著者
玉置 宏之 吉澤 晃 藤井 弘毅 佐藤 公一
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.47-51, 2004-04-15
被引用文献数
1

牧草の種子収量性は茎葉の収量性ほど考慮されないが,牧草品種の商業的な成功には種子収量性も重要な要素である。チモシー種子収量性の年次変動と狭義の遺伝率を調べるため,栄養系とその後代系統を採種試験に供試した。その結果,チモシーの種子収量性には(1)試験年次など,環境が変わることにより序列が大きく変化しうること,および(2)同一環境条件下で評価・推定される狭義の遺伝率が高いこと,という2つの特徴があり,したがってその効果的な改良のためには,1回の検定を基に選抜を行う場合は複数回の選抜が必要となり,また1回の個体選抜しか行わない場合は複数の環境条件下における検定が求められる,との結論に達した。
著者
阪田 正大
出版者
広島大学
雑誌
広島大学マネジメント研究 (ISSN:13464086)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.49-67, 2004-03-19

本稿は, 地方公共団体が経営参加する第三セクター法人に注目し, フェニックスリゾート株式会社の第1期から第12期(1988年12月から2000年3月)を例にとり, 貸借対照表および損益計算書からキャッシュ・フロー計算書を間接法により作成し, キャッシュ・フロー分析を行う。そして, 同社の有形固定資産とキャッシュ・フロー産出能力に注目しながら, 効率性および有効性について検討する。その結果, 同社の設備投資が過大であり, 営業活動においてはキャッシュ・フローを産出しない一方で, 借入金によって事業を存続させていたことから, 経営悪化が進展するとともに, 地方公共団体が出資以外にも補助金を投入することになったことがわかった。このことから, 地方公共団体が第三セクター法人を設立または支援する際には, 当該法人のキャッシュ・フロー分析を実施し, 適切な設備投資をするべきであり, 経営改善が見込めないことが判明した場合には, 補助金を交付すべきではなく, 早期に倒産処理を模索するべきであることを論じる。
著者
高井 伸夫
出版者
医学書院
雑誌
病院 (ISSN:03852377)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.p530-538, 1995-06
被引用文献数
1
著者
加藤 久和 斉藤 知弘 武智 秀 松村 肇
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.1358-1366, 1993-10-20
被引用文献数
8

将来の衛星放送で, 統合ディジタル放送(ISDB)を実施する場合の変調方式についてシステム検討を行った.12GHz帯でディジタル放送を行う場合を想定し, (1)WARC-BSによる伝送諸元を満足すること, (2)導入初期での現行FM方式との同時放送を考慮し, FMテレビとディジタルテレビの同等のサービス時間率を確保すること, の2点を満足する変調方式と伝送容量を明らかにすることが本論の目的である.ISDB伝送フォーマットで, 誤り訂正に差集合巡回符号(1016,772)を用い, 衛星放送の中継器特性と民生用受信機の性能を前提として, 所要C/N値と混信保護比により, 各種変調方式の評価を行った.シミュレーションと室内実験によって, QPSKにより40Mb/sの伝送レートのシステメムを構成すると, 上記条件を満足するISDBサービスが可能となることが明らかとなった.
著者
佐々木 将央 高橋 篤司 梶谷 洋司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 設計自動化研究会報告
巻号頁・発行日
vol.97, no.17, pp.89-96, 1997-02-14

接続すべき端子集合(ネット)が多数指定されているメッシュで区切られている配線領域モデルにおいて,1ネットずつ順に経路決定していくことに対する弊害に対しては,従来から予測とか引き剥し再配線手法を含めて様々な対策が考案されてきた.本研究では各ネットの密度への影響を予測しながら,ネットの端点を両側から少しずつ伸ばすようにして経路を決定して行くことで,すべてのネットを同時に配線する新しいアルゴリズム『端点成長法』を提案する.また,ランダムに生成した実験データに対し実験を行ない,その有効性を確認した.
著者
寺山 吉彦 滝沢 昌彦 後藤田 裕之 須藤 敏 柏村 正明
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.106, no.1, pp.28-33, 2003-01-20
被引用文献数
16 12

(目的)ブロー液は19世紀の医師Burowの考案した点耳液である.Thorpらは1998年以来,13%酢酸アルミニウムのブロー液原液の点耳により慢性化膿性穿孔性中耳炎に81%に著効を示したと報告した.そこで慢性中耳炎とその他の外耳道中耳の化膿性疾患に対するブロー液の効果を2001年2月から1年間調べた.(対象)年齢35-79歳,男10耳女15耳計25耳,これまでの罹患年月は2週-約20年,平均3.78年であった.疾患は中耳炎手術術後症11耳,慢性外耳道炎,湿疹7耳,外耳道真菌症7耳,慢性穿孔性中耳炎6耳,慢性肉芽性鼓膜炎2耳.(方法)1日1回10分間耳浴またはブロー液に浸した綿球を当てた.効果判定は治癒,有効,不変に分類.(結果)術後症は8/11耳(72.7%)が治癒,有効3耳,不変0耳,慢性外耳道炎湿疹の7耳全例が治癒,外耳道真菌症の7耳全例治癒,慢性穿孔性中耳炎は4/6耳(66.6%)治癒,有効,不変が各1耳,慢性肉芽性鼓膜炎の2耳が治癒し,全25耳では20耳80%が治癒し有効4耳,不変1耳であった.施行前後の聴検で耳毒性は認められなかった.粘稠性粘液,真珠腫,残存蜂巣の分泌には無効,副作用は稀にある疼痛と一過性の水様性分泌増加である.殺菌作用は菌種を選ばないと思われる.効果発現は1-2回,3日-3週と極めて早い.作用機転は濃度が濃いためと思われた.(結論)ブロー液は点耳薬として重大な副作用も<br>なく,極めて有効であることが判明した.
著者
山後 輝美
出版者
駒澤大学
雑誌
駒沢短大国文 (ISSN:02866684)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.43-53, 1981-03-21
著者
奥村 慎吾 初田 健 須永 智 佐藤 真一 野村 勝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.189, pp.7-10, 2005-07-14

近年、Ku帯(14/12GHz)を用いたVSAT(超小型アンテナ端末)局によるデータ伝送などのサービスが多く用いられている。10GHzを超える周波数帯においては、降雨、降雪による衛星からの信号減衰が大きな問題となっている。特に、降雪によるアンテナ鏡面への着雪は、シャープなアンテナビームをずらす結果となり、大きな減衰が生ずる。これを回避するための無着雪アンテナを衛星ネットワーク(株)で試作し、降雪の多い北海道工業大学に設置して特性測定を行った。この結果、降雪時において、着雪がほとんど無いことを確認でき、無着雪アンテナ機能のついていないアンテナと比較して、信号劣化量の統計値のデータが獲得することができ。さらに、機械的強度の面では、2004年9月の台風18号の風速52m/sにも耐えることを確認でき、実用的なアンテナであることを証明できた。
著者
平棟 孝志 工藤 竜大 菊地 直哉 梁川 良
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.111-114, 1988-02-15

C. renale, C. pilosum およびC. cystitidis はホスホマイシン(FOM)に抵抗性で,その最小発育阻止濃度(MIC)は25,000-75,000μg/mlであったが,S. aureus, S.agalactiae, E. coli,およびB.subtilisのそれは12.5-25.0μg/mlであった. トリプチケースソイ寒天培地にFOMを200μg/ml,抗真菌剤として,アムホテリシンBを2μg/ml,馬脱線血を5%に加えた選択培地を用いて,江別市近郊で飼育されている210頭の健康牛から尿路コリネバクテリアの検出を行ったところ,12頭(5.7%)の外陰部および14頭(6.6%)の膣前庭からC. renaleが,また,34頭(16.2%)の外陰部および膣前庭からC.pilosumが分離され,外陰部からの尿路コリネバクテリア菌数が,膣前庭からのそれよりも多かった. 上記選択培地を用いることにより,糞尿で汚染されている牛の外陰部にC.renale, C. pilosumが多数存在することが明らかにされ,この選択培地は牛舎の床,放牧場の土などにおける尿路コリネバクテリアの分布を調べるために有用と思われた.
著者
阿波加 純
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.210, pp.83-90, 1999-07-22

JERS-1衛星に搭載の合成開口レーダ(SAR)で観測された石狩平野の水田のデータを調べたところ、LバンドSARの規格化散乱断面積(NRCS)は稲が成長する夏季と積雪が存在する冬季に大きな値を示した。本論文では、NRCSが積雪時に大きな値となるのは積雪による波数の変化および屈折が主な原因であることを示す。また、積雪時のNRCSは積雪の密度や含水率、土壌の含水率等によって大きく変化することを、摂動論による計算例で示す。
著者
阿部 健太 佐々木 正巳 鈴木 勝裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.605, pp.29-36, 2002-01-17

本論文では、SARデータの位相情報を利用して積雪の深さと密度(比誘電率)を推定する2つの方法を提案している。一つは、オフナディア角を可変することができるSARを用いる方法である。この方法では、同一軌道からの観測により得られる位相情報と、異なる軌道からの観測により得られる位相情報を利用する。そこで、そのSARデータの位相情報のみから積雪の深さと密度の値を推定するアルゴリズムについて、理論的な検討を行っている。もう一つは、異なる周波数で観測する二つのSARを用いて、積雪がある時期と無い時期に同一軌道から観測して得た二つのSARデータを干渉させたときに得られる干渉縞から、積雪深の変化量と比誘電率を推定する方法である。その方法についても理論的な検討を行っている。理論的な解析の結果、積雪の深さと密度を推定する上でオフナディア角を可変できるSARの利用は有効であることを示した。また、異なる周波数のSARを用いることで、積雪深の変化量と比誘電率を推定できることを示した。
著者
薮 謙一郎 井越 昌紀 青村 茂
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2005, no.5, pp.221-222, 2005-09-18
被引用文献数
1

One of our authors has articulation handicap and feels strongly the importance of the voice information in conversation that cannot be expressed with texts. We are considering about a system which makes the indistinct sound clear and which keeps the speaker's feature of voice as much as possible. We examined some methods. In the experiment using single Mora, by adding clear consonant waveform to the indistinct sound, unvoiced consonant and some voiced consonant have been made clear. Moreover, the vowel has also been made clear using wavelet transform ation. Also, we used the wavelet transformation for speech recognition, and it modestly recognized some indistinct sound.