著者
Qi 旗 坂本 亘 白旗 慎吾
出版者
応用統計学会
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.135-150, 1998-03-16 (Released:2010-03-03)
参考文献数
20
被引用文献数
1 2

回帰分析は統計的データ解析の本流を成し,多くの分野で適用されている.回帰関数としては通常単一の滑らかな関数を考えることが多いが,回帰関数がある点を境に折れ曲がっているように見えることがある.そのような場合は,回帰関数として単一の関数を想定するよりも,独立変数に2つの相があり,各相で異なる回帰関数を当てはめる方が自然であろう.本論文では回帰関数として1次式を考え,単純直線回帰を帰無仮説,ある未知の点(変化点)を境にして連続ではあるが折れ曲がった2相直線回帰を対立仮説とした検定問題に対する尤度比検定を考える.この場合,検定統計量の厳密分布を求めることは現実には困難であり,漸近的にも標準の漸近理論の仮定が成立せず,したがって対数尤度比検定統計量にカイ2乗近似を用いることができない.この点に関し多くの研究者により様々な議論が展開されてきたが,現在のところ実用的な結論は得られていない.本論文ではそれらの議論を検証し,尤度比検定統計量の実用に耐える近似帰無分布を導いた.さらに,誤差分散の大きさ,独立変数の配置により帰無分布がどう変わるか,また検出力がどう変わるかを調べ,棄却点が分散の大きさにはあまり依存しないことを示した.また,高い検出力を持つ配置が経験的に得られた.
著者
まつむら いさむ
出版者
日本幼稚園協会
雑誌
幼児の教育
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.9-12, 1954-12-01
著者
大平 哲也 磯 博康 谷川 武 今野 弘規 北村 明彦 佐藤 眞一 内藤 義彦 嶋本 喬
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.335-341, 2004-05-01
被引用文献数
1

うつ症状が脳卒中や心筋梗塞の発症と関連することや,不安,怒りが高血圧発症と関連することは欧米を中心に報告されているが,わが国における前向き研究はほとんどない本研究は,不安,怒り,うつ症状とその後の循環器系疾患発症との関連について前向き研究で明らかにすることを目的とした地域住民男女901名にZungの抑うつスケール(SDS)を実施し,その後103年間の追跡調査を行った結果,SDSの得点が高い人は低い人に比べて全脳卒中発症の相対危険度が約2倍,脳梗塞発症の相対危険度が約3倍,虚血性心疾患の相対危険度が約7倍であったまた,4地域(秋田,茨城,大阪,高知)住民のうち,正常血圧者4,970名を対象として不安,怒りの表現方法を質問紙にて調査し,その後4年間の追跡調査を行った結果,男性では怒りを内にためることが高血圧発症と関連していたが,女性では関連がみられなかった不安と高血圧との関連は男女ともにみられなかった
著者
鹿島 茂
出版者
文芸春秋
雑誌
週刊文春
巻号頁・発行日
vol.50, no.43, pp.140-142, 2008-11-06
著者
畠山 昌則 東 秀明
出版者
北海道大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

ヘリコバクター・ピロリ菌由来cagA遺伝子を胃上皮細胞に一過性導入・発現させる系を樹立した。発現されたCagAタンパク質は細胞内で細胞膜近傍に局在し、Srcファミリーキナーゼによりチロシンリン酸化を受けた。CagAはチロシンリン酸化依存的にSHP-2チロシンホスファターゼのSH2ドメインと特異的に結合し、この結合を介してSHP-2のホスファターゼ活性を増強した。また、CagA-SHP-2相互作用の結果、胃上皮細胞には細胞質の著しい進展で特徴付けられる形態的変化(hummingbird表現型)が誘導された。CagAのチロシンリン酸化に関わるEPIYAモチーフは単離される菌株ごとにその数ならびに周辺アミノ酸組成が変動する。欧米諸国で単離されるピロリ菌由来CagAのSHP-2結合活性ならびにhummingbird表現型誘導活性はEPIYAモチーフの数に比例した。一方、胃癌の多発する日本、韓国など東アジア諸国で単離されるピロリ菌CagAは、欧米型CagAと周辺アミノ酸を異にするEPIYAモチーフを有し、この東アジア特異的EPIYAモチーフは欧米型EPIYAモチーフに比べはるかに強いSHP-2結合能ならびにhummingbird表現型誘導活性を示した。CagAとチロシンリン酸化特異的に結合する第二の細胞性蛋白としてCskを同定した。CskはCagAとの結合により活性化され、Srcを抑制することによりCagAのリン酸化レベルを低下させた。CagAによるSHP-2の構成的活性化は胃上皮細胞のapoptosisを誘導することから、CagA-Csk相互作用はCagAの細胞毒性を現弱させるフィードバック制御に関与するものと推察された。
著者
田中 康裕
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.109-110, 1999-04-30
著者
今西祐一郎著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
2007
著者
今西 祐一郎
出版者
岩波書店
雑誌
文学 (ISSN:03894029)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.p38-53, 1987-10
著者
岸 徳光 三上 浩 南波 宏介 BHATTI Abdul Qadir
出版者
土木学会
雑誌
応用力学論文集 (ISSN:13459139)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.471-480, 2005-08
被引用文献数
2

In order to establish a simple and rational impact response analysis method for lightweight shear-failure type Reinforced Concrete (RC) beams with stirrup, three-dimensional elasto-plastic finite element analysis was conducted for total fourty-seven RC beams under falling-weight impacting. Here, tensile strength of concrete was assumed as 1/16th of compressive one. An applicability of the proposed analysis method was confirmed by comparing with the experimental results of fourteen beams. From this study, following results were obtained: 1) impact response waves and crack patterns can be rationally predicted by using proposed analysis method, and 2) ultimate shear capacity of the RC beams under impact loading can be rationally predicted by means of the proposed numerical analysis method considering a safety margin of 15 %.
著者
安元 健 KASPAR H.F. 佐竹 真幸 大島 康克
出版者
東北大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

本研究ではニュージーランドで発生した(1)神経性貝毒(2)カキの新奇毒成分(3)麻痺性貝毒の3種の貝毒を対象として情報の交換、試料の収集、原因毒の解明についての共同研究を実施した。研究実績の概要は下記の通りである。1。神経性貝毒1992年12月から1993年の1月にかけて発生した食中毒について、疫学調査、発生プランクトンの種類、及び毒の薬理作用についての予備試験結果から神経性貝毒であろうと推定し、原因毒の単離・構造決定を実施した。共同研究者の協力により約270kgのイガイ中腸腺を入手した。原因プランクトンとしてはGymnodinium breveまたはその近似種が示唆されていた。本種はブレベトキシン類を生産することが知られているが、イガイからは既知のブレベトキシン類は検出されなかった。代わってブレベトキシンの新奇類縁体3成分が単離された。成分1はC_<53>H_<79>NO_<17>S(MW:1033)の分子式を有し、ジアステレオマ-4成分の混合物と推定された。成分2では42位炭素がカルボキシル基に酸化され、さらにD環が開環しており、新たに生じた10位の水酸基に脂肪酸がエステル結合していると推定された。成分3はブレベトキシンBの基本骨格を保持し、側鎖に修飾を受けた新奇物質と推定された。現在立体配置を含めた構造の確認を進めている。成分1と3ではマウス致死毒性およびNaチャンネル活性化作用が確認された。2。カキの新奇毒成分1993年に南島南端のFoveaux海峡周辺でカキが毒化した。原因プランクトンはGymnodinium cf.mikimotoiと推定された。毒化したカキの試料約60kgを入手し、その30kgをアセトンで抽出して原因毒の単離・精製を行った。その結果、原因毒は分子式C_<32>H_<45>NO_4(MW:507)を有する新奇イミンであることを確認したのでジムノジミン(gymnodimin)と命名した。ジムノジミンは分子内に16員の大きな炭素環、6員環イミン、ブテノリド環を含む特異な構造を有する。既に平面構造を確定し、現在は絶対構造の確認を目指して誘導体の調製を行っている。ジムノジミンのマウス腹腔内投与による最少致死量は450μg/kgを示した。小型淡水魚のアカヒレを用いた魚毒性試験で求めた最少致死濃度は0.10ppm(20nM)であり、魚類に対して強力な毒性を示すことが明らかになった。細胞毒性や溶血性は認められず、培養細胞を用いたNaチャンネル活性試験でも顕著な活性は検出されなかった。共同研究者から提供を受けたG.cf.mikimotoiを培養し、その抽出物をLC/MSで分析したところジムノジミンが検出され、本種が毒の起源であることが確認された。3。麻痺性貝毒麻痺性貝毒を生産する渦鞭毛藻としてはAlexandrium属、Gymnodinium属、及びPyrodinium属が知られているが、ニュージーランドではA.minutum及びA.ostenferdiiの出現が確認されている。同国内で採集されたA.minutumの1株及び異なる地域で採集されたA.ostenferdiiの5株について、培養を行い毒生産能の確認及び毒組成の分析を行った。その結果、A.ostenferdiiの1株は無毒であり、この無毒株も含めて5タイプに区別され、多様な毒組成を示した。同国内のA.minutumはほぼ同じ組成を示したが、著量のサキシトキシンとネオサキシトキシンを生産する点に特徴が見られた。
著者
Masashi SUGIYAMA Ichiro TAKEUCHI Taiji SUZUKI Takafumi KANAMORI Hirotaka HACHIYA Daisuke OKANOHARA
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE TRANSACTIONS on Information and Systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.E93-D, no.3, pp.583-594, 2010-03-01

Estimating the conditional mean of an input-output relation is the goal of regression. However, regression analysis is not sufficiently informative if the conditional distribution has multi-modality, is highly asymmetric, or contains heteroscedastic noise. In such scenarios, estimating the conditional distribution itself would be more useful. In this paper, we propose a novel method of conditional density estimation that is suitable for multi-dimensional continuous variables. The basic idea of the proposed method is to express the conditional density in terms of the density ratio and the ratio is directly estimated without going through density estimation. Experiments using benchmark and robot transition datasets illustrate the usefulness of the proposed approach.
著者
松本 一彦
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.110, no.6, pp.341-346, 1997 (Released:2007-01-30)
参考文献数
6
被引用文献数
1

The cumulative chi-squared statistic has been proposed for testing against ordered alternatives in various statistical models. As usual statistical tests of ordered column categorical data, the χ2 test, Fisher's exact test and Wilcoxon test are used. Pharmacological studies often are performed by multiple dosing. Data obtained from these studies are called ordered categorical data. The cumulative chi-squared statistic, which has been proposed by Hirotsu and Shibuya for testing against ordered alternatives in various statistical models, is little used in spite of its good applicability in the field of pharmacology. This method was too difficult for the general pharmacologist and biological scientists because it requires the use of a complex matrix and a powerful computer to carry out the analysis. However since a more simple method was proposed by Matsumoto and Yoshimura this method has been used more frequently in the biological sciences. In this paper, the one way cumulative chi-squared statistic test and two way chi-squared statistic test are compared with the chi-squared statistic test and Wilcoxon test.
著者
川上 徳明
出版者
札幌大学
雑誌
札幌大学総合論叢 (ISSN:1342324X)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.396(一)-284(一一三), 2011-03