕二 國本 明徳 仲野 隆士
出版者
社団法人日本体育学会
雑誌
体育學研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.37-57, 2005-01-10

The purpose of this study was to measure the organizational commitment of sports volunteer and to obtain some ideas for organization management. The questionnaire used for the study was designed for, and the data collected from, 242 volunteers participating in the Special Olympics Nippon. These volunteers provide sports programs in Japanese communities for individuals with mental retardation. Fifteen organizational commitment statements were measured using a 5-point Lickert-type scale. The means were computed for each statement and the means of the 15 statements were then computed. The data were compared by personal characteristics, statuses of involvement and soon. The main results were as follows : (1) The overall mean score for the 15 organizational commitment statements was 3.72, indicating that the level of organizational commitment of the sample was not particularly low. The subjects felt that they gained many benefits through their volunteer activity. However, they were not active in the organization's activities. (2) There were no remarkable differences in organizational commitment except for differences related to the amount of spending money. However, closer examination of the results from analysis of the 15 organizational commitment statements revealed subtle differences in volunteer commitment to the organization. (3) Organizational commitment shows some differences related to continuation of the activity, the amount of payment for the activity, and whether or not individuals have posts in the organization.
著者
榎並 和雅 岸野 文郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.93, no.5, pp.363-367, 2010-05-01
被引用文献数
4

超高精細大画面映像や立体画像をはじめ,サラウンド音声,五感通信など超臨場感に関する技術によって実現される超臨場感システムは,映画,放送などのエンターテイメントへの応用だけでなく,遠く離れた場所からでも同じ空間を共有し,互いにその場にいるような自然でリアルな対話や作業が可能になるため,遠隔会議,遠隔医療,テレビショッピングなど様々なところに適用できる可能性がある.本稿では,こうした超臨場感システムへの期待と応用分野,実現に必要な技術,普及促進のためのフォーラムの活動について紹介する.
著者
村上 淳郎 工藤 賢司 平岩 徹夫 鎮西 信夫 苅田 丈士
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-18, 2005-03

水冷スクラムジェット燃焼器の自発着火燃焼性能を、空気総圧、空気総温、燃焼器長さ、壁温そして燃料噴射型式をパラメータとして調べた。水冷スクラムジェット燃焼器には、マッハ数2.5、空気総圧1.0, 1.5, 2.0 MPa、空気総温1200〜2600 K の高温模擬空気が流入する。高温模擬空気は水冷式の高温模擬空気発生装置(VAG)で生成した。水冷スクラムジェット燃焼器は、超音速ノズルを有する水冷スクラムジェット燃焼器試験装置に直結した。燃焼状態は燃焼器内の温度上昇により調べた。燃料垂直噴射時の自発着火性能は、空気総圧が増加すると着火限界空気総温が高くなる傾向にあった。この条件は第2限界付近であった。空気中のH_2O の存在は、高い空気総圧のときに更に着火を遅らせた。空気総温が高い状態では、圧力の上昇によって自発着火性能は改善された。燃焼器が長くなったときの自発着火性能は、垂直噴射では向上した。しかしその度合いは、空気総圧が高くなるほど小さくなった。平行噴射では、自発着火性能は低かった。水冷スクラムジェット燃焼器の着火限界空気総温は、無冷却スクラムジェット燃焼器より高かった。これより着火源は、剥離領域等の燃焼器壁面付近に存在すると考えられた。
著者
斎藤 環
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
1990

筑波大学医学博士学位論文・平成2年3月23日授与 (甲第783号)
出版者
日経BP社
雑誌
日経バイト (ISSN:02896508)
巻号頁・発行日
no.266, pp.32-35, 2005-07

「満員電車で押しつぶされても壊れない」「落としてもハードディスクのデータは守られる」——雑誌や新聞の広告で,こうした文字が踊っているのを目にした読者も多いだろう。性能や機能だけでなく,ハードウェアの堅牢性をうたうノートパソコンが増えてきたのだ。実は,ノートパソコンだけの話ではない。サーバーやデスクトップ・パソコンでも堅牢性の重要性は増している。