著者
生井 邦明 曲谷 一成 簗島 謙次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.96, no.501, pp.75-80, 1997-01-25
被引用文献数
1

我々は, GPSを用いた視覚障害者ナビゲーションシステムを使用する事が出来ない地下街等の場所を対象としたナビゲーションシステムの開発を目標に研究を行っている. ナビゲーションシステムの具体的構成としては, 構造物内部に適当な間隔で設置した光ビーコンを用いての絶対位置取得, 既知の地図情報を用いてのマップマッチング処理と最適誘導経路算出, 音声認識・音声合成装置を用いた入出力インターフェースの利用等がある. 今回は, 我々が開発しているシステムについての概要を述べると共に, システムに於いて標識として使用するオプティカル・ビーコンの試作を行ったのでこれについて報告を行う.
著者
深谷 哲也 坂本 秀樹 村岡 明高 高見 澤一裕 堀津 浩章
出版者
社団法人日本農芸化学会
雑誌
日本農藝化學會誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.233-239, 1994-02-01
被引用文献数
2 2

Worcestershire sauce production might include a fermentation step. The raw materials have high osmotic pressure, so we set out to select an osmotolerant yeast strain suitable for Worcestershire sauce production. Three commonly used yeasts were evaluated : Soccharomyces cerevisiae OC-2, a wine yeast;Kluyveromyces fragilis IFO 0288, widely used for fermentation of kefir grains ; and Zygosaccharomyces rouxii IFO 0493, a soy sauce yeast. In the range of total sugar Concentrations of 28.1-47.8% (the mixture contained sucrose, glucose, and fructose) cell numbers and ethanol production decreased as the sugar concentration rose, especially with K.fragilis. The relationship between the total sugar concentration and ethanol production by each yeast was expressed as follows : S.cerevisiae OC-2 (n=8, r=0.999) P=-1.54×10^-4×S^3+1.72×10^-2×S^2-0.649×S+8.91 K.fragilis IFO 0288 (n=8, r=0.995) P=(-3.57×10^-2×S)+1.74 Z.rouxii IFO 0493 (n=8, r=0.987) P=-1.15×10^-3×S^2+9.38×10^-2×S-1.36 Where P is the ethanol production and S is the total sugar concentration. Under the usual conditions for Worcestershire sauce production, with 39% total sugars, S.cerevisiae OC-2 had the greatest osmotolerance of the three yeasts, with higher ethanol productivity and satisfactory production of aromatic components than the other yeasts. We selected S.cerevisiae OC-2 for trial in the proposed new step in Worcestersbire sauce production.
著者
遠田 利之 執行 直之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-II, エレクトロニクス, II-電子素子・応用 (ISSN:09151907)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.244-251, 1996-06-25
被引用文献数
4

ディープサブミクロンCMOSの実現における重要な課題の一つが,pMOSでの埋込チャネルと表面チャネルの選択である.これまで,埋込チャネルは微細化や低電圧化が難しいと考えられてきた.これは,短チャネル効果が顕著であり,Sスイング(Subthreshold-Swing)も大きいからである.但し,従来の検討は埋込層が深い場合に対して行われた.微細化に伴い接合は浅くなるが,埋込層が浅い場合の検討は充分ではなかった. そこで我々は,埋込チャネルのSスイングおよび短チャネル効果の,埋込層およびソース/ドレーン接合深さ依存性をシミュレーションにより解析した.この結果,埋込層が完全に空乏化する程浅ければ,表面チャネルよりもSスイングが低下し,サブスレッショルド特性が急しゅんになることがわかった.すなわち,Sスイングを極小とする最適構造は表面チャネルでなく,埋込チャネルにあることを初めて見いだした. この構造をCDSC(Counter-Doped Surface-Channel)と呼ぶ.更に,ソース/ドレーンを埋込層より浅くすれば,短チャネル効果も表面チャネルより抑制できることも明らかになった.すなわち,CDSCはディープサブミクロンに適用できるpMOSとして有望である.
著者
金子 豊 滝沢 悦貞 川添 豪
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.94, no.410, pp.73-76, 1994-12-16

宇宙開発事業団では,将来の月面有人活動の実現に向けて,先行ミッションとして不可欠な無人探査ミッションの概念検討を実施している。無人探査ミッションは,月周回観測衛星によるリモートセンシング,月面移動探査機による地表面直接探査,地球に試料を持ち帰るサンプルリターンミッションから構成される。ここでは,月全体の地形及び元素,鉱物分布のデータ取得を主目的とした月周回観測衛星の概念検討の結果について報告する
著者
斉藤 洋三 笹月 健彦
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1984

我々はこれまでに、スギ花粉症に対する抵抗性、およびスギ花粉抗原(CPAg)に対するIgE低応答性はHLAと連鎖した遺伝子によりCPAg特異的サプレッサーT細胞を介して発現される単純優性遺伝形質であり、HLA-DRは免疫応答遺伝子産物として、またHLA-DQは免疫抑制遺伝子産物として機能していることを明らかにしてきた。今年度は、HLA-DQが関与する免疫抑制のメカニズムをより詳細に解析するために、第3回国際白血球分化抗原ワークショップで得られた約50種の活性化T細胞に関わる単クローン抗体が免疫抑制におよぼす影響について検討した。非応答者の末梢リンパ球をB+M0,【CD4^+】T細胞,【CD8^+】T細胞に分画し、その組みあわせをCPAg,PWMおよび各種単クローン抗体と共培養した。その結果、免疫応答を直接刺激することなく、免疫抑制を阻止することで、非応答者のIgE免疫応答を回復させる単クローン抗体4B4を見い出した。この4B4分子はヘルパーT細胞上に表現されているが、サプレッサーT細胞上には表現されていなかった。また、培養開始時に細胞を抗4B4で処理しても免疫抑制は阻止されないことから、培養期間中のある特定の時期にこの抗体が存在することが、免疫抑制の阻止に必須であるものと考えられた。さらに免疫化学的な解析から、この分子は、125Kdと145Kdのポリペプチドからなるヘテロダイマーであり、HLAやT細胞レセプターとは物理的近距離には存在しないことが明らかとなった。さらに、CPAg特異的ヘルパーT細胞株から免疫沈降してくる4B4分子は、静止期T細胞のそれに比べて、新たに3種のポリペプチドを有していた。これらの結果から、活性化T細胞上の4B4分子が、サプレッサーT細胞やサプレッサー因子の標的分子として機能していることが推測された。特異性を担うHLA分子のみならず4B4のような分子も非特異的に免疫抑制に関与していることが明らかとなった。
著者
山根 成之
出版者
鳥取大学
雑誌
鳥取大学教養部紀要 (ISSN:02874121)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.135-141, 1970-12
著者
伊藤 彰浩
出版者
広島大学
雑誌
大学論集 (ISSN:03020142)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.149-168, 2006-03
著者
Kishinouye Fuyuhiko Shida Isamu
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大學地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.183-188, 1959-05-15

脈動が地盤によつてどのように違うかを見るために,前回は砂丘の上で測定したが今回は冲積地である酒田市街の南東端において同様の観測を行つた.気圧配置は「西高東低」で酒田においては少し雪を伴つた強風が吹いていた.観測結果は図に示した通りである.伝播速度は1000m/sで周期2.8秒で,前回は750m/sで4秒であつたので,これ等の値から波長を求めると殆ど等しい.このような結果から地盤の影響について結論を出すにはまだ早いと思う.伝播方向は,日本海が荒れていたにも拘らずその方をむかず,前回と同様脈動は北太平洋の波によつて起されるように見える.観測点CとDとは新井田川の両岸にあつた.以前に東京附近で多摩川の両岸で脈動の差異を認めたのでその点を調べたが,その差は認められなかつた,ここは地質の差がはつきりした所でないので脈動に差が表われなかつたのかも知れないが,この問題は更に他の場所で調べて見たい.
著者
石原 正仁 藤吉 康志 新井 健一郎 吉本 直弘 小西 啓之
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.727-742, 2009-09-30

1998年8月7日にメソスケール降雨帯が大阪湾上を南下し,その中で特に発達した積乱雲が関西国際空港(「関西空港」という)に近づいた.同空港において低層ウィンドシアーを監視している空港気象ドップラーレーダー(DRAW)は,この積乱雲が同空港に到達するまでの間にマイクロバーストを延べ24回自動検出した.このとき低層ウィンドシアーに関する共同調査を実施中であった関西航空地方気象台と北海道大学低温科学研究所は,この積乱雲を対象としてDRAWと同研究所の可搬型ドップラーレーダーによるデュアル観測を行った.この積乱雲は少なくとも4つのマイクロバースト(MB)を,7〜9分間隔で発生させていたことがわかった.このうちの2つのMBについて,その振舞いと内部・周辺の風の3次元分布を詳細に解析した.2つめのMBについては,DRAWの自動検出では水平距離4kmで17m/sの風の水平シアーが測定され,デュアル解析によると高度3kmで7m/sの下降流,及び高度500mで14m/sの水平風が形成されていた.またMB 3が到達した関西空港では21m/sの瞬間風速が記録された.これらのことから,DRAWの自動検出はMBの位置,形状,風の水平シアーの強さを精度よく算出していることがわかった.同時に,MBの非軸対称性が水平シアーの測定に誤差を生じさせる可能性のあることも分かった.MBの微細構造として,1つめのMBにともなう地上付近の発散流は非軸対称的な分布を示し,MBの移動方向の右前方に強く吹き出していた.このMBにともなう発散流の先端のガストフロントでは上昇流が作られ,その上昇流によって上空に形成された降水コアが着地するとともに,2つめのMBが発生した.MBの生成には,降水粒子の蒸発による下降流内の空気の冷却,及び落下する降水粒子が空気を引きずり下ろす力の両者が作用していたと推測された.航空機がこのMBに進入した場合,飛行経路に沿った風の水平シアーにともなう揚力減少の効果は,下降流が航空機を直接降下させる効果より2.7倍以上であったと見積もられた.
著者
千葉 修 高橋 信年
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.447-455, 2003-06-30
被引用文献数
3

1998年4月28日のGMS可視画像に見られた四国上空の雲の変化に関心を持ち,雲の動態と局地風の関係を調べた.午前中の雲画像は,四国の太平洋側に散在した積雲群を,午後には四国の脊梁山脈を中心に集積した広い雲域を示した.これを局地風の動きと比較すると朝方の雲は沿岸域に隣接する岬や高地で生じた積雲群とみられる.そのあと谷風と主に太平洋側からの海風が内陸奥深く進入し山岳周縁部に雲域を形成した.そして午後には高温位となった四国の山岳域に熱的低気圧が発生し,そこに谷風と海風との連結した風が吹き込み山岳域を中心に雲が広範囲に集積した.結果として午後遅くに高峰付近の雲域は四国の面積の約4割を覆い,その雲頂高度は2000m以上であった.
著者
森 博明 北田 敏廣 弥田 賢次
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.515-530, 1998-07-31
被引用文献数
1

移動性高気圧が本州中央部を通過した1991年4月21日〜23日の3日間について, 伊勢湾-濃尾平野を含む領域及び松本盆地で行われた立体気象観測データをもとに, 気流の鉛直構造の日変化を調べた.その結果, 1)広域海陸風日における海陸風の発達高度は, 陸風及び伊勢湾海風が層厚200〜400m, 遠州灘海風が層厚500〜700mを示す.2)伊勢湾海風が出現する以前の午前10時頃に, 高さ700〜1100m(港区)で濃尾平野周辺の山岳地形効果に基づくと考えられる平地→台地風が吹き始める.3)遠州灘海風の上層には, 15〜23時頃にかけて, 中部山岳に発達する熱的低気圧(山岳上空の暖気に基づく低圧部)に向かうと考えられる厚さ1000〜1400m, 風向S〜SWの大規模な平地→台地風が出現すると共に, さらにその上層には, 平地→台地風の反流と考えられるN〜Eの風系が見られる.4)この領域における海陸風は, 伊勢湾-濃尾平野-中部山岳という大きなスケールでの地形効果の影響を強く受けていると考えられる.等の特徴が見られた.
著者
宮本 みち子
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
no.5, pp.6-15, 2006-05-27

青年期から成人期への移行の時期は、従来の青年期や成人期の枠組みでは理解できない独自のステージとして立ち現れている。それが若者世代にとって、 可動性と選択の自由が保障された新しい時代の幕明けになるためには、多くの検討が,必要である。しかし、日本では近年まで、「移行期」が明確に意識されることはなく、研究士も社会政策上も議論は未発達のままであった。欧米諸国の研究や政策の展開をみると、学校から仕事へのストレートな移行をモデルとする政策だけでは、変化する実態に対応できないという認識に転じている。その結果、移行期の発達を保障するために、若年者労働市場政策の多様化が生じている。有給雇用に至らない、訓練的、ボランティア的性格の活動や、ソーシャルサービスやユースサービスなどの非営利セクターにおける活動が、移行期の若者にとって重要な意味と役割を有しているとするものである。1つ目のタイプは、訓練的、ボランティア的性格を帯びた活動を移行的労働市場とし、これを職業に到達する道筋として位置付け、これらの領域における積極的活動を支援する政策である。2つ目のタイプは、ソーシャルサービスとユースサービスなどの非営利活動を労働の観点から見直し、そこでの活動を通して、学習や訓練や展用へといざなうものである。3つ目は、コミュニティにおけるノンフォーマル学習を、若者の内的動機作りに有効と位置付ける政策である。
著者
クマーラ アーナンダ
出版者
鈴鹿大学
雑誌
鈴鹿国際大学紀要Campana (ISSN:13428802)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.19-34, 2006-03-20

Poverty has been a main developing issue in Sri Lanka for decades, and the government had been introducing various programs to respond to this issue. However, the poverty remains as a significant social problem in many parts of the country. Poverty is also related to the high unemployment rate of the youth. This paper has identified education as one of the main reasons for the poverty in this country. The unemployment rate of the youth who have completed the higher secondary level has been on increase in the recent years. The general education up to the secondary level in Sri Lanka has shown a satisfactory situation within the country and, this situation is superior to many other developing countries in Asia. However, the situation of tertiary level of education has been extremely weak. In addition, vocational education also has been poor, both in terms of "quantity" and "quality". The higher level of achievement in the secondary education has not geared to the development of the country as the number of jobs available for the educated youth is insufficient. Likewise, the youth are unable to start their-own business enterprises due to the lack of "applied knowledge" required to manage a business. In addition, it seems that the issue of poverty has been misused by the politicians to gain and maintain the power, without showing a keen interest to resolve this problem of the country. The author conducted an empirical survey in several "least developed villages" in the North Western Province, which represents the 3rd largest provincial poverty population, for searching an effective mean for addressing the poverty problem. Vocational training programs conducted by a Japanese NGO were focused for this survey. It was found that those training programs organized according to the real requirements and the demands of the rural youth had been successfully contributed to the empowerment of the youth in the both economical and social aspects. The author suggests that the empowerment of the youth can be more effective for solving the poverty problem than introducing income- or food-supplementary assistance programs linked with the short-sighted political objectives and, more attention is needed to introduce suitable vocational and higher learning programs for the youth who have completed the secondary education. International cooperation activities, both by foreign governments and NGOs, can be considered very significant in the solving of poverty problem in this country.