著者
澤勢 一史 延原 肇
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.32-40, 2009-02-15
被引用文献数
4

大量の画像情報を束構造として可視化することで,情報の大局の把握および未知の関係構造を発見するための,形式概念分析に基づく束構造可視化システムを提案する.このシステムでは,画像と対応する特徴を示す属性からなるコンテクスト表を作成し,属性の集合の包含関係を順序関係としたコンセプトラティスを得る.本研究では,コンテクスト表作成の際の属性選択の難しさに対応するため,直感的に理解しやすい7つの属性と,インタラクション機能を導入したシステムを提案し,ユーザが理解し易い束構造を得る.提案システムをJAVAベースのプログラミング言語であるProcessingを用い,計算機(CPU=2.13GHz,MM=2GB)上に構築し,Corel Image Galleryより選定した1000枚の画像群を対象とした可視化実験を行う.5名の被験者によるアンケート調査および得られたコメントに基づき,提案システムによる束構造可視化の有用性を確認する.
著者
宮村(中村) 浩子 大坐畠 智 中尾 彰宏 川島 幸之助 鈴木 喜雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.188, pp.85-90, 2009-09-03
被引用文献数
3

大規模ファイル共有ネットワーク可視化方式を提案する.ネットワークデータはノードと,ノード間の接続を表すリンクから構成されており,このリンク数が増加するとリンク同士が交差し,ネットワーク構造を把握するのが困難になる.そこでわれわれは,ネットワーク構造を把握し,主要なノードを探すために,リンクを表示しないマトリクス形式のネットワーク可視化方式を提案する.また,ファイル共有ネットワークのログデータを用いて,提案する可視化方式の有効性を検証する.
著者
Abdel-Gawad Hamdy I. Elazab Nasser S.
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
Journal of the Physical Society of Japan (ISSN:00319015)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.3199-3203, 1999-10-15
被引用文献数
2

In Plastaua physics, nozalineatr ion ?rcotmstic xvaves are shown to be descrilced T.cy tlae Kortexvegde-Vries eqtration. Wluen flue drag f'orce acted by the xvaves on tire p?trticIes is taken into consid-eration, the goverr'aing eqtration is shown to be 21 genaeratlized Korteweg-de-Vries eqtmation. TheIntegrability properties of this equation are disctrssed. SOIII(2 exzrct soltttions for this eqtzsttionare derixzed by trsing the technicjvxes of atrto-BMcklvrrvd transfor?a'x;xtion and pot)'nornial invarri?rnts.
著者
ウ 小軍 圓藤 康平 和田 俊和 松山 隆司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.633, pp.9-16, 2001-02-15
被引用文献数
4

3次元ビデオとは、実世界のダイナミックな視覚的イベントをすべて撮影、記録する究極の映像メディアのことである。すなわち、視覚情報として、時系列に変化する対象の立体的な形と表面属性(色とテクスチャ)を獲得し、記録するメディアである。本論文では、まず実時間3次元形状復元手法として、視体積交差法に基づいた新しい並列アルゴリズムを提案する。この手法では、平面間透視投影を用いて、多視点同時撮影された映像から対象の立体的な形を復元する。われわれはこの手法を超高速ネットワーク(1.28Gbps)に接続された10台のPCからなるPCクラスタシステム上に実装した。このシステムは2cm×2cm×2cmの空間解像度において、約秒10フレームのスピードで身体動作の3次元形状復元に成功している。次に、パン・チルト・ズームカメラを制御し、対象を追跡しながら3次元形状復元を行う機能をシステムに追加した。カメラ制御の遅延によってシステムのスループットは秒1フレームに落ちたが、対象を追跡することで、空間解像度を落とすことなく、広い範囲を動く対象の3次元形状を復元できるようになった。最後に、われわれが開発した対話的編集・表示プログラムのデモを通して、3次元ビデオの魅力を示す。
著者
Ymashina Ken'ichiro Miura Reiko
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.621-633, 1981-03-07

A sequence of earthquake activity occurred during May 26-29, 1978, in eastern Shimane, western part of the Honshu Island, Japan. The sequence was divided into four stages in activity; (1) foreshocks, (2) the M=3.9 main shock and its aftermaths, (3) precursory activity before the M=3.7 earthquake, and (4) the M=3.7 largest aftershock and its aftermaths. The aftershock activity of the M=3.7 event was much more active than that of the M= 3.9 event, both in number and in spatial distribution. The activity preceding the M=3.7 event was characterized by (1) a small b value, 0.4, (2) an increase in number of minor earthquakes, (3) successive increase in magnitude, and (4) the southeastward spreading of the active area, leaving a small region with no seismicity. If these had been recognized before the M= 3.7 event, we might have been able to predict the possibility of its occurrence. Although they were only two, the foreshocks of the M=3.9 event might also have suggested a subsequent major event because of (1) their occurrence in a previously inactive area, and (2) the successive increase in magnitude with a small difference (M=1.0 and 1.3). We may also admit a possible correlation between the present M=3.9 and 3.7 sequence and the M=6.1 earthquake which occurred nearby about one week later. In the hypocentral region of the M=6.1 event, the differential strain with respect to the P and T axes (namely twice as much as the shear strain on the fault plane) would have been enhanced by about 2×1O-9 by the preceding M=3.9 and 3.7 events.1978年5月26~29に,島根県東部でM=3.9の地震が発生した.活動は,(1)前震,(2)M=3.9とそれに伴う余震,(3)M=3.7に先だつ前兆的活動,(4)M=3.7とそれに伴う余震の4つの段階に区分できる.M=3.9と3.7の余震活動を比較すると,後者の方が数,余震域の拡がりともはるかに活発であった.M=3.9発生後の活動経過は,本震と同程度の地震が新たに発生するかもしれないことを示唆していたと考えられる.M=3.7発生以前に,そうしたデータを検討できれば,ある程度の予測が可能だったかもしれない.その根拠は,(1)b値が約0.4とかなり小さかったこと,(2)いったんおさまっていたM=3.9以後の余震活動がふたたび活発化していたこと,(3)同時に,しだいにマグニチュードのより大きな地震が起こるようになってきたこと,(4)活動域が南東方へ拡がり,本震の破壊域と同程度の末破壊領域が推定されたこと,である.M=3.9に先だつ前震は2つ観測されただけであるが,(1)それまで活動のなかった場所に起きたこと(2)後者の方がマグニチュードが大きく,またマグニチュードの差が小さいこと(M=1.0と1.3)は注目される.M=3.9,3.7の地震から約1週間後に,近くでM=6.1の地震が発生している.何らかの関係があったかもしれない.なお,M=3.9,3.7の発生により,M=6.1の震源付近では2×10-9程度の(起震応力を増大させる方向の)差歪みの増加が推定される.
著者
楠 浩一 勅使川原 正臣
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.68, no.569, pp.119-126, 2003
被引用文献数
5 17

In order to reduce further destruction of buildings and to reduce the number of homeless people caused by the aftershocks, a quick inspection of the damaged buildings ought to be carried out. This research aims at developing an integration method by computing the response displacement from the measured acceleration. This new method provides an automatic and a quick inspection system performed by few cheap accelerometers. The errors included in the measured acceleration data can be accumulated during the double integral. The new integral method, which is based on Iwan's method and a band-pass-filter, is proposed in this paper.
著者
長嶋 秀世 土方 洋一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J74-D2, no.3, pp.311-320, 1991-03-25

本論文では,人間の平均的主観をシステムに導入し,多種類の商標図形を対象とした類似商標の検索を行う方法を提案する.類似図形の検索は,文字認識などとは異なり,画像間の物理的な類似性だけでは不十分で,人間の主観を考慮することが重要である.ここでは,多数の被験者を対象とした商標図形に関するアンケートを実施し,その結果を各特徴量の重み係数に反映させ,人間の主観に適合した特徴空間を構成する方法について述べる.これは,図形間の物理的な特徴量による類似性とアンケートから得られる主観的類似性とを合理的に対応させ,図形に対する人間の感覚を重み係数として定量化するものである.本手法の有効性を検証するため,本手法を用いた類似商標の検索実験を行い,重みなし特徴空間との比較検討を行う.実験結果によると,本手法の検索は,アンケートとの一致度が高く,アンケートで最も支持のあった商標図形を第8位までにすべて出力し,また,アンケートに使用していない商標を加えた1,000個の商標集合に対する検索結果も,アンケートに準じるものであった.このことから,人間の主観に対応した検索結果を得ることができ,本手法の有効性を確認した.
著者
Takahasi Ryutaro Hirano Kintaro Aida Isamu Hatori Tokutaro Shimizu Shizuko
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.491-521, 1961-12-15

宮城県女川町の沖合15kmにある離れ島,江の島で津波の観測を始めたのは,1941年のことであつた.しかし不幸にして台風の際の激浪のため施設を破壊され,観測は翌42年に中止されてしまつた.しかし1954年に小規模の観測を復活した.その後1957年地球観測年にあたり,わが国における長波観測点に選ばれ,観測計器も充実された.IGY期間中より現在まで同所で観測を行つている計器は,a)震研III型津波計b)Van Dorn型長波計,c)波浪計,d)微気圧計,e)その他気象観測計器類である.これらの計器の特性曲線は第7図に示してある.
著者
磯貝 光雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27

月・惑星探査の将来像として活発に地球、宇宙間を往復することが挙げられる。輸送エネルギーを全て推進用燃料で賄うとすると、輸送機の質量の大部分はその燃料となりかねない。燃料エネルギーを何かで代替する必要がある。地球-月間の輸送システムを考えた場合、月から持ち帰る質量の位置エネルギーを利用すれば等量に近い質量を月まで運ぶことが可能である。ここではその基本的なシステムを提案する。
著者
片岡 洋 中谷 多哉子 廣田 豊彦 片峯 恵一 橋本 正明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.217, pp.29-34, 2003-07-17

システム開発は多人数のプロジェクトにより成立するにもかかわらず,一般的な多くのCASEツールは,グループ活動の支援を行っていない.このような状況を背景に,我々はグループによる開発作業,特にレビューを現実的な方法で支援するため,CASEツールをルーズに統合するためのアーキテクチャを提案する.このようなCASEツールの統合により,各CASEツールが独立して動作することによる個人のシステム開発の活動の支援,さらに仕様情報を交換・共有する機構による円滑なレビューの支援が期待できる.
著者
川崎 正博 松井 くにお 西野 文人
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.101-102, 1990-09-04

一般的に,自然言語処理に用いられる単語辞書は十万語にのぼるような大規模なものが多く,一単語が持つ形態素情報,構文情報等のデータも,細かく表現されている反面,複雑化し,扱いにくいものとなっている事が多くみられる。しかし,実際においては,そのような大規模辞書をそのまま利用する事は少なく,システムに必要な情報のみを取り出したシステム用辞書を作り出し,辞書コストの低減を図っている事が多い。本稿では,英語を入力文とし,品詞の推定等を行う形態素解析処理において,そのシステムの特徴を生かし,名詞類を品詞として持つ単語を辞書より削除することによる辞書のコンパクト化の実現方法,および,そのコンパクト辞書を用いて英語形態素解析(Emor)を行った実験結果,今後の課題を述べる。
著者
内部 利明 黒岩 眞吾 樋口 宜男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.98, no.317, pp.1-8, 1998-10-15
被引用文献数
11

数字による個人の識別や確認の手法は、クレジット番号や暗証番号等、広く普及しており、音声を用いた話者照合においても数字を用いることは利用者にとっても自然であると考えられる。本稿では、電話回線経由で収集した連続数字発声を用い、隠れマルコフモデル(Hidden Markov Model ; HMM)による話者照合方式の検討を行う。まず話者モデルを学習する方法について検討し、各話者の数字モデルの学習方法を提案する。更に、この数字モデルを用いた話者照合方式を検討し、テキスト指定型およびテキスト依存型において話者照合性能を評価するとともに、音素モデルを用いた場合との性能比較を行う。