著者
外池 昇
出版者
調布学園女子短期大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

陵墓が社会の中にどのように位置づけられるかという問題は、知識人や政治家にとってでなく、陵墓に指定された古墳の周辺に生活する人々にとってこそ重要な問題であった。この研究では、このような視点から陵墓について考えた。つまり、民衆と古墳との繋がりについて考察したのである。江戸時代が終わって、天皇が国家の頂点に立つ明治時代になると、天皇の祖先の墳墓である陵墓が俄然脚光を浴びるようになた。中央政府も、また地方行政府も、それぞれの立場から、さまざまな古墳を陵墓として指定しようとした。そして、中央政府と地方行政府との思惑は、必ずしも一致してばかりではなかったのである。そのような一致しなかった例の一つが、群馬県にある総社二子山古墳と前二子山古墳の事例である。これらの古墳は、当時の県知事楫取素彦によって、崇神天皇の皇子である豊城入彦命の墓として指定されるように中央政府に強力に推薦されたのである。県知事楫取素彦は、恐らくは自らの信ずる歴史観に従って、自分が統治する群馬県の中に、一つくらいは陵墓がほしかったのであろう。ところが、総社二子山古墳の場合はその指定が長く続かず、前二子山古墳の場合は指定を受けることすら失敗したのである。いずれの古墳の場合をとってみても、古墳の周辺に生活する民衆によって、古墳は生活の糧を得るために利用されていたのである。陵墓という概念は、そのような民衆と古墳との繋がりを断ち切るものであったのである。明治時代においては、民衆が表立って地方行政府の指導に抗うことは大変困難であった。その中でどのように民衆が行動したかという問題は、歴史学が、陵墓が社会の中にどのように位置づけられたかということを取り扱うに際して、大変重要な課題なのである。
著者
貝山 久子
出版者
お茶の水女子大学地理学教室
雑誌
お茶の水地理 (ISSN:02888726)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.60-61, 1968-09
著者
篠木 雄大 藤吉 弘亘
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.209-215, 2009-02-01
被引用文献数
1

Personal video sharing services such as YouTube have become popular because videos can easily be recorded in high-definition (HD) using a personal camcorder. However, it is difficult to broadcast an HD video via the Internet due to the large amount of data involved. We describe a method for generating videos with virtual camerawork based on object tracking technology. Once the user specifies the positions of the region of interest (ROI) on keyframes, our method can be used to generate virtual camerawork between two keyframes in a row based on the results of bi-directional tracking. We evaluated our method with subjective experiments that demonstrate its effectiveness.
著者
福村 愛美
出版者
大分県立芸術文化短期大学
雑誌
大分県立芸術文化短期大学研究紀要 (ISSN:13466437)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.123-130, 1994-12-31

学校の教育現場における制服の意義を、生徒の制服に対する意識調査をもとに分析した結果、次の様なことが明らかになった。(1)高校生の持つ制服のイメージは、学生らしさや統一性や若さなどである。又自由のイメージはないと考えられている。(2)制服の良いところとして生徒は、学生らしいとか自分の学校の象徴として誇りが持てるなどの精神的な面を挙げている。制服の良くないところは、温度調節がしにくい、替えの制服が少ないなど衣服本来の機能性や現実的な理由が多い。(3)実際に生徒が着用している制服に満足しているかどうかで、今回の対象者の高校生は、冬用の制服は大半の生徒が気にいっていると答え、夏用の制服に対しては満足している生徒は半数程度だった。(4)生徒の気にいっている制服のデザインは、男子は詰襟の学生服とブレザータイプに、半数程度に分かれた。女子はセーラー服に3分の2程度の支持があった。また私服に憧れる生徒は3分の1程度で意外と少なかった。(5)高校に入学するとき学校を制服で選ぶかでは、少し気にかけると、まったく気にかけないが、半数程度に分かれた。理由としては、3年間着る衣服だからとか、学校の価値は制服では決まらないからなどでである。(6)女子高校生は、制服のスカートの長さに敏感である。(7)生徒一人あたりの制服所有枚数は、冬用で1, 2枚、夏用で2, 3枚である。また中学の制服は高校でも着用したり、人にあげたりして再利用されている。以上の結果から、生徒は制服の良さを内面的な面から認めていて、制服に関して学校側と生徒の意識の違いはあまりみられないと考えられる。終わりに、調査にご協力いただいた大分県立芸術文化短期大学付属緑丘高等学校の賀久春枝先生に深く感謝申し上げます。
著者
WAN Yi ASAKA Takuya TAKAHASHI Tatsuro
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE transactions on information and systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.92, no.10, pp.2073-2081, 2009-10-01
被引用文献数
1

User Generated Content (UGC) VoD services such as YouTube are becoming more and more popular, and their maintenance costs are growing as well. Many P2P solutions have been proposed to reduce server load in such systems, but almost all of them focus on the single-video approach, which only has limited effect on the systems serving short videos such as UGC. The purpose of this paper is to investigate the potential of an alternative approach, the multi-video approach, and we use a very simple method called collaborative caching to show that methods using the multi-video approach are generally more suitable for current UGC VoD systems. We also study the influence of the major design factors through simulations and provide guidelines for efficiently building systems with this method.
著者
堀 正岳
巻号頁・発行日
2006

Thesis (Ph. D. in Science)--University of Tsukuba, (B), no. 2218, 2006.6.30
著者
齊藤 享治
出版者
埼玉大学教育学部地理学教室
雑誌
埼玉大学教育学部地理学研究報告 (ISSN:09132724)
巻号頁・発行日
vol.15, 1996

日本にくらべ、フィリピンでは、同規模の集水域において扇面面積が10〜20%大きく、台湾では20〜50%も大きいことについて、斉藤(1994)は、フィリピンや台湾では、降水量が多く、流量が多いために、粗粒物質が遠くまで運搬されるためと考えている。さらに、フィリピンでは、台湾よりも、扇状地が小さいことについては、熱帯湿潤地城のために、粗粒物質の生産が少ないためと解釈している。ところで、熱帯湿潤地域のフィリピンにおいても、雨季・乾季の明瞭な西側型気候区と乾季が不明瞭な東側型気候区がある(Fisher、1964)。そのような気候条件の違いが、扇状地規模に影響を与えるのかどうか、本論文では検討する。
著者
菊澤 康子 中島 倫
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.235-245, 1997-03-15

生活援助員システム(LSA)はシルバーハウジングでの高齢者の日常生活を公的に援助するという目的のために, 1987年より計画策定が開始され, 1989年より管理開始されたわが国ではじめて採用されたシステムである. 筆者は標記に関して関西地域の10力所のシルバーハウジングに関する予備調査を行い, ひきつづき1993年から1994年にかけて, 全国の40力所のシルバーハウジングに関する本調査を実施し, 次の知見を得た. (1)LSAのサービスはシルバーハウジングごとに大幅に違いがある. またLSAの処遇(給料など)にも大幅な違いがある. (2)住み込み方式のLSAの場合は24時間対応という精神的ストレスが大きい. (3)シルバーハウジング居住者のLSAに対する認知度は関係自治体の説明不足もあり, 必ずしも高くはない.
著者
山科 健一郎 高橋 正義
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.655-666, 1984-01-14

1982年5月に伊豆半島北東部の川奈崎付近で起きた群発地震活動(M=2.0)について,現地で臨時観測を行った.観測期間は活動の最盛期を過ぎた5月12~14日で,2観測点は固定し,他の1観測点を次々に移動する方式をとった.川奈崎付近に集中して発生した一群の地震(ここではa型と呼ぶ)があり,計5ケ所のP時刻から平均的な震源の位置と観測点補正を求めた.今回のような移動多点観測も,ある場合には役に立つものと思われる.一方,川奈崎付近の活動は5月13日の朝に急速に低下したが,ちょうどその前に,約30km南方で群発活動が起きている.活動の低下はまずa型の地震群に現われ,数時間遅れて周辺も静かになった.A tail of the swarm activity (M=2.0) near Kawana-zaki in the northeastern part of the Izu Peninsula in May, 1982, was observed by a temporary microseismic network installed close to the epicentral region. During the observations on May 12-14th, two seismometers were fixed at the respective places and another was moved from place to place. Station corrections and the average location of the events which occurred within a small area near Kawana-zaki (they are called "a-type" in this paper) were obtained from P arrivals of the two fixed and three tentative stations, suggesting the utility of the moving installation of instruments in some cases. The observation also shows a distinct decrease in activity near Kawana-zaki in the morning of May 13th, following the earthquake swarm which occurred about 30km to the south. The decrease in activity occurred at fast in the hypocentral region of the a-type events, and in the adjacent areas several hours later.
著者
池田 成志 豊田 秀吉 吉田 健二 是枝 一春 茶谷 和行 大内 成志
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.780-783, 1992-12-25
被引用文献数
1

Sphaerotheca 属うどんこ病菌の防除に関する基礎的研究として, 本研究ではキチナーゼ処理によって本菌の吸器が分解されるかどうかについて検討を加えた。メロンの第一本葉, イチゴおよびバラの新葉を材料に, それぞれS. fuliginea, S. humuli および S.pannosa の分生胞子を接種し, 4日後に接種葉を0.1%キチナーゼ液に浸漬した。その結果, 宿主細胞には顕著な変化が観察されなかったのに対して, いずれのうどんこ病菌の吸器においても, 処理1.5時間後には部分的な分解が観察され, 3時間後には約80%の吸器が完全に分解された。以上の結果から, Sphaerotheca 属うどんこ病菌の吸器細胞壁はキチンを主要骨格にもつものと考えた。
著者
柳澤 秀吉 KOSTOV Vlaho 福田 収一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.67, no.657, pp.1682-1688, 2001-05-25
被引用文献数
7

A method for supporting industrial design with special attention paid to the diversity of Kansei was proposed to respond to the quickly diversifying customers' requirements. As Kansei is very individualistic in nature, a new approach is needed to accommodate the difference from person to person to really reflect the customer's preference In terms of Kansei or his or her personal evaluation Kansei feature. Therefore, such a method was developed which creates a different Kansei space for each different user, by applying a semantic differential method and a principal component analysis to the impression words. A prototype system was developed with cellular phones as samples and the usefulness of our method was demonstrated.
著者
田村 照子 富澤 美和
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.671-677, 1993-08-15
被引用文献数
4

発汗マネキンの定常制御系が輸血用装置の応用によって開発され,このマネキンを用いて,穿孔フィルム衣服が衣服の蒸発熱抵抗に及ぼす影響が検討された.制御系はよく作動し,マネキン各部表面の温度を2時間以上にわたって一定に保つことができた.マネキンは,また,全身を被覆するポリエチレンフィルムに開けられた孔のサイズを変化させることによって濡れ率1.0〜0.06まで変えることができた.フィルム衣服の実験結果は,妥当かつ再現性のあるものであった.即ち,衣服の蒸発熱抵抗は,被覆面積に従って増加し,反対にフィルム内孔のサイズが大きくなるにつれて,低下した.これにより,新しく開発された発汗マネキンは,快適性に関わりの深い衣服を通しての水分移動性の評価に有効であるとの結論が得られた.
著者
岡部 龍太郎 千種 康民 服部 泰造 富田 光博
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.37, pp.17-22, 2009-09-24

本稿では,一個体の実写動画を元に,個体が群れるアニメーション生成法の提案を行う.一個体の実写動画から,個体を抽出し個体の大きさの正規化などの前処理を行った動画を作成する.そして,それを元にビデオシンセシスによる動画分析を行い,個体の方向の遷移の記録と,個体が動きの連続性を保ったまま時間の遷移が可能な数フレームからなるビデオクリップを探し出す.その遷移可能なビデオクリップ間をビデオパッチとし,それぞ様々に組み合わせることで無限に長い動画を生成することができる.次に,Boidsアルゴリズムによる群行動生成を行い,それの方向の遷移に注目する.各個体の向きの遷移と,最も近い遷移を行うビデオパッチの組み合わせを探し出しつなぎ合わせる.これにより,個体の動きは実写動画に基づき,移動パスはBoidsアルゴリズムによるパスを用いることで,個体が自然な動きをする群行動アニメーションの自動生成を行う.
著者
公文 俊平
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
総合論文誌 (ISSN:13476548)
巻号頁・発行日
no.4, pp.6-9, 2006-02-20
参考文献数
11

1 0 0 0 IR 怪談

著者
佐藤 正映
出版者
別府史談会
雑誌
別府史談
巻号頁・発行日
no.13, pp.97-101, 1999-12

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