著者
池田 真弓
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

平成25年度は、マインツのペーター・シェーファーの印刷所より出版された2部の挿絵入り本草書(1484年出版『ラテン語本草書』と1485年出版『健康の庭』)の図版の分析と制作過程の解明を進めた。これら2部は、同印刷所が初めて木版画を多用して印刷した作品であるのみならず、本格的な図版入り印刷本草書としてはヨーロッパ最初期のものである点で、重視すべき研究対象である。当年度は、本調査対象の基礎研究を中心に行った。まず年度前半に、国内で手に入る二次資料を用いた基礎調査を行った。さらに、8月と11月の2度にわたって渡独し、一次資料や、国内で手に入らない二次資料の調査を行った。現地では、マインツのグーテンベルク博物館付属図書館、ベルリン州立図書館、フランクフルト大学図書館で、それぞれ『ラテン語本草書』、『健康の庭』など、複数の一次資料や、貴重な二次資料などを調査した。この実地調査により、挿絵の彩色の特徴や、挿絵を担当した画家に関する知見を広めることができたほか、『ラテン語本草書』の編纂者特定につながり得る貴重な情報を得ることができた。また、ベルリン州立図書館の研究員との面会が実現し、研究に関する情報交換を行った。本研究でこれまでに挙げた成果については、まず11月に、マールブルク大学美術研究所主催の学会Nraturwissenschaft und Illustrationen im 15. und 16. Jahrhundertにて発表を行った。そこで得られたフィードバックをもとに、12月には慶應義塾大学主催の国際シンポジウム「写本および初期刊本におけるテクストと挿絵―比較研究の試み―」でも研究発表を行った。
著者
ワグナー トーステン
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は、光アドレス電極(light-addressable electrodes)とlight-addressable potentiometricsensor(LAPS)を融合した新たな測定系を構築する事である。両測定系は光源の移動や形状により関心領域を定義可能であり、本研究は、両者をひとつの測定系として融合させた初めての試みとなった。測定系の構築において、digital light processing(DLP)を照射領域可変の光源として使用し、マイクロ測定チャンバ内において、光アドレス電極によって局所的に生成したpH変化を、LAPSによって検出することに成功した。本研究によって、光アドレス電極とLAPSを融合した新規測定系の有用性と可能性を示すことができ、さらに両測定系のより深い知見を得ることもできた。

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1931年06月10日, 1931-06-10
著者
飯野 宏
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.389-397, 1967-04-01

所謂精子免疫による女性不妊の研究の一環として,抗原を雌動物に経腟経路で投与した場合にみられる現象を検討した.即ち,モルモツト睾丸乳剤を用いこれを雌モルモツト性器内に注入して経腟免疫が可能であるか否かを検べ,次いで異種蛋白を用いて経腟免疫動物にみられる免疫現象の特徴を追求した.同種睾丸乳剤で経腟免疫すると,循環抗体はFreund's Adjuvantを使用したときのみ出現するが低値であつた.しかし子宮感作はAdjuvant使用や免疫期間と関係なく著明であつた.異種蛋白で経腟免疫すると,Adjuvantを使用しなくても抗体を認めたがやはり低値であつた.これに対し子宮は生体で抗原を作用させたとき著明に収縮した.又螢光抗体法で全身の網内系組織に抗体を認めなかつたにも拘らず子宮頚管組織には明らかな螢光を認めた.以上の事より経腟免疫動物にみられる免疫現象の特徴は循環抗体よりも性器が強く感作される事であつた.
著者
川名 尚 井上 栄 山口 宣生 吉川 裕之 加藤 賢朗 白水 健士 本藤 良
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1990

1.単純ヘルペスウイルス(HSV)のPCR法による検出 昨年度に確立したPCR法を用いて臨床検体からのHSVゲノムの検出を試みた。臨床検体は、女性性器より採取した。外陰や子宮頸部から綿棒にて擦過して得たものを、培養液にてすすぎ検体とした。これらを遠心後、上清を培養R-66細胞に接種してウイルスの分離を行った。沈澱よりDNAを抽出し、PCR法にてHSVゲノムの検出を行った。分離されたウイルスは、螢光標識マウスモノクローナル抗体を用いて固定と型の決定を行った。 臨床検体の検討に先き立ち、新鮮分離株 HSV-1 50株、HSV-2 34株の計84株についてPCR法を用いて検討した結果、全例に陽性所見を得た。また、型分けについても100%一致した。以上より、このPCRの系は、本部で分離されるHSVの株は、1型、2型共にほとんど検出できることが判明した。臨床検体は、妊婦、性器ヘルペスなどから得られた94例について検討した。1型分離陽性が5例、2型分離陽性が13例であった。これらについて、PCR法を行った所、1型につては5例全例、2型については、9例(69%)に陽性所見が得られた。 一方、分離陰性の76例中8例(11%)に陽性所見が得られた。分離陽性でPCR法陰性になった例は、ウイルスDNAが十分とれてなかった可能性が考えられる。一方、分離が陰性でもPCR法が陽性であることからPCR法の方が感度がより良い可能性が示された。2.ヒトパピローマウイルス(HPV)のPCR法による検出 昨年度確立したコンセンサスプライマーを用いる性器に感染するHPVの検出法を外陰部や子宮頸部の病孝に応用し、本法の高い感度と特異性が証明された。

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1931年06月22日, 1931-06-22

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1932年04月26日, 1932-04-26

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1934年08月17日, 1934-08-17
著者
上田 修功 斉藤 和巳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.282-289, 2004-03-15
被引用文献数
10

前回,テキストモデリングではトピックの多重性を如何にモデル化するかがポイントであり,かつ,単一トピックのNBモデルを要素分布として混合した混合NBモデルでは多重性は表現できないことを説明した.これを受けて,本稿では,前回でも簡単に紹介したトピックの多重性を扱う3つのモデル(pLSA1) LDA2) PMM3))について解説する.
著者
清水 和巳 上條 良夫 大薗 博記
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

我々は、1)構成員の匿名性の維持、2)利害関係を大幅に変化させるような外部装置を用いない、という二つの基準を満足させ、かつ、協力関係を形成・維持すると考えられる三つの仕組み(①協力・協調の難易度の段階的変化、②変化の内生性、③目標値の調整)について考察を行なった。その結果、上記三つの仕組みが鹿狩りゲームの調整問題を解決するのに有効であり、かつ、多値選択型の囚人のジレンマにおける協力の失敗の解決にも有効であることがわかった。囚人のジレンマは環境問題などと構造的に同型であり、鹿狩りゲームは年金未納問題と構造的に同型と考えられるので、この研究成果は現実の様々な問題解決の糸口となることが期待できる。
著者
金田 直子 春木 敏 子安 愛 大畑 千弦 鍛冶 晃子 太田 愛美 髙塚 安紀穂 西岡 愛梨 永樂 芳 平田 庸子
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

早期食健康教育に向け,4・5歳児と保護者を対象とする食育プログラムを幼稚園教諭らと協同開発し,2度のプログラム実践を踏まえ有用性・汎用性を確認し,食育支援キット(食育案・教材・参考資料)を作成した.食育支援キット普及に向け,幼稚園教諭・保育士らを対象に食育研修を実施しO市内幼稚園・保育所園420施設(70%)に配布した.園・家庭・地域を結ぶ幼児食育に向け,養育者を対象とするメタボリックシンドローム予防を視野に入れた家族ぐるみの食育講座を併せて実施・評価をしたところ,日々の食生活改善につながることが確認された.家族ぐるみの幼児食育推進は,少子高齢化の進むわが国における食・健康づくりの一法となる.
著者
松田 美佐
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.129-135, 2004-08-01
参考文献数
44

本稿では,監視社会化が進みつつある中,急増するカメラ付きケータイの「位置」を探ることを目的とする.カメラ付きケータイは個人的な「楽しみ」のために利用されているものの,監視システムがネットワーク化,データベース化する中で,結果として,監視のための「端末」となる可能性をもっている.そこで,監視カメラの遍在する現状を紹介しながら,今日的な監視システムをとらえるには相互監視モデルが有効であることを示した上で,そのようなシステムの拡がりを,「安全」「信用」「配慮」という三つのキーワードで分析し,カメラ付きケータイが占める「位置」を模索する.
著者
駒井 匠
出版者
仏教史学会
雑誌
仏教史学研究 (ISSN:02886472)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.30-47, 2012-11
著者
鈴木 敏和
出版者
和洋女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

肥満は不妊の一要因である。本研究では、高脂肪食マウス肥満モデルにおける雄性不妊の機構を解析した。また、雄性不妊の改善に効果が期待されている栄養素L-カルニチンの効果についても調べた。肥満に伴って、精子運動能の低下と交配させた雌マウスの妊娠率の低下が見られた。L-カルニチンによる肥満雄マウスの妊孕能改善はみられなかった。精巣上体尾部の遺伝子発現解析の結果、肥満マウスでは精子成熟の過程でDNA損傷が引き起こされていること、その一部にpiRNAが関与していることが示唆さされた。
著者
長谷川義一 編
出版者
在郷軍人写真館出版事務所
巻号頁・発行日
vol.越智郡,周桑郡,新居郡,宇摩郡之部, 1917
著者
原 由紀男 中西 幹郎 小林 文明
出版者
日本流体力学会
雑誌
日本流体力学会年会講演論文集 (ISSN:13428004)
巻号頁・発行日
vol.2001, pp.47-48, 2001-07-31
参考文献数
1

In order to examine the generation mechanism of a cumulonimbus that caused a heavy rain in Tokyo urban area on 22 July 1999,three numerical experiments are performed with a mesoscale simulation model; Case 1 (control run) refers to a nearly realistic experiment, Case 2 an experiment without urban effects, and Case 3 an experiment without raindrop evaporating effects. Although Cases 2 and 3 show slightly different distributions of wind and cloud from what are simulated for Case 1,all the cases reproduce clouds that occurred over Tokyo urban area. This may suggest that the main source generating clouds over Tokyo urban area lies in other effects, e.g., the convergence of sea breezes from Tokyo Bay and Sagami Bay.
著者
和田 小依里
出版者
京都府立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

近年、炎症性腸疾患患者数が増加しており、食生活の変化がその要因の一つとも言われている。発酵食品の摂食量は減少しているが、一方で発酵食品中の因子が腸炎改善作用を有する可能性を示唆するエピソードが存在する。我々はデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発大腸炎モデルマウスを用いて、発酵食品の一つである日本酒中のいくつかのペプチドが、数 mg/kg/日以下の微量の経口投与で大腸炎抑制作用を示すことを見出した。