4 0 0 0 OA 訂正康煕字典

著者
渡部温 編
出版者
渡辺温
巻号頁・発行日
vol.5, 1887
著者
宗澤 岳史 山本 隆一郎 根建 金男 野村 忍
出版者
日本行動医学会
雑誌
行動医学研究 (ISSN:13416790)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.8-15, 2011 (Released:2014-07-03)
参考文献数
20

本研究は、入眠障害と入眠時の対処行動の関連を検討したものである。研究1では、入眠時の対処行動を因子分析によって分類した。分類された因子は第1因子“認知活動抑制”、第2因子“非入眠行動”、第3因子“認知活動活性”と解釈された。研究2では大学生355名を対象に、対処行動と入眠時認知活動、入眠障害の程度の関連を検討した。その結果、全て対処行動は入眠時認知活動と入眠障害の程度と正の相関を示した。また、パス解析の結果、入眠障害に至る2つの経路が示された。一つは、認知的対処が入眠時認知活動と有意な関連を示す間接的なパスであり、もう一つは、行動的対処が入眠障害の程度と有意な関連を示す直接的なパスであった。本研究結果から、入眠時の不適切な対処行動は入眠障害に対して不適切な影響を有することが確認された。今後は、不適切な対処行動の除去と代わりとなる対処方略の導入を用いた入眠障害に対する認知行動療法の開発が期待される。
著者
染原 睦美
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.548, pp.74-85, 2008-02-25

「Macintosh? 知ってるけど、使ったことはない」──。実は今、そんな"食わず嫌い"のWindowsユーザーを取り込むだけの素地を、Macが整えつつあるのをご存じだろうか。百聞は一見にしかず、ぜひ「Mac体験ツアー」を存分に楽しんでほしい。(染原 睦美) 超薄型モバイルノート「MacBook Air」(32ページ参照)。
著者
宇田川 敦史
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
教育メディア研究 (ISSN:13409352)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.121-132, 2021 (Released:2021-05-08)
参考文献数
11

本研究では,日常的なメディア・インフラである検索エンジンのメディア・リテラシーを育成するワークショップをデザインし,実践した。参加者は,自身が事前に投票した集計データを示された上で,そのデータからランキングを計算するアルゴリズムを考えるグループワークをオンラインで実施した。事前・事後の質問紙を定量的に比較した結果(1)検索エンジンにアルゴリズムが介在していることに気づき(2)検索エンジンのランキングの信頼性・正確性を批判的に意識する姿勢が育成できることが示された。さらに定性分析では,ワークショップ・デザインの効果として実際に送り手の立場を体感したこと,グループワークで多様な可能性を実感したことが,メディア・インフラのリテラシー育成に寄与していることが示唆された。
著者
米田 剛 後藤 晋
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

乱流の数理的理解を飛躍させるために、乱流モデルを一切使わずに、非圧縮Navier-Stokes方程式そのものを使った大規模数値計算、及びその数値計算結果に対する純粋数学的洞察を進める。さらに、乱流実験も進め、そのNavier-Stokes乱流の数理的洞察そのものの妥当性を検証する。より具体的には、①3次元Navier-Stokes乱流のエネルギーカスケードのメカニズム解明②流体運動が乱流であるための重要な指標であるzeroth-lawの数理的理解③乱流実験データに基づく、①および②の数理的洞察の妥当性の検証、を進める。
著者
小谷野 敦
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.297-313, 2008-09

田山花袋の『蒲団』については、さまざまに評されているが、中には、伝記的事実を知らず、ただ作品のみを読んで感想を述べるものが少なくなく、また伝記的研究も十分に知られていないのが実情である。本稿では啓蒙的意味をこめ、ここ十数年の間に明らかにされた手紙類を含めて、その成立経緯を改めて纏め、「横山芳子」のモデルである岡田美知代と花袋の関係を纏めなおし、花袋がどの程度美知代に「恋」していたのかを査定するものである。 「蒲団」は、作家の竹中時雄が、女弟子だった横山芳子への恋慕と情欲を告白する内容だが、芳子のモデルは実際に花袋の弟子だった岡田美知代である。発表以後、これがどの程度事実なのか、論争が続いてきた。戦後、平野謙は、「蒲団」発表後も、岡田家と花袋の間で手紙のやりとりがなされていることから、虚構だったとし、半ば定説となっていた。しかし、館林市の田山花袋記念館が一九九三年に刊行した、花袋研究の第一人者である小林一郎の編纂になる『「蒲団」をめぐる書簡集』により、新たな事実が明らかになった。美知代が弟子入りしてほどなく、花袋は日露戦争の従軍記者として出征しているが、この事実は「蒲団」では省かれている。だが、その際美知代から花袋に送った手紙には、恋文めいたものがあった。妻の目に触れるものであるから、花袋は冷静な返事をしていたが、花袋が帰国した後、美知代は一時帰省し、神戸で英語教師をしていた兄の実麿の許にあって、神戸教会の催しで、キリスト教徒の永代静雄と出会い、恋に落ちる。そして神戸を発って東京へ帰るのに三日かかり、途次に静雄と会っていたのではないかと疑われ、美知代が肉体関係を告白したために親元へ帰されるところで「蒲団」は終わっている。 しかし手紙を見ると、永代と知り合ってから、花袋宛の熱っぽい手紙がなくなり、花袋はもとはさほどに思っていなかった美知代に急に恋着を感じ始めたことが、その後の花袋の美知代宛の手紙に恋を歌った詩がいくつかあることから分かる。つまり真相は、美知代からの恋文があったために花袋もその気になったところへ、永代という恋人ができたため美知代の働きかけがなくなって花袋が煩悶し始めたというものであると分かり、「蒲団」は決して虚構ではなかったのである。 美知代は花袋との縁が切れてからは、繰り返し「蒲団」における、主として「田中」つまり永代の描き方に不満を述べているが、晩年には、永代との関西での同衾はなかったと主張している。しかし三日の遅延はうまく説明できておらず、説得力はない。
著者
藤野 真希 川上 隆茂 門田 佳人 井上 正久 藤代 瞳 角 大悟 鈴木 真也
雑誌
日本薬学会第141年会(広島)
巻号頁・発行日
2021-02-01

【背景・目的】亜鉛の生活習慣病に対する重要性は、様々な基礎研究や疫学研究から示されているが、単純な亜鉛摂取では説明できない細胞内の亜鉛調節機構の重要性も明らかになりつつある。他方、メタロチオネイン(MT)は亜鉛によって誘導され、生理的役割として細胞内における亜鉛や銅などの必須金属の代謝調節機能を有するが、MT遺伝子欠損条件における生活習慣病発症に対する亜鉛の効果の程度については不明な点が多い。本研究では野生型(WT)およびMT欠損マウスを用いて、高脂肪食(HFD)誘導性の生活習慣病に対する亜鉛の効果とそれに対するMTの寄与について比較検討した。【方法】雄性8週齢のWTおよびMT欠損マウスにHFDを亜鉛を含む飲料水(0、227および1135 mg/L)と共に10週間自由摂取させた。6週目に糖負荷試験を行い、解剖時に肝臓および内臓脂肪組織(WAT)重量を測定した。一部の肝臓は、HE染色法による組織学的検索を行った。また、ICP-MSを用いて肝臓および血漿中の亜鉛濃度を測定した。【結果・考察】ICP-MSの解析結果より、肝臓中の亜鉛濃度は、両系統マウスの亜鉛処理群間で同程度であった。WTマウスの血漿中の亜鉛濃度は、亜鉛処理によって用量依存的に増加していたが、MT欠損マウスでは変化は認められなかった。①WTマウスでは亜鉛処理によりWAT重量が有意に低下し、②HFD誘導性の脂肪肝および耐糖能異常の改善が認められた。③一方、MT欠損マウスでは、高濃度の亜鉛処理でもWAT重量の低下、脂肪肝および耐糖能異常の改善は認められなかった。亜鉛処理により両系統マウスの肝臓には同程度の亜鉛が存在していたにもかかわらず、WTマウスで認められた亜鉛補充による生活習慣病の改善作用はMT欠損マウスでは認められなかった。 以上、亜鉛による糖尿病および脂肪肝改善作用の感受性決定遺伝子としてMTが重要な役割を担っており、その作用の一部にWAT重量の低下の関与が示唆された。
著者
大和谷 厚
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

脳内ヒスタミン神経系のいくつかの生理機能は,他の神経系の神経終末上にプレシナプティックヘテロレセプターとして存在するH3-受容体を介してそれらの神経系の活動性が調節されて発現するという作業仮説を証明するため実験を開始した.まず,脳微小透析法と多種目神経化学分析装置を用い,H3-受容体リガンドの脳内神経伝達物質動態への作用を検討し,セロトニン神経系の代謝回転が影響を受けることを明らかにした.その経過にH3-受容体の遮断薬として最も一般的に用いられているチオペラミドが,H3-受容体遮断以外の作用をもつことを見い出し,まずその機構を明らかにすることにした.そして,チオペラミドはカルシウム非依存性にGABA遊離を直接促進させることから,GABAトランスポーターに対する阻害作用によるものと結論づけた.これまで、チオペラミドはヒスタミンH3受容体遮断薬の標準薬として多くの研究に用いられ、その薬理作用は脳内のヒスタミン遊離を増加した結果として説明され、脳内ヒスタミンの生理的意義を探るため用いられてきたが,この結果から,これまでの報告されているチオペラミドの中枢薬理作用がヒスタミンH3受容体遮断によるものだけでなく、GABA遊離の関与も考える必要があり,全てのデータについて再検討する必要があると考えられた。また,H3-受容体リガンドの治療薬としての可能性を深る目的で,麻酔深度におよぼす影響および動揺病の予防効果について動物実験を行った.H3-受容体遮断薬により脳内ヒスタミン遊離を増強させたときの麻酔深度への影響を調べたが,チオペラミドの場合,所期の効果が観察できなかった.これは,前述のチオペラミドのGABA遊離促進効果によりマスクされたものと結論づけ,より特異性の高い薬物で再検討することとした.動揺病予防については,H3-遮断薬の投与が有効であることが分かった.
著者
本多 真
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.129, no.6, pp.422-426, 2007 (Released:2007-06-14)
参考文献数
11
被引用文献数
1

睡眠障害はQOLを障害する大きな問題であり,その重要性が認識されるようになってきた.本稿では不眠症,過眠症,概日リズム睡眠障害,睡眠随伴症について,頻度の高い疾患をとりあげ,その症状と病態,さらに非薬物療法を含めた治療の現況を概説する.また最近進展している睡眠科学の知識に基づき,新規の睡眠覚醒調節に関わる分子や経路を標的とする,新たな薬物療法開発の可能性について紹介する.
著者
高口 倖暉
出版者
千葉大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2020-09-11

当研究室が所有する実験住宅を活用し、室内の総揮発性有機化合物(TVOC)の挙動と温湿度や気流、浮遊粒子を同時に多点でリアルタイム測定することで化学物質の分布に寄与する環境要因を解明する。VOCs各成分の分布を調査し、化学物質の室内挙動に起因する物理化学特性(分子量・蒸気圧・密度・分配係数など)を特定する。得られた実測データを基に、計算流体力学を用いて高精度の化学物質の室内分布の予測モデルを構築する。本研究の成果は室内空気中化学物質について基礎的な知見を得ると共に、子どもや化学物質に敏感な人を対象にした化学物質を制御し、滞留させない「シックハウス症候群・アレルギー疾患」の予防システムを提案する。
著者
霜田 政美 上和田 秀美 木口 憲爾
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.289-294, 1994-11-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
19
被引用文献数
5 6

甘藷の食葉性害虫であるエビガラスズメを実験昆虫化する目的で野外より導入し,人工飼料を用いて約3年間の累代飼育を行った。その飼育個体群について,個体飼育および集団飼育における発育過程の概要とその特徴を明らかにした。27°C, 16L-8Dの光周期条件下では孵化後12∼14日で5齢幼虫に脱皮,21∼26日で蛹化,36∼41日で羽化した。5齢幼虫は最大で体重11∼12g,体長8cmに達した。幼虫脱皮,蛹化,羽化いずれにも日周性が認められ,それぞれの発育ステージに固有の時間帯に脱皮した。また,欧米で実験昆虫として多用されているタバコスズメガと比較し,本種がタバコスズメガとほぼ同様の経過で発育することを明らかにした。本種は安定した通年累代飼育が可能で,今後タバコスズメガに匹敵する実験昆虫として幅広い利用が期待される。
著者
須山 聡
出版者
地理空間学会
雑誌
地理空間 (ISSN:18829872)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.3-20, 2018 (Released:2019-04-01)
参考文献数
13

本論は,奄美大島における世界自然遺産登録に向けたさまざまな取り組みをたどることにより,奄美大島の人びとにとって世界自然遺産が持つ意味を,地域間の関係性に即して明らかにすることを目的とする。奄美の世界自然遺産登録運動は,地域の活性化,観光の振興,奄振の延長・継続を具体的な狙いとしていたが,その本質は内地に奄美の存在を認めさせることであった。世界遺産の理念とは相容れない地域的なエゴイズムが,運動を進める推進力となった。そのため,顕著な普遍的価値という,世界遺産の理念は奄美では正当に理解されることなく,「言葉の受容」にとどまった。その背景には,国家を上回る権威と結びつくことにより,日本本土を奄美に振り向かせるという奄美の戦略があった。世界自然遺産は,日本に奄美を認めさせるための道具として機能した。