著者
Morio FUJII
出版者
一般社団法人 日本オリエント学会
雑誌
Orient (ISSN:04733851)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.77-83, 2002 (Released:2008-03-24)
参考文献数
36
被引用文献数
1
著者
大澤 義明 小林 隆史
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

計量的考察において,具体の関東地域の自治体の将来人口を推定し20歳(18歳)以上のメディアンを算出し地理情報システムなどを用いて時間的かつ空間的に見える化し,投票年齢引き下げの影響を分析した.また,北関東3県自治体の将来予測人口と,各自治体が策定する総合計画の目標人口とを比較することにより,目標人口の過大推計度合いを定量的に明確にした.さらに,茨城県内44市町村を対象とし,東日本大震災による現時点での人口流出の影響を分析した.理論的考察において,異なる人口ピラミッドを持つ2地域にて2政策を選択するモデルを構築し,地域間距離や選挙区の大きさと各地域の投票による政策結果との関係を解析的に導いた。
著者
小林 昭彦 小関 廣明 増子 毅 大和田 康夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.634-638, 2000-05-01
参考文献数
11
被引用文献数
9

術前診断に小腸造影検査が有効であった内ヘルニアを2例経験したので報告する.症例1は44歳の女性.腹痛・嘔吐を訴え, 腹部単純X線でイレウスと診断した.保存的治療が奏効せず, 33日目に開腹したところ大網裂孔ヘルニアを認め, 陥入した空腸は小網と癒着し, 絞扼性変化をきたしていた.空腸部分切除とヘルニア孔閉鎖を施行した.症例2は57歳の男性.腹痛を訴え, 腹部単純X線でイレウスと診断した.保存的治療が奏効せず, 21日目に開腹したところS状結腸間膜内ヘルニアを認め, 陥入した回腸は後腹膜と癒着していた.腸管切除は行わず, 癒着剥離とヘルニア孔閉鎖を施行した.2症例とも開腹歴はなく, イレウス症状をきたし, 小腸造影では狭窄部位で腸管の先細り像を認めたが, 血管造影, CTなどの検査では異常を認めなかった.このような症例においては, イレウスの原因として内ヘルニアを念頭に置く必要があると考えられた.
著者
前島 洋平 佐藤 靖史
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

慢性腎臓病(CKD)は末期腎不全・心血管疾患の危険因子である。本研究では、内在性血管新生制御因子Vasohibin-1のCKDの病態における機能的解析を行った。Vasohibin-1欠損マウスにおいて野生型マウスに比して、糖尿病性腎症、尿細管間質病変、急性腎障害が増悪した。CKD患者にて、腎組織でのVasohibin-1発現は半月体形成、間質炎症細胞浸潤と相関し、血・尿中Vasohibin-1濃度高値群では、将来的な腎機能低下進展のリスクが増加した。内因性Vasohibin-1のCKD病態における腎保護的効果並びに新規バイオマーカーとしての可能性が示唆された。
著者
Kazuhiro YAMADA Nozomi MAEDA Junko NOGUCHI Hideaki YAMADA Emi MORINAGA Hitomi YATAKE Yuji YAMAMOTO Tadahiro TADOKORO Tetsunori KAWATA
出版者
Center for Academic Publications Japan
雑誌
Journal of Nutritional Science and Vitaminology (ISSN:03014800)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.238-242, 2013 (Released:2013-07-25)
参考文献数
23
被引用文献数
3 5

The influence of maternal vitamin B12 malnutrition on testicular development of offspring was examined using soy protein-based B12-deficient diets with or without 0.5% DL-methionine supplementation. Dams were fed the B12-deficient diet throughout gestation and lactation, whereas dams in a control group were fed a control diet which contained cyanocobalamin in the B12-deficient diet without methionine. Offspring born to dams fed the B12-deficient diet without methionine showed poor testicular development, e.g. decreased numbers of seminiferous tubules containing healthy spermatocytes and a high ratio of apoptotic cells per all germ cells. The abnormality was rarely observed in the group fed the B12-deficient diet with methionine. It was likely that the testicular abnormality of offspring was caused by B12-deficiency post partum and was prevented by the methionine supplementation. These observations suggested that maternal B12 nutritional status during the pre-weaning period is quite important for spermatogenesis of male offspring and that the requirement of B12 for testicular development is to produce active B12-dependent methionine synthase.
著者
西村 正登
出版者
山口大学大学院東アジア研究科
雑誌
東アジア研究 (ISSN:13479415)
巻号頁・発行日
no.8, pp.149-164, 2010-03

戦後のアメリカの道徳教育は、次の三大潮流に集約される。第一は、「価値の明確化」による道徳教育である。これは1960年代~70年代にかけてアメリカ西海岸を中心に主知主義的な教育への反省の上に立って、「学校の人間化」をスローガンにして推し進められたものである。第二は、1970年代~80年代にかけてコールバーグを中心にして発展したモラルジレンマによる道徳教育である。コールバーグは道徳的判断に関する3水準6段階の発達段階を提示し、アメリカのみならず広く世界に道徳教育の理論的枠組みを提供した。第三は、1990年代以降に発展したキャラクター・エデュケーションである。これは学校の危機的な状況を救うためには、まず基本的な道徳的内容を直接子どもに教えることが必要であり、民主主義社会に必要な普遍的道徳的価値を教えることが必要であると説いた。本稿では、この3つの道徳教育の理論と実践を比較しながら考察することにより、「道徳教育で普遍的価値を教えるべきか否か?」という問題を教育の原点に立ち返って吟味し、日本の道徳教育の現状も合わせて考察しながら、今日の道徳授業に必要とされるエキスを洗い出していくことを目的にしている。
著者
村上 貴美子
出版者
関西福祉大学社会福祉学部研究会
雑誌
関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:1883566X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.39-47, 2013-03

1907(明治40)年3月19 日法律第11 号として公布された癩予防ニ関スル法律は,1996(平成8)年3月31 日法律第28 号をもって廃止されるまでの約1世紀にわたるハンセン病対策の基本政策を形成した.本論は,癩予防ニ関スル法律の制定要因を検証することにより,その後の差別意識醸成の根源の一つが法制定時に内在することを明らかにした.癩予防ニ関スル法律の制定に至る過程は,三段階に分けて考えることができる.第1段階は,ハンセン病を伝染病としての取り扱いを議論する段階であり公衆衛生上の論法である.第2段階は,伝染病対策を急性伝染病対策と慢性伝染病対策に分離する段階である.第3段階は,単独法として癩予防ニ関スル法律の制定を議論する段階である.この間一貫している論調が「国家の体面」であり,伝染病の怖さの強調である.この伝染病癩の怖さの強調がその後の差別意識醸成の根源の一因となった.
著者
佐伯 文昭
出版者
関西福祉大学社会福祉学部研究会
雑誌
関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:1883566X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.85-92, 2013-03

現在,多くの保育所・幼稚園において,障害児保育が行われている.障害児保育に携わる保育者の支援の一つとして,巡回相談がある.本稿では障害児保育の歴史を顧みた後,巡回相談の定義,実施概要,コンサルテーションとしての機能,支援モデル(支援の視座)について概観した.特にICF の視座は,子どもの個人的特徴のみならず,環境因子(自然環境,社会環境,物理的環境,人的環境)を視野に入れ,アセスメントや支援を展開していくことを重要視するものであり,医療分野だけではなく,保育や幼児教育の現場においても有効と思われる.ICF は「生物・心理・社会的」アプローチであり,子ども自身やその家族,社会をより広い視野で把握することのできる有効な概念である.今後,保育所・幼稚園における巡回相談の支援モデルのさらなる探究,ICF の視座に基づく保育支援の実践が強く求められる.
著者
佐々木 健
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

シクロデキストリンの非共有結合性相互作用を利用する大規模自己組織化体の人工的な構築法を開発し,この手法を光合成系光集光過程の人工的モデルであるポルフィリン多量体形成に応用した。今回,ポルフィリン平面の上下に4個,計8個のシクロデキストリンを有するホスト分子の合成に成功し,水溶性ポルフィリンと錯形成することでポルフィリン多量体が構築できることを示した。また,光機能分子の数と配置によりエネルギー移動効率が大きく変化し,多量体内での光機能を自由に制御できる可能性を示した。

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著者
満鉄経済調査会 編
出版者
南満洲鉄道
巻号頁・発行日
vol.第29号 ソ聨農業統計集, 1940
著者
佐藤 時幸 亀尾 浩司 三田 勲
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.265-274, 1999-07-25
参考文献数
27
被引用文献数
17

北大西洋で設定された最上部新生界の石灰質ナンノ化石対比基準面を古地磁気層序および酸素同位体層序と比較し,少なくとも第四系は10万年のオーダーで年代決定が可能であることを改めて指摘した.その結果から房総半島および本邦に分布する海成第四系に発達するテフラの地質年代を石灰質ナンノ化石層序から総括し,近年報告された広域テフラ対比が支持できることを示した.また,石灰質ナンノ化石層序と酸素同位体ステージとの関係に基づいて,上総層群に認められるテフラ鍵層と酸素同位体ステージとの関係もあわせて明らかにした.一方,鮮新世の石灰質ナンノ化石群集は,日本海側が北極海域の群集と類似し,太平洋側が低緯度海域の群集に対比される.これは鮮新世の古海洋が日本列島を挟んだ東西でまったく異なった生物地理区を形成していたことを示唆する.本論ではその群集変化が,パナマ地峡の成立と関連した鮮新世古海流の変遷によることを述べた.
著者
三浦 収
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は、宿主と寄生生物の相互作用に着目して、進化生態学の重要課題である生物多様化機構を解明することである。本年度は、前年度に得たアメリカ熱帯地方のデータの補強と日本で得た宿主(Cerithidea)と寄生虫(二生吸虫)のデータ解析を行い、太平洋を挟んだアメリカ-アジア間で生じた宿主の種分化が寄生虫の多様化に及ぼす影響を明らかにすることを目標とした。まず初めに、日本のCerithideaに感染している寄生虫相を明らかにするために、日本に生息する5種のCerithideaの解剖実験を行った。その結果、合計32種の寄生虫を得ることができた。これらの寄生虫とアメリカの寄生虫との関連性を分子系統学的な手法を用いて比較したところ、アメリカとアジアの寄生虫は比較的古い時代に分化していたことが明らかになった。特に注目すべき点として、アジアに生息するCerithidea largilliertiはアメリカに生息するCerithideaと近縁な関係にあるにも関わらず、その寄生虫はアジアで見つかった他の巻貝に感染する寄生虫に遺伝的により近縁であることが明らかとなった。このことは、太平洋はこれらの寄生虫にとって越えることの難しい障害であることを示すと共に、C.largilliertiに感染している寄生虫はアジアの他の巻貝から寄主転換をしたことを示している。これらの結果は、地理的に大きく隔てられている集団間では共種分化よりも寄主転換が二生吸虫の多様化に大きな影響を及ぼす可能性を示唆している。