著者
黒岩 大助
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.31, no.10, pp.756-764, 1976-10-05

日本における雪氷研究の先駆者であった故中谷宇吉郎の仕事が, この国の雪氷学の発展にどのような影響をあたえてきたかについて解説した. 中谷宇吉郎は外国の著名な学者の研究をいち速く日本でまねることによって安心する学者ではなく, また, 物理学の主流から外れているようでも常に独創的な分野を開拓した学者である. 来日する外国の雪氷学者はこの国の雪氷研究者の数の多いのに一様に驚く. そして日本の雷氷学はもう中谷の名前を知らない若い世代によってすすめられようとしている. この一文は物理学を志す若い人々に雪氷の研究はもはや "探検" というロマンの時代は終り, 近代物理学の研究対象としても十分面白いものであることを理解していただけることを期待して書いた.
著者
Harutaka Hata Hiroyuki Motomura
出版者
The Japanese Society of Systematic Zoology
雑誌
Species Diversity (ISSN:13421670)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.197-204, 2021-09-10 (Released:2021-09-10)
参考文献数
49
被引用文献数
1

Eighteen specimens of Sardinella gibbosa (Bleeker, 1849) collected from Okinawa Island, Ryukyu Islands, Japan represent the first Japanese specimen-based records of the species. All specimens conformed closely to the diagnosis of S. gibbosa, having the caudal fin uniformly pale, a black spot on the dorsal-fin origin, body scales with centrally discontinuous striae, 26−31+50–57=77–88 gill rakers on the first gill arch, and 18 or 19+14 or 15=32–34 keeled scutes along the body ventral surface. In addition, some previous Japanese records of unidentified clupeoid fishes are reviewed.

4 0 0 0 OA 徴兵検査

著者
尚兵社 編
出版者
図書出版協会
巻号頁・発行日
1902
著者
物理学輪講会同人 編
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
vol.第1輯, 1928
著者
内閣統計局 編
出版者
東京統計協会
巻号頁・発行日
vol.第1編 沿革図表, 1910
著者
峰松 陽一
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.187-191,181, 1976-03-01 (Released:2011-09-21)
参考文献数
17
著者
井尻 香代子
出版者
京都産業大学総合学術研究所
雑誌
京都産業大学総合学術研究所所報 (ISSN:13488465)
巻号頁・発行日
no.16, pp.131-137, 2021-07-30

スペインやラテンアメリカでは,近年,俳句のみならず,連句,川柳,俳文,俳画など,俳文学の受容が進んでいる。本稿は,日本の俳文学がなぜスペイン語圏の一般の人々に広く実作されるに至ったのか,解明への端緒を開くことを目的としている。ここではスペイン語圏の俳文学ジャンルの実作状況を踏まえ,日本とスペイン語圏の俳文学ジャンルの定義の比較分析を行った。その結果,形式,テーマ,文体において共通点が見出された。スペイン語圏の人々は,その生活に根差した感性の表現を伝統的な口承文学に見出してきたが,現在はその新しい詩学を日本の俳諧の精神・美学に求めていると思われる。
著者
金菱 清
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.18, no.10, pp.10_50-10_53, 2013-10-01 (Released:2014-02-07)
参考文献数
6
著者
堀山 貴史 庄子 亘
雑誌
研究報告アルゴリズム(AL)
巻号頁・発行日
vol.2012-AL-140, no.9, pp.1-8, 2012-05-07

多面体の展開図 (辺展開とも呼ばれる) は,多面体を辺に沿って切り開くことで得られる多角形である.切り開く辺が異なっても,同型な展開図が得られることがある.例えば,立方体には 384 通りの展開の仕方 (つまり辺の切り開き方) があるが,同型なものを除去することで,11 種類の本質的に異なる (非同型な) 展開図が得られる.本稿では,任意の多面体に対し,非同型な展開図の個数を数え上げる方法について述べる.また,この手法をすべての整面凸多面体 (正多面体,半正多面体,ジョンソン・ザルガラーの多面体,アルキメデスの角柱と反角柱) に適用し,それぞれの非同型な展開図の個数を示す.たとえば,角切り二十面体 (サッカーボールフラーレン) には 375,291,866,372,898,816,000 通りの展開方法があるが,同型なものを排除することで 3,127,432,220,939,473,920 種類の異なる展開図が存在することが分かった.
著者
束村 博子
出版者
名古屋大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

本研究は、味覚の雌雄差をもたらす脳の性分化メカニズムを明らかにすることを目的とて行われた。味覚のうち、特に甘味に対しメスがオスに比べて高い嗜好性を示すことが報告されていることから、ラットを用いて過去の報告と一致した結果が得られるかどうかを確かめた。カロリーとは関係なく、甘味のみに対する嗜好性を確かめるためにサッカリン水溶液を用いた。雌雄ラットに、0.25、0.5、あるいは0.75%サッカリン水溶液および対照として水道水を与え、その後2週間、水摂取に対するサッカリン摂取の割合を得た。その結果、ウィスター今道系のラットを用いた場合、メスがオスより有意に高い甘味嗜好性を示す日があることが確かめられた。この嗜好性の傾向は、卵巣除去メスと精巣除去オスとを比べた場合にも認められた。一方、Sprague-Dawley(SD)系ラットを用いて、同様の実験を行った結果、これまでの結果とは異なり、オスがメスに比べて有意に高い甘味嗜好性を示すことが明らかとなった。さらに、Long-Evans系ラットを用いて同様の実験を行ったところ、雌雄の間に明瞭な甘味嗜好性の違いは認められなかった。これらの結果より、ラットの系統によって雌雄の甘味嗜好性には違いがあり、メスあるいはオスが高い甘味嗜好性を示す場合、さらに雌雄に大きな違いがない場合があることが明らかとなった。すなわち、「メスは高い甘味嗜好性を示す」というこれまでの研究結果は普遍的でない可能性が高いことを示す結果となった。現在、過去の報告との違いの理由を検討するとともに、本研究結果を報告するための準備を行っている。
著者
橋本 功 八木橋 宏勇
出版者
信州大学人文学部
雑誌
人文科学論集 文化コミュニケーション学科編 (ISSN:13422790)
巻号頁・発行日
no.40, pp.27-44, 2006-03
被引用文献数
1

人文科学論集. 文化コミュニケーション学科編 40:27-44(2006)
著者
粟田 有紀 川﨑 エミ 大谷 美幸 酒田 伴子 新城 泰子 長田 三枝 大野 秀樹 大橋 秀一
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
総合健診 (ISSN:13470086)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.623-628, 2015 (Released:2016-01-01)
参考文献数
5

【背景】血管迷走神経反応(vasovagal reaction: VVR)は、採血中や採血後に迷走神経興奮によって生じる諸症状を総称する。血圧低下、徐脈、吐き気などを示し、重症の場合には、意識消失、痙攣、失禁にいたる。不安や緊張によって起こりやすいと言われており、採血の副作用としては最も発生頻度が高いとされている。【目的】健保連大阪中央病院健康管理センターにおけるVVRの実態調査を行い、対応策を作成する。【方法】2012年11月から2013年10月までの1年間に、総受診者55,150名中VVRを発症した144名を対象として、発症率・性別・年齢・程度・採血体位・回復時間を調べた。程度の判定基準には厚生労働省の「血管迷走神経反応による症状群の程度別分類」を用いた。さらに看護師20名の意識調査を行い、これらを総合的に検討した。【結果】VVR発症率は0.26%、男女比では女性が、年齢別では若年層が高い傾向となった。程度別では最も軽いⅠ度が128名(88.9%)、Ⅱ度が9名(6.3%)、Ⅲ度が7名(4.9%)となった。採血体位ではベッド上採血が全てⅠ度にとどまり、重症化を防いでいる事が分かった。回復時間は106名(73.6%)が5分以内に回復し、離床上の有用な目安となった。また、看護師の意識調査からⅡ度以上は15分間のベッド上安静が適切であると判断した。【結語】健診での採血時VVRは高頻度ではないが特に若年者、女性に注意することが重要である。また離床上の目安としては5分毎のバイタルサイン測定を織り込んだ「採血によるVVR対応策」を作成することによって、一定の安全対策が確立できた。