著者
中沢 弥
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.11-19, 2001-11-10 (Released:2017-08-01)

小山内薫・山田耕筰・石井漠の三人が中心となって結成された実験的な劇団<新劇場>は、演劇の改革を標榜するとともに「舞踊詩」という新しいジャンルを提唱した。この舞踊詩のたどった過程は、大劇場と小劇場、高級な劇と民衆のための劇といった区分やそれらの間の争闘をも無力化する。また、震災後に始まるラジオ放送は、集団としての観客ではなくて、多数の個人としての聴取者を生み出すことになる。こうした芸術ジャンルの変容や受容形態の多様化を考えるための原点の一つとして、<新劇場>の活動をとらえ直す必要がある。
著者
三浦 雅史 川口 徹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1306, 2014 (Released:2014-05-09)

【目的】着地動作はスポーツ外傷の受傷機転として多い動作の一つである。これまで我々は,この着地動作に注目し,前後左右4方向への片脚着地動作について解析してきた。過去の報告では着地動作の成功例についてのみ解析してきたが,失敗例については解析されていなかった。実際のスポーツ場面での受傷状況を考えると,失敗例にその原因を突き止める鍵があるかもしれない。そこで,4方向への片脚着地動作について,どの方向で失敗しやすいのか,またどのようなパターンで失敗しているのかについて検討した。【方法】対象は健常な女子大学生38名とした。対象を女性と限定したのは膝外傷の特にACL損傷は女性に多いとされているためである。片脚着地動作の解析にはデジタルビデオカメラを用い,台から5m前方に設置した。測定した着地動作は高さ30cmの台から前方・後方・右側方・左側方へ片脚着地することとし,測定肢は全て右とした。着地動作時には視線は前方に保ち,上肢によるバランス保持の影響を少なくするために両上肢を胸の前で組むように指示した。まず,対象者は台上で足部を肩幅に広げた立位から片脚となり,片脚立位が安定してから検査者の合図により落下し,着地した。着地方向は前方,後方,右側方,左側方に10回ずつ実施した。着地成功・失敗の判定基準は2秒以内に静止できた施行を成功例,2秒以内に静止できなかった施行や着地後に足部の接地位置が変化した施行,遊脚側である左下肢を床につけてしまった施行を失敗例とした。各着地方向での失敗回数をカウントし,失敗動作を足底接地後2秒以内に静止できなかった施行(静止失敗群),着地後右足底の接地位置が変化した施行(足底離床群),遊脚側である左下肢を床につけてしまった施行(両脚接地群)の3パターンに分類した。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は演者が所属する大学の倫理委員会の承認を得て実施した。研究内容について書面で説明し,同意を得た上で研究に参加頂いた。【結果】解析対象とした施行回数は1520回であった(4方向×10回×38名)。このうち,成功回数は775回(全試行の51.0%),失敗回数は745回(全試行の49.0%)であった。着地の方向別の失敗回数は左側方が最も多く210回,次いで右側方200回,後方182回,前方153回の順であった。パターン別では全方向とも足底離床群が最も多く,合計586回(失敗回数の78.7%),前方119回,後方144回,右側方150回,左側方173回であった。次いで多かったのが静止失敗群で合計118回(失敗回数の15.8%),前方25回,後方23回,右側方38回,左側方32回となった。両脚接地群は最も少なく合計41回(失敗回数の5.5%)であった。【考察】これまで我々が検討してきた先行研究では成功例のみを解析対象とし,失敗例は解析対象から除外してきた。しかし,今回の研究結果からも示された通り,片脚着地動作は約半数近くの施行で失敗する動作であることが明らかとなった。このことは片脚着地動作がスポーツ外傷の受傷原因となり得る動作であることを改めて説明する結果ではないかと考えている。また,今回の結果から,前後方向に比べ左右側方への着地動作で失敗していることが分かる。着地動作,特にドロップジャンプに関する先行研究では,前方への着地動作に関する解析がほとんどであり,本研究結果を踏まえると,今後は側方への着地動作に関する解析が重要と考える。失敗パターンでは足底離床群が約80%を占めており,体勢を保持または立て直すための動作が実施されており,スポーツ外傷の発生に関連する可能性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】従来の動作分析では,解析にそぐわない条件,すなわち失敗例をデータ対象から除外する傾向があった。今回,改めて失敗例にスポットを当てたことで,今後の研究課題のヒントを得た点は非常な重要な意味を持つと考える。
著者
池田 央
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.30-41, 1981-08-01 (Released:2010-06-28)
参考文献数
26
被引用文献数
1
著者
北澤 宏一
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.67, no.8, pp.929-931, 1998-08-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
4
著者
田森 秀明 人見 雄太 田口 雄哉
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.591-595, 2018-12-01 (Released:2018-12-01)

朝日新聞社メディアラボは,新規ビジネスの開発や出資・投資,研究開発などを主なミッションとし,2013年9月に発足した新しい部署だ。発足当初より研究開発(R&D)がスコープにあり,新技術を積極的に取り入れ,将来のビジネスにいかす活動を進めている。近年では自然言語処理への取り組みは新聞社には必要な技術分野として,メディアラボのみならず社内のIT部門である情報技術本部,更には社外のベンチャー企業などとともに取り組みを広げている。本稿では,メディアラボの人工知能,特に機械学習や自然言語処理の取り組みについて発足当初の取り組みや,最近の成果を紹介する。
著者
寺内 光 森 直樹 上野 未貴
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1H2J1305, 2019 (Released:2019-06-01)

人工知能(AI)に人間の創作物を理解させようとする研究が盛んである.しかし,それらは依然として難しいタスクである.本研究では,人間の創作物の中でも特に4コマ漫画を扱い,AIに理解させることを目的とする.この挑戦のために我々は「4コマ漫画ストーリデータセット」と呼ばれる新しい漫画データセットを用いる.このデータセットはAI創作の開発のために研究者と漫画家によって作られた世界初のデータセットである.本研究ではコマ画像のタッチ識別をするが,方法としてはオートエンコーダモデルを用いてコマ画像を分散表現化し,その分散表現を用いて識別タスクを解き,テスト画像がいずれのタッチであるか判断する.そのタッチ識別タスクの識別率によって分散表現の間接的な評価を行うこととする.また,顔のパーツ等を抜いた画像に対して同様の実験を行うことにより,提案した手法の有効性を確認する.
著者
小林 茂樹 広渡 俊哉 黒子 浩
出版者
THE LEPIDOPTEROLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.1-57, 2010-05-31 (Released:2017-08-10)
参考文献数
33

チビガ科Bucculatricidaeは,幼虫が若齢期に葉にもぐる潜葉性の小蛾類である.成虫は開張6-8mmで,世界ではおよそ250種が知られる.中齢期において幼虫は潜孔を脱出し,老熟すると本科に特徴的な縦の隆条をもった舟底形のマユを葉や枝上につくり蛹化する.日本では,アオギリチビガBucculatrix firmianella Kuroko,1982,ナシチビガB.pyrivorella Kuroko,1964,クロツバラチビガB.citima Seksjaeva,1989の3種が知られており,最近筆者らによってハマボウチビガB.hamaboella Kobayashi,Hirowatari&Kuroko,2009,ならびにコナラチビガBucculatrix comporabile Seksjaeva 1989とクリチビガB.demaryella(Duponchel,1840)が追加された(有田他,2009).しかし,本科にはヨモギ属を寄主とするヨモギチビガBucculatrix sp.など,多くの未同定種の報告があり,種の分類・生活史の解明度が低く,種レベルの研究が不十分であった.そこで本研究は,日本産の本科の新種を含む未解明種の形態・生活史を明らかにすることに努め,既知種を含めた本科の分類学的再検討を行った.野外調査とともに大阪府立大学や小木広行氏(札幌市),平野長男氏(松本市),村瀬ますみ氏(和歌山市)などの所蔵標本を用い,日本各地の成虫を調査した.奥(2003)が同定を保留した4種についても,交尾器の形態を確認した.その結果,4新種,11新記録種,2学名未決定種を加えた計23種を確認した.確認された23種を,交尾器の特徴から10種群に分類し,16種の幼虫期の習性をまとめ,3タイプに分類した.幼虫習性は,11種で多くのチビガ科の種でみられる型(1.中齢以降は葉の表面にでて葉を摂食する.2.脱皮マユは2回作る)が見られ,茎潜り,ヨモギにつく3種に見られた脱皮マユを一度しか作らない型は,Baryshnikova(2008)の系統の初期に分化したと考えられるグループに属した.ヤマブキトラチビガとシナノキチビガはシナノキの葉の表と裏側をそれぞれ利用していたが,形態は大きく異なっており,それぞれ,ブナ科とバラ科に潜孔するグループに形態的に近縁と考えられた.また,メス交尾器の受精管が交尾のうの中央に開口することが本科の共有派生形質であることを示唆し,さらに調査した日本産18種でこの形質状態を確認できた. 1.Bucculatrix firmianella Kuroko,1982アオギリチビガ(Plates 1(1),2(1-11),Figs 3A-C,10A)開張6-8mm.前翅は白色に不明瞭な暗褐色条が走り,前翅2/3から翅頂に黒鱗が散在する.雄交尾器のバルバ,ソキウスは丸く,挿入器は細長い.幼虫は6〜10月にアオギリの葉にらせん状の潜孔を作る.住宅の庭木や大学キャンパスなどで発生がみられた.分布:本州,四国,九州.寄主植物:アオギリ(アオギリ科). 2.Bucculatrix hamaboella Kobayashi,Hirowatari&Kuroko,2009ハマボウチビガ(Plates 1(2),2(12-17).Figs 1D,3D-F,10B)開張5.5-8mm.前翅は白色から暗褐色で黒鱗が全体に散在する.雄交尾器のバルバ,ソキウスは長く,バルバの先端に1対の突起がある.幼虫は初夏から11月初旬までみられ,若齢幼虫はハマボウの葉に細長く線状に潜り,その後茎内部に潜る.三重県では,蕾内部に潜孔している幼虫や種子の摂食が観察されている(中野・間野,未発表).分布:本州(三重,和歌山)寄主植物:ハマボウ(アオイ科). 3.Bucculatrix splendida Seksjaeva,1992ハイイロチビガ(新記録種)(Plates 1(3),2(18-20).Figs 1C,3G-I,9E,10C)開張8mm内外.前翅及び冠毛は黒色で,容易に他種と区別できる.本種は,奥(2003)によってBucculatrix sp.4として記録された.幼虫は,夏にみられヨモギの葉の表側表皮を残して薄く剥ぎ,点々と食痕を残す.分布:北海道,本州(岩手,長野);ロシア極東.寄主植物:ヨモギ(キク科). 4.Bucculatrix laciniatell Benander,1931アズサガワチビガ(新称,新記録種)(Plates 1(4).Figs 3J-L)開張9mm.前翅は白色で,前縁から後方に明るい茶色の斜列条が走る.雄交尾器の挿入器は先端が鉤爪状に反り,バルバの先端には細かい棘状の突起がある.平野長男氏採集の長野県梓川産の1♂にもとづいて記録した.ヨーロッパでは,Artemisia laciniata(キク科)を寄主とすることが知られる.分布:本州(長野);ヨーロッパ.寄主植物:日本では未確認. 5.Bucculatrix sp.1(nr.bicinica Seksjaeva,1992)(Fig.9D)本種は,奥(2003)によってBucculatrix sp.3として記録された.雄交尾器は,挿入器の先が大きく反り返り,把握器は長細くなる.沿海州産のB.bicinica Seksjaeva,1992に雄交尾器は似るが,同定を保留した.分布:本州(岩手).寄主植物:不明.6.Bucculatrix maritima Stainton,1851ウラギクチビガ(新称,新記録種)(Plates 1(5),2(21,22).Figs 9A,10D)開張75mm.前翅は濃茶色に白色が混じり,基部に明瞭な白斜条が走る.雄交尾器の把握器は先端が深く切れ込み,雌交尾器の交尾口は,おわん型になる.小木広行氏採集の北海道鹿追産の1♂と山崎一夫氏採集の大阪府大阪市産の1♀にもとづいて記録した.山崎(私信)によると潜孔とマユを大阪市北港処分地で観察している.同様に淀川河口付近のウラギクでも潜孔痕が観察できた.ヨーロッパでは,ウラギクAster tripolium,Artemisia maritima(キク科)を寄主とすることが知られる.分布:北海道,本州(大阪);ヨーロッパ,ロシア.寄主植物:ウラギク(キク科). 7.Bucculatrix notella Seksjaeva,1996ヨモギチビガ(新称,新記録種)(Plate 1(6),2(23-28).Figs 1C,4A-D,10E)開張6-7mm.前翅は乳白色で,茶から暗褐色の斜条が前縁1/2および2/3に走るが,斑紋の変異が大きい.雄交尾器は,テグメンの先端が発達し,雌交尾器の交尾口はカップ状になる.幼虫は,春から秋にかけてみられ,近畿地方では冬にも若齢幼虫がみられた.後齢幼虫はヨモギの葉に小孔を開け,そこから組織を摂食する.北海道では,ハイイロチビガと混棲しているのが観察された.分布:北海道,本州(長野,三重,奈良,大阪,和歌山,兵庫),九州;ロシア極東.寄主植物:ヨモギ(キク科). 8.Bucculatrix nota Seksjaeva,1989イワテヨモギチビガ(改称,新記録種)(Plate 1(7).Figs 1C,4E-G,9B)開張8mm.前翅は乳白色に褐色の斜条が走る.本種は,奥(2003)によってヨモギチビガBucculatrix sp.1として生態情報とともに記録されたが,ヨモギを寄主とするチビガとしては全国的に前種の方が普通に見られるので本種をイワテヨモギチビガとした.形態,生態ともに前種に似るが,雄交尾器のソキウスが長く発達し,挿入器の先端は大きくフック状に反る.分布:本州(岩手,長野);ロシア極東.寄主植物:ヨモギ,オオヨモギ(キク科). 9.Bucculatrix sp.2(nr.varia Seksjaeva,1992)(Fig.9C)本種は,奥(2003)によってBucculatrix sp.2として記録された.雄交尾器は,ソキウスの側面が広がり,把握器は先が指状になる.沿海州産のB.varia Seksjaeva,1992に雄交尾器は似るが,同定を保留した.分布:本州(岩手).寄主植物:不明. 10.Bucculatrix sinevi Seksjaeva,1988シネフチビガ(新称,新記録種)(Plate 1(8).Figs 4H-I,10F)開張7.0-8.0mm.前翅は乳白色で,茶鱗が散在する.雌雄交尾器は,特徴的で雄交尾器のソキウスは小さく,バルバは幅広く先端が尖る.雌交尾器の交尾口の両側には牛角状の突起が伸びる.分布:北海道;ロシア極東.寄主植物:不明. 11.Bucculatrix altera Seksjaeva,1989アムールチビガ(新称,新記録種)(Plate 1(9).Figs 5A-E,11A)開張7.0-8.2mm.前翅は白色で茶〜暗褐鱗が散在する.雄交尾器は,挿入器内に多数の鉤爪状突起がある.雌交尾器は,前種と同様に角状突起を有しアントゥルムは幅広の筒状になる.分布:北海道;ロシア極東.寄主植物:不明. 12.Bucculatrix pyrivorella Kuroko,1964ナシチビガ(Plate 1(10),2(29-32),3(1-7).Figs 1A,2,5E-G,11B)開張7.0-8.0mm.前翅は白色で,不明瞭な明るい茶の斜(View PDF for the rest of the abstract.)
著者
太田 直一
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学教育 (ISSN:24326542)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.182-188, 1972-06-20 (Released:2017-09-22)

土壌および生物は, 環境問題を考える場合の最も身近なものとして, "汚染"を判断するための基礎となるデータ(バックグラウンドまたは正常値)が望まれている。しかし, 土壌も生物も非常に複雑多様な系なので, たとえ問題を構成元素だけにかぎっても, 有効なバックグラウンド像を得ることはきわめて困難なのが実情である。本項では, 土壌については構成物質と組成について, また生物については構成元素と生物体への元素の蓄積について, それぞれ概要をのべることとする。
著者
先本 将人
出版者
日本国際観光学会
雑誌
日本国際観光学会論文集 (ISSN:24332976)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.97-101, 2011 (Released:2019-04-03)

The research of the travel insurance in Japan is not advanced compared with that of other automobile insurances and the fire insurances. The purpose of this research is to clarify the history of the birth of the travel insurance in Japan as the beginning of the travel insurance research .The fact that the invention and the spread of the railway were greatly related to the birth of the travel insurance was known by this research. This thesis wants to cradle the travel insurance by what details, and to arrange to be born in Japan.