著者
湯川 寛夫 町田 大輔 金成 正浩 永野 篤 藤澤 順 松川 博史 清水 哲 河野 尚美 利野 靖
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.476-480, 2006-04-01
被引用文献数
5

胆嚢原発腺内分泌細胞癌はまれな疾患であり予後不良といわれている.本邦では自験例を含め54例の報告をかぞえるのみである.今回,我々は原発巣に対し切除術を施行し予防的放射線化学療法を行った胆嚢腺内分泌細胞癌を経験したので報告する.症例は59歳の男性で,US, CT, MRIにて胆嚢底部に腫瘤影を認め,腹腔鏡下に胆嚢摘出術を施行した.術中迅速診にて未分化癌疑いとの報告を受け,開腹に移行しD2+α郭清,肝床部切除を付加した.病理組織学所見ではHE染色で粘膜面では高分化型腺癌の像を呈するが,腫瘍の大部分ではN/C比の高い腫瘍細胞が充実性増殖し明らかな管腔形成は示さずrossetteを認めた.免疫染色ではNCAMが弱陽性を示し,腺内分泌細胞癌と診断した.術後,肺小細胞癌に準じて肝門部に放射線治療とcisplatin+etoposideの化学療法を2クール施行し,術後24か月無再発生存中である.
著者
上田 洋 村上 晴美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.59, pp.17-24, 2006-05-30

蔵書検索のために,ユーザの入力文字列に関連する件名を提案する手法を検討した.本手法では,Wikipedia Amazon Web Service GoogleのWeb情報源を用いて検索質問を拡張することにより,BSH4件名標目を提案する.コンピュータ用語を入力文字列とした実験の結果,出力された件名の関連度が一定水準以上であったこと Web情報源の統合使用は単体使用よりも有効であったこと OPACのデータを用いる手法と比べて遜色のない件名が出力できたこと,がわかった.また,コンピュータ用語や流行語を入力文字列とした実験の結果 OPACのデータを用いる手法では件名が提示されない場合に本法は提示できることを確認した.We propose a method to suggest BSH4 subject headings by expanding query according to user's input using such Web information sources as Wildpedia,AmazonWebService(AWS),and Google.Experimental results revealed the following,When computer terms were input,suggested headings were related to the input term;isuggested subject headings were better than we used a mixture of Wildpedia,AWS and Google han When we just used one of them;suggested subject headings were not inferior to those suggested by othermethods that use OPAC data.We also confirmed that when computer and buzz terms were input,our method can suggest subject headings where other methods cannot.
著者
石田 聖
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.56-65, 2005 (Released:2007-06-01)
参考文献数
14

Chinese Cenozoic sedimentary basins are divided into two basin groups by their tectonic feature and the geographical distributions. The divided line lies from Holan Shan (Ningxia Province) to Dashue Shan (Sichuan Province), via Liupan Shan — Longmeng Shan. Western Basins consist of Tarim Basin, Qaidam Basin and Junggar Basin etc. They are compressional basins and relatively vast basins in the area. Eastern basins are extensional (rift) basins, which are subdivided into three basin groups. They are Eastern Sea Coast Basin System, Eastern Basin System and Western Basin System. Eastern Sea Coast Basin System includes East China Sea Basin and Pearl River Mouth Basin etc. Eastern Basin System includes Sungliao Basin and Bohai Gulf Basin etc. Western Basin System includes Ordos Basin and Sichuan Basin etc.It is estimated that around 90% of crude oil originated from non-marine source rocks.Biomarker data from Qaidam Basin, Bohai Gulf Basin and Pearl River Mouth Basin have been interpreted. In Qaidam Basin, biomarkers indicate the existence of the hypersaline environment in the era of Oligocene and Miocene. Main source rock of Es3 (3rd member of Shahejie Formation) is abundant of non-marine algae in Bohai Gulf Basin. Biomarker data from Wenchang Formation and Enping Formation, which are main source rocks in Pearl River Mouth Basin, indicate that source material was deposited in the fresh water environment.
著者
宇田川 雄二
出版者
千葉県農業試験場
雑誌
千葉県農業試験場研究報告 (ISSN:05776880)
巻号頁・発行日
no.38, pp.1-7, 1997-03

ハーブ類の生育,無機成分,並びに香気成分に及ぼす培養液温度(15~25℃の3水準)の影響を培養液濃度を2.4dS/mで検討した。1. チャービル,タイムの根重は高温ほど大きかったが,チャービル,タイム,ディル,イタリアンパセリ,セイジの茎葉重および収量は20℃で最大となり,生育好適培養液温度は20℃前後であった。スィートバジルのそれは25℃であった。2. チャービル,ディル,タイムの茎葉,並びに根のP含有率や株当たりのP含有量は低液温ほど高かったが,他の無機成分は種類によって培養液温度に対する反応が異なった。しかし,含有比率は培養液温度による差異よりも,種類による差異が大きかった。3. ディルの茎葉の精油含有率,並びに含有量は20℃区で最も高かった。タイムの茎葉の精油含有率は,25℃区が最も高かったが,含有量は20℃区が最も高かった。
著者
篠原 温
出版者
千葉大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

1.セルリ-、ス-プセルリ-を用い、土耕区、水耕区を比較した。水耕区は園試処方培養液標準濃度の0.2,1.0,2.0倍の濃度区を設定した。生育量と植物体の緑化程度と香気成分の含有量には相関がみられ、葉色が濃くなるにつれて、また生育が抑制されるにつれて、香気成分含有量は増加する傾向が明らかであった。2.ディル・スイ-トバジル・チャイブス・ペパ-ミントを供試し、培養液中のリン濃度の影響を調べた。リン濃度が高くなるにつれて生育は促進されたが、高濃度では頭打ちとなった。精油含量については、処理濃度の影響が小さかったため、培養液中のリンの適濃度は4〜8me/lであると考えられた。3.スイ-トバジルを供試し、培養液濃度(1/2,1,2,4単位)・光条件(0,45,70%遮光)の影響、カリウムとマグネシウムの濃度・比率などが生育および香気成分含量に及ぼす影響を調べた。生育は、遮光70%で顕著に劣り、培養液濃度1単位で優れた。また、カリウム・マグネシウム濃度については、対照区であるK:4.8,Mg:2.4me/lおよびK:9.6,Mg:2.4me/l、すなわちK:Mgが2:1および3:1の時に生育、精油成分濃度ともに優れた。この結果をもとに、スイ-トバジルに好適な培養液組成を決定した。4.遺伝的にばらつきの大きいスイ-トバジルの繁殖方法を検討し、光の強さと培養液濃度の影響を調べた。生育は培養液濃度1単位が優れ、光条件も高光度で促進された。また、挿し木による栄養繁殖では、挿し穂に8枚の葉をつけ、照射10時間は以下とするのが適することを明らかにした。5.スイ-トバジルの栽培における一斉収穫と随時摘みとり収穫する管理方法を比較したところ、終了は随時収穫で優れ、精油成分濃度は若令で比較的小さな葉中に高かった。収量および品質からみて、随時収穫による栽培が優れていた。
著者
長野 徹森信介西村雅史 森 信介 西村 雅史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.69, pp.81-86, 2005-07-16
被引用文献数
1

本論文では、規則音声合成における読みとアクセントを、確率モデルに基づき同時に推定する手法を提案し、その実験結果を報告する。規則音声合成において、任意の入力テキストに対し、正しい音韻情報と韻律情報を生成することは、自然な合成音声を得るために重要な要件である。本研究では、入力テキストに対し、最も基本的な音韻情報と韻律情報である読みとアクセントを付与する問題を取り扱う。日本語の場合、入力テキストは一般的に漢字仮名交じり文であり、複数の読み候補から正しい読みを推定する必要があるとともに、その読みに対して正しいアクセントを推定する必要がある。従来、日本語テキストに対して、形態素解析・読み付与・アクセント句決定・アクセント核決定、という手順を段階的に行うことで、読みとアクセントを決定することが多かったが、本研究では、表記(単語境界)・品詞・読み・アクセントを1つの単位とみなし、n-gram モデルを用いて同時に推定する。実験では、ルールに基づきアクセント句およびアクセント核を決定する逐次的な手法との比較を行った。その結果、確率モデルに基づく手法の精度がルールに基づく手法の精度を上回ることを確認した。We present a new stochastic approach to estimate accurately phonemes and accents for Japanese TTS (Text-to-Speech) systems. Front-end process of TTS system assigns phonemes and accents to an input plain text, which is critical for creating intelligible and natural speech. Rule-based approaches that build hierarchical structures are widely used for this purpose. However, considering scalability and the ease of domain adaptation, rule-based approaches have well-known limitations. In this paper, we present a stochastic method based on an n-gram model for phonemes and accents estimation. The proposed method estimates not only phonemes and accents but word segmentation and part-of-speech (POS) simultaneously. We implemented a system for Japanese which solves tokenization, linguistic annotation, text-to-phonemes conversion, homograph disambiguation, and accents generation at the same time, and observed promising results.
著者
竹村 則行
雑誌
貴重文物講習会
巻号頁・発行日
2010-01-29 (Released:2010-03-30)
著者
腰原 達雄 山田 偉雄
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.110-114, 1976-06-25
被引用文献数
4 13

1. 小型プラスチック容器を用い,ナタネの芽ばえを飼料とするコナガ幼虫の簡便な飼育法を考案確立した。この方法による継代飼育も可能である。<br>2. 幼虫は芽ばえの子葉,茎を摂食し発育を遂げた。発育は良好で,ナタネ芽ばえ(種子重7g)を収容した容器の幼虫飼育密度を100頭とした場合,蛹化率は高く90%以上にも達した。幼虫発育速度,蛹重,蛹から羽化した成虫の産卵数は,キャベツ葉で生育したものと同等であった。<br>3. 7gのナタネ種子を用い,発芽直後の芽ばえに成虫3対を2∼3日間放飼,産卵させ,幼虫を飼育すると,25°C恒温条件下で成虫放飼約15日後には蛹化がほぼ終了し,約100頭の蛹を得ることができた。<br>4. 飼料の芽ばえは更新することなく幼虫を飼育できた。蛹化は,幼虫発育終了間ぎわに容器内に挿入した,波形に折目をつけたろ紙片下面で大部分が行なわれ,蛹を容易に採集できた。