著者
谷川 和昭 趙 敏廷 高尾 茂子 原 直子 張 允禎
出版者
日本人間関係学会
雑誌
人間関係学研究 (ISSN:13408186)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.11-20, 2013-01-29

The objective of this study was to extract, classify and interpret what kind of characteristics contribute to community welfare. A questionnaire survey was conducted on 122 students of social welfare in a group setting in July 2009. Participants were also asked to provide free written comments about "what kind of characteristics contribute to community welfare." The researchers analyzed 50 responses. Data were analyzed using KH Coder (Ver.2.beta.27) developed by Higuchi (2011), in which hierarchical cluster analysis and correspondence analysis are conducted, and the results were examined and classified. Nine clusters of characteristics were extracted as a result of the hierarchical cluster analysis. The researchers also divided the results into four word groups based on correspondence analysis. When the results of the hierarchical cluster analysis and those of the correspondence analysis were compared, a close relationship was observed. The present findings regarding characteristics that contribute to community welfare can be applied to the promotion of community welfare.
著者
浜口 典茂
出版者
三重県立四日市工業高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2008

研究者は、工業高校においてものづくりが与える豊かな創造性を育てる意義に注目し、工業教育にものづくりを取り入れた学習効果を期待した研究を進めている。本研究では、建築教育とものづくりを融合させた授業カリキュラムに絞り、高校生の建築設計に対する興味と関心を高めることを目的にした実践研究を行った。具体的には、軽トラックに積載する軽量茶室を計画し、「生徒が設計した茶室を自らが建築する」というコンセプトで、高校生が建築製図とものづくりを学習する上での問題と学習効果を検討した。研究の流れは、次の通りである。1)茶室の計画、2)建築CAD・CGの作図と検討、3)スタディー模型の製作と検討、4)茶室製作に関する資料収集、5)原寸模型の製作と室内空間の検討。建築製図を木材加工と関連づけたことによって、生徒には製図を描く目的が明確になり、生徒の意欲の向上につながった。茶室の詳細部分の設計では資料収集が必要であるが、ここにおいても自主的に資料収集を行う姿勢が身についた。また、製作過程においては、建築CAD、模型製作、プレゼンテーションの技術やテクニックの向上につながった。特に、模型製作においては、スタディー模型、比較模型、原寸模型の異なったサイズの模型を製作しその効果を検証した。原寸模型の茶室においては、茶道の体験を取り入れることができたためより正確な空間把握が可能となった。原寸模型で使った主な模型材料はスタイロフォーム(厚15mm、30mm)で、天井高や空間サイズを検証する上では設計変更や接着が容易なことから利用効果が大きいと考える。今後は、軽量茶室の施工方法と軽量化対策について検討を深める必要がある。
著者
大畠 雅之 徳永 隆幸 吉田 拓哉 望月 響子 永安 武
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.1151-1155, 2010
参考文献数
8

瘻孔再発を繰り返した直腸尿道瘻術後の高度排便障害に多孔性ポリウレタン肛門用装具(アナルプラグ)使用でQOLの改善が得られた症例を経験したので報告する.症例は10歳男児.直腸尿道瘻の診断で生後9か月に根治術を受けたが術後直腸尿道瘻が再発した.3回の瘻孔閉鎖術不成功の後,7歳5か月時に腹仙骨会陰式Endorectal pul-through法による直腸尿道瘻閉鎖が行われた.その後難治性の便失禁に陥り,人工肛門,MACE法による排便管理を予定したが家族の希望で多孔性ポリウレタン肛門用装具の使用を試みた.使用開始当初の肛門違和感克服後便失禁症状の著明な改善がみられた.成長期の小児にとってアナルプラグの長期効果は不明であるが,肉体・精神発達時期の小児にとって一時的とはいえ失禁の不安から解放される時期を提供できる有効な治療法の一つと思われる.
著者
水谷 泰久 水野 操 石川 春人
出版者
大阪大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-06-28

タンパク質は人工の分子では成し得ない高度な機能を有する。したがって、タンパク質を理解することは生命現象の理解のみならず、高度な機能性分子の創成に重要なヒントを与える。タンパク質の機能発現では、複数の機能単位が相互に連動して構造変化することが必須の役割を果たす。そのため、その機構解明には安定構造をもとにした議論のみでは不十分であり、機能する際に起きる構造変化を明らかにすることで理解が進む。本研究課題では、主に時間分解共鳴ラマン分光法を用いて、機能部位間の連動的な構造変化を可能にするタンパク質の構造変化と、構造変化を駆動する分子内のエネルギーフローを明らかにした。
著者
玉川 奨 香川 宏介 森田 武史 山口 高平
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

Wikipediaは語彙網羅性や即時更新性に優れており,半構造情報資源であることからオントロジー構築のための情報資源として優れています.私たちはこれまでに日本語版Wikipediaの様々な構造を利用し,大規模で汎用的なオントロジーを構築する手法の提案を行ってきました.本稿では,我々が構築した日本語WikipediaオントロジーのLODに向けた取り組みをご紹介します.
著者
瀬古 弘
出版者
気象庁
雑誌
気象庁研究時報 (ISSN:03685942)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.1-74, 2010
被引用文献数
1
著者
小倉 義光
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.p439-465, 1990-07
被引用文献数
3
著者
山口鍖太 著
出版者
日進堂
巻号頁・発行日
1915
著者
松下 貞三
出版者
同志社大学国文学会
雑誌
同志社国文学 (ISSN:3898717)
巻号頁・発行日
no.3, pp.91-117, 1968-03
著者
松下 貞三
出版者
同志社大学国文学会
雑誌
同志社国文学 (ISSN:3898717)
巻号頁・発行日
no.1, pp.94-111, 1966-03
著者
大桃 敏行
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育學研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.291-301, 2000-09-30

地方分権の推進が今日の大きな改革課題の一つになっている。小論の目的は行政の地方分権化と公教育概念の変容について次の三つの視点から考察することにある。第一は、今次の地方分権に向けた改革が中央から地方への権限の移動だけでなく、行政のあり方の変革を迫っていることである。現代国家において、行政は立法府の政策を忠実に実施するだけの機関ではない。むしろ、政策形成において重要な役割を担うとともに、その執行においては広範な裁量権を有している。このことは行政自体が政策のための価値の選択・序列化に深く関わっていることを意味し、今次の改革は地方段階における行政のより開かれた制度の設立を求めるものである。このことは官僚制の緩衝装置の弱体化をもたらし、親や住民への説明責任、彼(女)らへの応答責任を高めることを教職に求めることになろう。第二は、地方分権が規制緩和や公共サービスの民営化といった政府機能の縮小に向けた潮流と密接に関わって進められていることである。教育の領域において、規制緩和や民営化はまず生涯学習において進められ、次に学校教育にも導入されてきた。このような変革は、主に国家に依拠した公教育概念から、国家、私企業、ボランティア団体など多様なセクターが教育機会の供給に関わる「公教育」概念への変容をもたらすことになろう。この地方分権化と政府機能の縮小という二つの大きな改革潮流が交差するとき、公共セクターが教育においてどのような役割をどの程度までどのように担うべきかを決定する重い責任が、各自治体の住民の手に置かれることになる。第三は、教育の地方分権化を進めていくうえで独自の課題が存在することである。行財政機構の地方分権化が多様性をもたらすことは明らかであるが、別言すれば、それは自治体間の公共サービスの不平等を意味する。この「多様性」を正当化する一つの論拠が、意思決定を行うものがその結果に責任を負うべきであるという自治論である。しかし、教育の場合、公共サービスの意思決定者(大人)とその受給者(子ども)が異なるために、これは妥当な原理とはならない。さらに、大人の間での参加民主主義の実現と将来の民主的シチズンシップの育成とは同義でない。学校の主要な目的が将来の市民の育成にあるのなら、地方分権化自体は教育改革の目的にはなり得ない。地方レベルでの参加型の意思決定システムに向けた改革が学びの場の変革に実際にいかなる影響を持ちうるのかが問われなければならない。この点の考察を欠いた参加賛美論は危うい。歴史的に見れば、教育行政の専門化と等しい教育機会の保障のための国家関与は、参加と自助の地方自治の制限に依拠して求められた。
著者
大野 仁美
出版者
麗澤大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

この研究では、アフリカ南部で話されているコイサン諸語・コエ語族内においてさまざまな点で「非コエ語族的」な特徴を有するガナグループの位置づけを再考するために、親族名称体系と文法体系の2つの観点から、ガナグループ成員内・コエ語族内における比較対照を、さらに語族の枠を越えて近隣の言語であるホアン語との比較対照をおこなった。その結果、ガナグループにみられる「非コエ語族的」な特徴は、文法項目においてはコエ語族内で歴史的変遷の結果もたらされた連続体の一部として位置づけ可能であるが、親族名称・親族体系に関しては外部との接触によって獲得されたものとみなすべきであるという結論に達した。
著者
佐藤 眞一 倉本 満 小野 勇一
出版者
The Herpetological Society of Japan
雑誌
爬虫両棲類学雑誌 (ISSN:02853191)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.119-125, 1994

九州の21地点から採集したブチサンショウウオ108個体の斑紋と体の大きさを比較した結果,地理的に隔てられた3型が区別された.九州北部に分布する北九州型は頭胴の背面に白斑をもたない.大分の中九州型と祖母山地以南の南九州型では白斑がよく発達しているが,前者は大形,後者は小形である.北九州型は中九州型に比して相対的に四肢が短く頭幅は大きい.これらの3タイプは系統的に異なり,九州の地史と関連して分化したものと考えられる.