著者
大島信一 著
出版者
積善館
巻号頁・発行日
1943
著者
梶原 克教
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究において発見できたのは、アフリカ系およびカリブ系の文化が修辞法の面において強く示す傾向が、先進的技術革新を通じて広く環大西洋にみられるようになった文化的側面と緊密な親近性を持つという点であった。それは、言語における形体的修辞法と、身体が示す擬態性との、さらにはサンプリングテクノロジー等により可能となった反復性との関連においてである。すなわち、地理的・人種的・民族的に後進的とされるアフリカ・カリブ系の文化が、先進テクノロジーと強い親近性を示し、新たな文化的潮流を生み出していることが立証できたのである。
著者
蔡 宜静
出版者
新潟大学
雑誌
現代社会文化研究 (ISSN:13458485)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.18-34, 2004-03

筆者於參考了近數十年的學術論文後,發現所有關於萩原朔太郎詩作的論述皆囿於他詩論中比擬音樂的説法,作爲詩作構思和靈感的論證。但過於偏頗於詩中聽覺側面的描寫時,不僅有忽略詩中視覺展開和映像等特徴的缺憾,也無法將他的創作動機和意圖提出一合理的詮譯。姑且不論萩原早期觀看默片的豐富經驗爲詩題材所帯來的影響,就針對他看了由愛倫坡原作改編的≪鄂雪巨宅的落敗≫這部電影後,曾説過:「將我的抒情詩≪吠月≫和≪青貓≫改編爲電影故事也不定困難的事了。我現在就思考如何將我的詩作編寫爲電影劇本。」筆者認爲他的詩作與電影的關係,有充分値得深入探討的必要性和意義。
著者
荒川 章二
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、近年の軍事史研究の一つの特徴をなす<軍隊と地域社会>の研究の一環に位置づけられ、首都東京の軍都としての歴史的性格を解明することを目的とする。軍都研究は、昨今いくつの地域事例を積み重ねているが、首都圏・関西圏等の巨大都市の軍事的性格・特質に関する研究は、時期的にも対象領域的にも断片的成果にとどまる。本研究では、東京の、巨大都市圏の中枢(大阪と共通)、かつ帝都(首都、かつ宮城の所在地=東京独自の性格)という両側面に注目しつつ、軍事都市としての形成期から大正・昭和初期の陸軍軍縮期に至る時期を主たる対象にして、軍都としての帝都東京の特質、変遷を明らかにする。
著者
佐々木 真吾 仲 真紀子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.585-595, 2014-02-25 (Released:2014-04-15)
参考文献数
42

This study examined the development of skills to report with different levels of exactness. A total of 62 first-grade children and 58 fourth-grade children were asked about numbers and lengths (numeral tasks) and colors and positions of objects (nominal tasks) with instructions suggesting different levels of exactness, “roughly” or “exactly”. In Study 1, the instructions were given as a between-subjects factor. The results showed that when the “roughly” instruction was given, participants gave approximate answers more frequently than when the “exactly” instruction was given especially in the numeral tasks, and older children did so more frequently than younger children. In Study 2, the instructions were given as a within-subjects factor: a half of participants were given “roughly” and then “exactly” instructions, and the others were given the instructions in the opposite order. The results showed that younger children could change the levels of answers depending on instruction in the numeral tasks but not in the nominal tasks, whereas older children could do so in both tasks. The results suggest that the skills for reporting with different levels of exactness are related not only to cognitive development, but also to the linguistic context, such as the tasks and instructions.
著者
林 彬 清水 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.471-475, 1994-03-25
被引用文献数
4 1

大きな素数の積の素因数分解の困難さに安全性の根拠をおくLu-Leeによる暗号(LL暗号)の解読法を与える.LL暗号に対しては既にいくつかの解読法が提案されているが,提案する解読法はそのいずれとも異なる新しいものである.我々の方法の計算量は多項式時間であり,計算機実験によればすべての暗号文を高速に解読できることが判明した.本法は暗号化の合同式から連立合同式を作り,これを更に連立方程式に変換する.その解がもとの平文を与える.合同式の方程式への変換のために必要なある条件が,ほとんどの場合に満たされるため,解読成功率が高いと考えられる.
著者
丸山 征郎 川原 幸一 伊藤 隆史 大山 陽子 橋口 照人
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

HMGB1 はDAMPsの代表的分子であるが、多くの壊死細胞、あるいは活性化上皮系細胞などからは生細胞からも放出されて、TLR-2, -4, RAGEに作用する。この場合、先行する刺激によって活性化状態(プレイミング)となっている細胞にセカンド刺激となって作用すると、一挙にinflammasome 活性化とNF-kB 活性化により、IL-1β, IL-18を産生放出して、生体防御的反応を惹起する。しかしこれはまたSIRS,DIC 等の原因ともなる。セカンド刺激としてはトロンビンやエンドトキシンなども活性を発揮する。
著者
浅野 秀重
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

公民館は,地域における重要な拠点として,学習活動を通じて地域の担い手を育てるとともに,地域の状況や住民のニーズに応じて,地域課題の解決のための取り組みを行っている。震災後における公民館職員へのヒアリングにおいて,公民館職員は,地域住民の「つながり」形成に重要な役割を果たしていると述べるとともに,利用する地域住民は,公民館が,住民と住民,住民と地域,地域と他の地域を結ぶ機能を果たしている,と応えている。公民館における社会教育事業が,魅力的で活力ある地域コミュニティの再生に寄与している。
著者
瀬名波 出 小西 照子 平良 東紀 玉城 史郎 藤村 弘行 石川 正明 若井 謙介 大城 尚紀 小田 拓也 平岡 雅規 原田 周作
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では火力発電所や下水処理施設などから排出される二酸化炭素(CO2)を海藻を育てるための資源として再利用した。高濃度の CO2を海水に人工的に溶かし、それを海藻に与えることで藻類の光合成(成長速度)を飛躍的に高めた。通常の海水に比べて約 1.9 倍以上に成長が高まる結果を得た。また海藻を原料としたバイオエタノールの試作を成功させた。このようにCO2を減らし,また CO2を新たな資源として再利用する「炭素回生システム」研究開発を行った。
著者
岡本 央 広渡 俊哉
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.15-26, 2002-01-10

ホソヒゲマガリガ科(改称)Prodoxidaeは全北区,特に新北区を中心に分布することが知られている.日本では本科に含まれる種としてヘリモンマガリガGreya marginimaculata 1種のみが知られていたが,筆者らは本科に含まれる2属4種を日本から新たに確認した.Lampronia Stephens,1829マダラマガリガ属(新称)L.altaica Zagulajev,1992アルタイマガリガ(新称)開張9-10mm.前翅は暗い黄褐色で金色の弱い光沢を帯び,特徴的な白斑をもつ.雄交尾器のvalvaは中央で著しくくびれ,腹面側には刺毛が櫛歯状に並ぶ.雌交尾器のcorpus bursaeに一対の放射状のsignaをもつ.1998年7月に杉島一広氏によって北海道の大雪山で採集された.L.corticella(Linnaeus,1758)キマダラマガリガ(新称)開張10-11mm.前翅は暗い灰褐色で,淡黄色の細かいまだら状の斑紋をもつ.雌交尾器の産卵管の先端は平たく,corpus bursaeに一対の放射状のsignaをもつ.北海道の糠平で採集された雌のみを確認した.L.flavimitrella(Hubner,1817)フタオビマガリガ(新称)開張11-12.5mm.前翅は暗褐色で赤褐色の弱い光沢を帯び,2本の白い帯紋をもつ.雄交尾器のvalvaは中央で著しくくびれ,先端には鋭く尖った硬化部をもつ.雌交尾器のcorpus bursaeに一対の放射状のsignaをもつ.北海道および長野県で採集されている.Greya Busck,1903モンマガリガ属(新称)G.marginimaculata(Issiki,1957)ヘリモンマガリガ開張12.5-14.5mm前翅は黄褐色で金色の光沢を帯び,縁に白い斑紋をもつ.本種はIssiki(1957)によってLamproniaの種として記載されたが,Kozlov(1996)が本種をGreya属に移した.雄交尾器のvalvaは太く,腹面側に1-2個のpollexをもつ.長野県および石川県の白山で採集されている.G.variabilis Davis and Pellmyr,1992アラスカマガリガ(新称)開張16mm.前翅は黄褐色で金色の光沢を帯び,縁に白い斑紋をもつ.斑紋は非常に多くの変異をもつ(Davis et al.,1992).雌交尾器のcorpus bursaeにはsignaをもたない.本種はこれまでアラスカを中心とした北米ならびにシベリア東部(チュクチ半島)に分布することが知られていたが,平野長男氏が1986年9月に長野県の安房峠で採集した雌一個体を確認した.