著者
研 攻一 佐藤 由紀 トギ コウイチ サトウ ユキ TOGI Kohichi SATO Yuki
出版者
羽陽学園短期大学
雑誌
羽陽学園短期大学紀要 (ISSN:02873656)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.23-36, 2014-02

遊びの中で造形能力を育てる保育のあり方について検討した。風船を使ったダルマ作りの技術を、お化け屋敷で使う生首や火の玉作りに応用していく際の、子どもたちの遊びの質や、行動の自発性やイメージの拡大と深化の程度について検討した。その結果、次のことが得られた。(1)風船を使った基本的な技術の習得場面のダルマ作りでは、子どもたちは遊び条件を満たさずに、保育者主導の保育が展開された。その際には、行動の自発性やイメージの拡大は余り見られなかった。(2)ダルマ作りの応用場面の生首と火の玉作りでは、遊びの条件を満たし、子どもたちが自発的に意見やイメージの交換を図り、集団で新しい工夫をしてお化け屋敷で必要なものを作りだした。(3)具体的な目標(生首や火の玉)が遊びの中で設定されると、子どもたちの自発性やイメージの拡大が促進されることが見られた。

1 0 0 0 OA 金属花

著者
蔡 安邦
出版者
独立行政法人 科学技術振興機構 戦略的創造事業本部
雑誌
源流 (ISSN:13453610)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.3, pp.34-45, 2001 (Released:2001-03-30)
参考文献数
9

準結晶とは、5回回転対称性をもつ物質である。5回回転対称性の物質は、結晶にはなりえない。なぜなら、結晶の定義は、結晶を構成する最小単位“単位胞”が厳密に配列している。つまり、単位胞の形をしたタイルで床を隙間なく覆い尽くせるのであるから。このような特異の構造を持つ準結晶の存在はもはや異例ではなく、多くの合金で確認されている。結晶を作製するあらゆる方法で、準結晶を作ることができる。また、結晶で測定できる物性も、準結晶でも殆どできるようになっている。本講では、準結晶の構造について簡単に説明し、準結晶構造に由来する性質を概説し、これに踏まえて最近の研究成果を紹介する。
著者
原田 昌紀 清水 奨
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.20, pp.61-66, 1997-02-27
被引用文献数
5

キーワードに基づくWWW検索システムでは適切なキーワードを含む検索式を与えることが重要である。熟練した利用者は様々な条件を指定して適切な検索式を与えることができるが、多くの利用者にとってこうした操作は困難である。このため適合性フィードバックやデータマイニングによる利用者支援が行われている。しかしシステム側で多くの処理を行う必要から、サーバ負荷の増大要因となっていた。本論文では、不特定多数の利用者の検索履歴に基づき、検索結果の関連語を抽出して提示する利用者支援手法について述べる。従来の手法より容易に実装可能で、自然な関連語を提示できるのが特徴である。本手法をWWW検索システムODIN上で実装し運用した結果、全体のおよそ2割の利用者が提示された関連語を使い、AND条件による絞り込みを実施するようになった。これは導入前の3倍の割合である。一方、サーバ負荷は導入前とほぼ同程度に抑えられた。Providing user guidance is a key component of WWW search services. Some search services are providing guidance through relevance feedback or data mining. These systems, however, are getting increasingly complex as new functions are added. In this paper, we examine a simple approach based on anonymous monitoring of user search behavior. User behaviour information is collected and presented to users as a recommended relevant keyword list. This method was tested on an actual WWW search service. It was found that, as a result of the relevant keyword list, the percentage of queries using the AND operation increased from 6% to 18%.
著者
藤永 太一郎 竹中 亨 室賀 照子
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1974, no.9, pp.1653-1657, 1974
被引用文献数
1

號珀(コハク)は古代から装身具として用いられ,わが国においても遣跡や古墳から発掘されている。本研究においてはこれら発掘品の原産地の同定法の検討を行なった。資料は地質学的標準資料として,原産地の明らかな久慈,銚子,瑞浪,神戸のわが国主要産地0ものと比較のため撫順,バルティック,ニュージランド産出のものを,考古学的資料は京都府長池古填のもの2種と奈良県東大寺出古墳群のもの7種を用いた。融点測定を行なったが,発掘品をますべて3QO℃以上であり,完全に化石化していた。元素分析の結果はlC:耳:Oは久慈;33二52:4,銚子;91:142:4,瑞浪;184:3O<sup>2-</sup>:4,神戸;60:39:4とばらつきがあるが,東大寺山;22:32:4,長池;22:34:4とほぼ同様の比を示した。赤外吸収スペクトルは全波長領域にわたって産地特有のパターンを示した。とくに久慈産の褐色のものと黄色のもの,および撫順産の2種は同-のパターンが得られた竃これらの事実から,日本産號珀についても赤外吸収スペクトルによって産地の同定を行ないうることが判明した。東大寺幽12号古墳の6種および長池古墳の2種はいずれも同-の産地であり,久慈産のものと同定された。このことから古墳時代においてすでに東北地方と近畿地方の間で交易のあったことが推論される。
著者
今井 哲朗 藤井 輝也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-03-06
被引用文献数
2

移動通信の伝搬推定法の有力な方法としてレイトレース法がある. レイトレース法にはイメージング法とレイランチング法があり, 推定精度と計算処理量には大きな差がある. そのためどちらの方法を選択するかは伝搬推定システムを構築する上で大きな課題となっている. 本稿ではイメージング法とレイランチング法の推定精度と計算処理量を比較した結果について述べる.
著者
飯田 泰生 安在 大祐 王 建青
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.497, pp.1-6, 2015-03-05

人体無線網(BAN:Body Area Network)は医療・ヘルスケア分野での応用が期待できる無線通信技術として注目を集めている.その中でもインプラントBANの応用例の一つであるカプセル内視鏡は,消化管内部の画像情報取得に用いられるが,画像に位置情報を付加することで治療効率の向上が期待できる.カプセル内視鏡位置取得の方法として,人体に電界を照射した際に生じる散乱電界を用いた位置推定法が提案されている.しかし,この推定法において,散乱電界を求める際に事前に生体組織の複素比誘電率情報が必要となり,さらには計算量が膨大になるという課題が残されている.このことから本研究では,この位置推定法に遺伝的アルゴリズムを組み合わせることで事前に生体組織の複素比誘電率情報を必要とせずに計算量を減らし,人体内のカプセル内視鏡位置推定の高速化を行った.
著者
剣持 秀紀
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2012-SLP-90, no.4, pp.1-4, 2012-01-27

本稿では、2011 年 10 月に発売された歌声合成ソフトウェア VOCALOID の新しいバージョンである VOCALOID3 について、そのポイント (品質面からの改良点、ユーザインタフェースの改良点) を紹介する。また新しく導入された VOCALOID Job Plugin という簡単なスクリプト言語で記述可能な機能拡張のための仕組みについて、その具体的な応用可能性について解説する。

1 0 0 0 OA 朝鮮史

著者
朝鮮史編修会 編
出版者
朝鮮総督府
巻号頁・発行日
vol.第5編 第1巻, 1938
著者
Konrad SANDHOFF
出版者
日本学士院
雑誌
Proceedings of the Japan Academy, Series B (ISSN:03862208)
巻号頁・発行日
vol.88, no.10, pp.554-582, 2012-12-11 (Released:2012-12-11)
参考文献数
261
被引用文献数
10 33

Analysis of lipid storage in postmortem brains of patients with amaurotic idiocy led to the recognition of five lysosomal ganglioside storage diseases and identification of their inherited metabolic blocks. Purification of lysosomal acid sphingomyelinase and ceramidase and analysis of their gene structures were the prerequisites for the clarification of Niemann-Pick and Farber disease. For lipid catabolism, intraendosomal vesicles are formed during the endocytotic pathway. They are subjected to lipid sorting processes and were identified as luminal platforms for cellular lipid and membrane degradation. Lipid binding glycoproteins solubilize lipids from these cholesterol poor membranes and present them to water-soluble hydrolases for digestion. Biosynthesis and intracellular trafficking of lysosomal hydrolases (hexosaminidases, acid sphingomyelinase and ceramidase) and lipid binding and transfer proteins (GM2 activator, saposins) were analyzed to identify the molecular and metabolic basis of several sphingolipidoses. Studies on the biosynthesis of glycosphingolipids yielded the scheme of Combinatorial Ganglioside Biosynthesis involving promiscuous glycosyltransferases. Their defects in mutagenized mice impair brain development and function.(Communicated by Kunihiko SUZUKI, M.J.A.)
著者
青野 敏博 東 敬次郎 苛原 稔 池上 博雅 廣田 憲二 三宅 侃 田坂 慶一 堤 博久 寺川 直樹
出版者
徳島大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1985

TRHやLH-RHは下垂体前葉からプロラクチン(PRL)やLHの分泌を促進する. 一方PRL産生下垂体腫瘍の治療にはドーパミン(DA)の作動薬であるブロモクリプチンが繁用されており, PRL分泌を抑制するほか, 腫瘍を縮少させる効果のあることが知られている. 本研究の目的はPRL, LH分泌時における下垂体細胞内情報伝達機構について明らかにし, DAのPRL分泌抑制作用を検討する実験系としてラット下垂体前葉細胞またはPRL産生下垂体腫瘍であるGH3細胞を用いた. 実験結果をまとめると, (1)マイトトキシンは下垂体細胞内へCa^<2+>の流入を起こし, PRL分泌を促進した. (2)^<32>Pのホスファチジールイノシトール(PI)への取り込みを検討した結果, TRHはPIの代謝回転を促進した. (3)Ca^<2+>によって活性化され, PIを分解するphosphol:pase Cの作用によってジアシルグリセロール(DG), IP3から産生されPRL分泌を促進した. (4)下垂体前葉にはCキナーゼが存在し, PMAによって活性化された. PMAを細胞に添加するとLH, PRLの分泌が促進された. またTRHを作用させると細胞内のCキナーゼは細胞質から膜分画へ移行した. (5)細胞内に取り込まれた標識アラキドン酸はTRHによって放出された. (6)添加されたアラキドン酸はPRL, LHを放出した. (7)アラキドン酸の代謝産物のうちPGは影響を及ぼさなかったが, lypoxygenaseの代謝産物である5-HETEとLeukotrienB4がPRL, LHの分泌を促進した. (8)下垂体前葉細胞における上記の情報伝達系の各ステップはDAによって抑制されたことからDAは全てセカンドメッセンジャーを抑制していることが考えられた. DAの受容体を持たないGH3細胞ではDAによるPRL分泌抑制作用は認められなかった. 以上の結果より, TRH, LH-RHはDG-Cキナーゼ系, Ca^<2+>-アラキドン酸系を細胞内情報伝達系としていることを明らかにし, DAは受容体に結合後, これらの全てのセカンドメッセンジャーを抑制していると考えられる.
著者
平林 邦昭 戸口 景介 吉川 健治 山口 拓也 硲野 孝治
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.11, pp.3330-3333, 2009 (Released:2010-04-05)
参考文献数
12

症例は76歳,男性.盲腸癌に対する右半結腸切除術の3カ月後に腹痛発作で入院した.腹部単純X線,腹部CT検査,腹部エコー検査で,腹腔内に線状金属陰影を認めた.腹部症状が悪化し,X線下に開腹手術を施行したところ,小腸を突き破る長さ7cmの金属片を確認した.摘出した金属片をただちに調査し金属スタイレットの先端部分であると断定した.先の手術の麻酔導入時に食道挿管されており,その時に金属疲労した先端部分が折損し食道内に進んだものと推察された.術後経過は順調で術後10日目に退院した.現在術後3年半が経過したが,合併症なく外来通院中である.
著者
Morimoto Ryohei Ossaka Joyo
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大學地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.221-250, 1955-08-10

昭和27年9月17日午前7時15分頃,ベヨネイズ列岩(31°55.3'N, 139°54.5'E)の東方約10km.の海面に,漁船「第十一明神丸」によつて海底噴火が発見報告きれた.この噴火によつて出現した島は,発見した船の名を取つて「明神礁」と命名された.明神礁は,第五海洋丸と共に殉職した三田亮一氏によれば,ベヨネイズ列岩を外輪山の一角とする複式火山の中央火口丘の一つといわれ,この附近には明治29年, 39年,大正4年,昭和9年, 21年に噴火の記録がある.しかし,海底地形の概略と,明治39年噴出安山岩質浮石の簡単な記載のほか,火山の詳細は知られていなかつた.今回の噴火は, 9月24日,調査に派遣された海上保安庁水路部測量船第五海洋丸の遭難という,火山研究史上未曽有の事件勃発のため,各方面の注目を惹くに至つた.第五海洋丸が海底爆発によつて遭難したと信じられる9月24日の前日,筆者らは,東京水産大学(旧水産講習所)練習船「神鷹丸」に乗船して現場に臨み,海底爆発を目撃観察する機会を得たので, (1)今回の噴火の活動経過, (2)昭和27年9月23日の海底爆発の情況, (3)各種抛出物の岩石記載を詳細に述べることにした.本篇では,噴火の発見から活動が休止したと思われる昭和28年秋までの明神礁の活動の経過を,各方面の資料を集めて記載し,昭和27年9月23日の海底爆発の情況を詳述した.この活動期間に,明神礁は3回,海面に出現しては海没した.すなわち,昭和27年9月17日に,その熔岩ドームの頭端を海面上に現わして数日後から,活動は爆発的となり, 9月23日の相続く水中爆発によつて水没し, 10月3日から10日の間に水面上に出現してそのご翌年3月9日まで,熔岩尖塔を海面上に見せていた.昭和28年3月に入つて,また爆発をくりかえし3月10日に水没した.第3回目に海面上に現れたのは4月のはじめで,このときの熔岩尖塔や熔岩円頂丘も, 8月下旬のひきつづいた爆発で崩壊水没し,そののちも,浮石,火山塵で海水を黄濁させる水中噴火を続けていたが,そのごは確実な消息なく,噴火活動を終息したものと思われる.明神礁はこのように,徐々に熔岩円頂丘或ひは熔岩尖塔を突出させたのち,大量の浮石抛出を伴う烈しい爆発活動をつづけて円頂丘や尖塔を崩壊するという過程を,今回の活動期間中に, 3回くりかえしたことになり,あとで述べる抛出岩石の岩石学的性質も,このようなPele式噴火の活動型式を裏づけている.
著者
小出 寛之
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.1611-1614, 1999

Reducing CO<SUB>2</SUB> emission is the global key word. Concerning motor drive system, AC inverter system contributes energy saving & reduction of CO<SUB>2</SUB>. To achieve more reduction, new motors and new inverters are developed. We introduce the new products with latest technology and show the examples of application for them.