著者
樋出 守世 中村 秀男 井上 一彦 今井 奨
出版者
一般社団法人 日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.244-250, 1990-04-30 (Released:2010-10-27)
参考文献数
34

1) Strontium-90 level was determined in May 1989 in 40 sample groups of Japanese teeth, for a total of 1022 third molars, obtained from donors born in 1900-1970.2) The teeth from donors born in 1925-1931, and which were extracted in the donors' twenties did not contain detectable strontium-90.3) Strontium-90 level of the teeth from donors born in and after 1942 suddenly increased, and reached peak value of 62.8 to 72.8mBq/g Ca in 1953. It abruptly decreased after 1954 and reached approximately 20mBq/g Ca by 1970.4) In the teeth obtained from donors born in 1900-1924, and which were extracted at the age of 30 to 69, a small amount of strontium-90 was detected.
著者
中村 建助 矢口 竜太郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.587, pp.50-71, 2003-11-17
被引用文献数
3

システム開発プロジェクトの成功率はわずか26.7%。本誌が大手から中堅・中小に至る1万2546社を対象に実施した調査で、衝撃的な事実が判明した。システム開発で守るべき3条件、すなわち「QCD(品質・コスト・納期)」をクリアできなかったプロジェクトが、全体のほぼ4分の3に達した。
著者
渡辺 智恵美
出版者
別府大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

古墳時代の金属製品(刀やよろい、馬具、耳飾りなどの装身具)に残された製作時の痕跡から、それらを製作する技術や道具を調査した。調査方法として顕微鏡観察のほか、X線CTスキャンや三次元計測、材料の成分分析といった自然科学的方法も応用した。その結果、耳飾りの製作工程の復元を通して、使用された道具や方法を解明することができた。また、よろいなどの鉄製品に残された、板を切断した痕跡から、使用された道具の刃先の大きさも推定できた。
著者
岩下 晴彦
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.833-842, 1995-12-31
参考文献数
27
被引用文献数
5

1988年8月24日14時20分頃大阪国際空港(伊丹)付近で発生した突風を解析した結果,この突風は2つのダウンバーストによるものであり,約1時間半前に芦屋市付近で発生して東北東へ進んだエコーと北北西から南下したエコーが合体して成長し活発になった時に発生したことがわかった.ダウンバーストに伴う最大瞬間風速は,空港の滑走路南端寄りの風速計で14.6m/sと18.2m/sでその間隔は8分間であった.空港では強風の発生する約30分前から降水域に入って明瞭な気温降下と約1hPaの気圧上昇があった.2番目のダウンバーストの終了時には一時的で急激な湿度降下(humidity dip)と約1hPaの気圧降下が見られた.地上で降雹は報告されていない.
著者
藤野 陽子 荻野 洋一郎 鮎川 保則 古谷野 潔
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は埋入されたインプラント周囲に発現する骨タンパク質をチタンにコーティングすることで、オッセオインテグレーションを促進できるかを検討するものである。本研究期間では、チタンに非コラーゲン性タンパク質であるオステオポンチン(OPN)、オステオカルシン(OCN)をコーティングした場合のコーティング効果と骨芽細胞(マウスセルライン、MC3T3-E1)を培養し、その接着、増殖、分化を検討した。さらに、ラットの脛骨を用いたin vivoモデルでの骨接触率の検討を行ったインプラントに各タンパクのコーティングを行い、免疫組織化学的な手法によってタンパクの吸着を確認した。接着に関しては、OPNでは初期に抑制傾向が認められたものの、その後の接着は促進される傾向にあった。OCNでは初期から促進傾向が認められたが、その後の接着はOPNほどの促進傾向は認められなかった。接着後の増殖では24、72時間後の細胞数をMTT Assayにて計測を行った。また、分化に関しては、ALP染色と細胞から分泌されるOCNの量を測定したが、その差は顕著なものではなかった。ラット脛骨へコーティングインプラントを埋入した動物実験モデルではインプラントを埋入し、2週間後に屠殺し、組織学的検討を行っている。(現在標本作製中)つまり、今回の実験系からは、以下の事項が確認、示唆された。1)OPNとOCNは細胞の初期接着を促進する傾向が認められた。2)接着後の細胞の増殖、分化に関しては、初期接着ほどの効果は認められなかった。これは、OPN、OCNのコーティング効果が弱くなることや、初期接着後のメディウム交換で、コーティングの効果を減弱させること、さらには、接着への影響を極力少なくするために2%FBSを添加したメディウムがその後の増殖や分化(分化の培養系では、10〜15%のFBSを添加したものを通常用いている)を通常のレベルで起こすことが出来なかったことがその一因として考えられた。3)in vivoの実験は現在、標本作製中なため、改めて報告を行う予定である。
著者
山本 泉
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-28

腎臓におけるCaveolin-1発現の意義について、Caveolin-1遺伝子改変マウスを用いて、各種実験腎炎モデルを検討した。①虚血再灌流、②尿細管結紮、③eNOS阻害剤投与、④抗VEGF抗体投与の各モデルで、ワイルドタイプの腎内微小血管内皮細胞のカベオラおよびCaveolin-1発現量に変化を認めなかった。一方、間質線維化を評価したところ、尿細管結紮モデルおよびeNOS阻害剤投与モデルで、Caveolin-1ノックアウトマウスにおける間質線維化増加を確認した。間質線維化を促進するマクロファージ浸潤は、尿細管結紮モデルにのみ生じ、Caveolin-1ノックアウトマウスにおいて強く認められた。
著者
相良 英輔 山崎 亮 濱田 敏彦 諸岡 了介
出版者
広島経済大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

(1)近世前期(1600年代)、田部家の居住する吉田町での田部家の経済活動を明らかにすることができた。(2)近世中期、たたら製鉄を幕府が専売制にすることにより、生産者である田部家等の鉄師が苦境に陥ったが、その具体的な実態を明らかにすることができた。(3)19世紀後半(1850年代から1860年代)鉄の需要が拡大し、田部家も大きな利潤を得、資産を拡大していったことを明らかにし、さらに1865年吉田町は大火により町全体が焼失するが、その詳細な史料を見出し、全貌を明らかにすることができた。
著者
古屋鉄石 著
出版者
博士書院
巻号頁・発行日
1908
著者
齋藤 隆広
出版者
関西憲法研究会
雑誌
憲法論叢 (ISSN:1343635X)
巻号頁・発行日
no.12, pp.29-49, 2005-12-17

Act on the Protection of Personal Information was enacted in December 2003. This study aims to analise the backgrounds of the Act and how to deal with the issue in relation to personal information based on the guidelines and precedents which are applied to medical institutions.

1 0 0 0 OA 行為論の現在

著者
岡部 勉
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.51, pp.33-46, 2000-05-01 (Released:2009-07-23)

The origins of the current philosophy of action, it might be said, are G. E. M. Anscombe (Intention, 1957) and D. Davidson (Action, Reasons and Causes, 1963). But I suspect we are now in a dark forest, not to say desert, remote from those origins. From the 1980s, philosophers have accumulated books and papers on intentionality and on causation. I contend that the philosophy of action must be appropriately connected with the philosophy of mind, on the one hand, and with the philosophy of language, on the other. I make enquiries in this paper whether arguments about intentionality, which is said about action, consciousness, and language likewise by philosophers, can give a basis for the connection expected among those; and whether arguments about causation can contribute towards giving such a basis.
著者
藤田 耕之輔 李 克己 伊藤 純樹
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

環境ストレスによる阻害を軽減した植物生産システムを確立することを目指し、リアルタイムで環境ストレスを評価し、診断する方法について一連の研究を実施している。今回は、栄養ストレスを取り上げ検討した。すなわち、歪みゲージ式変位計により測定した茎・果実の径変化を主体に、これと光合成、転流、水分状態などとの相互関係について調査した。実験は、供試植物として水耕栽培した第1花房果実肥大期のトマト(品種 桃太郎8)を用い、処理としてリン(P)無添加を行い、茎径および果実径、光合成など各種のパラメータについて平行して測定した。その結果、(1)光合成速度は低P処理後12日目に低下したのに対し、(2)茎径は処理後6日目に、果実径では9日目にそれぞれ低下した。一方、窒素(N)ストレスについてもほぼ同様の実験を行った。その結果、Nストレス処理(N欠如)によって、(1)茎径は処理後1日目に影響がみられ、昼間の収縮が小さく、夜間の肥大速度も低く、(2)果実には処理の影響は認められず、(3)葉の光合成速度は処理3日後に低下し、(5)葉の水ポテンシャルは7日目に低下した。以上の結果を総合すると、茎径を歪みゲージ式変位計で計測することによって、他のパラメータより早期にNおよびPストレスの影響を計測しうることが判明した。また、栄養状態がトマトの果実生産へ与える影響は、ソース・シンク関係から次の様に理解される。Pストレスは光合成能(ソース)よりも果実肥大(シンク)をより早期に阻害するのに対して、Nストレスはソース能を阻害するがシンクに対する影響は小さいものと推定される。

1 0 0 0 OA 二つの合理性

著者
神崎 繁
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.50, pp.42-60, 1999-05-01 (Released:2010-05-07)
参考文献数
44

人が学ぶのは技巧ではなく、正しい判断を学ぶのである。もちろん規則はあるが、それは如何なる体系もなしておらず、ただ経験を積んだ者のみがそれを正しく適用することができる。それは計算の規則とは異なっている。ここで、最も困難なのは、この不定な規則を正しく、しかも改変を加えることなく、表現へともたらすことである。[ヴィトゲンシュタイン『哲学探究』第二部.xi]
著者
根本 清光
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

中枢神経系で重要な役割を果たすNMDA型グルタミン酸受容体(NMDAR)の2Cサブユニットの遺伝子(Grin2c)が、肝細胞肥大誘発作用、肝細胞傷害性あるいは肝細胞増殖性肝肥大誘発作用を示す化学物質の投与ラット肝臓で顕著に発現亢進することを見いだし、これら化学物質の作用にNMDARが何らかの役割を果たすものと推定された。しかし、肝細胞株でこのような化学物質によるGrin2c遺伝子の発現亢進を見いだすことができず、他の細胞種から産生される因子など間接的な要因で発現亢進が引き起こる可能性が考えられた。