著者
辛 徳 嶋田 修 佐藤 誠 小池 康晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.9, pp.1860-1869, 2004-09-01
被引用文献数
12 3

これまで,人腕のインピーダンスは,マニピュランダムにより摂動を与えることで計測されてきた.これらの実験結果はいずれも摂動区間の平均値なので,時間に対して連続的に変化するスティフネスは測定不可能であり,その摂動区間以外には測定できない.更に,このような摂動実験環境では運動中や接触作業中の変化するスティフネス特性を解析することは難しい.そこで,本研究では表面筋電信号を運動指令とする筋肉骨格系のモデルを作成して,このモデルから直接スティフネスを推定する方法を提案する.このモデルは筋肉の長さの変化項及び筋肉の硬さの変化項を線形関数で表現し,関節トルクを運動指令に関して2次まで表現した.そして,このモデルのパラメータは,筋電信号と力センサから計測した関節トルクを用いて最小二乗法により求めた.その結果,パラメータの推定に使用していないデータに関しても関節トルクを推定できるようになり,スティフネスの連続的な変化値やスティフネス楕円体を推定することができた.
著者
中川 涼司
出版者
日本現代中国学会
雑誌
現代中国 (ISSN:04352114)
巻号頁・発行日
no.88, pp.130-134, 2014
著者
廣瀬 純夫
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

1990年代以降の資金調達環境の変化が及ぼした影響について,実証分析での検証を行った.具体的な研究成果は,以下の3点である.①リレーションシップ・バンキングの特徴として,借入先変更のスイッチング・コストが存在するため,貸出先を割当先とする非効率な銀行の自己資本調達が行われていたことを明らかにした.②敵対的買収防衛策導入後の長期の株価パフォーマンスやトービンのQの変化を検証し,導入が始まった過渡期に導入した企業と,制度運用が安定した時期に導入した企業との差異を検証した.③私的整理による企業再建について,メインバンクへの影響が大きい大口貸出先であるほど,再破綻する可能性が高くなることを確認した.
著者
長岡 宏明 永峰 正幸 嶽間澤 博 松田 稔 鈴木 義久
出版者
公益社団法人日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術學會雜誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, 1994-08-01

センサー自体に厚みがあるため、被写体に密着しての撮像が不可能となった。検知感度については光センサータイプが優れ、空気圧センサータイプは特に感度が鈍かった。しかし、感度が良すぎても、髪の毛や衣服などで検知する等、取扱上で不便な点もあった。外周センサータイプでは危険なほど圧迫してもセンサーが感知しないこともあった。
著者
田中 克典 鈴木 雅一 田中 延亮 松尾 奈緒子 小杉 緑子
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

自然環境下のチークでは、乾季の2014年2月から4月にかけての樹液流が停止、完全に落葉した。散水による湿潤土壌下では、葉が付いた状態での新葉による更新がなく、3月に完全落葉し、樹液流が停止した。2週間後、展葉して蒸散活動を再開した。根系の土壌水分は展葉・落葉現象に最も影響したが、他の要因によって落葉期間が発生することを確認した。幹は自然状況下と散水下とも2014年4月から9月まで成長し、成長期間に違いがなかった。光合成能を示す葉内窒素濃度は土壌水分量の低下に影響を受け、湿潤下のチークのほうが光合成能の低下は遅かった。一定の水消費に対する炭素獲得は、湿潤下のほうが自然状況下よりも低かった。
著者
赤木 正人 水町 光徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.97, no.178, pp.1-8, 1997-07-18
被引用文献数
3

本報告では、マイクロホン対を用いて時間・周波数が局在した雑音を推定し、推定した雑音を引きさることによって信号音を浮かび上がらせる手法を提案する。これと同様の考え方を基にした方法としてGrifiths-Jim型のビームフォーマがあるが、適応フィルタの収束が遅いため、到来方向が変化する雑音とか突発的な雑音には対処できない。また、雑音と信号音は無相関であることを仮定しているため、残響などで相関が存在すれば、信号音が歪むなどの問題がある。一方本手法は、雑音をモデル化しできる限り解析的に抽出することによって、この問題を回避し、雑音を取り去っている。主マイクロホン2本と補助マイクロホン1本を用いた場合の性能評価の結果、合成波形を用いたシミュレーションの場合SN比が10〜20dB向上し、実環境では雑音が含まれない信号音との対数スペクトル距離が約5dB減少した。
著者
前田 恵一
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、現代宇宙論における最も重要な課題「ダークエネルギー問題」に対して、[(1)物質としてのダークエネルギーの可能性、(2)重力理論の違いが見かけ上のダークエネルギーを示唆する可能性、(3)その他のより自然なモデルの可能性]の3つのアプローチから総合的な解析を行い、特にブラックホールや中性子星など強重力天体とダークエネルギーの共存系の解析が重要であることを指摘した。
著者
松岡 光治
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、ヴィクトリア朝の文学テクスト-主にディケンズ、ギャスケル、ギッシングの小説-を一次資料とし、そこで明示的/暗示的に描写されたイジメの場面に焦点を定め、19世紀イギリスの時代精神と社会風潮の影響を受けた人間のイジメという言動の法則性を突き止め、そうしたイジメの言説を表出させている社会的および心理的文脈を解明した。
著者
山本 眞史 植村 哲也 松田 健一
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-05-31

本研究の目的は本質的に大きなスピン偏極率を有するハーフメタル材料のCo基ホイスラー合金と,高移動度半導体チャネル(Ge等)を融合する高品質エピタキシャルヘテロ構造の実現を通して,次世代半導体スピントロニクスの基盤を構築することである.平成24年度は,強磁性CoFe電極からMgOバリアを通したn-Geチャネルへのスピン注入の特性を実験的に詳細に検討し,以下の知見を明らかにした.CoFe/MgO/n-Ge接合に対して,2.25 nmから2.75 nm の範囲のMgOバリア厚み(t_MgO)に対して,室温で,3端子配置により明瞭なHanle信号(磁化は面内,磁場を面に垂直に印加)および逆Hanle信号(磁場を面内に印加)を観測した(スピン注入の方向: 強磁性体から半導体チャネルへのスピン注入).また,スピン信号ΔVの大きさ(Hanle信号と逆Hanle信号の和)から見積もったspin-RA積(ΔRsA=(ΔV/I_bias)A)は,例えばt_MgO=2.4 nmの接合に対して,半導体へのスピン注入の標準理論(Fert and Jaffres, 2001)の値の4桁大きな値であった.さらに,spin-RA積はt_MgOに対して指数関数的な依存性を示すことを見出した.一方,標準理論では,spin-RA積はt_MgOに対して依存性を示さない.このように,これらの実験結果は,観測されたHanle信号が半導体Geチャネルでのスピン蓄積によるというモデルでは説明できない.この結果を説明するため,トンネル接合界面に存在する局在状態での,磁場によるスピンの歳差運動によりスピン偏極率が低下し,このためフェルミレベルでのアップスピンとダウンスピンの波数が変化し,結果として,トンネル確率が磁場によって変調されるというモデルを提案した.
著者
富安 秀雄
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.109, no.1364, 1994-10-20
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.941, pp.72-75, 1998-05-18

家庭用ビデオ「ベータマックス」の図面とカセットを携え、ソニーの副社長、岩間和夫と専務の大賀典雄が、ビクターの本社を訪ねてきた。それを見た高野鎭雄は、ソニーの技術力の高さを思い知らされる。水面下でVHSの開発を続けてきたものの、明らかにソニーに水をあけられてしまった。このままVHSの開発を続けるべきか、ソニーの方式を受け入れるべきか思い悩む。
著者
君野 孝二
出版者
特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
雑誌
日本医療マネジメント学会雑誌 (ISSN:18812503)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.488-494, 2009-12-01 (Released:2014-09-05)
参考文献数
3

DPC対象病院の拡大により多くの医療機関より莫大なデータが集計・公開されるようになった。その結果、様々な情報の分析が行われ医療機関の間での比較が可能となり、診療の透明性・標準化が進む方向へと展開している。DPCが出来高で行われる診療と異なる点の一つは入院目的が明確であることがあげられる。クリティカルパスも具体的な入院目的に対して作成・運用され、標準化・効率化のために見直しが行われることが要求される。クリティカルパス見直しのツールとしてDPCベンチマーク分析は有用である。