著者
土井 孝紀 田万里 耕作 柿原 康男 山本 節夫 栗巣 普揮 松浦 満
出版者
公益社団法人日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:18804004)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.125-128, 1998-03-01
被引用文献数
5

Co-γFe_2O_3 longitudinal magnetic recording media obtained by annealing CoO-Fe_3O_4 were prepared on NiO underlayer. The coercivity HC was varied. with the Co content, namely, the atomic ratio of Co/Fe in Co-γFe_2O_3, and the oxygen partial pressure in deposition of Co-O-Fe_3O_4. The H_c of the media with Co/Fe=4 at% was 2000-3500 Oe, 1.3-3.6 times higher than that of Co-γFe_2O_3/NiO media without NiO underlayer. The grain size of Co-γFe_2O_3 became smaller with decreasing the thickness. The read/write characteristics of the media with no overcoat were evaluated in contact recording. Co-γFe_2O_3 media on NiO had higher D_<50> and lower medium noise than those of the media without NiO underlayer. kywe>Co-γFe_2O_3 / NiO underlayer / coercivity / longitudinal magnetic recording medium / R/W characteristic / contact recording</kywe>
著者
渡辺 邦洋 六川 和宏 板垣 昌幸
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.933-938, 1995-11-05
被引用文献数
5 4

過酸化水素存在下での2,3-ジヒドロキシナフタレンの酸化反応は超微量マンガン(II)により促進され, その生成物とエチレンジアミンの脱水縮合反応により, 発蛍光性の中間体を経てキノキサリン誘導体を生成する.この反応を利用する接触分析法を検討し, 10ppt以上のマンガンの定量法を確立した.本法は溶存酸素の影響を受けず再現性に優れていた.蛍光強度測定は過酸化水素添加後30℃で5分間放置し, 励起波長400nm, 蛍光波長500nmで行った.指示反応試薬であるエチレンジアミンはマスキング剤としても働き, 選択性は極めて優れていた.2,3-ナフトキノンとエチレンジアミンからなる中間体は400nmと450nmにピークを有する2成分であることが明らかになり, これらの中間体を経て最終生成物に至る反応スキームが検討された.
著者
大野 克郎 朱雀 保正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, 1995-03-27

直線位相の有限インパルス長ディジタルフィルタ(FIRフィルタ)の手軽な設計法として,周波数サンプリング法(FS法)があるが,窓関数法より遥かに優れているにも拘らず,あまり推奨されていないようである.しかも,実数のサンプル値を与え,これをそのまま逆離散フーリエ変換(IDFT)すれば求めるインパルス応答(h[n]で表す)が得られるとする誤った説明さえ時として行われている.その主な原因は,Rabinerらの書では,振幅サンプル値(Rabinerらの記号では|H(k)|.|H(k)|は負の値もとり得るのでこの記号は実は適当でない)を補間して得られる周波数特性の吟味に重点があり,インパルス応答(h[n])の設計公式が吟味に重点があり,インパルス応答(h[n])の設計公式が陽な形で示されていないことにあると思われる.以下では,直ちに利用できる形の公式とその誘導法とを示す.なお本稿では,大野が公式を導き,朱雀がこれを整理検討した.
著者
井上 嘉則 伊達 由紀子
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.365-370, 1994-05-05
被引用文献数
5 5

1-(サリチリデンアミノ)-8-ヒドロキシナフタレン-3,6-ジスルホン酸(アゾメチンH)をポストカラム誘導体化試薬として用いた水試料中のホウ素の定量法について検討を行った.イオン排除クロマトグラフィー(IEC)で分離後, アゾメチンH溶液と混合・反応させ420nmで検出を行った.反応溶液のpH, 反応温度, 反応コイル, 反応溶液の流量, アゾメチンH濃度等の反応条件の最適化を行った.分離カラムにH^+型のスルホン化ポリスチレンゲル(イオン交換容量 : 3.5 meq g^<-1>・dry)を充てんしたIECカラム(150mm×7.8mm i.d.)を, 移動相に1×10^<-3>mol dm^<-3>の硫酸を1.0cm^3 min^<-1>で用いた場合, 反応コイルは5m×0.5mm i.d., アゾメチンH濃度は0.5%, 反応溶液のpHは6.6,流量は0.8cm^3 min^<-1>, 反応温度は40℃で最適な検出が可能であった.本法の検出限界(S/N=3)は7.9×10^<-3>mg dm^<-3>(ホウ素換算)であった.直線性は10^3以上あり, 0.01〜10 mg dm^<-3>(ホウ素換算)の範囲で定量可能であった.0.02 mg dm^<-3>のホウ素溶液で求めた再現性は5.5%(n=10)であった.本法を用いて河川水, 地下水及び水道水中のホウ素の定量を行い, 誘導結合プラズマ質量分析法による定量値と比較したところ, 相関係数で0.921(n=50)と良好な相関を示した.
著者
Yoshimoto Makoto Okuno Shigenori Yoshinaga Masaru YAMAKAWA Osamu YAMAGUCHI Masaatu YAMADA Jiro
出版者
社団法人日本農芸化学会
雑誌
Bioscience, biotechnology, and biochemistry (ISSN:09168451)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.537-541, 1999-03-23
被引用文献数
30 104

Antimutagenicity of the water extracts prepared from the storage roots of four varieties of sweetpotato with different flesh colors was investigated using Salmonella typhimurium TA 98. The extract from the whole roots of the purple-colored Ayamurasaki variety effectively decreased the reverse mutation induced not only by Trp-P-1,Trp-P-2,IQ, B [a] P, and 4-NQO but also by dimethyl sulfoxide extracts of grilled beef. Comparison of the inhibitory activity of the extracts from the normal Ayamurasaki and its anthocyanin-deficient mutant one suggested that the anthocyanin pigment in the flesh decreases the mutagenic activity of the mutagens as heterocyclic amines. Two anthocyanin pigments purified from purple-colored sweetpotato, 3-(6,6'-caffeylferulylsophoroside)-5-glucoside of cyanidin (YGM-3) and peonidin (YGM-6) effectively inhibited the reverse mutation induced by heterocyclic amines, Trp-P-1,Trp-P-2,and IQ in the presence of rat liver microsomal activation systems.
著者
古川 芳孝 貴島 勝郎 茨木 洋 池田 渉 松永 祐樹
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
日本船舶海洋工学会論文集 (ISSN:18803717)
巻号頁・発行日
no.1, pp.151-158, 2005-06

Navigational safety is highly demanded in order to prevent marine accidents. However the reduction of personnel expenses is enforced recently to reduce total transportation cost and it means that the securement of crew who have an excellent skill becomes difficult. So the increase of sea disaster accident originated with the degradation of skill of sailors is concerned in the future and the introduction of an automatic navigation device is the one of the solution of such a problem. In this paper, the improved algorithm to avoid colliding with a stopping ship is proposed. The effect of parameters on evasion navigation is examined by numerical simulation. Furthermore, model experiments were carried out using Real-time Kinematic GPS (RTK-GPS) at pond to verify the effectiveness of the algorithm for automatic collision avoidance. It is shown that the collision avoidance system functions well both on numerical simulation and model experiments.
著者
佐々木 整 水野 一徳 浅井 智也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.163, pp.45-48, 2009-07-24
被引用文献数
1

近年,日本で学ぶ留学生は増加傾向にあるが,その一部には日本語の習得が十分ではない学生も見受けられる.そこで,著者らはこのような日本語能力が高くはない学生を対象として,授業中に講師が用いる用語に特化した学習システムの開発を行ってきた.しかし,e-Learningの利用やWebを用いた情報検索など,授業時間以外でも日本語の文章を読んだり,理解したりするための支援も必要である.本稿では,留学生の日本語能力に応じた,Webページのひらがな化の方法を中心に,現在取り組んでいる支援について報告する.
著者
岡本 秀輔 鎌田 賢 米倉 達広
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.130, pp.43-47, 2007-07-02

Webアプリケーションとして複数プレイヤー参加型RPGを簡易に作成するためのプログラミングツールについて述べる.このツールの設計目標は単純な指定でさまざまなRPGを作成できることである.プログラミングの初心者や小学生などもこのツールの対象ユーザに含めている.ツールはGUIエディタとコードジェネレータからなる.GUIエディタはRPGのキャラクタの動作を規定する状態遷移図を作成するためのものである.コードジェネレータは,ゲームを構成するためのC,PHP,JavaScript,HTMLなどのコードを状態遷移図から生成する.生成されたRPGは,Firefox,Safari,IEといったよく使われるWebブラウザで操作できる.RPGのプレイヤーがWebブラウザ上でクリックやキー入力を行うと,その結果がWebサーバに送られデータベースに記録される.その結果,プレイヤーの入力が,他のプレイヤーのアバタやプレイヤーと関連を持たないゲームキャラクタに影響を与えることができ,さらにそれが他のプレイヤーの画面に反映される.状態遷移図は特定のプログラミング言語には依存せずに動作を規定するための道具である.そして,その構造は単純なために簡単に学習できるとともに,ゲームキャラクタの振舞指定に適している.本報告では,ツールを用いて容易にWeb用のRPGを作成できる可能性について述べる.
著者
中川 道夫 海老原 祐輔 江尻 全機 福田 真実 平田 憲司 門倉 昭 籠谷 正則 松坂 幸彦 村上 浩之 中村 智一 中村 康範 並木 道義 小野 孝 斎藤 芳隆 佐藤 夏雄 鈴木 裕武 友淵 義人 綱脇 恵章 内田 正美 山上 隆正 山岸 久雄 山本 幹生 山内 誠
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.75-90, 2009-02

オーロラX線イベントの2 次元イメージを得ることと,30keV から778keV の領域でエネルギースペクトルを得ることを目的として,大気球を編隊飛行させ観測を行うバルーンクラスター計画の下に,2003 年1 月13 日にPPB8 号機とPPB10 号機の2機が南極の昭和基地より放球された.両機は大気深さ9-12 g / cm^2を保ち,磁気緯度55°.5-66°.4 の範囲を飛翔し南極大陸を半周した.両機はフライト中に多くのオーロラX線イベントを観測した.特に,1月22 日から1 月25 日には,数例のイベントが両機で同じ時間帯に観測されている.2003 年1 月23 日には,始めに10 号機,218sec. の間隔をあけて8 号機でイベントが観測された.このとき8 号機は10 号機の西650km に位置していた.このことはオーロラX線源が速さ約3.0km / sec.で西に向かって移動していたことを示唆している.本論文では同じ時間帯に観測された,オーロラX線イベントについてその描像を述べる.
著者
ゴットホルト・ボーネ 庭山 英雄 田中 嘉之
出版者
中京大学
雑誌
中亰法學 (ISSN:02862654)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.A30-A61, 1979-07-10
著者
元木 諒介 力宗 幸男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.397, pp.1-6, 2009-01-15
被引用文献数
2

ブラウザ上に表示されている住所情報をコピーし,Googleマップ等の検索欄にその住所情報をペーストして、住所を検索する方法はよく利用されている方法である.しかし,この方法ではコピーする範囲を間違ったりして少し手間が掛かるという感は否めない。そこで、本研究では,ブラウザ上の住所情報を自動的に検出し,その検出した住所情報をクリックするだけで,Googleマップを自動的に呼び出してその住所を地図上に表示することができるシステムをFirefoxのアドオンとして開発した.
著者
山本 瑞秋 米倉 達広 岡本 秀輔 鎌田 賢 荒木 俊郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.89, no.10, pp.2246-2250, 2006-10-01
被引用文献数
2

本論文では,状態遷移図の編集とその自動変換によるWebブラウザ自動生成ツールを提案する.具体的には,カスタマイズ可能なWebブラウザ「Mozilla Firefox」の拡張機能を利用した上記プロトタイプシステムを試作したので報告する.
著者
Hickendorff Marian Heiser Willem J. van Putten Cornelis M. Verhelst Norman D.
出版者
日本行動計量学会
雑誌
Behaviormetrika (ISSN:03857417)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.35-54, 2008-01

The problem considered in the present paper is how to cluster data of nominal measurement level, where the categories of the variables are equivalent(the variables are replications of each other). One suitable technique to obtain such a clustering is latent class analysis(LCA) with equality restrictions on the conditional probabilities. As an alternative, a less well known technique is introduced: GROUPALS. This is an algorithm for the simultaneous scaling(by multiple correspondence analysis) and clustering of categorical variables. Equality restrictions on the category quantifications were incorporated in the algorithm, to account for equivalent categories. In two simulation studies, the clustering performance was assessed by measuring the recovery of true cluster membership of the individuals. The effect of several systematically varied data features was studied. Restricted LCA obtained good to excellent cluster recovery results. Restricted GROUPALS approximated this optimal performance reasonably well, except when underlying classes were very different in size.
著者
水原 紹
出版者
同志社大学
雑誌
社会科学 (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.33-55, 2009-07

本研究は『社会科学』第78号で検討したランドマーク商品としての携帯音楽プレーヤー(ウォークマン)に現在主流となっている携帯音楽プレーヤーのiPodを加え,比較を試みたものである。既に「ランドマーク商品」としてウォークマンをはじめとする携帯音楽プレーヤー(前回は携帯「オーディオ機器」と表記)のランドマーク性について検討してみたが,携帯音楽プレーヤーは今も進化の途中であり,特に2001年に発売されたアップル社のiPodの与えた影響というものは大きい。そこで同じ携帯の音楽プレーヤーではあるが,実際かつてのウォークマンとはどう違うのか,その社会的影響力はウォークマン以上に大きいと考える。ウォークマンが音楽の聴き方を変え,若者のライフスタイルを変えたのは周知の事実であるが,iPodはこれに加えてソフト産業そのもののあり方にまで大きな影響を与えた。またそれはアップルとソニーというコンピューター会社と家電会社という製品の種類の異なった会社だからこそできた発想の違いであり,コンピューター会社だからこそできたアプローチでもあった。携帯音楽プレーヤーは予想外の全く次元の違う分野から高度に発展をすることでそれまで予想もしなかったランドマーク商品を生み出したと言えよう。