著者
玉腰 暁子
出版者
愛知医科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

多施設共同疫学研究における中央事務局事務局体制の標準化に寄与することを目的として、実施されている中央事務局に関する調査を行った。多施設共同研究を遂行する上で重要な中央事務局の役割は、大きくは、事務局内の情報共有・コミュニケーション、研究実施・情報収集、研究全体の体制維持・運営、サイトの体制維持・運営などに関する事項に分類できたが、必要な事項は事務局のおかれた状況にも依存し、ミニマムリクワイアメント、グッドプラクティス、ケースバイケースに分類できた。
著者
波多野 直哉
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

がんは日本人の死亡原因の第1位である。この予防には、がんの疑いのある方を早期発見し、病院で精密検査を受けることが重要である。簡便で低コストかつ高感度な早期スクリーニング法として、がん患者特有の血中代謝物のプロファイルを用いることを考えた。このため、質量分析計を用いたヒト血清メタボロミクス解析法の確立を行った。これを、膵臓がん患者と健常者の数十例の血清サンプルで実施したところ、複数の代謝物で統計的に有意な変動が見られた。さらに、この代謝物プロファイルの変化のメカニズムを明らかにするため、質量分析計を用いた代謝酵素を網羅的に比較定量するプロテオミクス法を確立した。

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1932年01月16日, 1932-01-16

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1920年04月01日, 1920-04-01

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1926年05月27日, 1926-05-27
著者
伊原 靖二
出版者
山口県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

竹炭を活用した生活排水の浄化と再利用を目的として、竹炭による環境阻害物質等の吸着作用を実験的理論的に検討した結果、以下の知見が得られた。(1)竹炭よる界面潜性剤含有排水の吸着処理に関する研究…煙道温度が異なる7種類の竹炭と活性炭を吸着剤に,界面活性剤の平衡吸着実験を行ったところ、竹炭は活性炭ほどの吸着作用は見られなかったが,界面活性剤に対して選択的な吸着作用が見られた。(2)環境阻害物質含有排水の吸着処理に及ぼす各種吸着剤の効果…フェノールおよびビスフェノールAの竹炭を含む各種吸着剤への吸着実験を試み、その性能を比較検討した。竹炭及び3種のポリシクロデキストリンビーズCDPB(α、β、γ-CDPB)による吸着実験から、CDPBへのビスフェノールAの吸着では、最大吸着量はγ-CDPB、吸着平衡定数ではβ-で最も高い値を示した。また熱力学パラメーターの結果から、3種の吸着はすべて発熱反応であり、PCDB自由エネルギー値より、R-CDPBの吸着が最も強いことが示唆された。(3)竹炭及び各種木質炭の物性と吸着能…竹炭及びかぼちゃや松ぼっくり等の天然の木質炭を用いて環境阻害物質の除去率を測定した。竹炭のように、比表面積も大きかった松ぼっくりは比較的どの吸着質も吸着していた。細孔の大きさと分子の大きさが吸着に影響を与えており、細孔が溶けていたり、潰れてしまっている、てっか梨やなすび、もともと細孔の数が少ない柿やまめには、分子が吸着しにくく、除去率が低くなったと考えられる。(4)竹炭及び改質竹炭による環境汚染物質の吸着処理…真竹及び備長竹炭にシクロデキストリンをコーティングした複合体を用いて、吸着能を比較検討した。その結果、真竹ではシクロデキストリンをコーティングすることで、一部を除いて除去率が高くなる傾向が得られ、備長竹炭では減少、またはほぼ変わらないという結果が得られた。この結果から、改質竹炭の吸着性能には分子サイズが影響していることが示唆された。
著者
小川 吉雄 酒井 一
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.1-9, 1985-02-05
被引用文献数
13

水田のN浄化機能を解明するため,硝酸塩灌漑水田におけるN収支および水稲生育に及ぼす灌漑水中のNO_3-Nの限界濃度を調査した.結果を要約すると次のとおりである.(1)水稲が正常な生育相を示し,適正な玄米収量を得るための灌漑水中のNO_3-Nの限界濃度は,標肥,生わら施用の条件で5〜6 mg/lであろうと推定された.(2)硝酸塩灌漑水田におけるN収支を調査した結果,高濃度灌水区ほど作物体N吸収量,浸透流出N量は多くなったが,それ以上に未回収N量も多かった.(3)土壌のEh,脱窒菌数,脱窒能などの測定結果から,未回収N量の大部分は脱窒に起因するものと推定された.(4)水田の灌漑水中のN(おもに NO_3-N)浄化機能を要因別に解析した.水稲の吸収利用による浄化率は生育初期5%程度であるが,生育が進むにつれて高まり,出穂期には40%になった.脱窒による浄化率は初期は20〜30%,中期から後期は50〜55%で推移した.また,生わらを施用することにより,土壌の還元化を促進させ,生育初期の浄化率を5〜20%高める効果が認められた.
著者
北島 清彰 斎藤 忠則 清滝 修二 佐藤 安男 森田 博人 岡田 清己 岸本 孝
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.87-96, 1987
被引用文献数
1

1984年12月より1年間に,膀胱摘出後の尿路変向術としてKock回腸膀胱を作製,現在までに17症例に対して行った.患者の年齢は35歳から78歳,男性11例,女性6例,全例悪性腫瘍であり,手術はKock,Skinnerらの方法に順じて行った.Kock回腸膀胱造設術に要する時間は4〜5時間で出血量は100ml以内であった.早期合併症は3例,うち2例は尿貯留槽よりの尿漏出があり再手術,他の1例は薬剤性肝障害で死亡した.術後経過は最長14ヵ月まで見ることができたが,中期合併症(1年以内)として,尿輸出脚に形成したnipple valveに起因するものが最も多く,17例中11例,うちわけは失禁2例,カテーテル挿入困難8例,逆流3例,うち3例に再手術を行った.カテーテル挿入困難は術後2〜4ヵ月の間に急に発生することが多く,原因としては腸重積の滑脱と輸入脚の一部が嚢状に拡張したものであった.尿貯留槽の容量は300ml位が多く,3〜4時間間隔で導尿を行っている.Kock回腸膀胱は手術時間,nipple valveの形成の難しさなど問題点はあるが,電解質のバランスは保たれ,腎機能も異常なく,体外集尿器を必要とせず,現在評価できる14例中12例が快適な生活を送っており,Kock回腸膀胱はすぐれた尿路変向術である.
著者
渡辺 俊一 下川 新二 上原 景光 場集田 寿 山内 励 古園 耕治 岩村 弘志 上村 亮三 平 明
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
呼吸器外科 : 日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09174141)
巻号頁・発行日
vol.4, no.6, pp.750-754, 1990-11-15
被引用文献数
1

より生理的な肺保存法として,摘出肺の胸膜外からの空冷保存を考案し,肺換気にはhigh frequency jet ventilationを用い,その後同所性に移植した.実験は2群で,4℃生理食塩水でflushしたdonor肺を,教室で開発した空冷保存装置で2時間及び5時間保存して同種左肺移植した群では,5〜79日の生存犬7頭を得た.他の群では,血液を含む細胞外液組成液でflushした6時間保存肺を同様に移植し,術直後及び術後3日目に100%酸素下で右肺動脈を閉塞,移植肺の機能を評価した.移植直後(n=5)の動脈血酸素分圧は,両肺で398.9±47,3mmHg(mean±SE),移植肺のみで357.6±48.0mmHgで,両老間に有意差はなかった.術後3日目(n=4)では,両肺で475.7±41.1mmHg,移植肺のみで330.5±53.6mmHgで,後者で低い傾向にあったが有意差はなかった.2つの実験群から,本法の有用性及びflush後6時間の肺保存が可能なことが示された.
著者
島 知弘
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

細胞質ダイニンは、モーター活性を担う重鎖が二量体を形成して働いている。昨年度、私は別々に精製した単量体重鎖2つを二量体化させることに成功し、これによって二つの重鎖間の制御の実態を研究することが可能になった。本年度私は、まず一方の重鎖をATPと結合できずモーター活性のない、いわゆる「死んだ」変異体(P1T変異体)に代えたヘテロ二量体を作成した。P1T変異体はそれ自身では微小管から解離せず動かないはずであるが、このヘテロ二量体は1分子で微小管上を長距離運動した。この挙動はキネシンなどでは報告されておらず、ダイニン特有のものである。P1T変異体はATPと結合しないため、ATP加水分解に伴う力発生が起こらない。つまりこの結果は、細胞質ダイニンのプロセッシブな歩行には、片方の重鎖のATP加水分解過程の進行や力発生が不要であることを示している。一方の重鎖の力発生なしで二足歩行するという現象は、2つの重鎖が交互に力発生を繰り返して進むという従来型のモデルでは説明できないので、この野生型/P1Tヘテロ二量体ダイニンの運動様式を詳細かつ定量的に調べることで、分子モーターの新たな動作機構を発見することができるかもしれない。したがって今後は、光ピンセットやFIONAを用いて、野生型/P1Tヘテロ二量体ダイニンが微小管上をステップする様子を計測することで、野生型およびP1T変異体各重鎖のステップサイズ・Dwell time・力などを明らかにすることが必要とされる。またP1T変異体はそれ自身では、微小管から解離しないにもかかわらず、野生型とのヘテロ二量体になるとプロセッシブに動くことができるということから、二つの重鎖の間に機械的な張力がかかっており、片方の重鎖がもう一方の重鎖を微小管から引き離すような仕組みが存在していることが示唆される。この機械的な張力の伝達部位としては、二つのダイニン重鎖が結合している尾部末端が最も可能性が高いと考えられたが、尾部末端に柔軟なリンカーを挿入し、尾部末端を介した張力が伝わらないよう設計した二量体組換えダイニンが、リンカーを挿入していないものと同様にプロセッシブに運動することが確認された。この結果は、ダイニン重鎖の尾部末端以外の領域に、機械的な張力を伝達できる程度の強い重鎖間相互作用を示す部位が存在することを示唆している。今後は、新たなダイニン重鎖相互作用部位を同定することによって、細胞質ダイニンのプロセッシブな運動を達成させている重鎖間の制御の実態を解明できるものと期待される。